独占欲強めな俺様CEOの子どもを極秘で出産しました

後日談 俺様CEOと社内で××したのは極秘です

５※

「さあ、戻ろうか」

　抱き寄せようとしてくる総悟の手を振り払うと、総悟から一歩下がって桃花は着いていく。
　社長室の扉を開く。正面にある時計を見れば、十一時五分だ。
　そういえば、桃花には気ががかりなことがあった。

（たまたまかしら？　本当は午後の予定だった会議が全部午前中に変更になったから、午後の予定が空いたのよね）

　だから、午後からのスケジュールには割と余裕がある。
　やらないといけない業務は残ってはいるとはいえ、なんとなく桃花が違和感を覚えていると……

「桃花ちゃん」

　扉がパタンと音を立てて閉まった瞬間、総悟が振り向いたかと思えば壁に片手を付いて、桃花の進行を防ぐように立ちはだかった。
　ガチャリ。
　彼のもう片方の手が部屋の鍵を閉める。

（壁ドンされた上に、鍵まで閉められてしまったわね）

　桃花がそう認識した時には、彼女の顎に総悟の指が伸びてきていた。
　桃花は扉を背に総悟に追い詰められてしまって逃げ場を失くしたため、困惑した表情を浮かべながら問いかける。

「社長、どうなさったんですか？　……ん……」

　桃花の頬に両手が添えられたかと思うと、突然唇を奪われてしまう。
　これまでも仕事中にたまにこんなことがなかったわけではないが、基本的にはない。
　だというのに、一体全体どうしたというのだろうか。
　唇が離れた瞬間、桃花は総悟に抗議する。

「待ってください」

「待たない」

　再度唇を奪われる。
　桃花の小さな口の中に、総悟の分厚い舌がねじ込まれた。

「ふあっ……んうっ……」

　息つく暇もないぐらい角度を変えられ深いキスを施される。
　普段よりも激しく荒ぶる獣のように口づけられながら、彼の手がスーツ越しに背を何度も擦った後、スーツの内側へと侵入してきてシャツ越しに撫でられる。
　桃花の息がどんどん上がっていくと同時にゾクゾクした感覚が駆け上がっていく。

「あ……はあ……ん……」

「ああ、桃花ちゃん、もっとそういう欲しがりな顔を俺に見せてよ」

「欲しがり……!?」

　総悟がクスリを笑んだかと思うと、桃花の首に巻いていた花柄のスカーフをしゅるりと取り去った。

「こんな風に俺のものだって証を隠さなくたって良いのに」

「そんな真似はできませんっ……ひゃっ……」
　
　総悟の唇が首筋を這い始めると、彼の指が彼女のスーツのボタンとシャツの釦を外し始しながら膝立ちになっていった。
　桃色のレースの下着で覆われた乳房がふるりと露わになる。

「ああ、桃花ちゃん、可愛いね」

　総悟が目の下を朱に染めながら、とろりとした瞳で桃花と乳房を見上げてくる。