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本編
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「そういやあ、牛口、その女、お前が結婚詐欺のカモにしてたやつじゃねえか?」
「ああ、そうなんですよ、騙しがいがあったっていうのに……真面目な女ほど、こういう恋愛商法みたいなのにハマりやすいからですね。見た目はかなり綺麗だし。ちょうど良かったから、結婚チラつかせて遊んだ後に捨てようと思ってたら、ホテルの前で引っ張ろうとしたら半泣きになって……処女は面倒だなって」
ここにきて新事実発覚。
結婚詐欺……!?
聞き捨てならない言葉を耳にしてしまった。
もはや悲しいという感情よりも、人のことを馬鹿にしすぎじゃない? 本当になんでこんなやつと結婚しようと思ったんだろう?
昨日大牙くんに向かって生徒のことを外見だけで判断しないって話したばっかりなのに、相当結婚しなきゃって焦りすぎて目がくらんでたとしか言いようがない。本当に自分ってバカだなって思う。
私の方を見てきた牛口先生が嫌そうな顔をしながら告げる。
「ああ、とはいえ処女だと思っていたが、この数日の間で、あの龍ヶ崎とかいう新任教師と身体の関係になっていたら話は別か……忌々しい男だ。あいつさえ学校に来てなかったら、もっとこの俺に女子高校生が靡いて売り物になったっていうのに……若い女は高く売れるのに邪魔しやがって……」
思わず眉を顰めてしまった。
まだ成人もしていない女の子を恋させて売り物にするだなんて、どんな思考の持ち主なの!?
今流行のサイコパスってやつ……!?
いいえ、そんなの関係ない!
ヤクザじゃなくて教師のはずなのに、反社会的な行動をとって!!
そこでプチンと腹が立ってしまった。
「大牙くんは関係ないでしょう!? 牛口先生! まだこれから先未来のある若い女の子の心を弄んで傷つけて!! 警察に出頭してもらいますから!!」
牛口先生が私を見て嘲笑を浮かべてくる。
「兎羽先生、ここがどういう場所か知ってて発言してるのか?」
「そんなの関係ありません!!」
自分でもびっくりするぐらいの大声が出てきた。
「龍ヶ崎……? 大牙……?」
目の前にいる組長さんの顔色が変わった気がしたんだけど、気のせい?
でもそんなところに目を向けてる場合じゃない。
「ああ、そうだ。せっかくだし、俺と仲良くしてくれたら見逃してもらうように――」
牛口先生が私の腕を掴んでこようとした、その時――
バン!!
ものすごいド派手な音が背後から響いた。
あまりの破裂音にびくりと体が跳ね上がる。
何――!?
「ああ、そうなんですよ、騙しがいがあったっていうのに……真面目な女ほど、こういう恋愛商法みたいなのにハマりやすいからですね。見た目はかなり綺麗だし。ちょうど良かったから、結婚チラつかせて遊んだ後に捨てようと思ってたら、ホテルの前で引っ張ろうとしたら半泣きになって……処女は面倒だなって」
ここにきて新事実発覚。
結婚詐欺……!?
聞き捨てならない言葉を耳にしてしまった。
もはや悲しいという感情よりも、人のことを馬鹿にしすぎじゃない? 本当になんでこんなやつと結婚しようと思ったんだろう?
昨日大牙くんに向かって生徒のことを外見だけで判断しないって話したばっかりなのに、相当結婚しなきゃって焦りすぎて目がくらんでたとしか言いようがない。本当に自分ってバカだなって思う。
私の方を見てきた牛口先生が嫌そうな顔をしながら告げる。
「ああ、とはいえ処女だと思っていたが、この数日の間で、あの龍ヶ崎とかいう新任教師と身体の関係になっていたら話は別か……忌々しい男だ。あいつさえ学校に来てなかったら、もっとこの俺に女子高校生が靡いて売り物になったっていうのに……若い女は高く売れるのに邪魔しやがって……」
思わず眉を顰めてしまった。
まだ成人もしていない女の子を恋させて売り物にするだなんて、どんな思考の持ち主なの!?
今流行のサイコパスってやつ……!?
いいえ、そんなの関係ない!
ヤクザじゃなくて教師のはずなのに、反社会的な行動をとって!!
そこでプチンと腹が立ってしまった。
「大牙くんは関係ないでしょう!? 牛口先生! まだこれから先未来のある若い女の子の心を弄んで傷つけて!! 警察に出頭してもらいますから!!」
牛口先生が私を見て嘲笑を浮かべてくる。
「兎羽先生、ここがどういう場所か知ってて発言してるのか?」
「そんなの関係ありません!!」
自分でもびっくりするぐらいの大声が出てきた。
「龍ヶ崎……? 大牙……?」
目の前にいる組長さんの顔色が変わった気がしたんだけど、気のせい?
でもそんなところに目を向けてる場合じゃない。
「ああ、そうだ。せっかくだし、俺と仲良くしてくれたら見逃してもらうように――」
牛口先生が私の腕を掴んでこようとした、その時――
バン!!
ものすごいド派手な音が背後から響いた。
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何――!?
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