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一年の授業が座学よりも実践が多いのは、教えたところでこいつらにはまだ早いと思っているからか、オリエンテーションがてら、貴族のムダに高いプライドをへし折るためか、ハードなものが多い。
演習場で早速行われたS・Aクラス合同の授業は、剣術あり、魔法あり、使い魔あり、いわゆる何でもありの勝ち抜き戦。
魔法は詠唱が必要なため、どちらかというと剣術の方が優位だと言われている。
「本日は勝ち抜き戦を行います、対戦表はこちらで決めてあるから、名を呼ばれたら前へ出てきなさい」
教師の一声に、名を呼ばれていないクラスメイトたちは、仲の良い者同士で固まり、端へと寄った。
当然、ノアとダリウス、カッシェとビィクトルは、演習場の端で集まる。レノは視線でこちらに来たそうにしていたが、第3王子のそばにいるようだ。
「総当たり戦じゃなくてよかったね」
「そーなら棄権する」
楽しそうに笑って意地悪そうに口角をあげたノアに、カッシェはいじけたように唇をすぼめ突き出す。
「ノアは魔法か?」
ダリウスは腰に下げていた長剣を、鞘から抜くと剣を地面に立てた。
「安全のために双剣だね」
ノアは両腰に下げている25cmと短い双剣を片方抜くと、くるくると手で器用に回す。刃渡りは15cmと対人戦に向いてなさそうな双剣は、周りを見てもノア一人だけのようだ。
「誰の安全だよ」
「ビィクトルと当たることがあれば、魔法にしてあげるね」
ビィクトルが呆れたようにノアの肩を叩くと、ノアはますます意地悪そうな笑みを深めた。
「冗談でも遠慮する」
慌てたように拒否するビィクトルの言葉を遮るように、演習場の真ん中で大剣を地面へ叩きつけたレノは、相手の第3王子を気絶させ勝利を収めていた。
いつのまにやら試合は、始まっていたようだ。
第3王子側の事情と、教師陣の事情を汲み取って、手加減せず圧倒的な力量差でねじ伏せる。
「ダリウス・ニールセン、ノアール・ヴェンディエール、前へ!」
ダリウスは地面に突き立ててある長剣を引っこ抜き、準備万端とばかりに前へと進み出る。
「しかたない、行ってくる」
ノアは手に持っていた双剣を腰に戻すと、ダリウスの後を追った。
ダリウスとノアが呼ばれ俄かに騒然となったが、「どーせ手加減するんでしょ」という声に、場内は水を打ったように静かになった。朝、レノに詰められたのを忘れているようだ。
「手加減してほしい?」
ノアは声の主を冷たい視線で捉え、目を細めて鼻で笑うと、ダリウスの方に振る。すでに声の主、アダムには興味を失ったのか、小悪魔的な笑みをダリウスにむけた。
「それでも勝てないよ」
「僕から10秒攻撃無しでどう?」
「よし、乗った!」
お手上げとばかりに両手を上げてため息を付いていたが、ノアの提案に手のひらを返しやる気満々で、剣を構える。
「はじめ!」
審判の教師が手を挙げると、ダリウスは腰を落とし間合いを詰めるように走り出し、ノアの顔の横めがけて剣を振り上げた。
ノアの顔をかすめるように剣が軌道を描くと、ノアは皮一枚のところで避けその反動を利用して、ダリウスの腹を蹴り上げ後方へふっ飛ばした。
「カウンター入っちゃった、ごめんね」
ふっ飛ばされたダリウスは、すぐさま起き上がると宙へ剣を放り投げ、足の甲でタイミングよく柄を蹴りノアの方へと剣を飛ばす。
ノアは飛んできた剣を、体を後方に回転させて足で叩き落したが、そこにはすでにダリウスが移動してきており、脇腹へと打撃を食らった。
「っ!」
痛みで息を呑むノアは、打撃の痛みを逃がすように短く息を何度か吸い込む。ノアは呼吸が整うと態勢を整え攻撃をしようとするダリウスの前で軽くジャンプし、頭を蹴り横へとふっとばした。
頭への打撃をかろうじて腕で防御したダリウスは、ふらつく身体を支えるがノアの脚力の威力は十分に伝わっているようだった。
「体術苦手~」
足元にあるダリウスの長剣を足で引っ掛けて持ち上げ、ダリウスの方へと投げる。ダリウスが受け取るのと同時にノアは脇から双剣を取り出し、ダリウスの方へジャンプし上段から、連撃を繰り出す。連撃を長剣で避けるダリウスだったが、避けきれない攻撃が傷を広げ片膝を付く。
「止め!ノアール・ヴェンディエール」
審判の教師が手を挙げ、試合終了の合図が響く。ノアは双剣を脇へと戻し、ダリウスと共に元いた場所へと戻っていった。
外野は野次を飛ばす者も、さざめく者もおらず、二人の試合に魅入っているようだった。
「ノア、ダリウス、おつかれ」
カッシェが声をかけつつ、ノアとダリウスを抱きしめ、小声で回復を掛ける。
「カッシェありがと」
「対人戦と魔獣戦では勝手が違うな、標的が小さすぎる」
カッシェに抱きつかれながら、ダリウスは握りこぶしを握って感触を確かめた。
「次はグリフィンの相手をする?」
「遠慮する」
小さすぎると言われたノアは、こめかみに青筋を立て冷たく言い放つと、脇腹へ軽い一発をお見舞いする。
憎まれ口を叩きながら、二人はカッシェとともに、次試合に出ているビィクトルを見守るが、ものの数分で決着がつき、次々と試合は進んでいった。
折り返しの中堅戦で当たったレノとビィクトルは、圧倒的大差でレノの勝利で勝敗が決した。
クラス対抗の様相を呈した勝ち抜き戦ラストは、ノアとレノが残ることとなった。
演習場で早速行われたS・Aクラス合同の授業は、剣術あり、魔法あり、使い魔あり、いわゆる何でもありの勝ち抜き戦。
魔法は詠唱が必要なため、どちらかというと剣術の方が優位だと言われている。
「本日は勝ち抜き戦を行います、対戦表はこちらで決めてあるから、名を呼ばれたら前へ出てきなさい」
教師の一声に、名を呼ばれていないクラスメイトたちは、仲の良い者同士で固まり、端へと寄った。
当然、ノアとダリウス、カッシェとビィクトルは、演習場の端で集まる。レノは視線でこちらに来たそうにしていたが、第3王子のそばにいるようだ。
「総当たり戦じゃなくてよかったね」
「そーなら棄権する」
楽しそうに笑って意地悪そうに口角をあげたノアに、カッシェはいじけたように唇をすぼめ突き出す。
「ノアは魔法か?」
ダリウスは腰に下げていた長剣を、鞘から抜くと剣を地面に立てた。
「安全のために双剣だね」
ノアは両腰に下げている25cmと短い双剣を片方抜くと、くるくると手で器用に回す。刃渡りは15cmと対人戦に向いてなさそうな双剣は、周りを見てもノア一人だけのようだ。
「誰の安全だよ」
「ビィクトルと当たることがあれば、魔法にしてあげるね」
ビィクトルが呆れたようにノアの肩を叩くと、ノアはますます意地悪そうな笑みを深めた。
「冗談でも遠慮する」
慌てたように拒否するビィクトルの言葉を遮るように、演習場の真ん中で大剣を地面へ叩きつけたレノは、相手の第3王子を気絶させ勝利を収めていた。
いつのまにやら試合は、始まっていたようだ。
第3王子側の事情と、教師陣の事情を汲み取って、手加減せず圧倒的な力量差でねじ伏せる。
「ダリウス・ニールセン、ノアール・ヴェンディエール、前へ!」
ダリウスは地面に突き立ててある長剣を引っこ抜き、準備万端とばかりに前へと進み出る。
「しかたない、行ってくる」
ノアは手に持っていた双剣を腰に戻すと、ダリウスの後を追った。
ダリウスとノアが呼ばれ俄かに騒然となったが、「どーせ手加減するんでしょ」という声に、場内は水を打ったように静かになった。朝、レノに詰められたのを忘れているようだ。
「手加減してほしい?」
ノアは声の主を冷たい視線で捉え、目を細めて鼻で笑うと、ダリウスの方に振る。すでに声の主、アダムには興味を失ったのか、小悪魔的な笑みをダリウスにむけた。
「それでも勝てないよ」
「僕から10秒攻撃無しでどう?」
「よし、乗った!」
お手上げとばかりに両手を上げてため息を付いていたが、ノアの提案に手のひらを返しやる気満々で、剣を構える。
「はじめ!」
審判の教師が手を挙げると、ダリウスは腰を落とし間合いを詰めるように走り出し、ノアの顔の横めがけて剣を振り上げた。
ノアの顔をかすめるように剣が軌道を描くと、ノアは皮一枚のところで避けその反動を利用して、ダリウスの腹を蹴り上げ後方へふっ飛ばした。
「カウンター入っちゃった、ごめんね」
ふっ飛ばされたダリウスは、すぐさま起き上がると宙へ剣を放り投げ、足の甲でタイミングよく柄を蹴りノアの方へと剣を飛ばす。
ノアは飛んできた剣を、体を後方に回転させて足で叩き落したが、そこにはすでにダリウスが移動してきており、脇腹へと打撃を食らった。
「っ!」
痛みで息を呑むノアは、打撃の痛みを逃がすように短く息を何度か吸い込む。ノアは呼吸が整うと態勢を整え攻撃をしようとするダリウスの前で軽くジャンプし、頭を蹴り横へとふっとばした。
頭への打撃をかろうじて腕で防御したダリウスは、ふらつく身体を支えるがノアの脚力の威力は十分に伝わっているようだった。
「体術苦手~」
足元にあるダリウスの長剣を足で引っ掛けて持ち上げ、ダリウスの方へと投げる。ダリウスが受け取るのと同時にノアは脇から双剣を取り出し、ダリウスの方へジャンプし上段から、連撃を繰り出す。連撃を長剣で避けるダリウスだったが、避けきれない攻撃が傷を広げ片膝を付く。
「止め!ノアール・ヴェンディエール」
審判の教師が手を挙げ、試合終了の合図が響く。ノアは双剣を脇へと戻し、ダリウスと共に元いた場所へと戻っていった。
外野は野次を飛ばす者も、さざめく者もおらず、二人の試合に魅入っているようだった。
「ノア、ダリウス、おつかれ」
カッシェが声をかけつつ、ノアとダリウスを抱きしめ、小声で回復を掛ける。
「カッシェありがと」
「対人戦と魔獣戦では勝手が違うな、標的が小さすぎる」
カッシェに抱きつかれながら、ダリウスは握りこぶしを握って感触を確かめた。
「次はグリフィンの相手をする?」
「遠慮する」
小さすぎると言われたノアは、こめかみに青筋を立て冷たく言い放つと、脇腹へ軽い一発をお見舞いする。
憎まれ口を叩きながら、二人はカッシェとともに、次試合に出ているビィクトルを見守るが、ものの数分で決着がつき、次々と試合は進んでいった。
折り返しの中堅戦で当たったレノとビィクトルは、圧倒的大差でレノの勝利で勝敗が決した。
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