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第一章 ユキ
不穏
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また日が経ちテストが返却された。
全体順位は25位だった。・・・快挙だった。
全部平均より上をとれたし、上から数えた方が早い順位だ。信じられない。
そして、浅野は相変わらず1位だった。
「浅野のおかげで順位が上がった。お礼に何か奢る」
僕がこういうと何故かコンビニにいくことになった。
浅野がカゴに入れていくのはプリンやケーキ、シュークリーム、エクレア等甘い物ばかりだ。
そしてジュースまで甘い。そして大好物のココア。
「こんなことでいいのか?」
僕は尋ねると
「うん。俺にとっては凄く大事。あ、貴之くんの好きなトッポも入れておいてくれていいよ」
・・・特に好きではないんだけどな。
一応、トッポも入れておいた。
適当にお菓子を浅野がぽいぽいと入れるせいで、カゴからお菓子が落ちた。
そのチョコレートの袋を浅野に負けず劣らず派手な外見の人の足元に転がった。
骨張った大きな手に高い身長。髪は暗めの赤い髪。
・・・こうして浅野と比べると浅野なんて可愛いものかもしれない。
ガタイもいいし、迫力が違う。
浅野は陽気だが、この人は雰囲気が違う。
もしかしたら怖い人の可能性もある。
彼はそれを拾うと僕のほうを見た。
何を言われるのかと僕は無意識に身をひいていた。
「あそこの馬鹿に投げるなって言っとけ」
・・・見た目と違い、言うことは常識的だった。
「ごめん、言っておくよ。拾ってくれてありがとう」
受け取って素直に頷くと彼が言葉を投げてくる。
「・・・澤木、浅野とも他校の生徒とも関わらない方がいい」
遠くで雑誌コーナーにいる浅野を見て、彼が低い声で僕に告げる。
「え。どうして名前・・・」
言われたことにも驚いたが名前を知ってることにも驚いた。
「同じ学校だろ」
彼は僕のカゴに菓子を入れた。早足でコンビニを出て行く。
彼は僕の存在を知っていたようだ。
あんな派手な人いたかな。僕の記憶の中に彼の姿はなかった。
でも、どうしてあんなことを言ったんだろう。
・・・しばらく前の僕はそうだった。誰にも関わらずに静かに時を過ごしてきた。
・・・全て、心が現われてから生活が変わっていった。
それが悪いことだとは思わなかった。
今までいた世界がモノクロだった世界が急速に色づくように変わっていった。
「貴之―どうしたの?」
僕の肩に浅野が頭を乗せてくる。
「・・・投げるなって言ってたよ」
「ん?ああ、ごめんごめん」
浅野が全然反省してない声色で笑う。
「そんなことよりさ、俺の家でお疲れ会しよー?」
・・・。いつのまにか浅野の家まで来ていた。
部屋は三階。見た目は灰色でところどころ黒ずんでいる。築何年なのか不明だが、古そうだ。
鉄筋コンクリートのマンションだった。
エレベーターすらなくて、上までも階段だった。
部屋の中は案外きれいでそこまで古さを感じない。
足を踏み入れて真っ先に思ったこと。それはやけにがらんとした部屋だということだった。
置かれている家具も最低限だ。
人が住んでいるって感じが全くしない。
生活感のない部屋だった。
必要最低限の電化製品、無造作に置かれた服。
家族と住んでるようには見えない。
「・・・お邪魔します。」
言われるがままに部屋に上がり抱いた感情はそれだった。
冷蔵庫の中ものぞいてみたが空っぽだった。
「浅野は、ここで生活できているのか?」
僕は冷蔵庫を閉めると浅野に問いかける。
「俺、家には滅多に帰らないからねーそういえば久しぶりかも。
ただいま、我が家―」
コップを戸棚から出しながら浅野は言う。
ローテーブルのところにお菓子とジュースを僕は並べた。
浅野はジュースを注ぐとほいと僕に手渡した。そしてシュークリームを頬張りはじめる。
「女の子が泊めてくれたりしてさ。それで一緒にそのまま寝たり」
「!?」
僕はむせた。
「貴之くん、何想像したの?やらしー」
「べ、べつに僕は何も」
「言ってみてよ、どんな想像したの?」
浅野は隣にくるとぐいぐいと僕の肩を押してきた。
「してない!からかうなっ」
僕は浅野の攻撃から逃れるため、ベッドに移動してそこに腰掛けるとジュースを飲んだ。
「貴之はさ、心ちゃんのことが好きなの?」
今度はジュースを吹き出しそうになった。
「健気に心ちゃんに勉強を教える為だけに俺に教えてくれって頼みこんでさ。
授業も真面目に受けて。ただの真面目ちゃんになっちゃってさ」
「・・・心は特別だ」
僕が答えると浅野は目を細めた。
「ふーん・・・だったら俺も貴之が特別だよ」
僕は瞬きをした。
特別?言われたことがない言葉に戸惑いを覚える。
浅野は真っ直ぐにこちらを見ていた。
その視線を受け止めきれず目を逸らしそうになる。
浅野が立ち上がる気配がした。
僕の両側に手をついて覆い被さってくる、僕は身を引いた。
なんだ、この状況。混乱して頭がついていかない。
「貴之の心ちゃんに対する特別は、多分好きなんだろうけど。
俺は違うよ。俺はきっと___」
指が僕の唇に触れた。ゆっくりと優しくなぞられる。
彼の目には驚いた僕が移っている。息が顔にかかるぐらい近い。
なんだこれ・・・分からない。
僕は目を見開くばかりで身体が蜘蛛の巣にかかった獲物のように動けなかった。
「よし、じゃあ本格的に食べようか。おなかすいたし?」
急に浅野は微笑むと身体をどけた。何事もなかったかのような笑みを浮かべ僕にお菓子を手渡してくる。
「おーい?貴之くーーん??」
目の前で手をひらひらされて僕はやっと頷いた。
それからは上の空だった。さっきの異様な空気はなんだったのか訳が分からないし、
浅野の行動も意味不明だ。理解不能だ。
頭を平手でぱこんと叩かれた。
「さっきのは冗談だよ。何真に受けちゃってるの?」
浅野が僕の髪をわしゃわしゃしてきた。
髪をぐしゃぐしゃにされて視界が見えなくなる。僕は頭に血が上って抗議した。
「浅野!ふ、ふざけるにも度がすぎてる!その手の冗談は通じないってこの前言っただろ」
「あーはいはい。落ちついて」
浅野は僕の手を取ると指を絡めてウィンクしてくる。
「トッポあげるから機嫌直して」
「だ、か、ら、や、め、ろ!」
僕は手を振り払った。
家に辿り着くと真っ先に自分の部屋に行く。
頭まで布団を被った。
心も変だけど、最近は浅野も変だ。
妙な言動に過度なスキンシップ。
一体全体どうしたって言うんだ。僕はもうキャパオーバーだ。
布団の中で呻く。
浅野、僕に依存してるって特別ってなんなんだ。
速水の言葉が頭の中でガンガンと響く。
浅野とも、他校の生徒とも関わらない方がいい。
どうして?やっと暗闇から抜け出せたのに。
教えてくれ。どうして駄目なんだ。
結果、次の日は寝不足で登校した。
「あれ、どうしたの、そのクマ」
下駄箱で浅野に声を掛けられた。
おまえのせいだ。僕は心の中で言った。
無言で靴を変えると教室に向かう。
腹が立つほど浅野はいつも通りだった。
いつものように話しかけてきて笑っている。
昨日のことが幻のようだ。
・・・浅野は顔もハーフっぽいし、ちょっと外人なみのスキンシップしてても違和感はない。
多分・・・きっと。僕の考えすぎだ。
僕は自分に言い聞かせた。
全体順位は25位だった。・・・快挙だった。
全部平均より上をとれたし、上から数えた方が早い順位だ。信じられない。
そして、浅野は相変わらず1位だった。
「浅野のおかげで順位が上がった。お礼に何か奢る」
僕がこういうと何故かコンビニにいくことになった。
浅野がカゴに入れていくのはプリンやケーキ、シュークリーム、エクレア等甘い物ばかりだ。
そしてジュースまで甘い。そして大好物のココア。
「こんなことでいいのか?」
僕は尋ねると
「うん。俺にとっては凄く大事。あ、貴之くんの好きなトッポも入れておいてくれていいよ」
・・・特に好きではないんだけどな。
一応、トッポも入れておいた。
適当にお菓子を浅野がぽいぽいと入れるせいで、カゴからお菓子が落ちた。
そのチョコレートの袋を浅野に負けず劣らず派手な外見の人の足元に転がった。
骨張った大きな手に高い身長。髪は暗めの赤い髪。
・・・こうして浅野と比べると浅野なんて可愛いものかもしれない。
ガタイもいいし、迫力が違う。
浅野は陽気だが、この人は雰囲気が違う。
もしかしたら怖い人の可能性もある。
彼はそれを拾うと僕のほうを見た。
何を言われるのかと僕は無意識に身をひいていた。
「あそこの馬鹿に投げるなって言っとけ」
・・・見た目と違い、言うことは常識的だった。
「ごめん、言っておくよ。拾ってくれてありがとう」
受け取って素直に頷くと彼が言葉を投げてくる。
「・・・澤木、浅野とも他校の生徒とも関わらない方がいい」
遠くで雑誌コーナーにいる浅野を見て、彼が低い声で僕に告げる。
「え。どうして名前・・・」
言われたことにも驚いたが名前を知ってることにも驚いた。
「同じ学校だろ」
彼は僕のカゴに菓子を入れた。早足でコンビニを出て行く。
彼は僕の存在を知っていたようだ。
あんな派手な人いたかな。僕の記憶の中に彼の姿はなかった。
でも、どうしてあんなことを言ったんだろう。
・・・しばらく前の僕はそうだった。誰にも関わらずに静かに時を過ごしてきた。
・・・全て、心が現われてから生活が変わっていった。
それが悪いことだとは思わなかった。
今までいた世界がモノクロだった世界が急速に色づくように変わっていった。
「貴之―どうしたの?」
僕の肩に浅野が頭を乗せてくる。
「・・・投げるなって言ってたよ」
「ん?ああ、ごめんごめん」
浅野が全然反省してない声色で笑う。
「そんなことよりさ、俺の家でお疲れ会しよー?」
・・・。いつのまにか浅野の家まで来ていた。
部屋は三階。見た目は灰色でところどころ黒ずんでいる。築何年なのか不明だが、古そうだ。
鉄筋コンクリートのマンションだった。
エレベーターすらなくて、上までも階段だった。
部屋の中は案外きれいでそこまで古さを感じない。
足を踏み入れて真っ先に思ったこと。それはやけにがらんとした部屋だということだった。
置かれている家具も最低限だ。
人が住んでいるって感じが全くしない。
生活感のない部屋だった。
必要最低限の電化製品、無造作に置かれた服。
家族と住んでるようには見えない。
「・・・お邪魔します。」
言われるがままに部屋に上がり抱いた感情はそれだった。
冷蔵庫の中ものぞいてみたが空っぽだった。
「浅野は、ここで生活できているのか?」
僕は冷蔵庫を閉めると浅野に問いかける。
「俺、家には滅多に帰らないからねーそういえば久しぶりかも。
ただいま、我が家―」
コップを戸棚から出しながら浅野は言う。
ローテーブルのところにお菓子とジュースを僕は並べた。
浅野はジュースを注ぐとほいと僕に手渡した。そしてシュークリームを頬張りはじめる。
「女の子が泊めてくれたりしてさ。それで一緒にそのまま寝たり」
「!?」
僕はむせた。
「貴之くん、何想像したの?やらしー」
「べ、べつに僕は何も」
「言ってみてよ、どんな想像したの?」
浅野は隣にくるとぐいぐいと僕の肩を押してきた。
「してない!からかうなっ」
僕は浅野の攻撃から逃れるため、ベッドに移動してそこに腰掛けるとジュースを飲んだ。
「貴之はさ、心ちゃんのことが好きなの?」
今度はジュースを吹き出しそうになった。
「健気に心ちゃんに勉強を教える為だけに俺に教えてくれって頼みこんでさ。
授業も真面目に受けて。ただの真面目ちゃんになっちゃってさ」
「・・・心は特別だ」
僕が答えると浅野は目を細めた。
「ふーん・・・だったら俺も貴之が特別だよ」
僕は瞬きをした。
特別?言われたことがない言葉に戸惑いを覚える。
浅野は真っ直ぐにこちらを見ていた。
その視線を受け止めきれず目を逸らしそうになる。
浅野が立ち上がる気配がした。
僕の両側に手をついて覆い被さってくる、僕は身を引いた。
なんだ、この状況。混乱して頭がついていかない。
「貴之の心ちゃんに対する特別は、多分好きなんだろうけど。
俺は違うよ。俺はきっと___」
指が僕の唇に触れた。ゆっくりと優しくなぞられる。
彼の目には驚いた僕が移っている。息が顔にかかるぐらい近い。
なんだこれ・・・分からない。
僕は目を見開くばかりで身体が蜘蛛の巣にかかった獲物のように動けなかった。
「よし、じゃあ本格的に食べようか。おなかすいたし?」
急に浅野は微笑むと身体をどけた。何事もなかったかのような笑みを浮かべ僕にお菓子を手渡してくる。
「おーい?貴之くーーん??」
目の前で手をひらひらされて僕はやっと頷いた。
それからは上の空だった。さっきの異様な空気はなんだったのか訳が分からないし、
浅野の行動も意味不明だ。理解不能だ。
頭を平手でぱこんと叩かれた。
「さっきのは冗談だよ。何真に受けちゃってるの?」
浅野が僕の髪をわしゃわしゃしてきた。
髪をぐしゃぐしゃにされて視界が見えなくなる。僕は頭に血が上って抗議した。
「浅野!ふ、ふざけるにも度がすぎてる!その手の冗談は通じないってこの前言っただろ」
「あーはいはい。落ちついて」
浅野は僕の手を取ると指を絡めてウィンクしてくる。
「トッポあげるから機嫌直して」
「だ、か、ら、や、め、ろ!」
僕は手を振り払った。
家に辿り着くと真っ先に自分の部屋に行く。
頭まで布団を被った。
心も変だけど、最近は浅野も変だ。
妙な言動に過度なスキンシップ。
一体全体どうしたって言うんだ。僕はもうキャパオーバーだ。
布団の中で呻く。
浅野、僕に依存してるって特別ってなんなんだ。
速水の言葉が頭の中でガンガンと響く。
浅野とも、他校の生徒とも関わらない方がいい。
どうして?やっと暗闇から抜け出せたのに。
教えてくれ。どうして駄目なんだ。
結果、次の日は寝不足で登校した。
「あれ、どうしたの、そのクマ」
下駄箱で浅野に声を掛けられた。
おまえのせいだ。僕は心の中で言った。
無言で靴を変えると教室に向かう。
腹が立つほど浅野はいつも通りだった。
いつものように話しかけてきて笑っている。
昨日のことが幻のようだ。
・・・浅野は顔もハーフっぽいし、ちょっと外人なみのスキンシップしてても違和感はない。
多分・・・きっと。僕の考えすぎだ。
僕は自分に言い聞かせた。
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