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~ 神崎 視点 ~
神父の仕事は朝と夕方のみ、特に土日や祝日の礼拝をする信者が来るだけで、
普段はIT企業の幹部として働いていた
今日は朝から、彼奴のせいで遅刻ギリギリになり、急いで仕事を始め、昼からは会議への出席
新しい企業アイディアを出し合ってる最中に、外から騒がしい声が聞こえ
注意をしに止めに出た者が固まったことで、俺達もまた疑問になり出れば、意味が理解出来なかった
角の生やしてない人間と変わらない姿で、悪魔は此処まで来て、それも警察官に拳銃を向けられてる始末だ
一瞬、状況の整理がつかないことに動揺していればこちらを向いた悪魔の瞳が赤く染まっていた事に嫌な予感がした
頭に響く警戒音と共に、全く感じなかったはずの魔力が急に肌を切るような痛みを走るぐらい、感じられた
だからこそ、自分の名を呼んでは自慢気にしていた悪魔の名を呼び止めた
その結果、悪魔の瞳の色は緑色に戻ったが一人の警官は泡を吹き倒れ
エレベーター内で三人が死亡してると耳に届く
「 神崎さん……これはどういう状態何でしょうか?我社で…三人も死んだなんて…… 」
「 俺にも……分からない…… 」
あの悪魔が殺したのか?
意味なんて有るかも分からないような、其々違う部署に所属してる連中を殺し、仕事に戻れないほどのマスコミが押し寄せ
警察は、事情聴取をしたり死体を確認していた
騒ぎの大きな一階に行けば、其処には数十人のスタッフが気を失い倒れていた
皆が同じ方向を向いたままだ
「 神崎…真琴さんですね。ちょっとお話をよろしいですか? 」
「 ……はい 」
悪魔は人の欲に漬け込み、己の欲を満たせば周りに大きな被害を出すことはないはずだ
それなのに、彼奴は手当り次第に被害者を出したのか
なんのつもりだ?
俺の身体では満足できず、生活までも壊していくのか
「 今回の三人の死亡者を調べた結果。此処最近…一週間前から道端で死んでいる人と似てるんですよね 」
「 それが…何か問題が……? 」
「 いえ、消えた男の名前らしきものを…貴方が呼んでたと聞いたんですよ。だから知ってるかな…と 」
最近、ニュースにも取り上げられていた
夜の店がある周辺の街で、男女問わず若い連中が倒れて死んでるとは
原因は行為最中の興奮による、心臓発作の突然死だとは言われていたが
それが立て続けに起こっていれば警察も真剣に捜査に入るだろう
知る限りでは一週間で41人が同じ状態で死亡し、今回を合わせて44人
いい数字とは言えないし、余りにも数が多い
「 もし知ってたとするなら、俺も命を狙われる立場だろう 」
「 どういう事ですか? 」
「 俺だけじゃない。アイツに顔を見られた連中……全員が…近い内に殺されるかもしれないってことだ 」
ポツリと呟いた言葉に、顔を見られた警察官や社員の顔色は青ざめた
「 だからせいぜい、調べるのも気をつけてろよ。アイツは…″ 悪魔 ″だ 」
銀の弾丸も効かないような悪魔に、人間が捜査して犯人を特定したとして捕まえられるかは分からない
ふっと笑った俺に刑事の顔色は悪くなった
「 そういうこと。なんか騒がしいから全員の記憶消しちゃおっか 」
「「 !!? 」」
俺ですら気付かない程に、肩に腕を組み現れた悪魔は、頬に触れ顔を向けた
「 だから、少し力をくれよ 」
「 っ…!! 」
人前だと殴ろうとした手は防がれ
唇が重なれば、身体の芯から力が抜けていく感覚がした
酷い貧血のような症状を感じ、クラっと膝から崩れそうになれば悪魔は片手で支え、魔力を使った
このビルにいる連中、マスコミ、連続死体の情報を見たり聞いたもの全ての連中からその記憶は抜け落ちた
まるで、そんな事件すら無かったように世界は元の動きを取り戻す
ぼんやりとした思考が徐々にハッキリとし、視線を上げれば刑事の姿もマスコミも居なくなった
あぁ、死体の情報が消えたからだ
「 これでいいだろ?ちょっとは、上級悪魔って認めてくれた? 」
「 はぁ…御前が勝手にしたことだろ。なんで戻ってきたんだ 」
「 何となく、オニーサンが困ってる匂いがしたから 」
「 犬かよ…… 」
いや、実際に困っていたか
コイツの事で署にでも連れて行かれ、仕事が出来なくなれば生活が出来なくなる
それを避けようと、適当に誤魔化して逃げようとしたが調べられたら今の刑事は賢く早い
そう思うと…手っ取り早く記憶を消した方が良いのか
「 記憶を消したんだ。褒めてくれていいんだぜ? 」
「 ったく……なんで今日は来ようと思った?彼処で待っていれば帰るのに… 」
「 オニーサンとヤッてるの思い出してムラムラしたから来た、またヤりたくて 」
「 ったく、今日はなしだ。問題を起こしやがって…反省しろ 」
「 えぇ……そんなぁ…… 」
性欲しか無い悪魔の言葉に少しでも期待したのが間違いだったな
騒ぎになれば嫌われると思ったのだろうか、どの道、悪魔なんぞ毛嫌いしてるから言葉は信用しないがな
だが……思い出してもう一度ヤりたいと思うぐらいには気に入ったのか
いや……気に入られても困るな
「 なんか、今日…変なことが起きなかった? 」
「 ん?何がだ 」
午後からは何事もなく仕事は元の流れで動き始めた
亡くなった三人は元々この世界に生まれてきて無かったように、誰も困ることも無ければ、記憶になく
俺一人が覚えている違和感は余り気分は良くない
仕事は仕事だと割り切って、終わらせて帰った時には既にテーブルに座って堂々と居座る悪魔を他所に、晩御飯が終わるまで宿題をしてる翔太は傾げた
「 だって、先生が殺人事件が相次いでるから気をつけろって話してたのに…なんか、急に話が変わってさ。その後は誰もその話をしなくなったから 」
翔太は何事も無く、悪魔の人型を受け入れてるが…
案外、受け入れやすい我が息子に俺自身が驚いている
「 あぁ…… 」
丁度、翔太の学校でもそんな話をしていたのか
なんて説明をするべきか悩みながら、オムレツを作りキチンライスの上に乗せ、次のを作るべく、バターをしき溶き卵を入れ空気を含ませフライパンを揺らす
「 オニーサン以外の記憶を消そうと思ったけど、血の繋がる君には効果なかったみたいだなぁ 」
「 えっ、どういうこと!?悪魔が何かしたの!? 」
「 知らなくていいことだ。下らん 」
サラッと答えた悪魔に余計な事を言うなと睨めば、彼は片膝を立てたまま翔太の方へと視線を向ける
「 だってさぁ。それなに…?面白い? 」
「 んー、つまんないかな。宿題……丁度いい!この計算教えてくれよ。割り算で…… 」
「 わりばし? 」
「 翔太、恐らくそいつは足し算も出来ないぞ 」
「 えぇ……ほんと? 」
悪魔が食うかは分からないし、客としても相手したくもないが、普段の癖からは一つ多めに作り
3つのオムライスが出来上がれば、テーブルに並べ1皿を悪夢の手元へと寄せた
オムライスから此方を見上げた彼は、無言で俺の方に皿を寄せ翔太の方を向く
「 人間の勉強は知らねぇな。でも、他の事ならイロイロ知ってるよ? 」
「 はっ、どうだか。子供の前だ、好き嫌いはするなよ 」
「 ………… 」
食べる物は恐らく検討が付いてるが、翔太に魂を食らうなんて教えたくは無い
嫌そうに視線を向けてきたのを見て、もう一度無言で訴えれば、諦めたように手元へと寄せた
「 鳥類の肉と卵。それに…作物が数種類か…… 」
匂いを嗅ぐような仕草と共にオムライスを見つめ、料理が出揃ったことに悟った翔太は一旦カバンに宿題を入れ、手を洗いに向かった
それを見て、何気無く問いかける
「 人間の食い物は、食ったことないか? 」
「 無いわけじゃない……。美味しいとも思わないから食わないだけ 」
「 じゃ、此処では。主食にするんだな 」
本当に嫌なのだろうな
目線を逸したのを見て、テーブルの横側の椅子に腰を下ろせば手を洗い終えた翔太は戻ってきた
「 それじゃ、いただきます! 」
「 いただきます 」
「 ……いただきます 」
両手を合わせた翔太に合わせて手を合わせ、真似て悪夢も軽くすれば俺達はスプーンを手に取ったのにもかかわらず、コイツは出来たてのオムライスを手で掴み、口へと運んだ
「 …………まぁ、悪くない 」
「 おま…スプーン使えよ 」
「 うん、スプーンあるよ? 」
「 ん?あぁ…別に必要ない。昔からこうやって食ってるから 」
いや、そういう事じゃ無いんだが…
南米の方では手で食べるのが周流だから、その地域に合わせて手を使うかも知れないが
此処は、箸やらカトラリーを日本の文化がある
手で食われると違和感あると見て思うが、時より指を赤い舌で舐めては、3本の指で摘みやすい程度に寄せては口へと運ぶ姿を見ると……
もう、好きにしろって思う
「 父さん…いいのか? 」
「 嗚呼、好きにさせてやれ 」
「 うん…わかった 」
皿も汚く食ってるわけじゃない、スプーンと同じように端から徐々に食べていく
スプーンを持ってないってだけだ
「 手は洗えよ、舐めて終えるな! 」
「 面倒くさいな…… 」
食い終わり指を舐めた程度で終えようとした為に、手洗い場に強制的に連れて行く
次から、食わせる前も手を洗わせる習慣をつけさせるか
「 服で拭くな!タオルを使え、後…風呂に入れ 」
「 オニーサン……マミーみたいだね 」
「 これでも一児の父親だからな。いいから、入ってこい 」
コイツには日本の常識と、日常的なことさえ教えなければいけないんだと知ったことに呆れ
今すぐ魔界に帰って欲しいと思った
神父の仕事は朝と夕方のみ、特に土日や祝日の礼拝をする信者が来るだけで、
普段はIT企業の幹部として働いていた
今日は朝から、彼奴のせいで遅刻ギリギリになり、急いで仕事を始め、昼からは会議への出席
新しい企業アイディアを出し合ってる最中に、外から騒がしい声が聞こえ
注意をしに止めに出た者が固まったことで、俺達もまた疑問になり出れば、意味が理解出来なかった
角の生やしてない人間と変わらない姿で、悪魔は此処まで来て、それも警察官に拳銃を向けられてる始末だ
一瞬、状況の整理がつかないことに動揺していればこちらを向いた悪魔の瞳が赤く染まっていた事に嫌な予感がした
頭に響く警戒音と共に、全く感じなかったはずの魔力が急に肌を切るような痛みを走るぐらい、感じられた
だからこそ、自分の名を呼んでは自慢気にしていた悪魔の名を呼び止めた
その結果、悪魔の瞳の色は緑色に戻ったが一人の警官は泡を吹き倒れ
エレベーター内で三人が死亡してると耳に届く
「 神崎さん……これはどういう状態何でしょうか?我社で…三人も死んだなんて…… 」
「 俺にも……分からない…… 」
あの悪魔が殺したのか?
意味なんて有るかも分からないような、其々違う部署に所属してる連中を殺し、仕事に戻れないほどのマスコミが押し寄せ
警察は、事情聴取をしたり死体を確認していた
騒ぎの大きな一階に行けば、其処には数十人のスタッフが気を失い倒れていた
皆が同じ方向を向いたままだ
「 神崎…真琴さんですね。ちょっとお話をよろしいですか? 」
「 ……はい 」
悪魔は人の欲に漬け込み、己の欲を満たせば周りに大きな被害を出すことはないはずだ
それなのに、彼奴は手当り次第に被害者を出したのか
なんのつもりだ?
俺の身体では満足できず、生活までも壊していくのか
「 今回の三人の死亡者を調べた結果。此処最近…一週間前から道端で死んでいる人と似てるんですよね 」
「 それが…何か問題が……? 」
「 いえ、消えた男の名前らしきものを…貴方が呼んでたと聞いたんですよ。だから知ってるかな…と 」
最近、ニュースにも取り上げられていた
夜の店がある周辺の街で、男女問わず若い連中が倒れて死んでるとは
原因は行為最中の興奮による、心臓発作の突然死だとは言われていたが
それが立て続けに起こっていれば警察も真剣に捜査に入るだろう
知る限りでは一週間で41人が同じ状態で死亡し、今回を合わせて44人
いい数字とは言えないし、余りにも数が多い
「 もし知ってたとするなら、俺も命を狙われる立場だろう 」
「 どういう事ですか? 」
「 俺だけじゃない。アイツに顔を見られた連中……全員が…近い内に殺されるかもしれないってことだ 」
ポツリと呟いた言葉に、顔を見られた警察官や社員の顔色は青ざめた
「 だからせいぜい、調べるのも気をつけてろよ。アイツは…″ 悪魔 ″だ 」
銀の弾丸も効かないような悪魔に、人間が捜査して犯人を特定したとして捕まえられるかは分からない
ふっと笑った俺に刑事の顔色は悪くなった
「 そういうこと。なんか騒がしいから全員の記憶消しちゃおっか 」
「「 !!? 」」
俺ですら気付かない程に、肩に腕を組み現れた悪魔は、頬に触れ顔を向けた
「 だから、少し力をくれよ 」
「 っ…!! 」
人前だと殴ろうとした手は防がれ
唇が重なれば、身体の芯から力が抜けていく感覚がした
酷い貧血のような症状を感じ、クラっと膝から崩れそうになれば悪魔は片手で支え、魔力を使った
このビルにいる連中、マスコミ、連続死体の情報を見たり聞いたもの全ての連中からその記憶は抜け落ちた
まるで、そんな事件すら無かったように世界は元の動きを取り戻す
ぼんやりとした思考が徐々にハッキリとし、視線を上げれば刑事の姿もマスコミも居なくなった
あぁ、死体の情報が消えたからだ
「 これでいいだろ?ちょっとは、上級悪魔って認めてくれた? 」
「 はぁ…御前が勝手にしたことだろ。なんで戻ってきたんだ 」
「 何となく、オニーサンが困ってる匂いがしたから 」
「 犬かよ…… 」
いや、実際に困っていたか
コイツの事で署にでも連れて行かれ、仕事が出来なくなれば生活が出来なくなる
それを避けようと、適当に誤魔化して逃げようとしたが調べられたら今の刑事は賢く早い
そう思うと…手っ取り早く記憶を消した方が良いのか
「 記憶を消したんだ。褒めてくれていいんだぜ? 」
「 ったく……なんで今日は来ようと思った?彼処で待っていれば帰るのに… 」
「 オニーサンとヤッてるの思い出してムラムラしたから来た、またヤりたくて 」
「 ったく、今日はなしだ。問題を起こしやがって…反省しろ 」
「 えぇ……そんなぁ…… 」
性欲しか無い悪魔の言葉に少しでも期待したのが間違いだったな
騒ぎになれば嫌われると思ったのだろうか、どの道、悪魔なんぞ毛嫌いしてるから言葉は信用しないがな
だが……思い出してもう一度ヤりたいと思うぐらいには気に入ったのか
いや……気に入られても困るな
「 なんか、今日…変なことが起きなかった? 」
「 ん?何がだ 」
午後からは何事もなく仕事は元の流れで動き始めた
亡くなった三人は元々この世界に生まれてきて無かったように、誰も困ることも無ければ、記憶になく
俺一人が覚えている違和感は余り気分は良くない
仕事は仕事だと割り切って、終わらせて帰った時には既にテーブルに座って堂々と居座る悪魔を他所に、晩御飯が終わるまで宿題をしてる翔太は傾げた
「 だって、先生が殺人事件が相次いでるから気をつけろって話してたのに…なんか、急に話が変わってさ。その後は誰もその話をしなくなったから 」
翔太は何事も無く、悪魔の人型を受け入れてるが…
案外、受け入れやすい我が息子に俺自身が驚いている
「 あぁ…… 」
丁度、翔太の学校でもそんな話をしていたのか
なんて説明をするべきか悩みながら、オムレツを作りキチンライスの上に乗せ、次のを作るべく、バターをしき溶き卵を入れ空気を含ませフライパンを揺らす
「 オニーサン以外の記憶を消そうと思ったけど、血の繋がる君には効果なかったみたいだなぁ 」
「 えっ、どういうこと!?悪魔が何かしたの!? 」
「 知らなくていいことだ。下らん 」
サラッと答えた悪魔に余計な事を言うなと睨めば、彼は片膝を立てたまま翔太の方へと視線を向ける
「 だってさぁ。それなに…?面白い? 」
「 んー、つまんないかな。宿題……丁度いい!この計算教えてくれよ。割り算で…… 」
「 わりばし? 」
「 翔太、恐らくそいつは足し算も出来ないぞ 」
「 えぇ……ほんと? 」
悪魔が食うかは分からないし、客としても相手したくもないが、普段の癖からは一つ多めに作り
3つのオムライスが出来上がれば、テーブルに並べ1皿を悪夢の手元へと寄せた
オムライスから此方を見上げた彼は、無言で俺の方に皿を寄せ翔太の方を向く
「 人間の勉強は知らねぇな。でも、他の事ならイロイロ知ってるよ? 」
「 はっ、どうだか。子供の前だ、好き嫌いはするなよ 」
「 ………… 」
食べる物は恐らく検討が付いてるが、翔太に魂を食らうなんて教えたくは無い
嫌そうに視線を向けてきたのを見て、もう一度無言で訴えれば、諦めたように手元へと寄せた
「 鳥類の肉と卵。それに…作物が数種類か…… 」
匂いを嗅ぐような仕草と共にオムライスを見つめ、料理が出揃ったことに悟った翔太は一旦カバンに宿題を入れ、手を洗いに向かった
それを見て、何気無く問いかける
「 人間の食い物は、食ったことないか? 」
「 無いわけじゃない……。美味しいとも思わないから食わないだけ 」
「 じゃ、此処では。主食にするんだな 」
本当に嫌なのだろうな
目線を逸したのを見て、テーブルの横側の椅子に腰を下ろせば手を洗い終えた翔太は戻ってきた
「 それじゃ、いただきます! 」
「 いただきます 」
「 ……いただきます 」
両手を合わせた翔太に合わせて手を合わせ、真似て悪夢も軽くすれば俺達はスプーンを手に取ったのにもかかわらず、コイツは出来たてのオムライスを手で掴み、口へと運んだ
「 …………まぁ、悪くない 」
「 おま…スプーン使えよ 」
「 うん、スプーンあるよ? 」
「 ん?あぁ…別に必要ない。昔からこうやって食ってるから 」
いや、そういう事じゃ無いんだが…
南米の方では手で食べるのが周流だから、その地域に合わせて手を使うかも知れないが
此処は、箸やらカトラリーを日本の文化がある
手で食われると違和感あると見て思うが、時より指を赤い舌で舐めては、3本の指で摘みやすい程度に寄せては口へと運ぶ姿を見ると……
もう、好きにしろって思う
「 父さん…いいのか? 」
「 嗚呼、好きにさせてやれ 」
「 うん…わかった 」
皿も汚く食ってるわけじゃない、スプーンと同じように端から徐々に食べていく
スプーンを持ってないってだけだ
「 手は洗えよ、舐めて終えるな! 」
「 面倒くさいな…… 」
食い終わり指を舐めた程度で終えようとした為に、手洗い場に強制的に連れて行く
次から、食わせる前も手を洗わせる習慣をつけさせるか
「 服で拭くな!タオルを使え、後…風呂に入れ 」
「 オニーサン……マミーみたいだね 」
「 これでも一児の父親だからな。いいから、入ってこい 」
コイツには日本の常識と、日常的なことさえ教えなければいけないんだと知ったことに呆れ
今すぐ魔界に帰って欲しいと思った
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