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しおりを挟む体育館ではなくグラウンド
体力作りに走るために学園の周りをグルッと10周走ることになった
慣れてはいるが好きでもない
仕方無く、上手く手抜きをしながらバスケ部の後に着いていく
「 テメェ等、100㍍後10本やれ!! 」
笛の音と共に聞こえてきた水飛沫の音
此処は確か、放課後は水泳部が使う屋外プールだったと走る速度を遅めて見れば、ふっと立っている彼女の姿に目を止めた
『 ふぁっ.... 』
両手を合わせて口元へと軽く当ててる程度、頬を染めキラキラとした目で見る視線の先にはプールの方
此処からだと誰を見てるとは分からないが、プールにいるってことはあの噂は嘘ではないのか
水泳部のキャプテンに告白されて、
マネージャーにでもなったか?
それとも様子を見に来たか....
「 えっ、あの美人。パンツ見えるんじゃね? 」
「 マジで?? 」
「 は? 」
そりゃフェンス側に立っていて
制服のスカートだからって....
覗こうと走るのを止め、下へと行くバスケ部のメンバーに俺は止めようと向かった
彼等は気配を消すように壁に引っ付き見上げれば、俺は見えそうで見えないその角度に視線は外れる
「 もう少し、こっちに来ねぇかな.... 」
「 見えそうなんだが.... 」
「 おい!止め.... 」
止めろと言おうとすれば、彼女の元に水に濡れた水泳部のキャプテンがやって来た
名前は確か、海浦って言うか
下の名前は興味なくて知らない
「 シルキー、どうかな?見てた? 」
『 うん!ずっと見てた 』
「 ははっ、それは嬉しいなぁ 」
えっ、なにこの仲良さげな雰囲気
俺の前ではそっぽ向いたり自由な感じなのに、この....あぁ、下着売り場で見たあの男の前と似ているんだ
「( そうか....コイツは好きな奴の前だけ態度が変わるのか )」
胸に感じる違和感に、直ぐにこの場を離れたくなったが下手に動いて覗いてたのを見付かるよりずっといいじゃないか
『 ブーメラン、オーシャンのメーカーですよね? 』
「 そう!よく知ってるなぁ。競技以外は自由だからついつな.... 」
『 いいセンスです!その骨盤からのライン。なんたってモッコリの形がいい! 』
「「( えっ....? )」」
あれ?待てよ、このテンション何処かで....
聞き捨てならない言葉に俺達の空気は凍り付いた
なにかのスイッチを押したように、彼女のマシンガントークはエスカレートしていく
『 先輩のブーメラン、オーシャンの中では特別に股間の形が目立ちますし 』
「 えっ?そ、そうだね.... 」
完全に引いてる先輩に、俺は居たたまれなくなってきた
彼女は最初から、先輩なんて興味ないんだ
あるのは、恐らくオーシャンと言うメーカーを履いているパンツだ!!!
「 オリビア! 」
『 それに....ん? 』
覗きをしていたとか色々言われるかもしれない、思われるかも知れないけど変な噂が立つよりずっといい
何故庇うのかは分からないけど、俺は声を掛けていた
「 部活終わるから、買い物に付き合って欲しいんだが....その、ブラックローズのコラボのやつ 」
『 !!いいよっ、部活いつ終わるの? 』
パンツを買いに!!なんて言えないが、敢えてメーカーで言えば通じるだろ
彼等が知ってないことを願って言えば、彼女は先輩なんかどうでもいいように俺の元までやって来た
フェンスの角度から見えることを知ってるように、スカートで抑えしゃがみこめば見えないが、壁にへばりついてる彼等は見えそうで、見えないそれに鼻血を出してることは俺は見て見ぬフリをしていた
「 下に降りてきてくれる?もう少し時間掛かるからさ 」
『 いいよ、丁度バスケ部かな?その姿も見たかったし 』
「 えっ、オリビアさん? 」
『 あ、えーと。先輩の水着は素敵だけどそれ意外に興味ないです 』
にっこりと笑ってから、プールから離れた彼女に先輩含めて頭にクエスチョンマークがついていた
そりゃそうだ、興味があると思って此処まで来ただろうに
実際には下着だけなんて....
俺でも驚くよ
「 部活....切り上げよ 」
狡い!みたいな視線が向けられたが、彼女を任せて他の男にフラフラ着いていく方が危ないように見える
だから、腹痛やらなんなら理由をつけて部活を切り上げ買い物へと行く
「( 待てよ....下着買うのか? )」
昨日、買ったばかりなんだが....
なんて言うよりも女子生徒を連れて下着売り場に行く方が不味くない??
『 私はブラックローズのコラボより、リリーホワイトのやつとかいいかも 』
散々、会話が無かったのにこのテンションの違い....
俺が気にする方が悪いんだね?
分かったよ....気にしない
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