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しおりを挟む何か話があるのだろうと、いや有るだろうけども彼女が居る場所から離れ
彼の仕事場らしい、テーブルとソファーそれにデザイン画がいつくも書かれたのが置かれた其処は、この階にある彼の部屋だと分かる
何か話をするのかと思えば、先にデザイン画へと視線を向けて、作業を始める彼に俺は動いていいのか分からず突っ立てしまう
「 まぁ、そう堅くなるな。デザインだが....少し見てくれ 」
「 ん?あ、はい....俺が見て何か変わるのでしたら 」
やっぱり堅くなったのは分かるか、
そりゃクラスメートの女子の父親に呼ばれたら怖いものがある
それが気にならない奴がいたならよっぽどの勇者だろ
俺は一つの緊張が切れたように小さく息を吐いて向き合うようにテーブルへと視線をやる
此方へと向けられたのは、男性物の下着ではなく明らかに女性物だ
「 なっ!? 」
「 そう驚くこと無いだろ?御前は経験豊富そうだからな、女性に似合う下着が分かるんじゃないか?今回はシルキー用ではなく一般用だしな 」
「 えっ、経験!?なんの....ですか? 」
こう言うのは彼女に聞いた方がいいと思ったのだが、シルキー用ではなく一般用だと納得する
敦士がブラックローズの社長は娘さんの為に造ってるなんて言ってたから、きっとシルキーに何かしら言われ一般用になったのだろ
いや、それでも女性社員やらモデルさんもいるんだしそっちに聞けばいいのに、俺?
それも経験ってなに?と単純に傾げればこの人は彼女に良く似た吊り長の瞳を僅かに丸くした
彼女が驚くときの表情と良く似てると思った
「 経験なんて、女性との性行為経験の事に決まってるだろ? 」
「 せいこういけいけん....!!? 」
「 俺は16歳でリリーと出会って直ぐに物にするためにヤってシルキーが出来たからな。リリーしか経験がねぇ、だから脱ぎやすいブラでもしってんじゃねぇか? 」
「 いやいやいや!! 」
色々ツッコミたい所はあったけど、この人
リリーという女性を自分の物にする為だけに早々にヤって出来ちゃった結婚したとか、かなりヤバい人じゃないか
いや、そのリリーという人しか経験ないのは褒めるし俺もそうなりそうだけど
俺が経験有るように見えるって、茶髪でチャラそうな見た目ってだけじゃない!?
「 無いですよ!童貞ですし、経験0です! 」
「 は? 」
は?とか言われて普通に心は傷付いた
そりゃ、俺ぐらいの高校2年生なら経験あるとか彼女出来たなんて話は聞くけども人と接することを極端に避けてた俺に、出逢いなんて今までない
「 俺は、その....彼女も出来たことないし....第一付き合った経験も0なので....その、女性用の下着とか知りません.... 」
「 は?シルキーと付き合ってないのか? 」
「 絶対無いです!席が前と後ろの只のクラスメートです!! 」
付き合ってたらこんな距離感?ではないと思うし一番最初に挨拶ぐらいすると思った
其よりも、今まで少しは愛想の良かった彼の雰囲気が暗くなったのには見て分かる
「 ほう、彼氏でも無いのに海で二人っきりか.... 」
バキッと鳴らす指の音に、この人はやっぱり学生の頃からこっち系だと察した
「 友達も居ましたし、先に帰ったらしいけど.... 」
「 シルキーが連れてくる男は彼氏だと決めてんだよ。それも将来を決めた相手だと思ったからいい顔してたが.... 」
「( やっぱりこの人、溺愛過ぎて色々考えぶっ飛んでんだ!!通りで優しいと思ったわ! )」
俺の命が消える瞬間だと思う
寧ろ、あんな自由人でパンツしか興味ない奴が男が好きとか言った方が俺は驚くし、どこが好きなのか聞きたくなる
「 背中を傷物にした代償に顔を殴らせろ。どうせ下着モデルは顔は必要ないからな 」
「( こわっ.... )」
謝ろうにも謝れない雰囲気に血の気が引いていれば、バッと扉は開いた
まるで救世主のように思えた
『 あ、しょーたこんなところにいた。輝夜と遊ぼ....って、お父さんどうしたの? 』
救世主!ありがとう!咄嗟に鳴らしてた手を隠そうとした彼が、テーブルに指をぶつけたのは俺は見逃さなかった!
凄く痛そうに悶えてる彼は、俺へと指を指した
「 シルキー、コイツとはどんな関係だ? 」
『 パンツ仲間?前の席の奴?あ、輝夜と遊ぶ奴! 』
うん、事実だけどなんか胸に槍が突き刺さった
やっぱり俺のことはパンツ仲間程度なんだね
「 はぁ....そうか。まぁモデルとして雇ってる間はなにもしない....シルキー、少し廊下で待ってろ 」
『 ん?はーい 』
傾げた彼女は素直に廊下へと出れば、彼は俺の元へとやって来た
殴られるかと思って硬直すれば、彼は俺の肩に手を置き鼻で笑った
「 ふっ、男にも見られてねぇとか逆に可哀想だな? 」
「( コイツ、俺が殴っていいかな? )」
図星だけどイラッとした
彼女の父親だけど凄くイラッとした
パンツしか興味ないんだからそりゃそうだろ
と言うか、俺はそれでいいと思ってる
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