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彼女の父親から解放され、と言うか俺では女性物の下着は良く分からないと知ってくれた為に、他のスタッフを呼んで打ち合わせをし始めた

その間、彼女はモデルの仕事をするのだが....俺は何故かその光景を見ろと言われ
輝夜かぐやを膝に乗せ、椅子に座って見ていた

「 レンゲさん入りますー! 」
   
「「 はーい 」」

「( なんだろ....スタイルいいし、綺麗なモデルさんなのに、余り興奮?しない )」

日本人ではなく外国の女性なのだが、普段なら胸がいいとか尻の形やらって考えるがどうしてもそんな思考にならなかった

寧ろこれは....

「( オリビアの方が良くない?....っ、俺は何を考えているんだろ )」

どうしても彼女の姿と考えてしまう
クラスメートに何を思ってるのかと自分でも可笑しいと軽く首を振って気をしっかりと持っていれば、撮影が始まる

「 レンゲさん、ありがとうー!次、シルキーさん来てくれる? 」

「 お疲れ様です! 」

『 ブッ、ラジャーです! 』

ラジャーだけ言えばいいものの、相変わらず変な奴だと内心笑ってから
彼女は薄手の毛布を羽織ってたのを取り払い、真っ白なスクリーンの前へと立った

「( やっぱり、スタイルいいな.... )」

下着モデルをしてると聞いてから改めて見ればそう思う、ポーズの取り方全て下着を綺麗で可愛く見せる為だと分かる

「( プロだな.... )」

彼女が何故、そんなにも下着が好きなのか少しだけ理解したかも知れない

「 次、背中側いいかな? 」

『 怪我したよ? 』

「 いいよー、加工でなんとでもなるから 」 

『 はーい 』

「( ....ん? )」

ちょっと待って、加工でなんとでもなるの?
なら、俺がモデルする必要無くない?

ふっとそんな事を思って、何気無くシルキーの撮影現場を見ていた彼女の父親へと視線を向ければ、嫌みたらしくふっと笑われた

「( あの野郎、態とか!! )」

「 シルキーさん、休憩していいよー!次は男性側ね、ほら早く準備してね 」

「 あっ、はい! 」

「 準備? 」

えっ、準備って何をするんだろ?
言われた通りに立ち上がったところで毛布を羽織ったシルキーは俺の前へと駆け寄ってきた 

『 輝夜をありがと。次は持っとくよー。男性用の個室にあるから、そこで言われた下着渡されるから着てきて? 』

「 そうなんだ?分かったよ.... 」

彼女や周りの下着モデルとは違って慣れてない
そう簡単に言われてもどうしたらいいのか分からずに、周りに合わせて着いていき
男性用の個室、と言うかほぼテーブルと椅子、それにロッカーしかない
学校の部室みたいな所に来れば、既に他の人は服を脱いでいた

「( 皆、筋肉質....流石.... )」

高校生では中々見られない成人男性のガッチリとした体格と筋肉
女性の下着モデルと違った威圧が其処にある

「( とりあえず、脱ぐか.... )」

なんの下着を履けばいいかは分からないけど、とりあえず着ていた服を少しだけ脱ごうと端のロッカーを借りて脱いでいれば声が聞こえてきた

「 ほぅ、バイトが来ると聞いてたが本当に高校生なんだな? 」 

「 いい体格じゃねぇか 」

「( えっ、英語? )」

聞こえてきた言葉と話し掛けてきた人は外国人であり、英語なのだろうかと疑問になりそれでも学校で覚えた単語で返す

「 それは、ありがとございます 」

「 ははっ!日本語しか無理かー! 」

「 シルキーと同じか! 」

俺がカタコトの英語を言ったからか、それとも戸惑ってるのを見て知ったかは分からないけど
急にペラペラの日本語で告げたことに、俺の目はキョトンとしてたと思う

と言うか、話せるなら最初から話してほしい

「 えっと、ありがとございます.... 」

「 おう!俺はジャック。バイトの間、宜しくな 」

「 俺はしょーた。宜しくお願いします 」

あれ、このいかにも筋肉質な体型のジャックと言った人
何処かで見覚えが....硬い握手を交わして居ればノック無しに更衣室に人が入ってきた

『 お父さんからパンツ預かってきた。えーと、配るね? 』

「( 平然と入ってこれるのは慣れてたのか!? )」

紙と下着を持って入って着た彼女に、此処にいる殆どは下着姿のまま

俺だってそうなのに....!

もっと別の人が配ると思ってたから驚いた....

それも彼女、下着姿のままじゃん....
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