転校生にパンツを狙われて困ってます

獅月 クロ

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何処にカメラマンがいるかなんて
気にならない位、シルキーに振り回されるのが楽しくて仕方ない

誰かと一緒に居ることを嫌って、避けていた俺が此処まで楽しいと思えるのは家族以外で久々だ

『 射的がある、拳銃得意だよーやってみようぜ 』
  
「 得意って....実弾とか言わないよね? 」

『 ん?そうだよ? 』

「( 流石、外国育ち.... )」

今日はお小遣いを両替してるのか、小さな財布から100円玉は出てくる
ライフルの持ち方が既に様になってる位にはもう、ツッコミのを止めた

「( そう言えば、シルキーの首筋に薔薇のマークがあるのか....なんちゅうところにつけてんだろ )」

御揃いのタトゥーシール、喜ぶべきかそうでは無いのか複雑な位には際どいところにある

『 しょーた、何か欲しいものある? 』

「 えっ?俺....? 」 

ライフルを構えながら問われた言葉、並ぶオモチャやお菓子がある方へと視線をやる
俺が欲しい物なんて、特にないのだが.... 

「 寧ろシルキーは無いの?誕生日とか 」

『 終わったから、2日だし 』

「 2日って?えっ.... 」

誕生日、後から来るならプレゼントでも用意しようと思ったのに終わったてどういうこと?
疑問に思えば彼女は小さなおやつの箱を落としてから答えた

『 8月2日 』

「 !!?そんな.... 」

『 今年は輝夜がプレゼント、それにしょーたと綺麗な空とか見て。いい思い出だよ 』

その日は丁度、海に行ってた日だ
騒がしかった1日だからプレゼントとかケーキとか色々後回しになったにしろ、彼女の父親....祝いなよ

“ お父さんは....たまにお母さんと重ねるから “

いつしかの言葉を思い出し、もしかして彼女の父親は誕生日を忘れてる? 
だから、シルキーも誕生日について敢えて言わなかったんじゃないかって思うと....
胸は締め付けられる

「 シルキー.... 」
 
『 外した....ん?なに? 』

「 誕生日、やり直そ。俺は祝いたい....ダメかな? 」

聞かなくて過ぎた、俺が言うのも変だけど それでもやり直したかった
一緒に誕生日、祝おうと告げれば彼女は目を丸くさせた後に笑ってから1つの物に指を指した

『 いいよ。じゃ、あれが欲しい 』

「 ....俺が取れると思う?やってみるけど 」

『 ふはっ、挑戦は大事だよ 』 

指差したのは小さな長方形の箱 
中はきっと安物のネックレスだろうけど、それでも欲しいなんて言う彼女の為に、ライフルを構えた

『 持ち方が変....肩の力抜いて 』

「 えっ、こう? 」  

『 ふはっ、違うけど 』

楽しそうに笑って、俺が打ってはずしてもそれでも教えてくれて
何度も外れることに笑い合って
結局彼女が2回当てて落として俺は笑われたばかりだけど、此れほど楽しいことはないと思う

『 綺麗だな.... 』

三日月の形をしたアクセがついたネックレス、安物だけど彼女は嬉しそうに着けては
俺の前で見せてくれる 

「 似合うよ、シルキー.... 」

『 !!ありがとうっ 』

君の傍にいると俺はこんなにも穏やかになれる

君がどうかは知らないけど....俺は友達と言う枠から外れたいのだと思うのだと気付く

「( 言わないけど.... )」

初恋は実らないと言う

此が恋のならば君の事で気分が悪くなるのも
恥ずかしくなるのもテンパるのも全て納得できる

「( ....シルキーが好きだよ、そう思うと....また胸が苦しい )」 

心で囁くと俺は実感する

“ クラスメート “

“ 友達だから “ 

まるで自分で首を絞めてるように、苦しくなることも
彼女の恋人になれたなら、俺は他になにも要らないと思う

『 しょーた、次は何をしようか 』

俺を呼ぶ声も、俺を見るブルーの瞳も
全て...... 

愛しいはずなのに....

『 しょーた....?なっ!? 』 

「 えっ? 」 

焦った彼女が目の前にやって来て、俺の頬に触れる
それに気付いて自分が涙を流してることにやっと気付いた 

何で泣いてるのだろ、楽しいはずなのに.... 

「 えっ、ごめん....何でだろ 」 

『 どうした?すまない、私のせいか?今....ハンカチを.... 』

流れる涙を拭いて泣き止もうと必死なのに、何故か流れるそれは止まことを知らなかった

彼女は袋からハンカチを取り出そうとすれば、背中に当たった感覚に顔を上げた

『 っ、すまない.... 』

「 ほう?可愛いなぁ? 」 

それはまるで、楽しい時間を壊す前触れのような者達の現れだった
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