転校生にパンツを狙われて困ってます

獅月 クロ

文字の大きさ
59 / 77

10

しおりを挟む

「 んなの、当たるわけねぇだろ!? 」

耳に響くような声と、その場の空気を壊すような雰囲気に一瞬辺りは静まり返った
こういう人がいるから面倒なんだと何処か思う俺に、シルキーはいつの間にか声を出した男の方へと向かっていた

『 何か問題がありますか? 』

「 あ? このライフルじゃ、当たんねぇっていってんだよ 」

『 使ってたライフルは? 』

「 これだけど 」

『 貸してください。青井くん100円あげるからやらして 』

「 あぁ、分かった 」

ライフルに文句言う客は出てきそうだと思ってたけど、本当に来るとは....
それもシルキーはゲームセンターの店員みたいな物だから、俺はこの後の結末が想像できて苦笑いしか出来ない

青井から弾を6発受け取った彼女は彼が使っていたライフルを持ち弾を込めれば敢えて自分が欲しいのに向けて銃を構えて撃った

パコンッと箱に当たる音と共にぐらついたそれは後ろへと倒れて、次の弾を込めながら話す

『 中央よりやや上を狙えば、揺れる。下は重心が重いし、中央は過ぎてもびくともしない 』
 
パコンともう一度音がして倒れた箱に、男は口を情けなく開いたまま硬直していた
そりゃそうだ、言われても俺も分からないもん

教えられた本人だから分かるけど、此ばかりは慣れの差が出てくる

『 だからチェスも少し上 』 

撃てないと騒がれていたナイトは撃ち抜き空中へと浮けば、彼女は6発全て当てたことになる

『 分かった?落ちるから置いてる。取らせるためのセッティングなのだから当てれないのは貴方が下手なの 』

「 下手.... 」

がーーんと明らかに分かりやすくショックを受けてる様子に、それもそうだと思う
簡単そうに言うが結構難しい

出店の屋台ほど、変な方向に飛ばないにしろ
此ばかりは慣れてないと撃てない

「 それで、持って帰るのか? 」

『 当たり前、全部Lサイズで 』

「 分かった 」

青井から袋に入れた、パンツを受け取った彼女は早々に離れようとすれば彼は止めた

「 シルキーさん、これ 」 

『 ん? 』 

「 白のナイトとキングは鬼嶽くんとの頬キス&写メだけどどうする? 」

「 えっ.... 」 

だから俺のも作ってるんじゃない!と文句言いたいが、少しだけシルキーの反応を見たくて止めるのを、やめれば彼女は笑顔で俺の方へと歩いてきた  

「「( おっ!? )」」

「 シルキー....ゲームだし、なっ? 」 

『 景品は受け取らなくては 』

心の準備が出来てない、そう思って焦る俺に彼女は襟元を引っ張れば軽く右の頬へと口付けを落とした

『 あ、してもらう方だった 』 

「「( 鬼嶽、羨ましい!!! )」」

「 っ~~!! 」

間違えたと呟くのは狡いと思う
そんなのもう、色々と沸騰しそうな程に顔が熱くなった

「 お、俺。飲み物買ってくる!! 」

『 あ、しょーた!私と写メ!! 』

そんなのいつでも撮ってるのに、なんて思うより俺はその場に居辛くなって自動販売機へと急いだ 

「 っ....不意討ち過ぎる 」

走ったせいもあるけど、あんなにもあっさりキスされるのは恥ずかしい
そりゃお父さんと慣れてるとしても....

「( 本当、俺が男として見られて無いんだって.... )」

『 しょーた? 』 

「 うわっ!?びっくりした.... 」 

『 びっくりしたのはこっち、そんな驚かなくても 』

いや、追い掛けて来るとは思わなくて自動販売機に背をつけて明らかに驚けば
シルキーは何処かふてくしてから、俺に先程取った下着の入った袋を向けてきた

『 これ、しょーたに似合うの選んだ。履いて....見せてくれたらいい 』

「 だからLサイズ....ありがとう 」

お父さんにでもあげるのかと思った
でも、俺のために選んだのならそれは嬉しくて驚いていた心拍数はゆっくりとおさまっていく 

『 それと.... 』

「 ん? 」 

『 頬にキスして自撮りして 』

自分の頬へと指を当て、見上げてくるシルキーが単純に可愛くて本当に深く考えて無いんだなって察して、頭を撫でていた

『 ん? 』

「 うん、その内ね。今はダメ 」

『 えーーー 』

君が俺とすることで照れたり、恥ずかしく思うようになる頃にちゃんとしたいと思ったからこそ誤魔化した

「 このまま休憩しよう、オレンジジュース飲む? 」

『 飲む.... 』

「 俺はカフェオレにしよっと 」
 
ちょっとふてくしたのも可愛い
なんとなく、パンツを聞けなかった時と似てるよね
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...