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しおりを挟む輪投げは至って平和だった
母親が射的で遊んでる間に子供はこっちで遊ぶのだから
『 頑張って!おしいー! 』
「 んー、とれない.... 」
『 もう少し前においで 』
シルキーは案外、子供の扱いが上手いんだと思った
年齢順にテープが引いてあるけど、敢えて手間へと呼び必ず取れるようになるまでお金は一度しかとらない
まぁ、彼女にとって眠ったオモチャなら上げてもいいんだろうね
輪投げはそのまま商品が当たったり、入れば十分
棒なんて無いから出来ると思うのに子供は別の方向へと飛んでいく
「 むぅ.... 」
『 残念。お菓子はどれがいい? 』
「 これ! 」
100円を払ったその半分の50円分はお菓子として返す為に、袋詰めされてるのを選ばせる
箱に入った内の1つを受け取った子供に何気無く開かせるようにすれば中には1万円買ったら40%offのチケットがある
『 それはママにあげてね? 』
「 うん!ママー! 」
「( 親にしてこの子供あり.... )」
いや、上手いなって思う
親だけじゃなく子供のお菓子の中にいれるなんて....
それも敢えてさっさと渡すようにするなんて....
「 お兄ちゃん、これ 」
「 うん、はい。5本ね。持っててあげるから1本ずつやってみようか 」
「 うん! 」
さっきの女の子も小さな財布から100円を取り出し、もうい一度首に紐をかけてから輪投げを持つ
「 どれを狙うのかな? 」
「 あの、お人形! 」
「 お、これね?頑張ってね! 」
中にはシルキーがその辺のオモチャ屋で買ってきた良いものもある
それは寄付みたいな物だといっていた
これもその1つで、最近人気の女の子の人形
箱にはいってるから既に未開封だと分かる
「 お姉ちゃん、やる! 」
『 おっ、5本なー。1本ずつやってみな! 』
「 うん! 」
子供コーナーはオモチャが沢山有ります、なんて放送がかかったから結構来る人はいる
だが、人数が多いと予測が出来てから年齢制限は小学生までだ
「 はずれたぁ.... 」
「 うんん、これは箱の上に落ちたから貰えるよー 」
「 いいの! 」
「 うん!大当り~、袋にいれるから待ってねー 」
「 やった!! 」
『 おめでとう! 』
子供の相手の方が楽で楽しいと思いながら、子供用にリュックタイプの袋へと入れ
背中へとかけやる
親が持ったとしても肩ヒモがあるのはいいだろってことで
「 お兄ちゃんありがとう!お母さん~ 」
しっかり御辞儀して、笑顔を向けてからテコテコと走っていく様子に微笑ましく見ていれば新しく同じオモチャを追加する、シルキーは笑った
『 今日はいい笑顔だな 』
「 そう?子供は好きだからね 」
『 そっか、私も好きだよ 』
シルキーを見てると好きなのだと分かる、二人して笑ってしゃがんでいれば並んでる子供達は順番を待ってやっていく
「 わっ、ワンワンいた! 」
『 その子は輝夜 』
「 カグヤ!噛まない? 」
『 噛まないよ、ナデナデして 』
シルキーの後ろでいい子に伏せして横たわってる輝夜に興味を示す子供はいる
輪投げゲームを終えた後に、親が射的をしてるのが暇そうにしてるときに
『 輝夜、お座り 』
「「 おおっ!! 」」
沢山触っても怒らないようにこの日のために、沢山練習したからね
今はもう仕事の感覚でじっとしてるのが分かる
撫でたり抱き締めてみたり、怖がってちょこっと横腹を触る子供にも輝夜は辛抱強く我慢していた
「 あの、シルキーさん。写メいいですか? 」
『 ん?あ、構わないよ 』
「 やった! 」
そう言えば男達の方ではシルキーの写メを争奪してたんだった
ナイトのチェスは落とし辛いとかで騒いでるのは聞こえる
そこまでして写メだけでも願うならいいと、シルキーはポーズをしながら撮られていく
まるでコスプレイヤーだなって思うけど
その格好の時点でプチ仮装だもんね
違和感なくなってきたよ
「 ありがとうございます! 」
「 俺も落としたのでお願いします! 」
『 はいよ 』
撮影する人数はそんな多くはない、だからシルキーは先に輪投げを終わらせてから待てる、男性を相手にしていた
「( それにしても客多いな.... )」
子供は輝夜を触ったり、フラフラいなくなることはあるから輪投げは客はいなくなるけど、向こうの射的は本格的だ
「 あのブラは1着1万越え、2着取っても元は取れるわ!! 」
「 私がそれ狙ってたの! 」
「 同じ柄はまだありますので 」
「( 女って怖い )」
ブラごときでそこまで熱が入るかと思っていれば、男性側も同じ状況だった
「 あの金髪の狼の少年と撮りたい!! 」
「 息子にパンツおぉぉぉ!! 」
「( おい、なんで俺と写真撮るのも追加されてるの!?てか、パンツの為に頑張るね!!お爺ちゃん!!)」
男性の方も楽しそうでなによりだよ
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