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02 ハードでいいんだね

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 契約書には、奴隷契約をする為のサインの欄がある
 それは主従関係を認めるサインであり、
 正直頻繁に来ないとS嬢は書く気はない
 その主従関係が成立したら、M男が他のS嬢に浮気することは許されない
 逆にS嬢から捨てたり破棄することは可能
 そういったプレイも好む人がいるからだ
 
 契約書には其々の得意とし、好きなチェック科目がある
 それは"どこまでやっていいのか"ってこと
 蝋燭、鞭、バイブ、拘束器具等の細かいものから
 ハードなら野外プレイ、狗プレイ等
 そして、怪我とかしてもいいですよ、っていうサインは大切だ
 無傷は保証出来ないからだ
  
 廊下の中央にある、休憩所にて飲み物を飲んだ私はバトラーから受け取った契約書のコピーを見せて貰う
 本物を渡されて間違えて引き裂いたことがあるために、S嬢に渡すのはコピーになる

『 ふーん、全部ねぇ…… 』

 名前は西大路にじおうじ 李津りつ
 悪くない名前だが、このままだと渾名の決定権があるのだから使わないと勿体無い

 さて、どんな渾名をつけようかと考えていればバトラーに案内されたリーマンがやって来た

 個室時間によって部屋は違う
 特に120分はベッドがある部屋になり、
 道具だって90分、60分コースよりずっと多い
 拷問器具みたいな物まである此所は、私にとって一番楽しめる場所だったりする

「 では、鍵を閉めてから120分になります。ごゆっくり…… 」

 バトラーによって扉が開き、中に入れば彼は辺りを見てる様子に興味はあるのだろ
 クスリと笑って、新規には必ずすることを告げる

『 ほら、全裸になって 』

「 ……は? 」

『 もう一度言う、なりなさい 』

「 ……あぁ 」
 
 そりゃ最初は動揺するだろう 
 風俗じゃないのに、そんな事をさせられるなんて

 でも、彼処は自分の性欲を発散するような場所であり
 此処では行為をせず、欲を発散するのだからちょっと違う

 上着を衣紋掛けにかけ、ネクタイを緩めカッターシャツを脱ぎ、置かれてるカゴへといれていく彼は、黒いボクサーパンツになり、先に靴と靴下を脱ぎ、パンツへと手をかけ下ろした

 股間を見てからやっぱり、と思い机の引き出しを開けて剃刀を持つ

『 ほら、全剃りして。ついでに座って股を開いて 』

「 ……全剃りが好きなのか? 」

『 そう、その方がくっきり見えるから 』

 剃刀とティッシュを受け取り私の前に来た彼は、股を広げて視線を下げてから陰毛を削いでいく
 そこまで量は無いにしろ、長さがあった為に隠れていた根元が露になれば彼は剃刀を横に置く

「 次は? 」

『 逆に何をされたいの?縛られたいとか、尿を飲みたいとか 』

「 ……余り考えてない。されたいと言うより…俺を虐めて楽しんでる奴をみたい 」

『 変な趣向……見たいと言われたら萎えるんだけどなぁ 』

  虐めたいから虐めるのだけあって、して欲しいと言われたら考えてしまう
 余り時間泥棒はしたくないからこそ、取り敢えず両手は拘束するべく手錠と鞭を持つ

『 王道に……繋いでから、叩いてみよ 』

「 嗚呼、どうぞ 」

『( んー……萎えそう……でも、御客だし )』

 どうぞ、と言われると尚更したくないが、仕方無く後ろに回ってから両手を背中に固定し手錠をつけ、筋肉質な身体を見た後に鞭を持ち音を立てて引っ張る

『 うんこ座りして、そう……そのまま転けたらダメだよ 』

「 嗚呼…… 」

『 ふはっ、じゃ~虐めちゃお! 』
 
 余り自分のキャラじゃ無いなって思いながらも、座り直した彼の身体へと鞭を打てば、一瞬身体が揺れるも何とか転けなかった様子に興奮を覚える

 鞭を使うときはどれだけ傷をつけても許されてる為に、彼の身体を何度も何度も叩けば、次第に同じ傷跡に当たる感覚が痛むのか、密かに眉を寄せる表情に笑顔は漏れる

「 っ……いっ、っ…… 」

『 ふはっ、いい顔!! 』

 やっぱりイケメンで年上を虐めるのは最高だと興奮すれば、此方を見た彼は僅かに目を見開いてから奥歯を噛み締めた

「 はぁ、もっと…… 」

『 フフッ、もっと? 』

「 もっと……ハードでいい…… 」

『 ふはっ!もっとハードでいいんだね!! 』

 鞭を受けて嬉しそうにする奴は知ってるけど、痛がっても止めろとは言わず、もっと、と求める人は少ない
 赤くなる身体が楽しくて、痛みと共に揺れ動く身体を必死に転けないようにして、パイパンにしたから分かる、陰茎が勃起し始めた様子に腰へと来る甘い痺れは最高だね

『 ねぇ、叩かれてるだけで興奮してるなんて、とんだ変態さんだね! 』

「 はぁ……違う……叩かれてるのが言い訳じゃない……御前の顔が、好きで……興奮してる…… 」

『 顔?面白いことを言うねぇ、じゃ……ベッドに寝て……私の好きなことする 』

「 ……あぁ……いっ、っ…… 」
 
 そんなに私が好きなことして楽しんでる顔の方が好きだなんて、変な趣向だと思う
 ふらつきながらもベッドに移動して横たわった彼に近付き、両足をベッドに取り付けられている拘束具につけ、股を開かせたまま両手にある手錠を一旦外し、頭の上にある手首用へと交換すれば、コンセットを接続する

『 この拘束具、ちょっと特殊で僅かな電流をランダムで流すんだ。達するような時の感覚を味わえるって好評なんだ~、ほらいくよ~ 』

「 っ!!くっ、ぁ!ぐっ……! 」

 電流と共にビクンッと跳ねた身体は、手足に力が入り、逃げられない苦痛に顔を歪める
 面白くて電流の感覚を短くさせたまま、見下げれば彼は顔を真っ赤にさせ、奥歯を噛み締める

「 ぁ、くっ……っ!!いっ、くっ……っ! 」

『 まだ痛みになれてないから、電流の痺れじゃ達しないかぁ~。じゃ、ちょっとだけ手伝ってあげる 』

 完勃起はしてても、まだ陰茎は刺激に慣れて無いらしいと思い足元に座って、手袋をつけた片手を陰茎に触れ重点的に裏筋を弄れば、彼の身体は電流ではない時に反応して動き、我慢汁は漏れてくる

『 凄い漏れてる……余り自慰しない人でしょ?かっちかっち…… 』

「 はぁ、ぁ、ぐっ、はっ!いって、いいのか……いくっ、ぞ……ぁ、っ……! 」

『 イっていいよ~、まぁ、イカせないけど 』

「 っ~~!? 」
  
 根元をがっちり掴めば、彼は腰を反り達することが出来なかった感覚に苦しい表情を見せる
 面白いと脚を動かし、ベッドしたにある玩具箱を探り、小さめのローターを持つ

『 我慢するのも快感だよ?ほら~ 』

「 ぁあっ!!くっ!っ!! 」

 振動し始めたローターを裏筋に押し当てて、筋をなぞれば彼は脚を動かし
 その度に鎖の音が響き、電流なのかわからないほど彼は快楽に震えていく
 
『 アハハッ!!どうしたのぉ?メスブタをブヒブヒ言わせれる立派なペニスを持ってるのに、今は貴方がブヒブヒ言ってるなんて~。ダメな、駄ブタねぇ~? 』

「 ぁ、はあっ!あっ、いかせっ、くれ……ぁ、っ……!くっ…… 」

『 駄目に決まってるでしょ 』

「 ぐっ、ンンッ!! 」

 淫らに動く引き締まった胸板や、陰茎が硬くなり今にも吹き出しそうな程に、我慢汁が漏れる程度の彼を見てると久々に興奮する
 やっぱりイケメンってだけで貴重価値高いし、尚更どんなことをしてもいいって言うなら最高じゃない

 裏筋を親指で弄り、ぎゅっと玉袋を掴んだり先端を叩けば彼は手足を動かし痛みによって与えられる快楽に呑まれていく

「 はっ、くっ!ぁ、いっ! 」

『 じゃ、時間が終わるまでそのままね。可哀想ねぇ、お留守になったチンポは誰が慰めるのかな? 』

「 っ~……はぁっ…… 」

 ベッドから離れ、電流を流す機械を止め横へと軽く蹴り
 少し落ち着いたように息を吐き呼吸する彼は手首を動かし髪に触れようとしても出来るわけもなく
 流れる汗を拭けず眉を寄せ、此方へと視線を向ける

「 ハァ……きつっ……んっ…… 」

『 フフッ、次は何をしようかな~。いきなり鞭以外の痛みはハードだから、ずっと弄ってあげよ 』 

 短鞭を持ち、ベッドに上がりボンデージ着たまま彼を見下げピンヒールの先端で陰茎に触れ、そのまま踵で踏めば、彼は痛みで顔を歪める
 その表情を見てるだけで気持ちが高ぶり、吐き出せない陰茎を踵で擦ってから胸板へと脚を置く

『 踏みやすい筋肉、安心して顔は傷付けないから…… 』

「 がっ、ぐっ!! 」

 胃を踏みつけて嘔吐付く彼はぐっと堪えれば、そのまま身体を僅かに曲げたのに合わせて、蹴りあげる

「 っ!!くっ! 」

『 ははっ!いい顔、もっと苦しんで痛みに歪んで?アハハッ、最高!! 』

 快楽よりも苦痛に歪む顔の方が好きな為に、腹を蹴っては、ピンヒールで踏み、そして太股やら脚へと叩けば鞭の痕や踏んだ痕が残りの、他の子に見せれないような身体へとなっていくのもまた、S嬢の楽しみ

『 ふぅ……そろそろ、残り10分かな。こっちのチンポはどうなってるかな~? 』

「 っ……くっ…… 」

『 ずっと100分近く勃起して苦しそうだったから、解放してあげる。嬉しいでしょ? 』

 嫌そうに顔を背けた彼を見てから、陰茎を擦ることなく片手でベルトを外し緩んだ程度で彼は腹筋を動かし奥歯を噛み締めた

「 くっ、んっ……はぁ……っ…… 」

『 流石、勢いはあるねぇ~後処理は自分でやりなよ? 』

 吐き出した精子は自らの身体を汚し、飛び散らせ
 ピクピクと震える度に垂れた白濁りに触ることなく、足枷と手枷を外し解放すれば

 彼は顔に腕を置き、呼吸を整える

「 はぁ……はっ、っ…… 」

『 フフッ、簡単には動けないでしょ 』

「 っ……痺れてな。……感覚が可笑しい…… 」

 脚を閉じることも出来ず、ひたすら落ち着きを取り戻して時より咳き込む彼はやっと上半身を起こし、手足の痺れを気にしつつティッシュを多く手に取り精子を拭いていく

『 貴方さ、快楽にも痛みにも強くなさそうなのに……なんで? 』

 余り素性やら聞く気はないけど、やっていてノーマルに見える彼に問えば、精子を拭き終えゴミ箱に捨てた彼は此方を向いて答えた

「 貴女の、顔に惚れただけだ……。興奮してる時の顔は、綺麗だ 」

『 ゲス顔好きだなんて、とんだ変態だね 』

「 俺も……自分がこんな趣向があるとは知らなかった……あ、もう…着ていいか? 」

 確かに中にはドMだった、逆に興味あったけどMじゃなかった、なんて有るけどノーマルなのに顔が好きだからMとして受け入れるなんて
 変態と言うか、只の馬鹿に思えるけど此所はSMバー
 客の要求を答える場所であるために、これもある意味ありなんだろうね

『 着ていいですか、だよ? 』

「 ……着ていいですか? 」

『 どうしよっかなー、まだ時間あるし…… 』
 
 目線を時計へとやり、時間があることを見てからよくお客にプレゼントしてる事を決めた

『 じゃ、5分。舐めさせてあげるから、私をイかせれたら次のお代は半額にさせてあげる 』

椅子に座った脚を組み返し、太股に触れれば彼は足元へと来た後に膝を付く

『 手は無しね、犬のように舐めなさい 』

「 ……したこと無いんだが、やってみよう 」

『 へぇ、したこと無いんだ?ちょっと意外 』

 軽く下着をずらし股を開けば、彼は股へと顔を埋め舌先を当てた

「 濡れてない……?そんな…興奮しなかったか……ん、っ…… 」

『 さっさと舐めなよ 』

 あんな程度で、下半身濡れてるようじゃ仕事にはならないしもっと濡れるなら、痛みに泣いたり嫌がる顔の方がいい
 いちいち喋る口へと頭を押さえ付けて舐めさせれば、彼は手を使うことなく舌を動かすも、言った通りに下手だった

 もう、残念なぐらい下手だしその辺のブタ野郎の方がまだマシな位
 時より息を吐いて、舐める彼の股間へと脚を当てて踏めば、そっちの方が興奮する

「 はぁ、踏まれると……俺が、興奮してしまう……ん…… 」

『 ドMの才能あるよ、此からが楽しみだね 』

「 ぁ……っ……また、来てもいいか…… 」

『 もちろん、好きなだけ虐めてあげる 』

 舌先を外し顔を下げた彼は背を丸めて、腰を揺らし踏まれる感覚に眉を寄せる  
 けれど陰茎は簡単に勃起するも、時間を考えて脚を退ける

『 ほら、着替えていいよ。その勃起したまま帰ることね 』

「 っ……萎える自信はあるがな…… 」

 座ったままの私を見てから、服のある方へと行き時よりふらつくも下着を履き、ズボンやらシャツを着ていれば部屋のノック音は聞こえ、扉が開く

「 御時間です。お帰りの準備は……出来てますね。では、レジへとお連れいたします。エリ様は、次の下僕をお願いします 」

『 はいはい……待たせてて。後で行く 』

 バトラーの言葉に返事をすれば、男性は此方を見た後に少し残念そうな顔をしてその場を立ち去った

 この楽しかった時間が終わる一人の部屋は、どうしても詰まらないものがある

『 まぁいい……次の客が終われば帰れるし…… 』

 また出勤時間の時を楽しもうと思い、手をしっかり洗い、ピンヒールを拭いてから男の待つ部屋へと行く

「 はぁ、エリ様……どうか縛ってください 」

『 フフッ、好きなだけきつく締めてあげるよ 』

 私の仕事はS嬢、客への愛情はなにもない
 
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