謎の箱を拾ったら人生が変わった件〜ダンジョンが現れた世界で謎の箱の力を使って最強目指します〜

黒飛清兎

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3話 スキル入手

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 「ふわぁぁ。」


 よく寝たな。

 時計を見る。俺は15時間も寝ていた様だ。

 俺はショートスリーパーだし、いつもは3時間ほどしか寝れないのに、今日は何故かぐっすりと寝る事が出来た。

 心做しか、体も軽い気がする。

 よし! 昨日に引き続き、今日も箱を開けるぞ!

 これは本当に単純作業な為、精神にくる。

 幸いな事に、いちいち番号を入れる度に開くか確認しなくても、鍵が開くとカチャッと言う音が鳴る。

 もう今開けている箱は7個目だが、この音が少しクセになってきた。

 カチャッと言う音が鳴る度に達成感?を感じる。

 何個も開けているうちに気が付いたが、この箱は中から箱は出てはくるが、箱を中に入れようとしても中に入らないのだ。

 やっぱり出た瞬間に膨張しているのか?

 金属は熱によって膨張したりすると聞いた事がある。

 だが、俺にはこの箱が金属には思えないんだよな…………。


 カチャッ


 よし。7個目だ。

 中から箱を取り出し、もう1回同じことを繰り返す。
 
 その事をもう3回繰り返すと、不可解な事が起きた。
 

【スキル《解錠LV1》を入手しました】


 これは…………どういう事?

 箱を開けた瞬間、脳内に直接声が聴こえた。

 そ、そうか。俺はとうとう頭がおかしくなったんだ!

 だってそうでもなけりゃ、こんな不可解なこと…………。
 

 そう思ったが、よくよく考えればこの謎の箱もおかしい。なら今起こったこともあるのか?


 そう考えていると少し冷静になれた。

 今のはもしかしなくてもスキルを入手したってことだよな? 俺はこれでもネットの住民。アニメや漫画は色々見ている。

 こういうスキルものの定番はステータスと唱えると能力値が出る物だ。

 もしかして、俺はその能力に目覚めた!?

 善は急げだ! 俺は早速試す事にした。


「ステータス!」


 俺の声が部屋に響き渡る。

 あれ、発音が違ったのかな?


「すてぃたぁす!」


 またまた声が部屋に響き渡っただけだ。
 まさか英語じゃなくて日本語か?


「能力値!」


 またまた声が部屋に響き渡、


ドンッ


「うるさい!」


 隣の部屋の住民が怒鳴り声をあげた。

 いや、お前の方がうるせぇよと思ったが、そんなことを伝える勇気もないので、大人しくすることにした。


 しかし、ステータスとか、そういう物がある訳では無いようだ。 やはり俺の頭がおかしくなったのか? それともまさか幽霊…………。

 うん! きっと俺の頭がおかしいだけだ!


 怖くなった俺は、一番有り得そう事を答えにすることにした。

 時計を見ると、深夜1時だった。

 だが、昨日しっかりと寝たためか全然眠くない。

 少し考えた結果、あと一つだけ箱を開けることにした。俺は別にキリのいい数字にしたいと思うような人間では無いため、構わずに11個目を開けようとした。


 すると、俺は強烈な違和感に襲われた。

 違和感の正体は、ダイアルの1番左のダイアルだ。

 このダイアルは…………偶数? 別に分かった理由がある訳では無いのだが、ここは絶対に偶数だと分かる。


「まさかこれがの効果だって言うのか?」


 にわかに信じ難いが、多分これはスキルの効果なんだろう。

 うーん。もうこれは明日に保留するしか無いな。

 今日のところは一旦辞めよう。眠くないと言ってももう夜だし、少し頭をリセットさせるためにも睡眠を取った方が良いだろう。

 俺は今日も食事をとってそのまま寝た。




 キキィー ドンッ!!


 俺はものすごい音と共に起床した。

 音から察するに近くで事故が起こったようだ。

 俺は野次馬精神で窓から外を覗いて見た。事故は俺の家の目の前で起こったようで、車が近くの家のブロック塀にぶつかっていた。そして、車の前では何やら犬のような大きな動物が倒れていた。

 これは…………狼か?

 珍しいな。と言うか初めて見た。ここは普通に住宅街だし、近くに大きな森があるとかでもない。

 誰かのペットなのか? 

 まぁ、別に俺に被害が出るわけでもなさそうだし気にしなくていいか。俺は窓をしっかりと閉め、カーテンもしっかりと閉めた。

 さて、昨日の続きをしよう。

 昨日はワンチャン勘違いだった可能性もある。

 取り敢えず箱を見てみるが、やはりダイアルの1番左は偶数だという事が分かる。

 これが本当だったら、箱を開ける効率がかなり上がる!

 俺は試してみる事にした。
 

 まぁ、試してみると言っても今までと変わらず箱を開け続けるだけなのだ。 俺が偶数だと思ったらそこは偶数だけにする。奇数だと思ったらそこは奇数にするという事をしした。

 結果は5個やっただけだが、全てあっていた。これだけやって全て当たるという事は、俺はに目覚めたと言っても過言では無いだろう。

 これは、とんでもない事になったな。

 取り敢えず、ネットを使って調べてみよう。この世のことなら大体は検索をすると分かる。

 んーと、取り敢えず、スキルや謎の箱や黒い箱などで調べてみるが、特にめぼしい情報は見当たらない。


 どうやらこの現象は俺にだけ起きているようだ。

 ネットに載っていなかったため多分俺だけだとは思うが、国とかが秘匿しているとかの可能性もあるかもしれない。

 それなら俺はこの能力を隠した方がいいだろう。

 俺は国が嫌いだ。

 もし秘匿していなくても、国なんかの助けになる事はしたくない。


 取り敢えず、俺はこの箱を開け続けよう。どう考えてもこの物事の中心はこの箱だ。

 この箱を開け続けていれば必ず何か分かるはずだ。

 というか、まずおれは家の壁一面をこの箱で埋め尽くすという目標を建てた。取り敢えずその目標が達成されるまで開け続けていれば何か起こるだろう。

 
 俺はかなり長いスパンでこのことを解決していこうと思っていたのだが、変化は思ったよりも早く訪れた。
 
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