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15話 スキル昇格
しおりを挟む【スキル《解錠LV10》を入手しました】
【スキル《解錠LV10》がスキル《マスターキーLV1》に昇格しました】
スキルが昇格した!?
初めての事なので、少し不安だが、昇格という言葉は殆どの人には嫌な言葉では無いため今は不安な気持ちよりもワクワクした気持ちの方が勝っていた。
マスターキーと言えば大きな屋敷などで一番偉い人が持っているイメージだ。
勿論俺はそんなもの持っていない。
このスキルはどうやって使うのだろうか。解錠が昇格した物だし少なくとも鍵を開けるスキルだろう。
俺は試してみることにした。
今まで散々開けて来た箱を見る。
まず一番最初に気付いた変化は暗証番号が全て分かるようになっていた事だ。
LV9の時には番号がほぼ分かっていたが、今回で完全に分かるようになった。
それだけでも物凄い効果だったが、その瞬間俺は驚愕した。
カチャッ
この音を聞いたからだ。
俺が箱を開けようとしてダイヤルに触れた瞬間鍵が開いたのだ。
「まさか…………。」
俺はもう1回箱を出した。
その時に触れた時は鍵は開かなかった。なんの違いがあるんだ?
俺がもう一度箱を開けようとしてダイヤルに触れるとまた鍵が開いた。
これではっきりした。このスキルは俺が開けようと思いながら鍵に触れるとその鍵を開けることが出来るスキルの様だ。
飛んだぶっ壊れスキルだ。
俺は寝っ転がっていた体を無理やり起こし、大急ぎで玄関へと走った。
そして、玄関の鍵を開けようとして鍵に触れた。
カチャッ
これも開いた。やばい。やばすぎる。
解錠からマスターキーへの昇格は予想以上に飛んでもない強化だった。
予想以上に箱の力は伸びしろがあるようだ。
というか、その他のスキルは昇格するのか? そうなら試さなくては。
俺は玄関から猛ダッシュで箱へと飛びついた。
カチャッ カチャッ カチャッ
俺は飛んでもないスピードで箱を開け始めた。
「はっ、はっ、はっ、はっ!!」
腹筋をしながら。
筋力のスキルは上げれば絶対に有効活用できるスキルだ。なので筋力をあげることにしたのだ。
体力の効果なのか、筋力のLVが2になった為か、全然疲れない。
それに1個開けるためにかかる時間が数秒しかかからないため、筋力のLVが上がる速度が早く、疲れそうになる度に筋力のLVが上がりずっと腹筋を続けることが出来た。
【スキル《筋力LV10》を入手しました】
【スキル《筋力LV10》がスキル《金剛力LV1》に昇格しました】
やっぱり昇格した。
俺は興奮したのかはたまた疲れているのか分からないが鼻息が荒くなっていた。
金剛力はLV1と言っていた。
マスターキーにも言っていたが、効果を確かめようとしていてスルーしていたが、その表記があると言うことはこのスキルも昇格するかもしれないという事だ。
マスターキーの効果も見た通り、とんでもない程強化されていた。ならばそのスキルがさらに昇格されればどんな効果になってしまうのだろうか。
俺は未来を思い浮かべ気持ちの悪い笑みを浮かべた。
だが、これ以上妄想を膨らませすぎると、思ってたのと違う結果になった時に落ち込みようが物凄くなりそうなのでやめておいた。
とりあえず金剛力の効果を試してみよう。
大の字に寝っ転がっていた体をムクリと起こした。
なんだろう。身体中の感覚が違う。
まずはお腹を触ってみる。
カコン
そんな音が出そうな感触だった。
俺は慌てて服を捲ってみた。
「腹筋が割れてる!?」
やばいぞこれ! 腹筋が割れてる!? やばい! 泣きそう!
俺は学生時代デブすぎて虐められていた。こんな腹筋が学生時代の俺にもあったならもっと人気者になれたのだろうか。
色んな意味で泣きそうになったが、力試しを続ける事にした。
何か力をぶつけられそうな物はないかと探すが、殺風景な部屋を見てまた泣きそうになった為、外に出る事にした。外ならば少々暴れ回っても大丈夫だろう。
俺は窓から外の様子をうかがって何もいない事を確認した上でナイフを持って外に出た。勿論ゴブリンと戦う気は無いが、一応だ。
近くに公園がある訳では無いので、何か力試しが出来そうな物を探す事にした。
ついでに食糧も集めてこよう。
本当はダメな事だが、家の鍵を開けるが出来るようになったので、他の人の家に入って食糧を盗む予定だ。
どうせ戻って来る人も居ないだろうし、バレないだろう。
俺はまず手始めに近くにあった豪邸に入った。
クソ、俺もこんな家に住めるくらいの金持ちになれれば良かったな。
他の人の家に入るといつもこんな事を考えてしまう。自分と他人を比べて、どんどん惨めな気分になっていくのだ。
だが、今の俺には箱がある! そう考えると幾分か気分が楽になった。
まず俺はキッチンのようなところに入って食糧を探した。すると、缶詰のようなものが大量に出てきた。
やっぱり金持ちだな。ちょっと高そうなものばかりだ。
それ以外にも長持ちしそうな食品が大量に置いてあった。
全部持っていく訳には行かないため、無くなったらここに取りに来る事にしよう。
「…………。」
棚に飾ってあった写真を見てみると、家主であろうイケメンと何人もの美女が写った写真があった。
うん。力試しは別のところでやる予定だったが、ここの物を壊してしまう事しよう。
さぁ、どれを壊そうか。
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