49 / 51
第49話 そのことのためだったら、僕は幾らでも強くなれる。
しおりを挟む
「探してます」
「ふうん。何か、君、変わった格好ね」
女性はそう言いながら、DBにゆっくりと近づいていく。何だろう、と彼は思う。
街灯の下に来た時、あれ、と彼は思った。
結構美人さんだ。ゆるくウエーブのかかった茶髪を後ろで一つに束ねて、あっさりとした格好だけど。
「変でしょう?」
「ええ、変ね。何かのパーティでもあったの?」
さっきの少女達と同じことを聞く、と彼はくす、と笑う。
「悪いパーティが、あったんですよ」
「そう。それは可哀想に」
「それは別にいいんですよ。僕が勝手に行ったんだから、こうゆう格好になっても、それは僕の責任だし……」
「でもひどい格好よ。それに、どう見ても、あなた誰かにいたずらされてるじゃない」
「それはそうですけど」
どうして初対面のひとに、こんなこと言ってるんだろう、と彼は思う。そもそも何でこの女性は、そんなことを聞くのだろう。
「ライヴハウスを探してるんです」
「ライヴハウス? でももうこんな時間よ」
彼女はくい、と幾つか折ったシャツの下の腕を見せる。もう夜よりは、朝の方が近い時間帯かもしれない。二時間もすれば、夜が明けてしまうだろう。
「それでも、行かなくちゃ」
「行って、誰かが待ってるの?」
「判らない。だけど、僕は行かなくちゃいけない、と思ったから」
ふうん、と女性はうなづいた。表情は特に変わる様子は無い。
「だったら、君、ずいぶん道を間違えてるわよ」
「え」
「近くまで行くの。一緒にどう?」
よろこんで、と彼は大きくうなづいた。女性は大股に歩き出した。
「それにしても、本当にひどいパーティだったんじゃない? 私だったら、その格好だったら帰るの嫌よ」
「でも、大事な用事だったから」
「大事な用事だって、その格好じゃ、と思われるかもしれないでしょう?」
「そうかもしれない」
彼はうなづく。だいたいライヴハウスに行ったところで、誰が待っているという保証があるのだろう。
「だけど、大事なひとに、約束したことだし」
「そのひとが待ってるの?」
「大事なひとのために、約束したひとが、そこの名を出したから。……僕は今、電車代の一つも持っていないから、とりあえずそこに行こうと思ったんだ。歩いて行ける距離だろうから」
「迎えを呼ぼう、とは思わなかったの? そのひどい格好じゃ」
「だってこれは僕の問題だったから」
それで結局周囲に迷惑はかけてしまったけれど。
「何の問題だか判らないけれど、問題ってのは、解決しなくちゃあいけないものではないの?」
女性は、並んで歩く彼の方を特に見ることはしない。半ば興味無さげに、聞くとも聞かないともつかない態度のまま問いかける。
「そうなんだ」
彼もまた、女性の方は向かない。まっすぐ、前を向いたまま答える。
「もっと早く、僕は僕の問題を、解決しておくべきだったんだ」
「だったらもっと早く、すれば良かったんじゃあなくて?」
「でも、気付くのってのは、唐突だったから」
「言い訳ね」
「そうだよ、言い訳なんだ。ある日いきなり、それに気付いた、なんてのは、自分以外には言い訳だよ」
頭では判っていた。
だけどそうしなくてはならない――― そう動こう、という思いに達するのは別だ。そこには勇気が必要なのだ。意識的にせよ、無意識にせよ。
「気付いたの?」
「うん」
「それは良かった。それはじゃあ、君の大事なひとのため?」
「大事なひとと―――」
P子さんの姿がふっと思い起こされる。だが、それだけではない。
P子さん自身、ではなく、P子さんと過ごす自分、もその情景の中には存在していた。
「そのひとじゃないよ。僕が、そのひとと心地よく居られること、そのことのためなんだ」
「それは君のエゴじゃあないの? 自分勝手」
「かもしれない」
否定はしない。
「でも、そのことのためだったら、僕は幾らでも強くなれる、と思うんだ」
「そう」
軽く、女性は言った。
「だったら、そうなれたらいいわね」
「ええ」
彼は大きくうなづいた。やがて大きな歩道橋が、彼らの目の前に現れた。
「私にも昔、そう思えるひとが居たわ」
「え」
通りすがりだというのに、いきなり何を。しかし自分もよく考えてみたら、通りすがりの人だというのに、結構突っ込んだ話をしてしまっている。
だが具体的な内容ではないから、逆に通りすがりに聞かせてしまいたい時があるのもしれない。女性は、階段を上りながら続けた。
「だけど、そうしたい自分が居ることに気付かないまま、そのひととはもう会えなくなってしまったのよ」
「え……」
会えないって。
「昔の話。だから私は、今私の周りに居る大事な人達には、できるだけ幸せで居てほしい、って思うのよ」
「幸せに」
「そう、幸せに。私が彼女達を私のエゴに巻き込んでしまっている以上、それ以外の部分に関しては、できる限り、暖かくて、痛みの無い、幸せで居て欲しいって思うのよ」
彼はどうそれに答えていいものか、迷った。
やがて階段の最後の一歩を登り切る。
案外広い歩道橋には、夜明かしするのだろうか、通りの向こう側のコンビニで食料や飲み物を調達し、座り込んで居る少年少女が居た。
ライヴ帰りなのだろうか、とDBは思った。
と、ふとその少女の一人が、奇妙な顔をしてこちらを見ているのに彼は気付いた。
当初はその原因が自分なのだろうか、と彼は思った。
だが、どうもその視線の向きが、態度が、先ほどまでに自分がすれ違った人々と違うような気がする。
首を傾げ、眠りかかっている相棒を肘でつつき、不思議そうな顔をし。
それが一度ならいい。
だが、一人は焼きそばを口にしながら顔を上げた。
一人はバニラ・シェイクの太いストローから思わず口を離した。目を丸くした。ええ? と小さく叫んでいた。
何だろう。彼はそれでも女性がどんどん歩いて行くので、速度を緩める訳にはいかない。
階段を降りる。あそこだ、と女性は既に灯りの消えた設置灯を示す。
「あそこの地下が、君の言う、ライヴハウス」
「地下」
「そう、地下。昔からあって、かび臭くて、昔は演芸場で、壁にポスターがべたべたと貼ってある、ライヴハウス」
「え」
ふっ、と女性は笑った。このひとは。
ポケットから女性は、携帯を出し、片手で器用に操作する。
「……ああ桜野? そう。今、前」
じゃ、と彼女がスイッチを切るか切らないか、というところで、中の階段がどたどたと音を立てた。
地下へ続く階段から、大柄な女が駆け上がって来た。金髪だった。いつの時代にも流行の主流には決してならないような長髪の。
「早いじゃない、桜野」
「……待ってろって言うから、待ってたんですよ。―――HISAKAさん」
は。
DBは息を呑んだ。このひとが、HISAKA。PH7のリーダーで、ドラマーで、……
「初めましてDB君。そして、これからよろしく」
よろしくお願いします、と彼が頭を下げるまで、たっぷり一分はかかっただろう。
「ふうん。何か、君、変わった格好ね」
女性はそう言いながら、DBにゆっくりと近づいていく。何だろう、と彼は思う。
街灯の下に来た時、あれ、と彼は思った。
結構美人さんだ。ゆるくウエーブのかかった茶髪を後ろで一つに束ねて、あっさりとした格好だけど。
「変でしょう?」
「ええ、変ね。何かのパーティでもあったの?」
さっきの少女達と同じことを聞く、と彼はくす、と笑う。
「悪いパーティが、あったんですよ」
「そう。それは可哀想に」
「それは別にいいんですよ。僕が勝手に行ったんだから、こうゆう格好になっても、それは僕の責任だし……」
「でもひどい格好よ。それに、どう見ても、あなた誰かにいたずらされてるじゃない」
「それはそうですけど」
どうして初対面のひとに、こんなこと言ってるんだろう、と彼は思う。そもそも何でこの女性は、そんなことを聞くのだろう。
「ライヴハウスを探してるんです」
「ライヴハウス? でももうこんな時間よ」
彼女はくい、と幾つか折ったシャツの下の腕を見せる。もう夜よりは、朝の方が近い時間帯かもしれない。二時間もすれば、夜が明けてしまうだろう。
「それでも、行かなくちゃ」
「行って、誰かが待ってるの?」
「判らない。だけど、僕は行かなくちゃいけない、と思ったから」
ふうん、と女性はうなづいた。表情は特に変わる様子は無い。
「だったら、君、ずいぶん道を間違えてるわよ」
「え」
「近くまで行くの。一緒にどう?」
よろこんで、と彼は大きくうなづいた。女性は大股に歩き出した。
「それにしても、本当にひどいパーティだったんじゃない? 私だったら、その格好だったら帰るの嫌よ」
「でも、大事な用事だったから」
「大事な用事だって、その格好じゃ、と思われるかもしれないでしょう?」
「そうかもしれない」
彼はうなづく。だいたいライヴハウスに行ったところで、誰が待っているという保証があるのだろう。
「だけど、大事なひとに、約束したことだし」
「そのひとが待ってるの?」
「大事なひとのために、約束したひとが、そこの名を出したから。……僕は今、電車代の一つも持っていないから、とりあえずそこに行こうと思ったんだ。歩いて行ける距離だろうから」
「迎えを呼ぼう、とは思わなかったの? そのひどい格好じゃ」
「だってこれは僕の問題だったから」
それで結局周囲に迷惑はかけてしまったけれど。
「何の問題だか判らないけれど、問題ってのは、解決しなくちゃあいけないものではないの?」
女性は、並んで歩く彼の方を特に見ることはしない。半ば興味無さげに、聞くとも聞かないともつかない態度のまま問いかける。
「そうなんだ」
彼もまた、女性の方は向かない。まっすぐ、前を向いたまま答える。
「もっと早く、僕は僕の問題を、解決しておくべきだったんだ」
「だったらもっと早く、すれば良かったんじゃあなくて?」
「でも、気付くのってのは、唐突だったから」
「言い訳ね」
「そうだよ、言い訳なんだ。ある日いきなり、それに気付いた、なんてのは、自分以外には言い訳だよ」
頭では判っていた。
だけどそうしなくてはならない――― そう動こう、という思いに達するのは別だ。そこには勇気が必要なのだ。意識的にせよ、無意識にせよ。
「気付いたの?」
「うん」
「それは良かった。それはじゃあ、君の大事なひとのため?」
「大事なひとと―――」
P子さんの姿がふっと思い起こされる。だが、それだけではない。
P子さん自身、ではなく、P子さんと過ごす自分、もその情景の中には存在していた。
「そのひとじゃないよ。僕が、そのひとと心地よく居られること、そのことのためなんだ」
「それは君のエゴじゃあないの? 自分勝手」
「かもしれない」
否定はしない。
「でも、そのことのためだったら、僕は幾らでも強くなれる、と思うんだ」
「そう」
軽く、女性は言った。
「だったら、そうなれたらいいわね」
「ええ」
彼は大きくうなづいた。やがて大きな歩道橋が、彼らの目の前に現れた。
「私にも昔、そう思えるひとが居たわ」
「え」
通りすがりだというのに、いきなり何を。しかし自分もよく考えてみたら、通りすがりの人だというのに、結構突っ込んだ話をしてしまっている。
だが具体的な内容ではないから、逆に通りすがりに聞かせてしまいたい時があるのもしれない。女性は、階段を上りながら続けた。
「だけど、そうしたい自分が居ることに気付かないまま、そのひととはもう会えなくなってしまったのよ」
「え……」
会えないって。
「昔の話。だから私は、今私の周りに居る大事な人達には、できるだけ幸せで居てほしい、って思うのよ」
「幸せに」
「そう、幸せに。私が彼女達を私のエゴに巻き込んでしまっている以上、それ以外の部分に関しては、できる限り、暖かくて、痛みの無い、幸せで居て欲しいって思うのよ」
彼はどうそれに答えていいものか、迷った。
やがて階段の最後の一歩を登り切る。
案外広い歩道橋には、夜明かしするのだろうか、通りの向こう側のコンビニで食料や飲み物を調達し、座り込んで居る少年少女が居た。
ライヴ帰りなのだろうか、とDBは思った。
と、ふとその少女の一人が、奇妙な顔をしてこちらを見ているのに彼は気付いた。
当初はその原因が自分なのだろうか、と彼は思った。
だが、どうもその視線の向きが、態度が、先ほどまでに自分がすれ違った人々と違うような気がする。
首を傾げ、眠りかかっている相棒を肘でつつき、不思議そうな顔をし。
それが一度ならいい。
だが、一人は焼きそばを口にしながら顔を上げた。
一人はバニラ・シェイクの太いストローから思わず口を離した。目を丸くした。ええ? と小さく叫んでいた。
何だろう。彼はそれでも女性がどんどん歩いて行くので、速度を緩める訳にはいかない。
階段を降りる。あそこだ、と女性は既に灯りの消えた設置灯を示す。
「あそこの地下が、君の言う、ライヴハウス」
「地下」
「そう、地下。昔からあって、かび臭くて、昔は演芸場で、壁にポスターがべたべたと貼ってある、ライヴハウス」
「え」
ふっ、と女性は笑った。このひとは。
ポケットから女性は、携帯を出し、片手で器用に操作する。
「……ああ桜野? そう。今、前」
じゃ、と彼女がスイッチを切るか切らないか、というところで、中の階段がどたどたと音を立てた。
地下へ続く階段から、大柄な女が駆け上がって来た。金髪だった。いつの時代にも流行の主流には決してならないような長髪の。
「早いじゃない、桜野」
「……待ってろって言うから、待ってたんですよ。―――HISAKAさん」
は。
DBは息を呑んだ。このひとが、HISAKA。PH7のリーダーで、ドラマーで、……
「初めましてDB君。そして、これからよろしく」
よろしくお願いします、と彼が頭を下げるまで、たっぷり一分はかかっただろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました
蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。
家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。
アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。
閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。
養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。
※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
悪役令嬢の逆襲
すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る!
前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。
素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる