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第4話 少女達のたくらみ
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帝国、とこの国は自称している。
それ以上の名前は無い。
それまでこの広大な大陸に散らばっていた様々な国々は、支配する家の名をつけることが多かった。
また古い歴史のある旧「桜」藩国の様に、その土地の特性を現す言葉をつけることもあった。
だがこの国にはそれは無い。ただ「皇帝の治める国」、それ以上の名はその国には必要が無かった。
「隣国」が存在しない国には、わざわざ国々の区別をするための名称は必要が無かった。
この国の周囲に存在するのは、海と、砂漠のみ。
*
「その広い帝国の宮中に入るなど、―――実に光栄、名誉なことではありませんか」
サボンは寝台で泣きじゃくる主人に向かって言う。
「何がっ!」
アリカは身を起こす。その顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。
「宮中にお入りになることは名誉なことです」
サボンは言葉を変えて繰り返す。
「あんたにはそう見えるって言うの?」
はい、とサボンはうなづく。
アリカの手が不意に枕を掴んだ。投げた。
ばす。
避けもせず、サボンは柔らかなそれを顔で受けた。
「……」
両手に持ち直すと、ぽんぽんと形を整える。
「名誉なことです」
サボンは繰り返す。
「……でも嫌よ」
アリカは低い声を絞り出す。
「死んでしまうかもしれないのよっ! 嫌よ。嫌嫌!」
首をぶるぶると振る。髪が乱れる。
「お嬢様……」
「だってそうじゃない! 今までどれだけの方が、陛下の御子を産めずに亡くなられたか! あんた私より賢いから、知っているでしょう! 私が死んでもいいってあんた言うの!」
ばふばふ。柔らかな布団を叩く。埃が舞う。サボンは眉を潜める。掃除のし直しをしなくてはならないだろう。
「そんなことは……」
「いいえ。きっと思っているんだわあんたも。いつも私が我が侭ばかり言うから、あんたも裏では私のこと、憎んでるんだわ」
やれやれ、とサボンはそっとため息をつく。
そんな、考えても仕方が無いことを考えてどうなるというのだ。
幼い頃に拾われて以来サボンは、この家の使用人だ。この家の、将軍の、アリカのものだ。
彼等を好きになる必要も無いが、嫌いになる必要も無い。主人というものは一般的に理不尽なものだ。そうでなければ御の字だ。
少なくともサボンはそう思うようにしてきた。そしてその意味では、自分はまだずいぶんと良いほうだと。
「お嬢様がお亡くなりになるとは限らないではないですか」
「何それ」
ふん、とアリカは真っ赤になった鼻をすする。
「生きて、公主様をお産みになった方もいらっしゃいます。お嬢様がそうならないとは限らないではないですか。御子を孕まないかもしれないではないですか」
「あんた結構失礼ね」
ぐいっ、とアリカは涙を手の甲でぬぐう。ずずっ、と鼻を一気にすする。
「それに、もしかしたら、皇后陛下になられるかも」
「冗談!」
アリカは大きく首を振った。
「今の今まで、誰もそうできなかったのよ?」
「今の今までそうだったからって、今度もそうとは限りません」
ふうん、とアリカはうなづいた。
「今まで今上の陛下の宮中に入られたのは五十と六の女性方です。それは私の知り得た人数ですから、実際にはもっと多いでしょう」
「……耳年増」
何とでも、とサボンは返した。
「そのうち公主様をそれぞれお一人づつお産みになったのは十五人。そのうちの七人が御降嫁になり、翁主様となられ。八人のうち、二人が幼くしてご病気でお亡くなりに。現在宮中にいらっしゃるのは六人ですが、そのうちの三人がご結婚がお決まりになり、外で御修行中。実際には三人だけです」
「は、全く! 閑散! としているわね!」
「だからお嬢様がお入りになって、華やかな宮中になっていただきたいのでは?」
「は」
あはは、と彼女は笑った。
「私で華やか、はないでしょう! 世襲大貴族の娘でもなく、一将軍家の娘が! だいたいあんた、今まで生き残って来られた方々のことばかり言っているけど、逆に言えば―――えっ、と」
「はい。四十一人の女性は、何らかの形で、外に出ています」
「そうよ。ってことは、五人に四人は死んでるってことじゃあないの?」
「お亡くなりになってばかりじゃあありませんよ。そのうちの半分の方々は、どうしてもお孕みになれなかったのです。そして外に出された」
「そんな話聞いたことは無いわ」
「確かに。でも高貴な方々は、身体が決して丈夫でない場合もあります。はじめから、陛下の…… その、受け付けることが、できなかったというのでは」
「陛下の…… 何?」
アリカは眉を寄せる。
「何よ。言ってごらんなさいよ。別に私だって全く知らないというのではないわ。大切なところに大切な御物がお入り出来なかったとか、そういうこと? そういうことを言いたいんでしょ」
「……お嬢様……」
はあ、とサボンは頭を抱えた。
「それで駄目だって言うなら、はじめからそういうのが、あそこが、大丈夫そうなひとを見繕えばいいのよ! なまじ子供を作ったことが無い生娘、なんてこと言ってるから、できないんじゃないの!」
「お嬢様、はしたないです……」
「ふん、本当のことでしょ」
まあそれは確かに、とサボンは思った。
「あんた、私より賢いんだから、ずっとそう思っていたんじゃない?」
「私の口からは言えません」
「ほら、そういうことじゃない」
ふん、とアリカは胸を張った。
困った、とサボンは思った。話がどんどんどんどんずれている。自分はこの自分の主人が宮中に行くことを了承させなくてはならない立場にあるというのに。このままではこの何処かはしたないお嬢様は「やっぱり嫌」とはねつけるだけだ。
「生娘と言えば私なんて、そのものじゃない! きっと陛下の御物など、全くお入りになれないに違いないわっ! それに初めては凄く痛いって言うじゃない! 血も出るって言うわっ! もしかしてその時の血が多すぎて死んでしまうひとも居るのかも!」
ああもう滅茶苦茶だ、とサボンは思わず額に手を当てた。
「……ともかく、お嬢様が宮中に行かないことには、旦那様のお立場が」
「そんなこと、判ってるわよ」
途端にアリカはしゅんとなった。
だが次の瞬間、彼女はサボンをびっ、と指さし。
「だからこれは愚痴よ!」
「愚痴、ですか」
はあ、とサボンは間抜けな声を立てた。
「はん、こんなの、愚痴に決まってるじゃない!」
「決まってる、んですか」
「お父様が上のご命令に背けないことなんか、私だって当たり前、知ってることよ! 仕方ないじゃない! だから私の言うのは愚痴よ! だからサボン、あんたは、私の愚痴を聞けばいいの!」
わかった? とアリカは口を歪めた。
「そうだったんですか……」
「何あんた、私と十三年も付き合ってきて、気づきもしなかったの?」
「サボンは不調法ゆえ」
「そうよね。鈍感だし。あー、でも本当に、憂鬱なのは、憂鬱なのよ?」
「そうでしょうね…… けどそれは、昔の、宿題の帳面の様に、代わりができるという訳ではございませんし」
「代わり」
ぱち、とアリカの目が丸く開いた。
「何サボンあんた、私の代わり、してもいいって言うの?」
「え? ええ無論」
あっさりとした答えが返る。
「本当に?」
ぐい、とアリカはサボンに顔を近づける。思わずサボンは軽くのけぞる。
「ええ本当に。そんなことできないのは重々判っておりますが」
「何で」
「どうしてとおっしゃられても。お嬢様がお困りになっているし」
「賢いあんたがそれだけ?」
「お言葉を返しますが」
「そこで返すあたりがあんたよね」
「私は別に賢くはありません」
「何言ってんのよ。うちにある古典書籍と、新版全版図帳に載っている地名を新名古名合わせて、一字一句間違えずに暗記している女の何処かが賢くないって言うのよ」
サボンは苦笑し、黙った。事実は強い。反論を許さない。
「代わりますか?」
「ほんっとうに、あんた、いいの?」
「サボンはお嬢様のものですので。旦那様もそうおっしゃいましたことですし」
「ふうん? あの時の言葉を、あんた、そう取っていたのね?」
いや違う。サボンは薄く笑った口元に、言葉をもう一つ隠していた。
十三年前、将軍が自分を拾ったのは、いつか来るだろう、同じ年頃の娘の災厄の身代わりにするためだったのだ。
それ以上の名前は無い。
それまでこの広大な大陸に散らばっていた様々な国々は、支配する家の名をつけることが多かった。
また古い歴史のある旧「桜」藩国の様に、その土地の特性を現す言葉をつけることもあった。
だがこの国にはそれは無い。ただ「皇帝の治める国」、それ以上の名はその国には必要が無かった。
「隣国」が存在しない国には、わざわざ国々の区別をするための名称は必要が無かった。
この国の周囲に存在するのは、海と、砂漠のみ。
*
「その広い帝国の宮中に入るなど、―――実に光栄、名誉なことではありませんか」
サボンは寝台で泣きじゃくる主人に向かって言う。
「何がっ!」
アリカは身を起こす。その顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。
「宮中にお入りになることは名誉なことです」
サボンは言葉を変えて繰り返す。
「あんたにはそう見えるって言うの?」
はい、とサボンはうなづく。
アリカの手が不意に枕を掴んだ。投げた。
ばす。
避けもせず、サボンは柔らかなそれを顔で受けた。
「……」
両手に持ち直すと、ぽんぽんと形を整える。
「名誉なことです」
サボンは繰り返す。
「……でも嫌よ」
アリカは低い声を絞り出す。
「死んでしまうかもしれないのよっ! 嫌よ。嫌嫌!」
首をぶるぶると振る。髪が乱れる。
「お嬢様……」
「だってそうじゃない! 今までどれだけの方が、陛下の御子を産めずに亡くなられたか! あんた私より賢いから、知っているでしょう! 私が死んでもいいってあんた言うの!」
ばふばふ。柔らかな布団を叩く。埃が舞う。サボンは眉を潜める。掃除のし直しをしなくてはならないだろう。
「そんなことは……」
「いいえ。きっと思っているんだわあんたも。いつも私が我が侭ばかり言うから、あんたも裏では私のこと、憎んでるんだわ」
やれやれ、とサボンはそっとため息をつく。
そんな、考えても仕方が無いことを考えてどうなるというのだ。
幼い頃に拾われて以来サボンは、この家の使用人だ。この家の、将軍の、アリカのものだ。
彼等を好きになる必要も無いが、嫌いになる必要も無い。主人というものは一般的に理不尽なものだ。そうでなければ御の字だ。
少なくともサボンはそう思うようにしてきた。そしてその意味では、自分はまだずいぶんと良いほうだと。
「お嬢様がお亡くなりになるとは限らないではないですか」
「何それ」
ふん、とアリカは真っ赤になった鼻をすする。
「生きて、公主様をお産みになった方もいらっしゃいます。お嬢様がそうならないとは限らないではないですか。御子を孕まないかもしれないではないですか」
「あんた結構失礼ね」
ぐいっ、とアリカは涙を手の甲でぬぐう。ずずっ、と鼻を一気にすする。
「それに、もしかしたら、皇后陛下になられるかも」
「冗談!」
アリカは大きく首を振った。
「今の今まで、誰もそうできなかったのよ?」
「今の今までそうだったからって、今度もそうとは限りません」
ふうん、とアリカはうなづいた。
「今まで今上の陛下の宮中に入られたのは五十と六の女性方です。それは私の知り得た人数ですから、実際にはもっと多いでしょう」
「……耳年増」
何とでも、とサボンは返した。
「そのうち公主様をそれぞれお一人づつお産みになったのは十五人。そのうちの七人が御降嫁になり、翁主様となられ。八人のうち、二人が幼くしてご病気でお亡くなりに。現在宮中にいらっしゃるのは六人ですが、そのうちの三人がご結婚がお決まりになり、外で御修行中。実際には三人だけです」
「は、全く! 閑散! としているわね!」
「だからお嬢様がお入りになって、華やかな宮中になっていただきたいのでは?」
「は」
あはは、と彼女は笑った。
「私で華やか、はないでしょう! 世襲大貴族の娘でもなく、一将軍家の娘が! だいたいあんた、今まで生き残って来られた方々のことばかり言っているけど、逆に言えば―――えっ、と」
「はい。四十一人の女性は、何らかの形で、外に出ています」
「そうよ。ってことは、五人に四人は死んでるってことじゃあないの?」
「お亡くなりになってばかりじゃあありませんよ。そのうちの半分の方々は、どうしてもお孕みになれなかったのです。そして外に出された」
「そんな話聞いたことは無いわ」
「確かに。でも高貴な方々は、身体が決して丈夫でない場合もあります。はじめから、陛下の…… その、受け付けることが、できなかったというのでは」
「陛下の…… 何?」
アリカは眉を寄せる。
「何よ。言ってごらんなさいよ。別に私だって全く知らないというのではないわ。大切なところに大切な御物がお入り出来なかったとか、そういうこと? そういうことを言いたいんでしょ」
「……お嬢様……」
はあ、とサボンは頭を抱えた。
「それで駄目だって言うなら、はじめからそういうのが、あそこが、大丈夫そうなひとを見繕えばいいのよ! なまじ子供を作ったことが無い生娘、なんてこと言ってるから、できないんじゃないの!」
「お嬢様、はしたないです……」
「ふん、本当のことでしょ」
まあそれは確かに、とサボンは思った。
「あんた、私より賢いんだから、ずっとそう思っていたんじゃない?」
「私の口からは言えません」
「ほら、そういうことじゃない」
ふん、とアリカは胸を張った。
困った、とサボンは思った。話がどんどんどんどんずれている。自分はこの自分の主人が宮中に行くことを了承させなくてはならない立場にあるというのに。このままではこの何処かはしたないお嬢様は「やっぱり嫌」とはねつけるだけだ。
「生娘と言えば私なんて、そのものじゃない! きっと陛下の御物など、全くお入りになれないに違いないわっ! それに初めては凄く痛いって言うじゃない! 血も出るって言うわっ! もしかしてその時の血が多すぎて死んでしまうひとも居るのかも!」
ああもう滅茶苦茶だ、とサボンは思わず額に手を当てた。
「……ともかく、お嬢様が宮中に行かないことには、旦那様のお立場が」
「そんなこと、判ってるわよ」
途端にアリカはしゅんとなった。
だが次の瞬間、彼女はサボンをびっ、と指さし。
「だからこれは愚痴よ!」
「愚痴、ですか」
はあ、とサボンは間抜けな声を立てた。
「はん、こんなの、愚痴に決まってるじゃない!」
「決まってる、んですか」
「お父様が上のご命令に背けないことなんか、私だって当たり前、知ってることよ! 仕方ないじゃない! だから私の言うのは愚痴よ! だからサボン、あんたは、私の愚痴を聞けばいいの!」
わかった? とアリカは口を歪めた。
「そうだったんですか……」
「何あんた、私と十三年も付き合ってきて、気づきもしなかったの?」
「サボンは不調法ゆえ」
「そうよね。鈍感だし。あー、でも本当に、憂鬱なのは、憂鬱なのよ?」
「そうでしょうね…… けどそれは、昔の、宿題の帳面の様に、代わりができるという訳ではございませんし」
「代わり」
ぱち、とアリカの目が丸く開いた。
「何サボンあんた、私の代わり、してもいいって言うの?」
「え? ええ無論」
あっさりとした答えが返る。
「本当に?」
ぐい、とアリカはサボンに顔を近づける。思わずサボンは軽くのけぞる。
「ええ本当に。そんなことできないのは重々判っておりますが」
「何で」
「どうしてとおっしゃられても。お嬢様がお困りになっているし」
「賢いあんたがそれだけ?」
「お言葉を返しますが」
「そこで返すあたりがあんたよね」
「私は別に賢くはありません」
「何言ってんのよ。うちにある古典書籍と、新版全版図帳に載っている地名を新名古名合わせて、一字一句間違えずに暗記している女の何処かが賢くないって言うのよ」
サボンは苦笑し、黙った。事実は強い。反論を許さない。
「代わりますか?」
「ほんっとうに、あんた、いいの?」
「サボンはお嬢様のものですので。旦那様もそうおっしゃいましたことですし」
「ふうん? あの時の言葉を、あんた、そう取っていたのね?」
いや違う。サボンは薄く笑った口元に、言葉をもう一つ隠していた。
十三年前、将軍が自分を拾ったのは、いつか来るだろう、同じ年頃の娘の災厄の身代わりにするためだったのだ。
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