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第4話 「あなたの声が耳に入ると、僕は何やら訳が判らなくなるんだ」
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「何処の局もやってないな」
ベッドサイドに置いていたラジオのアンテナを伸ばすと、彼は手探りでダイヤルを回した。銀色の細いアンテナは、空に浮かぶ二つの月の光を反射してきらりと輝く。
旧式のラジオは、空間の電波状態をいちいち自動的に整理することはない。
特に時刻の違う地域や、大気圏外からの電波も飛んでくる時間帯にはそれが甚だしい。
雨の音や、わななく鳥の声のようなノイズが、時々耳を刺すように、明るくはない部屋に飛び込んでくる。
軍の備品なら当然だろう。民間用に「綺麗に」整理されたラジオでは、敵軍の電波を拾うこともできないのだから。
そんな中から、彼は幾つかの民間放送を拾いだし、その内容に耳を傾けた。
経済情報や、音楽番組や、詩を朗読している局、それに何処かの地下組織の革命放送の演説まであった。
「そりゃあそうだろう? そんなこといきなり民間に知れたら、何が起こるか判らない。このマレエフだけでもどれだけのレプリカが居ると思う?」
「特にここはスターライト財団の最大級の工場があるからね……」
「判ってるじゃないの」
いつの間にか彼の個室に入ってきていた友人は、当たり前のように声をかけた。
そして座る彼の前に立つと、くい、とその顎を上げさせる。慣れた友人の仕草に、Gは表情を変えることもなくあっさりと言葉を返す。
「常識でしょ。しかもマレエフの工場には、HLMの最大級の原料タンクがあるんだからさ」
「最大級。もしくは唯一。ここにしかない、ね。全く、いつの間にここに運び込んだのやら」
そう言いながら友人の手は、顎から首へと回り、Gの長い黒い髪をまとめていたリボンをするり、と解く。
それが合図の様に、彼は目を半分閉じる。
髪をかきやりながら、鷹は彼の右の耳に何やら囁いた。
途端に彼の身体から力が抜ける。軽く押されただけで、Gは自分の身体が落下していく感覚を味わう。
こんな関係は、もう結構長いものだった。士官学校の頃からであるから、もうどの位になるだろう。
出会った時には、ただの先輩と後輩だった。それが幾つかの季節を過ぎた時、友人になった。
*
きっかけは、士官学校がお祭り騒ぎの準備に追われていたことだった。
戦争中の軍隊とは言え、毎日が毎日、戦闘に明け暮れている訳ではない。何かしら祖先の祝祭日には上官を説得してお祭り騒ぎをしようと試みるのが通例である。
それはその下にある士官学校にしても同じだった。いや、実戦に出ることがない学校の生徒なら、なお当然だったとも言える。
誰もが皆、戦争に出て死ぬ可能性を当然と思っているくせに、その傍らで、お祭りで浮かれ騒ぐこともまた当然だと考えていた。
そんな浮かれ騒ぎの雰囲気の中で、Gは成りゆきで合唱隊のピアノの伴奏を引き受けることとなってしまった。たまたま母星の故郷に居た頃に修練していたピアノの腕を買われたのである。
何でここで合唱隊なんだ、と考えたところで始まらない。他の同期生に誰もピアノを弾ける者がいなかったこともあり、彼は結局伴奏を引き受けてしまった。
そしてそこで、顔はともかく、名前までは覚えてはいなかった上級生と出会ったのだ。
果たしてそれが偶然であったのかどうかは彼には判らない。相手を知らなかった当時も、知っている現在も。
その時期の放課後、彼は個人練習と称してそう大きくもない宿舎の娯楽室を占領してピアノを弾いていた。
時間はそう長くは取れなかった。他の生徒が外で準備に追われている間だけ。押しつけられたような役割なのに、そのあたりの規則は守らなくてはならないのがやや理不尽に感じられる。
さすがに士官学校に入ってからはずっと弾いていなかったので、ピアノを弾く指もやや鈍っていた。するといきおい、練習に励む手も熱心になり、集中した耳は外の音も聞こえにくくなる。
だから、その時彼は、心臓が止まるかと思った。
その上級生は、何の前触れもなくやってきた。
音も立てずに娯楽室を横切り、アプライトのピアノを弾く彼の右横に立った。
弾かれたように顔を上げた彼は、しばらく集中していたせいか、そこに立っていたのが、顔しか知らない上級生だというのを思い出すのにやや時間がかかった。
そんな彼に、上級生はああそうか、という顔をした。そういう態度を示す者には見覚えがあったらしい。
「何の用ですか?」
ややぶっきらぼうに彼は訊いた。
頭の接続の切り替えが上手くいかないのか、表情が堅くなっていることは、彼自身気付いていた。だが気にするような性格でもなかった。
上級生は、それに気付いてか気付かずか、努めて親切な口調で彼に話しかけた。
「実は先日、俺は用事があって歌の練習に出られなかったんだ」
上級生は、そう言ってピアノの上にあった楽譜の、一番上のパートを指し、俺はここね、と付け足した。
「一応読めるけどね、ちゃんと覚えたいから、弾いてくれないかな?」。
ああ、とうなづきながら、ようやくやや落ち着いた彼は、言われる通りに、上級生が指した譜面のメロディをたどった。歌う側に合わせた、メロディつきの伴奏を彼の指は奏でる。それはそう難しいことではない。
二小節ばかり進んだところで、上級生は、歌い始めた。
だがその次の瞬間、彼の両肩はぴくん、と何の前触れもなく上がった。
電気が走ったような感触が、確かにあった。そしてその電気が、自分の右半身から力を脱けさせるのを。
全身が硬直した。手が止まった。
「……どうしたんだ?」
上級生は、突然手を止めた後輩に、軽く姿勢を落とし、顔をのぞきこむようにして、右側から訊ねた。
彼は慌てて飛び跳ねるようにして顔を上げ、椅子から立ち上がり、上級生から退いた。上級生は不機嫌半分、怪訝そうな顔半分で後輩を軽くにらんだ。
「何か俺が悪いことをしたのか?」
彼は慌てて首を横に振った。違う。確かにそれは違うのだ。
「じゃあ何だよ」
上級生は迫った。だが彼自身、何がなんだか、自分に何が起こったのかさっぱり判らないので、とにかく後ずさりするしかなかったのだ。
そして気が付いたら、壁ぎわに追いつめられていた。もともとアプライトのピアノは部屋の隅にあった。
気付いたのか気付かないのか、上級生は右の手を上げ、壁と自分の間に彼を挟み込むようにして接近して問いつめていた。
そして幾つかの問いが、彼の中に飛び込んだ。そのたびにその声は、彼の中に入り込み、かき回した。
彼はその問いに、ただ頭を振るばかりだった。
だが、さすがにそこまでされれば、彼も何故自分が訳の判らない状態になっているのか、気付くことができた。
「あなたの声が悪いんだ」
何度かの上級生の問いの果てに、彼は消え入りそうな声で告げた。
すると上級生は、彼の顎に手をのばすと、くっと自分の方へ向けさせた。彼は息を呑んだ。
視線が合う。
混乱と恐怖、そしてそんな醜態を見せたことに対する羞恥のせいか、彼の目はやや潤んでいた。
その表情には、さすがに上級生も心動かされるものがあったらしい。やや大きすぎるくらいの目が、こころもち細められた。
「俺の声が?」
彼はうなづいた。視線が、離せない。
そして続けた。
とにかく何かしら、本当のことを言わなくては、この上級生が自分に何をするか判らないような気が彼にはしていた。
「……あなたの声が耳に入ると、僕は何やら訳が判らなくなるんだ」
それは本当だった。上級生はそれを聞くと、軽く首を傾げ、ふうん、と言いたげな顔になった。
「俺の声が?」
上級生は確かめるかのように彼に問いかけた。
掴まれたままの顔ではうなづくこともできない。大きな手は、軽く掴んでいるだけのようなのに、彼の自由を完全に奪っていた。彼の中で不安が高まった。それはほとんど初めて味わう感覚だった。
ところが、不意にその左手の長い指は、つ、と僅かに耳の方へと移動した。その途端、そんなつもりはないのに、彼の口が軽く開き、目が細められた。
喉の中から、声が細く漏れる。
長い指は、そのまま彼の首筋をすべり、鎖骨のあたりまでたどりつくと、不意に離れた。
「じゃあ仕方ないね」
くす、と上級生は笑い、壁についていた手を離した。
ふっと自分の周りの気温が下がるのを彼は感じていた。それほど接近していたことに、彼はようやく気がついた。
はあ、と彼は大きく息をついた。ずる、と背中が壁にへばりついたまま落ちていくのを感じながら、緊張が解けるのを感じていた。
そしてその元凶は、あはは、と笑いながら上着のポケットに手を突っ込んでその部屋から出ていった。
Gは全身で安堵した。
額から背中から汗が一気に吹き出すのを感じていた。何が起こったのか、頭は一気に整理しようと努力を始めていた。
そして、それだけで済んでほしい、と彼は思った。
ベッドサイドに置いていたラジオのアンテナを伸ばすと、彼は手探りでダイヤルを回した。銀色の細いアンテナは、空に浮かぶ二つの月の光を反射してきらりと輝く。
旧式のラジオは、空間の電波状態をいちいち自動的に整理することはない。
特に時刻の違う地域や、大気圏外からの電波も飛んでくる時間帯にはそれが甚だしい。
雨の音や、わななく鳥の声のようなノイズが、時々耳を刺すように、明るくはない部屋に飛び込んでくる。
軍の備品なら当然だろう。民間用に「綺麗に」整理されたラジオでは、敵軍の電波を拾うこともできないのだから。
そんな中から、彼は幾つかの民間放送を拾いだし、その内容に耳を傾けた。
経済情報や、音楽番組や、詩を朗読している局、それに何処かの地下組織の革命放送の演説まであった。
「そりゃあそうだろう? そんなこといきなり民間に知れたら、何が起こるか判らない。このマレエフだけでもどれだけのレプリカが居ると思う?」
「特にここはスターライト財団の最大級の工場があるからね……」
「判ってるじゃないの」
いつの間にか彼の個室に入ってきていた友人は、当たり前のように声をかけた。
そして座る彼の前に立つと、くい、とその顎を上げさせる。慣れた友人の仕草に、Gは表情を変えることもなくあっさりと言葉を返す。
「常識でしょ。しかもマレエフの工場には、HLMの最大級の原料タンクがあるんだからさ」
「最大級。もしくは唯一。ここにしかない、ね。全く、いつの間にここに運び込んだのやら」
そう言いながら友人の手は、顎から首へと回り、Gの長い黒い髪をまとめていたリボンをするり、と解く。
それが合図の様に、彼は目を半分閉じる。
髪をかきやりながら、鷹は彼の右の耳に何やら囁いた。
途端に彼の身体から力が抜ける。軽く押されただけで、Gは自分の身体が落下していく感覚を味わう。
こんな関係は、もう結構長いものだった。士官学校の頃からであるから、もうどの位になるだろう。
出会った時には、ただの先輩と後輩だった。それが幾つかの季節を過ぎた時、友人になった。
*
きっかけは、士官学校がお祭り騒ぎの準備に追われていたことだった。
戦争中の軍隊とは言え、毎日が毎日、戦闘に明け暮れている訳ではない。何かしら祖先の祝祭日には上官を説得してお祭り騒ぎをしようと試みるのが通例である。
それはその下にある士官学校にしても同じだった。いや、実戦に出ることがない学校の生徒なら、なお当然だったとも言える。
誰もが皆、戦争に出て死ぬ可能性を当然と思っているくせに、その傍らで、お祭りで浮かれ騒ぐこともまた当然だと考えていた。
そんな浮かれ騒ぎの雰囲気の中で、Gは成りゆきで合唱隊のピアノの伴奏を引き受けることとなってしまった。たまたま母星の故郷に居た頃に修練していたピアノの腕を買われたのである。
何でここで合唱隊なんだ、と考えたところで始まらない。他の同期生に誰もピアノを弾ける者がいなかったこともあり、彼は結局伴奏を引き受けてしまった。
そしてそこで、顔はともかく、名前までは覚えてはいなかった上級生と出会ったのだ。
果たしてそれが偶然であったのかどうかは彼には判らない。相手を知らなかった当時も、知っている現在も。
その時期の放課後、彼は個人練習と称してそう大きくもない宿舎の娯楽室を占領してピアノを弾いていた。
時間はそう長くは取れなかった。他の生徒が外で準備に追われている間だけ。押しつけられたような役割なのに、そのあたりの規則は守らなくてはならないのがやや理不尽に感じられる。
さすがに士官学校に入ってからはずっと弾いていなかったので、ピアノを弾く指もやや鈍っていた。するといきおい、練習に励む手も熱心になり、集中した耳は外の音も聞こえにくくなる。
だから、その時彼は、心臓が止まるかと思った。
その上級生は、何の前触れもなくやってきた。
音も立てずに娯楽室を横切り、アプライトのピアノを弾く彼の右横に立った。
弾かれたように顔を上げた彼は、しばらく集中していたせいか、そこに立っていたのが、顔しか知らない上級生だというのを思い出すのにやや時間がかかった。
そんな彼に、上級生はああそうか、という顔をした。そういう態度を示す者には見覚えがあったらしい。
「何の用ですか?」
ややぶっきらぼうに彼は訊いた。
頭の接続の切り替えが上手くいかないのか、表情が堅くなっていることは、彼自身気付いていた。だが気にするような性格でもなかった。
上級生は、それに気付いてか気付かずか、努めて親切な口調で彼に話しかけた。
「実は先日、俺は用事があって歌の練習に出られなかったんだ」
上級生は、そう言ってピアノの上にあった楽譜の、一番上のパートを指し、俺はここね、と付け足した。
「一応読めるけどね、ちゃんと覚えたいから、弾いてくれないかな?」。
ああ、とうなづきながら、ようやくやや落ち着いた彼は、言われる通りに、上級生が指した譜面のメロディをたどった。歌う側に合わせた、メロディつきの伴奏を彼の指は奏でる。それはそう難しいことではない。
二小節ばかり進んだところで、上級生は、歌い始めた。
だがその次の瞬間、彼の両肩はぴくん、と何の前触れもなく上がった。
電気が走ったような感触が、確かにあった。そしてその電気が、自分の右半身から力を脱けさせるのを。
全身が硬直した。手が止まった。
「……どうしたんだ?」
上級生は、突然手を止めた後輩に、軽く姿勢を落とし、顔をのぞきこむようにして、右側から訊ねた。
彼は慌てて飛び跳ねるようにして顔を上げ、椅子から立ち上がり、上級生から退いた。上級生は不機嫌半分、怪訝そうな顔半分で後輩を軽くにらんだ。
「何か俺が悪いことをしたのか?」
彼は慌てて首を横に振った。違う。確かにそれは違うのだ。
「じゃあ何だよ」
上級生は迫った。だが彼自身、何がなんだか、自分に何が起こったのかさっぱり判らないので、とにかく後ずさりするしかなかったのだ。
そして気が付いたら、壁ぎわに追いつめられていた。もともとアプライトのピアノは部屋の隅にあった。
気付いたのか気付かないのか、上級生は右の手を上げ、壁と自分の間に彼を挟み込むようにして接近して問いつめていた。
そして幾つかの問いが、彼の中に飛び込んだ。そのたびにその声は、彼の中に入り込み、かき回した。
彼はその問いに、ただ頭を振るばかりだった。
だが、さすがにそこまでされれば、彼も何故自分が訳の判らない状態になっているのか、気付くことができた。
「あなたの声が悪いんだ」
何度かの上級生の問いの果てに、彼は消え入りそうな声で告げた。
すると上級生は、彼の顎に手をのばすと、くっと自分の方へ向けさせた。彼は息を呑んだ。
視線が合う。
混乱と恐怖、そしてそんな醜態を見せたことに対する羞恥のせいか、彼の目はやや潤んでいた。
その表情には、さすがに上級生も心動かされるものがあったらしい。やや大きすぎるくらいの目が、こころもち細められた。
「俺の声が?」
彼はうなづいた。視線が、離せない。
そして続けた。
とにかく何かしら、本当のことを言わなくては、この上級生が自分に何をするか判らないような気が彼にはしていた。
「……あなたの声が耳に入ると、僕は何やら訳が判らなくなるんだ」
それは本当だった。上級生はそれを聞くと、軽く首を傾げ、ふうん、と言いたげな顔になった。
「俺の声が?」
上級生は確かめるかのように彼に問いかけた。
掴まれたままの顔ではうなづくこともできない。大きな手は、軽く掴んでいるだけのようなのに、彼の自由を完全に奪っていた。彼の中で不安が高まった。それはほとんど初めて味わう感覚だった。
ところが、不意にその左手の長い指は、つ、と僅かに耳の方へと移動した。その途端、そんなつもりはないのに、彼の口が軽く開き、目が細められた。
喉の中から、声が細く漏れる。
長い指は、そのまま彼の首筋をすべり、鎖骨のあたりまでたどりつくと、不意に離れた。
「じゃあ仕方ないね」
くす、と上級生は笑い、壁についていた手を離した。
ふっと自分の周りの気温が下がるのを彼は感じていた。それほど接近していたことに、彼はようやく気がついた。
はあ、と彼は大きく息をついた。ずる、と背中が壁にへばりついたまま落ちていくのを感じながら、緊張が解けるのを感じていた。
そしてその元凶は、あはは、と笑いながら上着のポケットに手を突っ込んでその部屋から出ていった。
Gは全身で安堵した。
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