和田慎二マンガについて~パパと恵子から亜里沙や神恭一郎やサキとかアマリリスとか

江戸川ばた散歩

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2.別冊マーガレット時代②

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・普通にサスペンス+神恭一郎

 のちに「スケバン刑事」のメインキャラとなる彼なんですが。
 色々出てきますねー。
 この腰まである長髪というのは、後付けなのか判りませんがスケバン刑事の中では「鉄仮面の下で伸びてしまった髪」なんですね。
 まあ元々は「当時は長髪男性キャラが居なかったから」と言ってましたが。
 これは結構ありまして。
 まあ別マで知っていると言えば、

「愛と死の砂時計」
「オレンジは血の臭い」

 これは完全に神恭一郎もの。
 前者は冤罪で死刑を求刑された婚約者を救う話。……今となってはそう簡単に一人殺しただけでそんな早く死刑になりゃしない、と思うけど70年代だしなー。
 後者はイタリアを舞台にした話。
 この時の犯人カテリーナは神恭一郎が撃つ(彼は花とゆめに出てきた「神恭一郎白書」によると殺人ライセンスもってた)ことになるんだけど、後々まで気持ちは結構後引いてる。

「バラの追跡」

 これは神恭一郎の秘書になる海棠美尾さんが父の研究を盗んで死に追いやった西園寺京吾を追い詰めていきつつ、愛してしまう話。
 結果西園寺は深海の事故で死ぬのだけど、最後の通信で告白しあうという。 
 この時高校生だった美尾さんが秘書資格とって周囲の社員からも一目おかれる存在になるというのと、ダイヤモンド密輸をバイク使って阻止するとか「おいいつの間にそんな技能を」と思ったりしないでもなかったけど…… 当時だから。
 ちなみにお姉さん雑誌mimiの方で描かれたやっぱり「バラの~」という作品があるんですが、こっちは美尾さんが西園寺家に「売られた」話。パラレルだな。
 でも姑や従姉にいびられて飛び出して、自分で資格とってやっぱり秘書になるという。
 そして補佐しながらお互いを認め合う様になった時に妊娠がわかり~最後はまとまるという。
 まあ全体の中では存在しなくなった世界ですな。

「怪盗アマリリス」

 のちに花とゆめで長期連載となるもののプレ版というか、後で「これあったねえ」的に出してきたのかどっちだか。
 違いは髪の色かな。
 しかし内容は町ぐるみで食物が薬漬けで食べずにはいられなくなっていたというなかなか激しいもの。
 友人は途中で事件に巻き込まれて亡くなるし。

「呪われた孤島」

 前後編もの。
 医者の居ない離島に来たのがサイコパス女医だったことで島民に悲劇が。
 島独自の蜘蛛とその毒の特効薬「八千代菊」を手に入れてしまったことで、女医は網元をも殺害。
 実権を手に入れて、元々皆の家に代々伝わる小判も巻き上げて、と。
 けど網元の娘洋子さんが、一時は殺されそうになるけど何とか脱出。あらかじめ父から用意されていた預金で医師になるべく大学へ。
 そこで知り合ったやはり医師にななる青年と島に(変装して)戻ってきて復讐を果たすという。
 最後は蜘蛛と女医がまとめて焼き尽くされるという辺り、離島だからの話だよなあ、という。
 だって殺人を皆でする訳だし(笑)。
 まあ確かにこの女医も網元を殺したり、後にやってくる開発業者の社長令嬢を死ぬ寸前まで追い込んで助けるという利用をしたり、ともかく邪魔者は殺していただろうしね。
 とはいえ(笑)。

「朱雀の紋章」
 これは和田慎二の別マ最後の作品。前後編。
 昭和初期の暗殺者養成所な「朱雀家」に次々起きる殺人事件。
 暗殺者として育てられた養子ばかりのこの家で、果たして犯人は~という、横溝正史ばりの話。
 ここで面白いのが真犯人が「習俗の中で出てきた殺人鬼の人格を持つ二重人格者」のヒロインだった、というのが。
 主人公を助けるために舌を噛んでバッドエンド……

 当時別マは巻頭前後編各50ページ、というのをよくやっておりまして、美内すずえと和田慎二のそれはでかかったですねー。
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