和田慎二マンガについて~パパと恵子から亜里沙や神恭一郎やサキとかアマリリスとか

江戸川ばた散歩

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5.花とゆめ時代①スケバン刑事(70年代/単行本1~8巻)その2

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 さて、4~5巻はちょっとしたインターバルというか、別の場所の事件。
 地獄城時代の友との再会とか。
 あとここから野分三平が思いっきり話に関わってくるんだな。
 名前は釣りキチ三平からとったんだろーし、武器は釣り道具だし。
 スケベでサキ命で抜けたとこも多いが実は御曹司。
 だけどともかく何だかんだでサキの信用を勝ち得ている数少ない奴なんだわな。
 で、事件の中でサキの名は全国の不良の中で広がっているとか何とか。

 さてそのあと! 
 生き別れの妹の美幸との再会とかあってだな。
 8巻の最後の最後に出てくるんだが、この妹と母親とサキの関係がえぐいんだよ。
 最近の毒どころじゃねえ、猛毒母。

 美幸は「亡くなった娘によく似てる」と財閥に養女に行ったんだが、気の弱い父親が金をせびりに行くんだな。
 このままじゃ美幸の将来に、と思った母親・ナツ――彼女がサキにヨーヨーを教えた――はサキを膝に乗せて絵本を読んでいる状態の夫の背後から近付いて包丁で首をだな……
 このせいで死刑囚になっていた訳だ。 
 目の前に父親の生首、を見てしまったサキがしばらくおかしくなって~リハビリ~……何故か不良化……
 なんだけど。

 ともかく母の行動を正当化しないと無意識の心が保たないということで、母に対しては何をされても抵抗できなくなってしまう訳だ。
 当初学生刑事を引き受けたのもそのためだし。
 美幸を鑑別所に連れてきた時にはツバを吐かれるし。
 雨の中で「あたしも母さんの子だ!」と叫ぶのはまあ辛いこと。

 この流れで「シャバにはちょっと居るのが辛いし」と地獄城に収監されているはずの麗巳の確認に行く訳だ。
 結果、身代わりを立てていて既に脱走していて、サキへの復讐を考えていると。

 さてそこでその復讐なんだが。
 見合いした三平と美幸が、まあ何だかんだあってくっついて、家同士がでかいということもあって高校生のうちでも結婚式あげるんだな。
 ところがこの二人の初夜に賊が襲ってきて、三平が殺されるんだわ!

 この三平を殺したのが麗巳。
 彼的には気を抜いてしまった訳だ。
 実はその時の美幸は顔を変えた麗巳。
 で、逆に美幸を自分の顔に変えて喉を水銀で潰すんだわ。
 母親は偽物の妹に気付かず、「姉さん煮殺される、助けて」と言われて脱走をはかる…… んだが。
 またこの時この母の凄いのは、顔がばれてはいかん、と自分で酸で焼くんだよ…… そんでサキを殺そうとするんだな。

 まあこの時のサキが全く動けないんだな。
 今の時代から見れば確実に精神的に何とやらなんだよ。
 で、その最初に殺されそうになった時には神に助けられるんだけど。

 その後、麗巳があまりにも残虐性が高いということで顔出し公開指名手配。
 そこで美幸の祖父が「婿と見込んだ男を殺しおって」と出てくる+母親も出てくる。
 どっちも顔が麗巳な美幸が判らない。
 で、まず母親が祖父を殺して、その祖父から奪った猟銃で美幸を射殺。
 ただ寸前に「やめろ!」とサキは言うんだけど、反射的に母親は撃ってしまうんだな。
 サキは入れ替わりを知ってるので、美幸の最後に「姉さんだけが判ってくれた」と言われるんだけど。
 ただそこで「自分が最愛の娘を殺してしまった」「お前のせいだ」とサキに言い残して母親は舌を噛むんだよな。

 ぐがーーーーーーーーーーー!
 ぜえぜえ。

 本当にこの辺りは辛いんだよ!
 で、もう何も失うものは無いサキは、逃亡しようとする麗巳の船に単身乗り込み、最後の対決となる訳だ。
 で、この麗巳も「人生に感謝している」と最大のライバルに会えたこと喜びを告げる訳だ。
 その辺りが、今となっては殺伐百合の要素なんだけどな!

 んだけど。
 ここで船が爆発するのを遠くで神恭一郎が見ているところで終わる+エピローグ的に神が「さらば麻宮サキ」と言うんだよな。
 生死不明、ただしこの時点では死んだということにしとこう、という。

 まあ実にまとまりがいい8巻まで、なんですな。
 そう、終わったはずだったんだよ。

 ところが。
 そのあとギリシャ神話をベースにした「ピグマリオ」の長期連載のあとにですな。
 再開するんですよ。
 そこからは9巻~20何巻、という長い80年代なスケバン刑事になる訳ですな。
 そこからワタシは「花とゆめ」を買うようになったのだ……
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