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7月12日(日)
〜信じるしかない、夢の時計〜
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【7月12日 日曜日】
恍惚の表情で蓋の開いた懐中時計を眺める。
これぞ時間停止クロック。本当に手に入ってしまった。
先月インターネットで見かけた怪しげなサイト、その名も「官能研究所」。その中で開催されていた官能宝くじの当選商品がこのクロックだったのだ。
僕はただのギャグサイトのギャグイベントだと思い、面白半分で応募。抽選番号は先着順だったようで、僕には「758」という数字が与えられた。応募から2日後、応募総数が定員の999人に達したことを理由に抽選へ。
完全ランダムのルーレットは「758」という数字を導き出し、僕の当選が決まった。
ギャグサイトだと思っていたとはいえ、僅かな期待もしていた。同じことを繰り返す刺激のない日常に嫌気が差していた中で、このクロックの存在が「本当」なら、どれほど素晴らしいものか。それに加えて何より、童貞が捨てられるのだ。素晴らし過ぎる。
当選してからすぐに僕宛にメールが届いた。
その内容を要約すると、
・絶対にジョークグッズではないこと。
・性的欲求を満たすために使用すること。
・クロックには特殊な加工が施されており、官能研究所の所員は時間停止中に僕が何をしていたか把握することができるということ。
・このメールに空メールを返信することで内容に同意したこととなり、クロックが1ヵ月後に到着するよう発送されること。
ざっとこんなもんだ。
やや危ない臭いもするが、退屈している僕はあっさりと返信。更に折り返しでありがとうございます、とメールが届く。
それから1ヵ月が経ち、Amazonの箱に入ったクロックが遂に届いたというわけだ。
住所等を相手に送ったわけでもないのに、本当に1ヵ月ぴったりで到着した。
この事実がクロックが本物かどうかという問題の答えに期待を持たせる。
説明書を熟読する。どうやらそのメカニズムは実際に時間を完全に止めるものではなく、クロックの停止ボタンを押した者がその世界で尋常じゃなく速く動けるというもの。
例えば、僕が停止ボタンを押して1時間後に解除ボタンを押したとする。
僕がこの1時間、この世界で何をしようが現実世界では0.01秒しか経っていないということになる。これは仮に3時間でも5時間でも24時間でも現実世界の経過時間は0.01秒、そんな仕様だ。
総停止時間が100時間を超えれば、このクロックはただの時計へ還る。したがって、雑なことはできない。
蓋をしていればよくある手のひらサイズの懐中時計。しかし蓋を開けると中はデジタルで残り時間を示す100:00と停止、解除の両ボタンで構成されている。なるほど。かなりシンプルな造りだ。
仕組みは完全に理解した。これが本物であると100%信じる心も持った。
明日から高校最後の夏休み前ラスト1週間。
この1週間のために溜めた1週間分の精液で睾丸が膨れ上がる。明日から始まるエロに染まる7日間にムスコもこの上なく硬く大きくなる。
しかしパンツは下ろせない。我慢だ。
僕は時計の長針と短針が12の上で重なったのを確認し、自室を消灯。明日へ旅立った。
恍惚の表情で蓋の開いた懐中時計を眺める。
これぞ時間停止クロック。本当に手に入ってしまった。
先月インターネットで見かけた怪しげなサイト、その名も「官能研究所」。その中で開催されていた官能宝くじの当選商品がこのクロックだったのだ。
僕はただのギャグサイトのギャグイベントだと思い、面白半分で応募。抽選番号は先着順だったようで、僕には「758」という数字が与えられた。応募から2日後、応募総数が定員の999人に達したことを理由に抽選へ。
完全ランダムのルーレットは「758」という数字を導き出し、僕の当選が決まった。
ギャグサイトだと思っていたとはいえ、僅かな期待もしていた。同じことを繰り返す刺激のない日常に嫌気が差していた中で、このクロックの存在が「本当」なら、どれほど素晴らしいものか。それに加えて何より、童貞が捨てられるのだ。素晴らし過ぎる。
当選してからすぐに僕宛にメールが届いた。
その内容を要約すると、
・絶対にジョークグッズではないこと。
・性的欲求を満たすために使用すること。
・クロックには特殊な加工が施されており、官能研究所の所員は時間停止中に僕が何をしていたか把握することができるということ。
・このメールに空メールを返信することで内容に同意したこととなり、クロックが1ヵ月後に到着するよう発送されること。
ざっとこんなもんだ。
やや危ない臭いもするが、退屈している僕はあっさりと返信。更に折り返しでありがとうございます、とメールが届く。
それから1ヵ月が経ち、Amazonの箱に入ったクロックが遂に届いたというわけだ。
住所等を相手に送ったわけでもないのに、本当に1ヵ月ぴったりで到着した。
この事実がクロックが本物かどうかという問題の答えに期待を持たせる。
説明書を熟読する。どうやらそのメカニズムは実際に時間を完全に止めるものではなく、クロックの停止ボタンを押した者がその世界で尋常じゃなく速く動けるというもの。
例えば、僕が停止ボタンを押して1時間後に解除ボタンを押したとする。
僕がこの1時間、この世界で何をしようが現実世界では0.01秒しか経っていないということになる。これは仮に3時間でも5時間でも24時間でも現実世界の経過時間は0.01秒、そんな仕様だ。
総停止時間が100時間を超えれば、このクロックはただの時計へ還る。したがって、雑なことはできない。
蓋をしていればよくある手のひらサイズの懐中時計。しかし蓋を開けると中はデジタルで残り時間を示す100:00と停止、解除の両ボタンで構成されている。なるほど。かなりシンプルな造りだ。
仕組みは完全に理解した。これが本物であると100%信じる心も持った。
明日から高校最後の夏休み前ラスト1週間。
この1週間のために溜めた1週間分の精液で睾丸が膨れ上がる。明日から始まるエロに染まる7日間にムスコもこの上なく硬く大きくなる。
しかしパンツは下ろせない。我慢だ。
僕は時計の長針と短針が12の上で重なったのを確認し、自室を消灯。明日へ旅立った。
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