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ヒロインよ、王太子ルートを選べ!~本編~
悪役令嬢は去る①
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会えない日が続くと、逆に募ってしまう恋心。
レオ様への気持ちに気付いてから、全然レオ様と会う時間がなくて、気持ちを拗らせてしまっているコレットです!
早く言いたい、私の気持ち早く言いたい。
そして明日はいよいよ夏至です。
ムーンライトフラワーは咲くのでしょうか。つぼみもかなり大きくなって、白い花びらが見え隠れしています。
この前はアランのせいでレオ様に告白できずに終わったけれど、明日はこのムーンライトフラワーを二人で一緒に見たい。
あの鉱山での一件以来、よそよそしいレオ様を待ち伏せして、明日の夜のお約束を取り付けようと言うのが今日の私の目論見。
生徒会室前で待ち伏せを始めてそろそろ一時間経ちますが、全く出てくる気配がありません。
近くを通る女子達は、私を見るとヒソヒソとないしょ話。ごめんなさいね、あなた達には、レオ様とヒロインの間に割って入る悪役令嬢にしか見えないのかもね。
「コレット! どうしたの?」
生徒会室にやってきたのはマティアス。彼の隣には……ヒロイン?!
「マティアス、私レオ様にお話があって……」
「レオは忙しいし、しばらくやめておけば?」
マティアスは、私から目を逸らしたまま言います。マティアスがこんな話し方するのは珍しいですね。幼馴染だから分かります。何か隠しているわね。
……まさか、マティアス。ヒロインとそう言う関係に?!
ヒロイン・メイ様は誇らしげにマティアスの隣にいるし、マティアスは何だか気まずそう。
マティアス、攻略されちゃったの……?
仮にマティアスが攻略されちゃったとしたら?
確か、マティアスとの仲を疑われてレオ様とギクシャクし、王太子妃になった後も冷遇されて、レオ様は側妃にのめり込むパターン。
マティアスではないけど、フリード様との仲を疑われてギクシャクしているところまでは合致しますね。と言うことは、レオ様の気持ちは側妃となる別の方に……?
……告白する前からフラれてしまいました。エリオット様の時と同じです。
「コレット様。レオに会えなくて泣くほど悔しいの? あなたとレオとの婚約は近いうちに破棄されると思うわよ。諦めたら? ね、マティアス!」
「……そうだな。今のうちに離れた方がいい。長くなるほど傷付くからさ」
マティアスの目はとても寂しそうです。ありがとう。例えヒロインに攻略されちゃっても、幼馴染の私のことは心配してくれているのよね。マティアスはリンゼイと同じで、正義感が強くて優しいわ。
帰宅すると、ベルティエ王国に帰る準備中のフリード様と鉢合わせしました。鉱山であんな事があっても、何食わぬ顔で我が家に滞在し続けた男。
お兄様が間に入って変な事が起きないように見てくれていたけれど、やっと帰るのか。
「コレット、明後日にはベルティエに帰るよ。長い間ありがとう。国王陛下と宰相様には、君のことはちゃんと報告しておくから」
「なんて報告するのですか……?」
フリード様は一瞬間を置いて、私の方に向き直って言います。
「まず、ジェレミーはとても優秀だね。ベルティエに留学してあちらで色々学ぶべきだ。彼を連れて帰るお許しをもらおうと思うよ」
「お兄様を?! 嘘よ! お兄様はそんなこと望んでないわ!」
フリード様の顔が固まります。またあの夜みたいな目をしていますね。見つけた石は逃がさないと言った目です。
「ジェレミーだけじゃないよ、君も連れて行きたい。分かっているだろう? 王太子殿下の気持ちはもう、君から離れているよ。目の前でチョロチョロされたら、殿下だって新しい婚約者を迎えられないだろう?」
レオ様への気持ちに気付いてから、全然レオ様と会う時間がなくて、気持ちを拗らせてしまっているコレットです!
早く言いたい、私の気持ち早く言いたい。
そして明日はいよいよ夏至です。
ムーンライトフラワーは咲くのでしょうか。つぼみもかなり大きくなって、白い花びらが見え隠れしています。
この前はアランのせいでレオ様に告白できずに終わったけれど、明日はこのムーンライトフラワーを二人で一緒に見たい。
あの鉱山での一件以来、よそよそしいレオ様を待ち伏せして、明日の夜のお約束を取り付けようと言うのが今日の私の目論見。
生徒会室前で待ち伏せを始めてそろそろ一時間経ちますが、全く出てくる気配がありません。
近くを通る女子達は、私を見るとヒソヒソとないしょ話。ごめんなさいね、あなた達には、レオ様とヒロインの間に割って入る悪役令嬢にしか見えないのかもね。
「コレット! どうしたの?」
生徒会室にやってきたのはマティアス。彼の隣には……ヒロイン?!
「マティアス、私レオ様にお話があって……」
「レオは忙しいし、しばらくやめておけば?」
マティアスは、私から目を逸らしたまま言います。マティアスがこんな話し方するのは珍しいですね。幼馴染だから分かります。何か隠しているわね。
……まさか、マティアス。ヒロインとそう言う関係に?!
ヒロイン・メイ様は誇らしげにマティアスの隣にいるし、マティアスは何だか気まずそう。
マティアス、攻略されちゃったの……?
仮にマティアスが攻略されちゃったとしたら?
確か、マティアスとの仲を疑われてレオ様とギクシャクし、王太子妃になった後も冷遇されて、レオ様は側妃にのめり込むパターン。
マティアスではないけど、フリード様との仲を疑われてギクシャクしているところまでは合致しますね。と言うことは、レオ様の気持ちは側妃となる別の方に……?
……告白する前からフラれてしまいました。エリオット様の時と同じです。
「コレット様。レオに会えなくて泣くほど悔しいの? あなたとレオとの婚約は近いうちに破棄されると思うわよ。諦めたら? ね、マティアス!」
「……そうだな。今のうちに離れた方がいい。長くなるほど傷付くからさ」
マティアスの目はとても寂しそうです。ありがとう。例えヒロインに攻略されちゃっても、幼馴染の私のことは心配してくれているのよね。マティアスはリンゼイと同じで、正義感が強くて優しいわ。
帰宅すると、ベルティエ王国に帰る準備中のフリード様と鉢合わせしました。鉱山であんな事があっても、何食わぬ顔で我が家に滞在し続けた男。
お兄様が間に入って変な事が起きないように見てくれていたけれど、やっと帰るのか。
「コレット、明後日にはベルティエに帰るよ。長い間ありがとう。国王陛下と宰相様には、君のことはちゃんと報告しておくから」
「なんて報告するのですか……?」
フリード様は一瞬間を置いて、私の方に向き直って言います。
「まず、ジェレミーはとても優秀だね。ベルティエに留学してあちらで色々学ぶべきだ。彼を連れて帰るお許しをもらおうと思うよ」
「お兄様を?! 嘘よ! お兄様はそんなこと望んでないわ!」
フリード様の顔が固まります。またあの夜みたいな目をしていますね。見つけた石は逃がさないと言った目です。
「ジェレミーだけじゃないよ、君も連れて行きたい。分かっているだろう? 王太子殿下の気持ちはもう、君から離れているよ。目の前でチョロチョロされたら、殿下だって新しい婚約者を迎えられないだろう?」
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