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ヒロインよ、王太子ルートを選べ!~本編~
意外な功労者
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ヴォルタース別邸でのあの一件から一週間。
ベルティエ郊外の病院で目を覚ました私ですが、治療を受けながら徐々に起き上がれるようになってきました。
側についていてくれたお兄様から真相を聞いてビックリ。
ジェレミーお兄様とマティアスは盗賊に襲われたけど、お兄様が強すぎて一瞬で撃退したとか。しかし二人とも怪我を負って思うように移動できず、落ち合うはずだった仲間(エリオット様だったようです)とも会えず、途方に暮れていたとのこと。
その二人を助けたのはなんと、『ムーンライト・プリンセス』のヒロイン、メイ様!
「父がヴォルタース様と共謀して、お二人を襲ったそうなのです……! 私怖くなってしまって、なんとかお二人を救わねばと思って!」
……なんてブリッ子していたようですが、おそらく男爵を見限ったのでしょうね。男爵とヴォルタースの間のザミニ鉱山をめぐる資金提供の証拠書類や、お兄様と私を国境の森の中に置き去りにする計画についてのやり取りの書簡など、一式そろえてお兄様に手渡したそうです。
お兄様たちを捜索していたレオ様付の騎士団がいったんグランジュールに戻り、グランジュール国王陛下にその件を報告。ヴォルタースが男爵と不正に取引していたことに対して抗議する親書を受け取り、ベルティエ国王の元へ。そこからはジェレミーお兄様が上手く立ち回り、ベルティエ国王にヴォルタース逮捕の許可を得たとか。
メイ様が準備した証拠書類のおかげでスムーズに事が進んだと、お兄様はメイ様をベタ褒めです。
一度私の病室を見舞ってくれたメイ様はこう言っていました。
「私、コレット様のことは苦手だけど、法律を守らない悪党はもっと嫌いなんですよね。どちらにしても、これで私はゲームオーバー。もう一度平民からやり直しです。だけど、お金持ちになる夢は絶対に捨てないわ!」
色々と面倒な事はあったけど、彼女なりの正義に従って生きてきた人なのですね。
お金目当てだったこと、カミングアウトしてくれたありがとうございます。レオ様の事を本気で好きだったわけではない事が分かり、少しホッとしました。
「そういえば、コレット様のお兄様はまだ婚約者はいらっしゃらないのよね? 私、立候補します! 今回のことに少しでも恩を感じているなら、ぜひ私を婚約者に推してくださいな!」
ジェレミーお兄様様の婚約者に?! メイ様が! それはちょっと……私からお断りです!
ヴォルタースは捕まり、ザミニ石のネックレスはレオ様の元へ。ヴォルタースの事件でベルティエに貸しを作ったグランジュールはますます安泰です。
宰相については証拠不十分で表向きは罰することができませんが、ジェレミーお兄様の名声が高まった事で、リード公爵家の勢いが強くなり、エバンス家は肩身が狭そうです。
お兄様はベルティエ国王に気に入られて、そのまま留学するそうです。マティアスもここぞとばかりに同行。
万事上手く解決したように思います。
が、実はまだ一つ解決していない事項が残っていました。
レオ様と私のことです。
ベルティエ郊外の病院で目を覚ました私ですが、治療を受けながら徐々に起き上がれるようになってきました。
側についていてくれたお兄様から真相を聞いてビックリ。
ジェレミーお兄様とマティアスは盗賊に襲われたけど、お兄様が強すぎて一瞬で撃退したとか。しかし二人とも怪我を負って思うように移動できず、落ち合うはずだった仲間(エリオット様だったようです)とも会えず、途方に暮れていたとのこと。
その二人を助けたのはなんと、『ムーンライト・プリンセス』のヒロイン、メイ様!
「父がヴォルタース様と共謀して、お二人を襲ったそうなのです……! 私怖くなってしまって、なんとかお二人を救わねばと思って!」
……なんてブリッ子していたようですが、おそらく男爵を見限ったのでしょうね。男爵とヴォルタースの間のザミニ鉱山をめぐる資金提供の証拠書類や、お兄様と私を国境の森の中に置き去りにする計画についてのやり取りの書簡など、一式そろえてお兄様に手渡したそうです。
お兄様たちを捜索していたレオ様付の騎士団がいったんグランジュールに戻り、グランジュール国王陛下にその件を報告。ヴォルタースが男爵と不正に取引していたことに対して抗議する親書を受け取り、ベルティエ国王の元へ。そこからはジェレミーお兄様が上手く立ち回り、ベルティエ国王にヴォルタース逮捕の許可を得たとか。
メイ様が準備した証拠書類のおかげでスムーズに事が進んだと、お兄様はメイ様をベタ褒めです。
一度私の病室を見舞ってくれたメイ様はこう言っていました。
「私、コレット様のことは苦手だけど、法律を守らない悪党はもっと嫌いなんですよね。どちらにしても、これで私はゲームオーバー。もう一度平民からやり直しです。だけど、お金持ちになる夢は絶対に捨てないわ!」
色々と面倒な事はあったけど、彼女なりの正義に従って生きてきた人なのですね。
お金目当てだったこと、カミングアウトしてくれたありがとうございます。レオ様の事を本気で好きだったわけではない事が分かり、少しホッとしました。
「そういえば、コレット様のお兄様はまだ婚約者はいらっしゃらないのよね? 私、立候補します! 今回のことに少しでも恩を感じているなら、ぜひ私を婚約者に推してくださいな!」
ジェレミーお兄様様の婚約者に?! メイ様が! それはちょっと……私からお断りです!
ヴォルタースは捕まり、ザミニ石のネックレスはレオ様の元へ。ヴォルタースの事件でベルティエに貸しを作ったグランジュールはますます安泰です。
宰相については証拠不十分で表向きは罰することができませんが、ジェレミーお兄様の名声が高まった事で、リード公爵家の勢いが強くなり、エバンス家は肩身が狭そうです。
お兄様はベルティエ国王に気に入られて、そのまま留学するそうです。マティアスもここぞとばかりに同行。
万事上手く解決したように思います。
が、実はまだ一つ解決していない事項が残っていました。
レオ様と私のことです。
応援ありがとうございます!
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