氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 

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32 新たなるモブ発見

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 何回呼び出せば気が済むんだろう?
 それとこの謁見の間はお気に入りなの?
 広くて立派な柱が並んでて、彫刻と花が綺麗に飾られている。謁見の間なのにお水がチョロチョロと出てくる水辺まで作ってあり、贅を凝らしてあって己の財力を強調しているようだ。

「これを見ろ。」

 ハンニウルシエ王子が紙を一枚俺の方に放る。
 上手に飛んできた紙は、俺の目の前でヒラリと止まった。
 俺は今、殴られて痛む身体をまた拘束されて跪かされている。
 あー勝手に俺の血判押された主従契約書だ。
 マジマジと観察してある一点に気付く。
 俺の押したであろう血判が赤黒い。もう少し明るい赤だった気がするけど?血だからかな?時間経つと黒?茶色?に変色するし。
 おかしなことにハンニウルシエ王子が押したであろう血判が見当たらなかった。
 
「俺の血判しかない?」

 俺の答えに王子が頷く。

「そうだ。お前の婚姻相手が二重血判を押した。」

 ………………?二重血判?

「二重血判って何ですか?」

「はぁ………、そんなことも知らないのか。」

 蔑んだ声が頭上から聞こえる。俺を押さえつけている騎士に頭から手を離すように言って欲しい。ぜんっぜん頭を上げられません!

「一つ目の血判で契約を、二つ目の血判で枷を、三つ目の血判で永遠をです。普通は直ぐに解消出来るように一つ目しか行いません。」

 この声は俺の指に針を刺して無理矢理血判押した侍従さんだな。
 二重血判ということは、枷を掛けられた?ハンニウルシエ王子に上書きされないように、旦那様がやったということ?
 じゃあ三重血判の永遠とやらは何が起きるのかな?そんなこと本には載ってなかったけど。

「あまり知られていない方法ですので、かなり地位のある相手ではないでしょうか。二重までなら手間ですが解除する方法もあります。この方の相手が高位貴族ならば彼自身が交渉材料に使えるのではないでしょうか。」

「……解除方法はなんだ?」

「向こう側の死です。」

 俺の頭上で恐ろしい内容を話し合っている。まさか旦那様殺すつもり?

「他に方法は?」

「ふむ、そうですね。この方に負担は掛かりますが、こちらも二重血判を押せば、またスキル同士の戦いになるかと。しかし勝てばこの方と二重血判を押した状態になります。後はスキルを解除出来るスキルを持つ者がおりますので、高額ではありますがその者に頼むとかでしょうか?探すのも一苦労とは聞いておりますが。」

 この人スキルに詳しいなぁ。顔は全然見えないけど。性別が男性ってことしかわからん。

「では俺が二重血判を押そう。」

 侍従さんが何故か嬉しそうな雰囲気を出した。地面に落ちた契約書を拾い上げ、カチャカチャと用意をしだす。
 や、やるつもり?俺に負担がありそうな発言が聞こえたんだけど…?

「…………では。」
 
 チクッと指に痛みが走る。同じ指に針刺すのやめて欲しい。絶対後から紫色になるやつ!
 紙の感触がして、また血判を押されたようだ。
 ハンニウルシエ王子達がなにかやっているようだが俺には見えない。
 暫くして騎士が頭から手を退けた。漸く上半身だけは起こせる。

「見ろ。」

 侍従さんが契約書を見せてくれた。決してハンニウルシエ王子が見せるわけでもないのに見ろとは偉そうだ。
 契約書には俺の赤黒い血判と、その隣に血の跡が!怖い。何この血の染みついた契約書。呪いの紙みたいだ。
 染みついた血はジワジワと紙の上で広がり、俺の血判にも広がろうとしているけど、何故か俺の血判の周りだけ避けて血が広がっている。

「殿下の血ですが、貴方の血判にまで広がれば殿下の血判が勝ったということです。」

 とっても嬉しそうな顔の侍従さん。こんな顔してたんだ。ずっと頭下げてたから今初めて見た。
 侍従さんはオレンジ色の髪と瞳の優しげな顔の人だった。こんな横暴そうな主人を持って運のない人なんだな。

「こんな顔をしていたのか?スキルは珍しいが二重血判を押してまで手放さない程の男にも見えんがな。」

 むむっ!顔が平凡なのは仕方ないじゃないか!
 お前だって人質に使う為に二重血判とやらをやってるだろうに!
 そう心の中で文句を吐いていたら、だんだん寒くなってきた。

 ???やけに、冷えるな?
 指の先が痺れ、ガタガタと身体が震えだす。
 さっきまで普通だったのに。

「ふむ、相手側の血判と殿下の血判が衝突した反動でしょう。お互いが二重な為反動も大きくなるという文献通りですね。」

 あ、こいつそれを知りたくてハンニウルシエ王子をそそのかしたのか。
 そう思うが力が出ない。
 寒いっ、寒すぎる!

「死なないだろうな。」

「どうでしょうか。このまま様子を見たいのですが。」

「ふん、まぁいいだろう。」

「ありがとうございます。」

 ハンニウルシエ王子は壇上の奥に通路があるのか、垂れ下がったカーテンの裏に消えて行った。
 俺は侍従の指示でまた元の半地下の部屋へ運ばれる。
 ベットに寝かせられるがとにかく寒くて動けない。心臓がぎゅうと縮むような寒さだ。本当に息苦しくて胸が痛い。

「ふぅ~む。悪寒、動悸、呼吸の乱れ。瞳孔の縮小。発汗。時間も計らねば。……あとは血判の進行状況ですね。」

 何故か侍従がついて来て騎士を追い出し、俺と共に部屋に留まってなにやらブツブツと言い出した。
 
「どうですか?喋れそうですか?」

 俺に布団を着せながら耳元で喋りだす。オレンジ色の目がキラキラしてる……。
 俺の症状を見ながら活き活きと輝くこの人怖い。

「む、、………むり…。」

「じゃあ、私の話をとりあえず聞いてもらっても良いでしょうか?」

 俺は返事も出来ずに侍従を見る。話を聞くのも辛いんですが…。

「まず私のこと侍従か何かだと思ってるでしょう?実は違うんですよ~。」

 人が具合悪いのに明るいなぁ…。こういう人がお葬式でも空気読まずに、デカい声で喋ってるタイプなんだよ。
 歳とった夢見た所為か考え方が古臭くなった気がする。

「ハンニウルシエ王子殿下は私のパトロンなんです。私はスキルを研究したいんですよ。でもこの国スキル持ちを王族が独占してしまうので、研究するなら王族に取り入るしかないってあんまりだと思いません!?」

 俺は青い顔でガタガタ震えながら話を聞いている。
 この人侍従じゃなくて研究者だったんだ。

「でももうあの殿下後が無さそうですよね。王家が今回の騒動をハンニウルシエ王子に全てなすり付けるつもりのようです。私もそろそろここを離れないと巻き込まれてしまいます。」

 じゃあ、なんでまだいるの?

「ふっふっふっ、何でいるのかと思うでしょう?いやぁ、逃げようと思ってたらハンニウルシエ王子の『黒い手』にスキル持ちが引っかかって来たじゃないですか!最初は『危険察知』に惹かれたんですけど、貴方の『複製』で作られたあの大量の剣を見て、実に感動しました!!!」

 だんだん興奮してくる。

「で、逃げ遅れちゃったんで、死にたくないので貴方に引っ付いていようかと。」

 何で俺に?意味わからん。

「貴方の婚姻相手ってエジエルジーン・ファバーリアでしょう?」

 !?

「ハンニウルシエ王子が血判の上書きをしようとした時、本来なら直ぐに決着がつくのにジワジワと拮抗した。最初は全く同列のスキルかと思いましたけど、同列でも個人の資質でやっぱり直ぐに決着はつくものなんです。でも貴方のは拮抗し、そればかりかジワジワと押し退け始めた。そう、今のこの契約書のように。」

 目の前にはさっき謁見の間で無理矢理押血判を押された契約書を広げて見せられた。
 俺の血判は相変わらず赤黒いけど、それを取り込もうと染みていた血が、確かに押し返されていた。染みていない本来の白い紙の色が広がっている。

「あの城にはエジエルジーン・ファバーリアがいますよね?黒銀騎士団長様です。彼は王家の血が混じり、特殊な体質をしていると聞いています。スキル耐性が強いのですよね?そして妻帯者ですよね?貴方が黒銀騎士団長の妻じゃないんですか?だったらこの契約書の血判のことも頷けます。スキルで反発しているのではなく、スキル耐性で押し退けてるんですよ!凄いですねぇ!スキルを持っていないのに耐性のみで殿下の『黒い手』に勝とうとしてるんですよ!絶対ファバーリア侯爵だと私の直感が閃きました!ってことで貴方はファバーリア侯爵の妻ですよね?」

 俺は無茶苦茶具合悪い。心臓なんか止まりそうなほど締め付けられているのに、目の前で契約書と俺の顔を交互に見ながら、この男は顔を輝かせて喋り続ける。
 勘弁して……。

「それでですねぇ~。貴方の方に寝返りたいんですよぉ~。私はスキルの研究さえ出来れば国なんか捨てていいので!」

 うわぁ~勝手だ。何言ってんの、この人。
 お願いします、口をいてください!って頼み込んでくるけど、お前がハンニウルシエ王子に色々教えた所為で今具合悪いんですけどぉ!?
 
「多分ですけど、公爵令息もいるからあちらの王太子も救出に乗り込んで来ますよね?『絶海』見てみたい!あ、じゃなかった、黒銀騎士団長の奥さんなら口利いてもらえません?』

 うわーーー、変な人だ。研究の事しか考えてないような変人だ。
 具合悪い頭で考える。寒すぎて頭がガンガンしてきた。交渉するならこんな目に合わせないで欲しい。
 絶対この人血判の上書きとか、二重血判とか見たくてハンニウルシエ王子に説明してやらせたんだよ。
 
「……わ、わか、、た。」
 
 でもこの人利用してとりあえず生き延びなければ。
 了解しておけば助けが来るまで匿ってくれるはずだ。

「っ!!いえいっ!やった!!!」

 うるさーーーーーーい。
 頭に響く。

「サ、サノ……サノビィス、も。」

「あ、探してきます。『危険察知』を発動させないよう近付きます。それと毛布と暖かい白湯を持ってきます。」

 ニコニコとこの研究オタクは立ち上がった。出て行こうとして、あっと何かに気付いて振り返る。

「私の名前はホトナル・ピズマーと申します。」

 俺はもう返事出来ません。名前聞いちゃった。名前聞いたらもうこの人はモブじゃない。そんな気がしてきた。
 漫画ではハンニウルシエ王子の周りにいたのだろうか。
 いたのかもなぁ~。生きてるかも死んでるかも分からんようなモブとして。
 
 自分の吐く息すら冷たく感じてくる。
 寒い。
 そうしてまた俺は夢の中に落ちて行った。














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