落ちろと願った悪役がいなくなった後の世界で

黄金 

文字の大きさ
126 / 135
番外編 空に天空白露が戻ったら

125 こっちを向いて①

しおりを挟む

 マドナス国は温暖で豊かな国だ。面積も広く北は乾燥地帯で葡萄やオリーブなどを育て、南は雨が多く多彩な食物の栽培に適している。
 住みやすいので人も集まり、商業も発展している。
 そんな国の王子として生まれたイリダナルは、いずれ天上人となれるだろうと言われる程に神聖力が多かった。
 イリダナル以外にも王子はいる。上も下もいっぱいだ。王家から国から民衆から、望まれたのは子をなすことだった。
 親から子へ神聖力が似るわけでもないのに、強い者から強い子供が出来るかもしれないからと、そんな盲信をイリダナルは望まれていた。

 馬鹿馬鹿しい…!

 イリダナルは賢い子供だった。本来なら利発で活発な性格なので、大人になれば国政に関わるか、騎士を目指してもみたかった。抑え付けられ王宮の奥深くで大事に育てられたくなかった。
 我慢出来ずにイリダナルは少しでも外が見たくて、天空白露が上空に来るのを待って、飛び出すように空へと昇る飛行船へ飛び乗った。
 十五歳の時、共もつけずこっそりと抜け出してやったのだ。



 天空白露の町並みは、地上の王都とあまり変わらなかった。といっても自国の王都すら数える程度しか行ったことがなかった。危ないからと許可してくれない為だった。
 町並みを見て受けた印象は富裕層しかいないな、だった。路地の奥で寝転がる人もいなければ、白髪の奴隷もいない。

「綺麗な町だな。」

 まずは宿を取らなければと思い、探し回るがどこもいっぱいで泊まれない。
 行きのチケットはかなりふんだくられたが買うことは出来た。でも宿泊の宿と帰りのチケットは買えていない。
 流石に無謀だったかなと反省した。
 さてどうするかと広場を見回していると、目立つ髪色を見つけた。絶対天上人だ!イリダナルはついて行くことにした。
 あの髪色は初めて見たが噂には聞いていた。
 ロイソデ国の人形。天上人でありながら、一つの国の言いなりになっている人物。
 しかしごく最近緑の翼主一族の上層部が一掃され、新しい聖王陛下が立ったことにより、かの人物は大人しくなったともっぱらの噂だった。

 青の翼主クオラジュ……。

 イリダナルは好奇心に負けて追いかけてしまった。そして易々と捕まった。

「子供ですか?それもマドナスの隠された王子とは。何故私のあとをつけましたか?」

 何故か一発で身元を当てられてしまった。
 
「あー、何故分かった?」

 氷のように冷たい瞳がイリダナルを見下ろした。透明で底がしれない。

「大した度胸ですね。お忍びというよりは逃亡中のようですが。」

 答えてはくれないが、直ぐにどこかへ突き出すつもりもないらしい。

「泊めてくれ。宿がないんだ。」

 折角声を掛けてくれたのでイリダナルは遠慮なく要望を突きつけた。

「……………。」

 結局この時クオラジュは泊めてくれたのだが……。



「おい、布団もシーツもないベットとはどーいうことだ!」

「どこかにあります。」

「食事は!?ここの屋敷には使用人もいないのか!?」

「つい最近与えられたばかりなので。他人はあまり入れたくありません。煩わしいので。」

「お前、噂以上におかしいなぁ!?」

 イリダナルも王子。蝶よ花よと王宮の内側で育てられ、使用人が何をしているのかなんて知らないのだが、初めて衣食住の為にイリダナルは働いた。
 部屋を漁りシーツと布団を取り出し、外に出て二人分の食事を買ってきた。お金はクオラジュが流石に出したが、やる気のなさそうなこの男に任せておけず、自分で進んで動いた。

 十五歳の家出はクオラジュが帰りの切符を買ってイリダナルをマドナス国に帰したことによって終了した。





 十七歳。今度は正式に天空白露への訪問を果たした。
 天空白露は一年を通して大陸外周を一周する。大陸西側にあるイリダナルの国、マドナス国にも一年周期で上空に飛んでくる為、なるべく長く上空に滞在してもらう為に、天空白露へ貢物を献上する。それはどこの国も変わらない習慣だった。
 二十歳になればイリダナルは天空白露へ開羽の為に住居を移す必要がある。その為の準備もあるが、貢物の献上の為に、国の宰相と共に王族代表としてイリダナルがやってきた。
 聖王陛下への謁見時に、イリダナルの存在を覚えてもらおうという算段だ。
 
「貢物貰う時だけ会うっていうのもどうかと思うがなぁ。」

 イリダナルはスタスタと聖王宮殿の中を歩きながらボヤく。
 無事謁見も済んで、後は数日滞在して帰るだけになる。別日にも謁見申請はしているが、多忙な聖王陛下にはなかなか会うことは出来ないと聞いている。
 別にそれでも構わないと、イリダナルは聖王宮殿の中を散策していた。
 マドナス国の王城とは違い、ここで働く人間は皆信徒になる。白く長い神官服で、楚々と歩く信徒達に、イリダナルは苦い笑みが浮かぶ。
 イリダナルは神聖力の多い王族として生まれ、いずれは天上人となりマドナス国の為に貢献しなければならないと教えられて育った。
 王宮の奥深くで、蝶よ花よと育てられたのだ。
 国政には携わらなくていい。
 ただマドナス国の為に子孫を繋げ。
 神聖力の多さは生まれつきで、子に継承されるものでもない。多少は遺伝するかもだが、天上人から白髪が産まれることだってあるのだ。
 その考え方にイリダナルは常に反発心を持っている。
 いずれ国を我が物にする。
 天上人になった暁には、その力でもって民衆を味方につけ、貴族を取り込み王となるつもりだった。
 その為にもできれば天空白露を味方につけたいという願望もある。
 以前青の翼主クオラジュと面識を持ったが、覚えているだろうか。折角天空白露に来たので、一度会いたいと思っている。

 その前に………。

 キョロキョロ……、とイリダナルは辺りを見渡し、人目がないのを確認すると、ささっと庭園の奥へ潜り込んだ。
 本日のイリダナルの企みは、天空白露の中央に有ると言われる透金英の親樹を見ることだった。
 高い塀に囲まれ兵士が常に監視しているらしいが、こっそり見れないかと思ったのだ。
 タ、タ、タ、と走り隠れながら透金英の親樹があるであろう場所へと近付いていく。
 
「ん?」

 走りながらイリダナルはある一角が目についた。
 建物の奥へと繋がる廊下が、不思議な神聖力で覆われている。所々に兵士が立つ為、イリダナルはスッと物陰に隠れた。
 あの奥だろうか?
 監視が厳しく思案する。
 そしてまた別の方向に目をやると、カタンと小さな音がした。
 気になりそちらに進んで行くと、建物から誰かが出てくる。
 今兵士が見張る通路とは別の通路から出てきた?
 怪しいな……。
 出てきた人物は長いローブと頭をすっぽりと覆うフードで姿が全く見えない。
 手には袋に詰めた木の枝の束を抱え、袋からはみ出した枝は葉も何もない枯れ木に見えた。肩にはもう一つ肩掛けの袋を下げているが、ヨロヨロと危なっかしく歩いている。
 そしてカカッと躓いた。

「うわっ……!」

 ベシャと倒れて枝の入った袋を盛大に落としてしまう。
 その拍子にフードが頭から落ちてしまい、白い頭が見えた。
 白髪?天空白露には白髪の奴隷はいないと聞いていたが、いるじゃないか。
 地上のどこに行っても白髪は物扱いだ。
 イリダナルが王になったらその身分制度を見直すつもりだが、今は無理だと思っている。

「うう……。」

 膝を擦りむいたのか、痛そうに座り込んでいた。
 見かねてイリダナルは近付いた。本来ここは透金英の親樹の近くで、イリダナルの様な地上の人間は入れない区域になっている。見つかればどんな処罰が下るか分からないのだが、目の前の白髪は鈍臭そうなので、適当に誤魔化せそうだと思った。
 そばに立ち手を差し伸べた。

「大丈夫か?」

「……え?」
 
 白髪は男だった。白い長い髪はサラサラと揺れ、驚いた瞳は藤色だった。目つきは悪いが驚いた顔はキョトンとして愛嬌があった。

「転んだだろう?」

 ほら、と手を更に差し出すと、男はオズオスと手を乗せた。引っ張ると簡単に持ち上がる。

「………有難う………。」

 気不味いのか、フードを被り直して髪を隠している。白髪は見られたくないらしい。それはそうかと、イリダナルは敢えて髪の色には触れず、男の膝を見た。
 神官服ではなく、動きやすそうな薄いズボンを履いていたので、膝の部分が破けて血が滲んでいた。
 
「怪我したな。治療道具はないのか?」

「あ、ああ、建物の中に戻ればある。」

 モソモソと不機嫌そうに答える男に、イリダナルはじゃあ行こうと手を握った。
 男は握られた手を不思議そうに首を傾げて見ている。
 構わず落ちた枝入りの袋をイリダナルが拾おうとした時、男は慌てて止めようとした。慌てた拍子にまたフードがズレる。

「……あっ、ダメだ!」

 だが遅かった。
 枝に触れたイリダナルから、神聖力がズズ…と抜ける。慌ててイリダナルは手を離した。

「これ、は……、透金英の枝か!?」

 なんでこんなところに透金英の枝が!?しかもこんなに沢山!

 基本透金英の花を人々は欲しいわけだが、枝も需要はある。それに枯れる前なら、神聖力を与えれば花を咲かすことも出来るのだ。
 イリダナルが触れた枝に小さな蕾が三つ付いていた。

「………すごいな。神聖力が多いんだな。」

 蕾に気付いた白髪の男は、その蕾を見ながら嬉しそうにしている。

「そうか、白髪でないと運べないからか。」

 透金英の枝は神聖力を吸う。普通の人間は神聖力を吸われ続けると命に関わるが、元から神聖力がない白髪ならば問題はない。
 あまり気にしたことも無かったが、言われてみればそうだろうなと思った。
 イリダナルが一人納得していると、男は枝入りの袋を拾って持ち直した。
 何も言わずにスタスタと歩き出したので、イリダナルはこれ幸いとついて行く。

「………なんでついてくるんだ?」

 藤色の三白眼が不思議そうにしていた。

「見学。」

 そうかと何故か納得している。
 男はまたフードを被り直し、別の建物の中に入って行った。
 入り口に兵士が二人立っていたが、イリダナルは素知らぬ顔でついて行く。透金英の枝を運んでいるのだ。この男は透金英の親樹に近付ける人間なのだと予想していた。ついていけば何かある!

「…………何故来るんだ?」

 建物の中に入り、透金英の枝を保存する部屋なのか、男は袋から机の上に枝を出しながらイリダナルに尋ねた。
 ここまで黙ってついてきたイリダナルに警戒心がないなと呆れてしまう。

「お前こそなんで黙ってついてこさせたんだ?」

 男はフードをパサと脱ぎながら、首を傾げた。

「興味があるのかと思って。」

「…………。」

「これ、この蕾を咲かせることは出来るのか?」

 先程イリダナルが触った枝を男は差し出してきた。

「枝を触ったことはないがな。出来そうな気がする。でも、花は一つにして欲しい。」

 男は分かったと頷いて蕾を二つ折って一つだけにした。そして枝を期待の目で渡してくる。
 変な男だなと思いながらイリダナルは透金英の枝を受け取った。
 枝を握ると蕾が大きくなりだし花がついてくる。根本が茶色で先にいくほど金を増す美しい花が咲いた。
 これ以上握っていると更に神聖力を奪われそうで、イリダナルは直ぐに枝を返した。
 
「かなり神聖力を持ってかれるな。」

 溜息を吐くイリダナルのことなど無視して、男はパァッと顔を輝かせる。

「綺麗だな……!」

 その顔が子供の様で、イリダナルは思わずフッと笑ってしまった。

「その花はどうするんだ?」

「あ……、そうか。持って帰るか?」

 イリダナルは驚いた。まさかくれるとは思わなかった。透金英の花はどんな経緯があろうと全て天空白露のものだ。手に入れるには天空白露の許可がいるのに、この男はあっさりと渡そうとしてきた。

「さすがにそれはないだろう。許可がいるし、売買契約書を交わす必要があるだろう?」

 イリダナルが呆れながら言うと、男はまたキョトンとした。
 意外とこの三白眼も可愛いんだなとお互い見つめ合う。
 ボヤッとした顔で男は首を傾げた。

「大丈夫だ。私の許可があれば問題ない。」

「………なぜだ?」

 イリダナルの視線が髪にいくのが分かったのか、男は何かに気付いた様に笑顔になった。

「透金英の世話は私の仕事だからな。」

 その一言にイリダナルは怪訝な顔をする。
 天空白露の透金英の世話は、花守主の役割だ。しかも透金英の親樹となると、身分の低いものが出来るとは思えない。だが神聖力を吸い取る透金英の世話ならば、確かに普通の天上人にも、ましてや地上の人間にも不可能だ。世話したそばから皆倒れる。

「お前は誰だ?」

「私か?私は花守主リョギエンだ。」

 イリダナルは驚きに声を失った。







しおりを挟む
感想 360

あなたにおすすめの小説

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...