じゃあっ!僕がお父様を幸せにします!

黄金 

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11 王太子一家、邪魔だよね

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 会場の貴族達は皆頭を下げていた。
 おいおい王太子が来た時よりあからさま?父上の権力って王太子より凄かったの?

「こ、公爵閣下!申し訳ございません!私が到着した時には公爵夫人と公子が暴走しておりましてっ!王太子妃に暴言を吐いたばかりか、席を譲ろうとせず悲しませていたのです!」

 いやいやお父様はなんにも言ってないし、むしろ大人しく席を譲ろうとしてたんだよ?
 暴言吐いてるのは王太子一家だから!
 父上は職員の言葉を聞いて少しだけ眉を顰めた。
 周りの貴族達の表情は僕とお父様を非難している。

「公爵っ…。」

 その様子にウハン侯爵がお父様を庇おうとお父様の前に出て意見しようとしたけど、父上はサッと手を上げてウハン侯爵を止めた。
 なんとなくこの会場の様子で僕はお父様の状況を察することができた。
 お父様はずっと一人だったのだ。
 アクセミア公爵家もそこの当主である父上も凄いんだろうけど、公爵夫人であるお父様は見下されてきたのだ。
 父上が王太子妃を好きだったから、きっと昔父上が王太子妃のお尻を追っかけている間、お父様の存在はゴミ屑みたいに底辺に追いやられてしまったのだ。
 父上の登場で王太子妃がニコリと微笑んだ。
 
「リウィーテル様もきたのね。」

 僕の目はヒヤーと冷たくなる。
 リウィーテルさまぁ?他所の夫の名前を呼ぶの?まるで今でも父上は自分のものだとでも思ってるの?
 父上っ!お前はそれを許してるのかっ!
 僕の怒りの視線に気付いた父上がやや青ざめた。

「まて、落ち着け。」

「はぁ?僕の怒りは噴火直前ですがぁ?」

「いやもう噴火してるだろう…?」

 フブラオ先生がぷっと吹き出している。先生笑上戸だよね。
 
「貴方の息子が学院に入学すると聞いてお祝いしようと思っただけなの。邪魔するつもりはなかったのよ?」

「……王太子妃殿下。」

 王太子妃は父上の胸に手を当てた。
 父上の胸を触る必要あるの?僕の視線はさらに冷ややかになる。

「……っ!」

 父上が慌てて一歩下がった。その様子に周りがザワっと声を上げている。

「まてっ、ヨフミィ。私はとりあえずこの状況をどうにかしたい。それから、ジュヒィー。」

 突然名前を呼ばれてお父様の身体がぴょこんと跳ねた。

「大丈夫か?震えているようだが。」

 父上は王太子妃から離れてお父様の肩を抱いた。
 その一連の流れを見ていた貴族達が驚いている。何故驚く!お父様は父上の妻だよ!?
 ウハン侯爵夫妻とロデネオ伯爵夫妻は安堵の表情を浮かべていた。

「気がけてくれとお願いしていたはずだが、この騒ぎはなんなのだ?」

 父上はさっきまで威勢よく叫んでいた職員を見て問い詰めた。

「…い、いや、それで、私は…。」

 必死に言い訳を考えようとしている。職員は父上が王太子妃を庇うとばかり思っていたようだ。
 お父様を労る父上を見て目を白黒させている。
 
「突然現れた王太子殿下達に僕は後日改めて招待する旨をお伝えしたのですが、この職員はお父様とバハルジィ家に席を譲れと言ったのですよ」

「…妻と我が家の忠臣に?」

 父上の顔が険しくなる。

「僕は学院長に直訴します。」

「いや、職務を全う出来ない人間に教育者は勤まらん。公爵家から苦情を出そう。」

 大事になってきた。が、責任を取るのはコイツだろうから別にいいや。

「公爵、どうしたのだ?それは公爵夫人だろう?」

 ………何言ってんのコイツ?
 突然不思議そうな声を出した王太子を、僕は胡乱な目で見た。
 そして父上は、はぁ?と目が冷たくなる。

「勿論私の妻ですが?」

 そして何故かお父様もちょっと驚いている。もしかして父上がお父様を庇ったの初めてとか言わないよね?
 いや僕が産まれてからボロ屋敷に住んでたのにも気付かなかったくらいだから有り得るかもしれん!

「エリュシャもいるのだぞ?」

 父上がエリュシャと言われた王太子妃を一度見る。そして王太子の方をまた見て頷いた。

「はい、おりますが?」

 それが何かと父上も不思議そうだ。
 どうも認識のズレがあるんだね。なんかもう分かんないや。
 分かるのは王太子一家が邪魔ってことだけ。

「父上、給仕の者達が料理を運べず困っております。」

 僕は視線で父上を促した。
 そ、い、つ、ら、どーにかしてっ!
 父上はゴクリと唾を飲み込み頷いた。ちゃんとやらなかったら暫くお父様に会えなくなることに気付いたようだ。よしよし、いい反応だね!

「…………獣使い?」

 リュハナがその様子を見てぽつりと呟いている。何気に当主に対して失礼な子だ。ロデネオ伯爵夫人が慌てて口を塞いでいた。

「王太子殿下、ひとまず王宮へお戻り下さい。」

 父上は一緒にやって来たらしい王宮騎士達に手で合図を送った。王太子一家の護衛でついて来た騎士達が迷う様子を見せたが、特に邪魔することなく道を開ける。

「お、お前らっ!」

 王太子は慌てだした。

「折角来たのにどうして?」

 オロオロと王太子妃が父上に縋りつこうとした。お父様の顔が一気に緊張する。
 お父様の身体が緊張で固まったのを感じたのか、父上はスッとお父様を背後に隠して王太子妃を手で制した。

「王太子妃殿下も一緒にお戻り下さい。王子も。よろしいですね?」

 有無を言わせぬ父上の言葉に、近寄ろうとしていた王太子妃は固まった。
 ザワザワと周りの貴族達は動揺している。
 お父様は父上の服を握って怖がっているようだった。こういう雰囲気が嫌いなのだろう。いつも森の中のボロ屋敷で静かに過ごしていた人だもん。このお茶会だって相当無理してくれているのだ。

「私達を追いだす気か?」

 王太子殿下が怒りを露わに父上に文句を言った。
 そんな王太子に父上は深く溜息を吐く。

「……殿下、本当は私はこのお茶会に最初から参加する予定だったのです。それが急に王宮から呼び出されました。王太子殿下が公務を放り出してどこかに行ってしまわれた為、急な案件を処理しなければならなかったからです。」

 淡々と父上から告げられ、王太子は気まずくなったのかグッと顔を逸らせた。
 お前はサボりか!
 え~?一国の王太子がぁ?流石乙女ゲーム?かもしれない世界!てか大丈夫なのかな…、この国。

「私だけでもダメなのか?」

 何故か王子が残りたがっている。

「レジュノ王子も王宮へお戻り下さい。本日は学院生のみの集まり。参加したいのならば殿下も学院へ入学しご自身の名前で開催されるべきでしょう。」

 父上は相手が王族でもはっきりと告げた。なんだか少しだけ見直したかも~。
 父上が手配した騎士達によってゾロゾロと王太子一家が連れ出されて行った。
 父上の後ろでお父様がホッと安堵していた。

「大丈夫?お父様?」

 心配。ただでさえ優しいお父様がアイツらの毒でやられてないか心配。

「ジュヒィー、大丈夫か?疲れただろう。」

 父上もここぞとばかりにお父様の背中を摩ってやっている。

「触んないで!」

 ペーンと僕はお父様にしがみつき阻止した。まだ許してないんだからね!

「うう…、これでもダメなのか?」

 父上はフブラオ先生をチラリと見て助けを求めている。先生は苦笑していた。

「坊っちゃま、まだお茶会の途中ですので。」

 あ、そうだった。

「お父様、お料理を並べないと。」

「それなら後は私が指示しよう。」

 サッと父上が責任者を呼びつけ指示を出し始めた。流石次期宰相と呼ばれる男。手際がいい。
 椅子を引いてお父様を座らせ、あっという間に会場が元通りになっていった。

「お~、父上を初めて凄いと思いました。」

「……そうか。もっと感心して欲しいんだがな。」

 僕と父上の会話を聞いて、お父様がクスッと笑う。

「ふふふ。」

 楽しそうな笑い声に父上はパッと顔を綻ばせた。なにせお父様はまともに父上と会話をしない。なんとなーく僕を挟んで距離を置いているのだ。僕はちゃんとわかってるよ!
 だから今はちょっとだけ父上に心が近付いたのだと僕も感じ取れた。

「朝から手伝えずすまなかったな。一人で大変だっただろう?」

 父上は慎重にお父様に話しかけている。お父様は少しだけ首を傾げて小さく首を振った。

「大丈夫。」

 ちゃんと返事が返ってきたことに父上は感動しているようだ。
 仕方ない。お父様が嫌がるなら邪魔するけど、今は仲良しアピールが必須だ。今日お茶会に参加した貴族どもが僕達親子に注目している。
 コイツらお父様をバカにしていた。
 アクセミア公爵が公爵夫人を愛さず王太子妃を愛し大切にしていると思っていたからだと思う。だけど今父上はお父様のご機嫌をとることに必死だ。誰が見ても分かるように必死。
 これは使える。
 是非見せておく必要がある!お父様はアルファで公爵で次期宰相と言われる父上にご機嫌とらせるくらい愛される存在だとアピールしておかなきゃ!

「…………でも面白くなーい。」

 ポソっと呟くと、隣に座り直していたラニラルが笑っていた。

「今は必要ですよ。」

 ちゃんとラニラルは理解しているらしい。フブラオ先生に僕達家族のことを聞いてたのかな?
 ウハン侯爵家とロデネオ伯爵家家族は、父上の様子に驚いた顔をしているから、父上が今必死になっていることを知らなかったのだろう。

「分かってるもん。」

 ぷうっと頬を膨らませた僕に、ラニラルはジュースを差し出しながら頷いてくれた。



 お茶会は無事終了し、僕達は馬車に乗って公爵邸に帰っていた。
 お父様は疲れたのかウトウトしている。

「ヨフミィも寝てていいんだぞ?」

 父上はウトウトしているお父様を自分に寄り掛からせて嬉しそうだ。それだけ大切にしてるならなんで王太子妃が好きだったの?

「僕はまだ元気です。」

 公爵領の広大な屋敷では、毎日僕は長距離散歩を日課にしていたのだ。これくらいでは疲れない。

「ふむ、体力はアルファの可能性があるな。」

「うーん、でも僕はそう頭が良いわけではありません。」

 アルファになりそうと言われる子達は、学友候補のソヴィーシャ、リュハナ、ラニラル達のように体格も運動神経も良くて、頭脳も飛び抜けた子達のことを言うんだと思う。
 僕は皆んなより歳下ではあるけど、それを抜きにしても体格は小さい。アルファの父上よりオメガのお父様の方に似ている気がする。

「アルファであろうとオメガであろうと心配するな。必ず幸せになれるよう尽力しよう。」

 力強く父上はそう言った。

「むぅ、僕はお父様を幸せにするのです。」

「そうか。」

 僕の宣言に父上は笑いながら返事をした。笑うな!
 お父様は完全に寝てしまったのか父上に凭れ掛かりスヤスヤと寝息を立てていた。今なら聞けるかな?

「父上は本当に王太子妃が好きだったんですか?」

 ここがゲームの世界で、王太子妃がヒロインで、攻略対象者が皆んなしてヒロインに恋をした世界なんだろうか?
 確認のしようがないんだよね。だから当事者に直接聞いちゃおう。
 僕の質問に父上は苦い表情を作った。そして小さく頷く。

「そんな恋に堕ちちゃうような素敵な人には見えませんでした。」

 確かに容姿は可愛い。可憐と言った形容詞が似合うと思った。でも性格がさぁ~。あのヒロイン特有の愛されるのが当たり前って態度は好きじゃないんだよね。

「………私はアルファだ。」

「そうですね。」

「オメガ達が発するフェロモンの匂いというものを、これだと伝えるのは難しい。」

「そうなんですか?」

 チョコの匂いーとか、石鹸の匂いーとかじゃないの?

「感覚だからな。甘いとか爽やかなとかいう漠然としたものはあるが、具体的なものはない。ただあるのはどれほどアルファの欲求を引き出すかだ。」

 ヨフミィはうーんと考えた。匂いを感じて欲求がどれくらい出てくるか?つまり王太子妃の匂いは数々のアルファ達の欲求を引き出させたってわけ?
 ふぅーん。
 つまりお父様よりも王太子妃のフェロモンの方が強かったということかな?
 ふうぅーーーん。
 
「お父様の匂いはどうなんですか?」

「………ジュヒィーはそういう意味では匂いが強くない。甘くは感じるが、おそらくジュヒィー本人がアルファを求める意識が低いのだろうと思う。」

「あ、分かります。お父様って父上がいないとダメーって感じじゃありませんよねぇ。」

「ぐっ…。お前は痛いところを突くな。」

 フェロモンの強弱かぁ~。
 
「じゃあ今でも王太子妃の匂いって感じますか?」

 父上は首を振った。

「まさか、王太子と王太子妃は番になったからな。もう何も感じない。」

 アルファがオメガの項を噛むと番になる。そうしたらオメガのフェロモンは噛んだ番にしか感じ取れなくなるんだよね。知識としては知っていたけど本当なんだ。

「感じなくなったら王太子妃のことはどう思うんですか?」

 今日の様子では全く未練なさそうに見えたけど、噂では父上は遠くに行くたびに高価なお土産を王太子妃に贈ってるんだよね?
 僕の質問に父上は少し考えているようだ。
 
「王太子達と彼女の心を掴む為に争っている時は、彼女から一番求められているのは自分だと思っていた。そう、思わせるフェロモンを感じていた。今思えば全員がそう感じていたんだろうが、当時は自分が最も求められていると思ってたんだ。」

「オメガこえー。」

「アルファは強いと言われるが、実際はオメガ達の言いなりだからな。しかもオメガの数はアルファよりも少ない。実際は取り合いになる。」

「え、オメガって最強?」

「どうだろうか…。その分とても弱く繊細だ。」

 うーん、アルファもオメガもめんどくさそう~。やっぱベータになりたいな。

「そう思うから自分のテリトリーに隠して守ってあげたいという欲望を抱く。あの時は王太子妃に対してそう思っていたが、今は消えてしまっているから安心して欲しい。」

「本当にぃ~?僕、噂で父上はまだ未練たらたらって聞いてるんですけどぉ?」

「……その噂が消えないのは確かだ。たまに王宮で会うだけだし、王太子妃に対して特別な贈り物もしたことがない。視察などに行って持ち帰った土産を王太子一家に渡すくらいなんだが…。実はジュヒィーやヨフミィにも別々に贈るようアイツらに渡してしまっていたんだ。申し訳なかった。」

 えええ?僕達にもお土産あったの?元家令どもはお土産まで着服してたの?
 僕のドン引きした顔に父上は慌てているが、寄りかかって寝ているお父様を起こさないように必死で静かにしている。

「だから、もう王太子妃に対して好意はないんだっ。」

「うーん、とりあえず分かりました。」

 本当だから信じてくれ~と父上は嘆いていた。




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