14 / 90
13 リュハナの誓い
しおりを挟むユラユラと揺れる感覚にヨフミィは目を覚ました。
「?」
「あ、目を覚ましたかな?」
???
僕は誰かに運ばれていた。声を掛けてきたのは学友三人組より歳上の男子学生だった。なぜ学生と分かるかというと、ここがまだ学院の中だからだ。
学院は広くて全部を回った訳ではないけど、庭園のだだっ広い景色と煉瓦造りの校舎に特徴があるから分かる。ただここが何処だか全く検討がつかない。
学院の中にいる子供は生徒しかいない。無関係者が無断で入るには警備が厳しいからだ。だから学生なんだろうけど……。
それにしてもコイツは誰?馴れ馴れしい。
「降ろして下さい。」
ムスッとして言ったが、降ろしてくれなかった。僕はこの学生に横抱きで運ばれていた。
「もうすぐだから。あんな所で寝たら危ないから安全な場所に運んでいるんだよ。」
え?運ぶ前に起こせば?
笑顔で男子学生は言うけどなんだか胡散臭い。近くにはリュハナがいたはずなのに今はいない。僕を抱っこして運んでいる男子学生とは別に、同じ歳くらいの男の子達が沢山ついて来ていた。
誘拐……、じゃないよね?
僕がアクセミア公爵家の子供って殆どの人間が知ってるはずだけど。その為に入学早々お茶会を開いたのだから。
僕の小さな身体では無理矢理降りることが出来ず、仕方なく僕は運ばれていった。そして煉瓦造りの建物の中に入り一つの部屋に連れて行かれた。
「さぁ、ここだ。」
部屋は割と広い。そしてソファやベッドなどもあるし、大きな机なども置かれていた。家具や照明、壁飾りなど貴族家にありがちな部屋だ。アクセミア公爵家の部屋には大きく劣るけどね。
「なんですか、この部屋?」
「ここは俺の所有する部屋だ。俺の匂いがするだろう?」
いや、しない。何言ってるの?自分の匂いを嗅がせるとか……。変態?
「俺はアルファなんだ。」
自信満々に告げられてしまった。
「つまりアルファの匂いを感じないかと?僕はまだ十歳前なので性別判定してませんよ。」
それにアルファのフェロモンの匂いを感じるのはオメガだけじゃなかったっけ?同じアルファ同士やベータには感じないと聞いているよ?
あ、威嚇のフェロモンってのがあるんだっけ?それなら性別関係なく相手を威圧出来るって聞いてる!でも今それ必要ないだろうし…。
「十歳前に発現するケースもあるんだ。」
「いやいやいや、僕まだ六歳ですけど?」
早いったって早すぎでしょ!?
本当にコイツはアルファ?なんだか僕の学友三人組より程度が低そうというか。
「僕起きたので元のサロンに帰りたいです。」
「何言ってるんだ。ここで寛げばいい。」
寛げないよ!だってどうみたって歳上男子学生ばかり十人以上はいるのだ。
「予定以外のところにいたら皆んなに迷惑をかけます。近くにリュハナ・ロデネオがいたはずですけど。」
「ロデネオ……?あんな奴っ!他の生徒と仲良く喋って公子の世話を放棄していただろう?」
「放棄ではありません。許可しましたもん。」
「バカを言うな。」
僕の方にガシッと腕が乗せられる。重い、痛い邪魔っ!
無理矢理ソファに座らせられて、僕の顔に顔を近付けてきた。
「あんな奴らより俺の方が優秀だ。既にアルファと認定されているし、アイツらより公子を守ってやれる。」
僕はうーんと首を傾げた。
「因みにお父上は何されてるんですか?」
「子爵だ。」
名前を聞いたけどなんとなーく聞き覚えがある。多分公爵家の家臣かな?
「お父上がアルファですか?王太子妃との面識は?」
「いや、それはないが…?」
ないかぁー。じゃあダメだね!いや、あったらあったでその当時コイツの父親は妻子持ちだった可能性もある。それはダメだよね。
「それはつまんないですね。貴方は僕の学友に要りません。」
僕を無理矢理連れてきた男子学生はポカンと口を開けた。
「……なに?」
「出来れば今世を楽しむ為にも乙女ゲーム要素を匂わせる人材がいいんですよねぇ~。」
「いや、何言ってるんだ?」
ですよねー。何言ってるんだ、ですよね~。でも折角なら知りたいじゃないか!
既に終わったのだとしても、その痕跡を!
なんてったって父上以外にも騎士団長ウハン侯爵と王宮医師ロデネオ伯爵が身近にいるんだよ!?探せばもっといるかも?わくわく。でもコイツの親は違うらしいからね。
もうちょっと色々知ればなんのゲームか漫画か小説かわかるかも知れないし。そしたら役に立つ知識があるかもだし?目指せスローライフ!
「たっ、大変だ!」
バンッと他の学生が慌てて入ってきた。
「どうした!?」
全員入ってきた生徒に集中する。
「もう追ってきた!」
ザワっと全員動揺したのがわかった。僕一人だけキョトンとしているのかも。
「ちっ、入らせるな!」
僕を連れてきた男子学生…もとい子爵子息が指示したが、ドアはバンっと勢いよく開かれた。
「ここにヨフミィ様がいるよな?」
ソヴィーシャだ。
うーん、怒ってる?
「ヨフミィ様っ!」
「あ、ラニラルっ。」
ソヴィーシャの横をすり抜けて、ラニラルが僕を見つけて走ってきた。
「平民がっ!勝手に入るなっ!」
子爵子息が怒鳴ってラニラルを蹴ろうとした。子爵子息はここにいるどの生徒よりも体格がいい。アルファというのは本当かもしれない。
学友三人組もアルファになる見込みが高い子達だけど、まだ七歳と八歳だ。体格差は大きい。だけどラニラルは見た目に反して卒なく子爵子息の足を腕で払いのけ、もう片方の足を自分の足で引っ掛けて転ばせた。子爵子息は見事にひっくり返る。
「おお~~~。」
感心する僕にラニラルは走り寄った。さっき転がした子爵子息は完全無視だ。
「ヨフミィ様っ!大丈夫でしたか?」
酷く心配している。
僕は平気だと見せる為にニコリと笑って見せた。
「うん、平気。」
コクリと頷く僕にラニラルはホッと息を吐いた。ラニラルは心配性だなぁ。先に入ってきたソヴィーシャなんか他の生徒達を殴りつけてるよ?
喧嘩だ喧嘩。殴り合いとか初めて見たー。ほぼソヴィーシャの一方的な暴力だけど。
倒れた生徒と逃げた生徒で部屋は静かになった。一方的な殴り合いは終了したらしい。
ドアからリュハナが入ってきた。
「ヨフミィ様っ!」
「あ、リュハナ。ごめん、なんか勝手に寝てる間に連れて来られてたんだよ。探した?」
声を掛けたらリュハナの翠瞳にジワっと涙が浮かぶ。
「探したぁ~~~。」
あ、アルファ皆んなが皆んな喧嘩上等じゃないんだね。
結局のところ、僕を連れ去った子爵子息はソヴィーシャ、リュハナ、ラニラルの三人に嫉妬して事を起こしたらしい。
家門の一員であり、既にアルファと認められているのに、何故自分が選ばれなかったのかと思ったようだ。
ソヴィーシャが父親であるウハン侯爵が率いる騎士団に連絡したからか、大きな騒ぎにならずに終了した。アクセミア公爵家内で片付けるんだって言っていた。
「今日は喧嘩を見ました。」
晩餐の席で僕が椅子に座って足をパタパタさせながら報告したら、父上もお父様も顔を曇らせた。
「家門間の諍いだから秘密裏に終わらせたが、これが他家や他国相手なら裁判沙汰か戦争だぞ?」
「そうだよ。これからは皆んなと必ずいるんだよ?」
あ、そんな大事だったんだ?ほぼ寝てたし起きたら喧嘩になって即終了だったから子供同士の喧嘩くらいの気持ちだった。
「必ず誰かと一緒にいるようにします。」
約束するとお父様は微笑んでくれた。帰ってきた時は泣きそうな顔をしていたからもう心配かけないようにしないと!
父上はまだ執務があると言って仕事場に戻って行ったので、僕とお父様は手を繋いで自分達の部屋に戻ることにした。
僕達の部屋は父上、お父様、僕と部屋が並んでいる。父上はどーしてもお父様と仲良くなりたいのかすぐ隣に部屋を用意したのだ。
スローライフが遠のく気がしてならない。
「僕、飼うなら羊と牛がいいです。」
羊はモコモコして可愛いし、毛が刈れるもんね。それに牛はお肉と牛乳だもんね。
「う、うん?大きな動物が好きなの?猫とか小鳥とかじゃなくて?」
僕は頷いた。だって猫と小鳥は食べれないもん。あ、鶏ならいいのか?
むーんと考え込む僕達の側に、リュハナが近付いてきた。リュハナ達は僕達の上の階に部屋がある。
「ヨフミィ様、それって言ってたスローライフの話?」
あ、ちゃんと覚えてたんだ。
「……スローライフ?」
「そうですよ。畑を作って~、牛飼って~、自分でご飯作るの!」
「ふ、ふーん?」
お父様の顔が困惑していた。
「ヨフミィ様、今から少しお話ししてもいい?」
リュハナ達は普段家族と晩餐を摂っている。寝るのはここの屋敷だけど、態々一度自分達の屋敷に戻ってから食べて帰ってきていた。バハルジィ家だけこの屋敷に家族で住んでるけど、こちらも別々だ。
「ゆっくりお喋りしておいで。」
お父様に見送られて僕とリュハナは僕の部屋に入った。
僕がソファに座ると、その前にリュハナが立った。
「どうしたの?座らないの?」
僕の隣をポンポンと叩いたが、リュハナはいつも浮かべている笑顔を引っ込めて真剣な顔を作った。
「僕、謝りに来たんだ。」
うん?謝罪なら今日いっぱいしてもらったけど?
「もう十分だよ?」
リュハナはプルプルと首を振った。
「もっといろいろ伝えておこうと思って……。」
どうやら真面目な話らしい。これは僕も真剣に聞いてやらないと!
「ん、じゃあ聞くよ。」
僕が膝を揃えて手を腿に乗せて聞く体勢をとると、リュハナは苦笑した。
「僕の独り言みたいなものだから気楽に聞いてて。」
あのね…、とリュハナは話し出す。
「僕って小さい頃はもっと小柄で可愛らしかったんだ。今のヨフミィ様みたいに。」
今もまだ八歳だから小さくない?と思ったけど真剣な話の途中なので黙っておく。
「絶対オメガだって言われて、どっちかといえば去年までオメガらしい教育を受けてたんだよ。」
「オメガらしい教育?」
「うん、家を継ぐことはないから後継者教育じゃなくて、屋敷の管理とかオメガの社交についてとか、マナーとかかな?」
「お~。」
そういえば僕の教育にも入ってる!でも後継者教育も入ってるんだよねぇ~。アルファとオメガどっちになるかわからんないからって二倍勉強させられてんの!
早く十歳にならないかな?そんでできればベータになる!そうすれば公爵家継がなくていいし、絶対アルファと結婚とか言われて結婚に縛られることもないよね?ベータの方が自由じゃない?
「僕もそうだと思ってたんだ。自分はオメガで、いつかアルファと結婚して番になるって思ってたんだよ。」
「………でもリュハナはアルファみたいになってきたってこと?」
リュハナは頷いた。
「そう……。身体も能力もいきなり伸びてきて、去年からアルファ向けの学習に切り替わったんだ。だけど僕、アルファの中…ていうか男の子の中かな。に入っていけなくて……。」
あ~、だからいつも女の子達といるんだ?たんなるタラシじゃなかったんだ?
「公爵家次期当主の学友になれって言われたし、僕には荷が重いというか…。本当はなりたくなかった。」
お、おお~。なんか告白してないのにフラれたような気分?お前とは友達になりたくないと言われてショック受けたような気持ちになってしまった。
「あ、ヨフミィ様が嫌いとかじゃないよ!?たんに自信がないだけ。」
「うーん…、でもまだ八歳だし、そんなもんじゃないの?自信満々より普通だよ。」
「でもソヴィーシャなんか一つ歳下なのに自信ありそうだよ?ラニラルだって平民なのに僕達の中に入って堂々としてるもん。」
あの二人は確かになんか別枠かもねぇ。
ソヴィーシャは深く考えてないって感じだし、ラニラルはフブラオ先生の教えを忠実に守ってる真面目ちゃんって気がする。
「そんな深く考えないでいいんじゃない?まだ判定も受けてないし。大人になってから決めたらいいよ。そもそも僕がアルファかオメガになるって決まってないんだしね!できればベータって言われても友達でいて欲しい!」
だってリュハナはいつか王宮医師になるって言ってた。病気の時に相談できるもん~。
へへへと笑いながら希望を言っておく。
「ああ、スローライフ?」
「そーだよ。その時は風邪ひいたら診てほしい!」
「そのくらいでいいの?忠誠を誓えとか、王宮じゃなくて公爵家の専属医師になれとかあるよ?」
リュハナも笑い返しながら冗談みたいに揶揄ってきた。
「そんな重たく考えないでよ。僕だって先がわかんないのに。」
それもそうかとリュハナは納得した。ヨフミィに合わせればいいのだ。
アルファならば忠誠を、オメガならばその心を、ベータならば友情を。
「分かった。じゃあ保留中ということで。もしヨフミィ様がベータでスローライフを送る時は、家畜の受診もやってあげる。」
「え?本当?やったぁ~!」
喜ぶヨフミィをみて、リュハナも嬉しくなった。そんなことで喜んでくれるならいくらでもやってあげる。
喧嘩も政略も苦手だけど、好きなことなら手伝える。
「う~ん、じゃあ今は人間相手の知識しか学んでないから獣医師の分野も学ばないと…。」
「ちょっと見てくれるだけでいいよ?」
「やるなら徹底的にやるよ?任せてね。じゃあ今日は有難う。そしてごめんね。次からは足を引っ張らないよう頑張るから。」
リュハナは手を広げてソファに座る僕を抱きしめた。そっとした優しい抱擁はお父様とは違う気持ち良さがある。
お休みと言ってリュハナは出て行った。
ふむぅとヨフミィは考える。
医術を学ぼうとする強い意思も、去り際の流し目もどこからどう見てもアルファという風にしか見えない。
あんまり悩まなくても十分そうだけどねぇとヨフミィは思ったのだった。
1,650
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
BL
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる