じゃあっ!僕がお父様を幸せにします!

黄金 

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26 たとえ何であっても

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 過去のことを掘り返して、余計なことに首を突っ込んで、キャンプという名の学校行事、狩猟大会後半は監視厳しくテント生活を送った。
 父上はラニラルをまず先に王都に帰してしまった。フブラオ先生が帰すよう頼んだらしい。

「ごめんね、巻き込んで。先生にいろいろ怒られても僕のせいって言ってね。」

 ラニラルは少しだけ微笑んだ。

「いいえ、ヨフミィ様は何も悪くありません。それよりも森の中で戦闘に巻き込まれましたが大丈夫でしたか?」

 ラニラルが僕の顔を観察するようにジッと見ている。僕達を襲った男を斬り伏せたのはラニラルだった。皆んなを案内する為に先に走り、気付いてすかさず攻撃したらしい。その迷いのない様子と、終わった後の冷静さには父上も驚いていた。
 
「うん、驚いたけど。平気だよ。皆んながいてくれたし。……あの人って、死んだの?」

「生かしました。」

 生かしたんだ?というか手加減したってこと?

「ラニラルってそういうの……、喧嘩?争いごと?とか経験あるの?」

 ラニラルは少しだけ困った顔をした。そして頷く。

「喧嘩は度々……。」

 元々バハルジィ家は市井で暮らしていた。フブラオ先生は公爵家で雇われる前は家庭教師や貴族なんかが経営する事業の補佐役なんかをしていたらしい。
 数年働いては契約を切られるの繰り返しで生活が安定しなかったところを、アクセミア公爵家が固定で雇用し爵位まで与えてくれたので、とても感謝していると言った。
 あまり詳しくは話してくれないけど、喧嘩してたというのならいろんなことがあったんだろうと思う。

「あの者は殺してませんが、きっと死んでいた方が良かったと思える罰を受けることになるでしょう。アクセミア公爵家とウハン侯爵家の嫡子に剣を向けたのですから。」

 狩猟大会でズルしようとした子爵家は、王家によって処罰されるらしい。王家主催の催し物に不正を行った罰だけならまだそう重くもなかっただろうに、命じていた配下が目上の高位貴族に攻撃してしまったのだ。
 さらに罪は重くなり、爵位の剥奪になるだろうと言われていた。勿論婚約話なんてなくなった。大人しく獲物は獲れなかったと言った方がマシだったのだ。配下が獲物を持ってくるだろうと森の入り口付近で隠れていた子爵子息と、命じられていた騎士は間抜けな顔で捕まっていた。
 と言ってもこの事件も王家主催の催し物なので秘密裏に処理するらしい。
 
「気をつけて帰ってね。」

 先に帰るラニラルに挨拶をすると、ラニラルは微笑んで手を握ってきた。

「……公爵様がいらっしゃるので大丈夫だとは思いますが、もう変なことに興味を持ってはいけませんよ。」

 なんか言い方がフブラオ先生そっくりだなぁ。

「分かってるよ~。もう大人しくしとくよ。」

 そう返事をするとラニラルは馬に乗って帰って行った。父上がちゃんと護衛の騎士をつけてくれたので安心だ。

 リュハナは基本治療所の手伝いをしているので、毎日朝と夕方に顔を出してくれた。

「もうっ、怪我がなくて良かったけど、来年もヨフミィ様にはテントにいてもらわなきゃだね!」

 リュハナが怒ってもあんまり怖くない。聞いてるー!?と眉を釣り上げる顔も綺麗なだけで迫力がないんだよねぇ。

 最終日に漸くレジュノ王子が帰ってきた。まだ八歳で仕事とか信じられない!

「仕方ない。父上も王都と大会を行き来しながら公務を処理されるのだからな。」

 王家は人手不足なの?王太子妃はお茶会してたよぉ~?
 ブツブツ文句を言っていると、王子がこっちだと手を引っ張って獲物が並ぶ場所に連れて行った。
 最終日なのでたくさん並んでいる。前半に運ばれてきた獲物は先に解体されて毛皮だけになっていた。

「ほら、これ。」

「あ、巨大兎!」

 あのズルしてた人達が運んでたやつ!すご~。兎の頭が僕の頭より大きくない!?

「私の手柄ではないが好きにして良いと言われたんだ。後でヨフミィにプレゼントを贈ろう。」

 そう王子から言われた。なんか僕、今回兎をいっぱい貰っている気がする。ソヴィーシャとラニラルも兎だったしね。

「父上からヨフミィに威圧をかけてしまったと聞いた。我が親ながら恥ずかしい。」

 あ~。でももうあの後ずっと会う度に謝られるし体調を聞かれるんだよね。だから僕は気にしていない。そう言ったら王子は有難うと言った。

 こうして初めての狩猟大会は幕を閉じた。あ、子供の部は結局ラニラルが優勝だったんだけど、本人不在で次席のソヴィーシャが纏めて受け取っていた。
 大人の部はよく分からなかった。父上も興味なさそうだったし、誰かが取ったんだろうね。



 王都に帰ると早速ラニラルの所へ向かった。ソヴィーシャから優勝トロフィーを預かっていたからだ。
 大人用と違って小さいトロフィーだけど、ちゃんと小さい宝石が付いていた。流石貴族。
 フブラオ先生にラニラルの居場所を尋ねると、ラニラルは外で剣の練習をしていると教えてくれた。
 
「雨降ってますよ?」

「そうだね。ヨフミィ坊っちゃまが連れて来てくれると有り難いのですが。」

 最近剣の練習ばかりしていて、今日も終わるまで帰ってこないだろうとフブラオ先生は教えてくれた。

「ヨフミィ坊っちゃま。」

「うん?」

 向かおうとしたら先生から呼び止められた。

「ラニラルをどう思いますか?」

 ???質問の意図がよく分からない。

「どうって…。すごく頼りになりますよ。」

「ふむ。そうですか。それなら、ラニラルの助けは必要ですか?」

 助けは必要か?どうしてそんなことを訊くんだろう。
 でもフブラオ先生が意味もなくこんなことを尋ねたりしないだろうと思う。だからよく考えて答えた方がいい。

「うーん…。多分ラニラルではなくても誰かがやってくれることではあると思います。そういう意味では助けてくれるのはラニラルではなくてもいいです。」

 自分の息子でなくてもいいのだと言われて怒るかなと思ったけど、先生は変わらず微笑んでいる。

「……でも僕はラニラルが助けてくれるのが安心です。」

 なんとなくラニラルの助けには僕自身に対する見返りがない気がするんだよね。
 前もなんでラニラルは僕に甘いのかなと思った。不思議だった。ラニラルは意味もなくそんなことをする人間じゃないと思うんだ。
 フブラオ先生のように雇用関係があったりするわけじゃない。ラニラルは側近候補として側にいるけど、雇っているわけではない。
 じゃあなんだろうと思った時、公爵と伯爵という地位に関係しているのだなと思った。
 ラニラルにとって僕は雇用主の息子であり、いずれ雇用主になる人間というだけではなく、貴族として忠誠を誓う存在。
 バハルジィ伯爵家はアクセミア公爵家のおかげで存在している。アクセミア公爵家なくしてバハルジィ伯爵家は存在しない。
 だからラニラルはアクセミア公爵家に忠誠を誓っている。
 僕が今のところ次の公爵になるから。それが見返りなんじゃないのかな?

「僕が嫡子だからそばにいるの?」

「やはりそう見えますか。」

 違うの?首を傾げるとフブラオ先生は少し違うと答えた。

「あまりいいやり方ではないと思っていますが、ラニラルは坊っちゃまの人生に全てを捧げると公爵様に誓いました。」

「……全て?」

「はい、将来を全てです。そこまでしなくていいと言ったのですが。」

「そりゃあそうだよ。」

 それは行き過ぎだ。あ、でも最近ソヴィーシャからも似たような誓いを立てられてしまったような。

「ですがどうかあの子を導いてやって下さい。本気なのです。以前申し上げた坊ちゃまの幸せを願っていると言うのは本当ですから。」

 兎を貰う時も全てとか言ってたねぇ。父上にも誓ってるの?
 荷が重いというか…。僕が導けるの?あのラニラルを?いやいや、それよりも……。

「先生、重大なことを忘れてますよ!」

 先生はキョトンとした。
 僕はまだ六歳です!そう言ったのに何故かフブラオ先生から笑われてしまった。



 なんで笑うんだよ~。と思いつつ、雨の中ラニラルがいる場所へ向かう。
 雨はシトシトと降り続いていた。
 ついてきたメイドが傘をさしてくれようとしたので、自分で持つと言って小さい子供用傘を用意してもらった。なんか人にさしてもらうのってね。
 後ろからメイドと護衛を引き連れて歩いていく。公爵邸の敷地内でも最近はメイドと護衛がつくようになってしまった。
 石畳に流れる雨水を避けながら歩いていると、目の前からパシャパシャと人が走ってくる足音がした。

「あ。」

 ラニラルだ。

「ヨフミィ様?こんな雨の中出てきてはいけません。」

 何言ってるんだよー。

「ラニラルだって雨の中に傘もささずにいるよ?」

 下から見上げて言い返すと、ラニラルは困ったように笑っている。
 ついてきたメイドにラニラルへ傘を渡すよう頼んだ。ラニラルが傘を受け取りさすのを確認してから、護衛達に少し離れるよう指示する。彼等が離れてからラニラルに向かい合った。

「はい、トロフィーだよ。優勝おめでとう。」

 ラニラルは目を見開いた。僕が手に持っていたトロフィーに気付いていなかったの?
 ラニラルは濡れた地面に膝をついて座った。

「濡れちゃうよ?」

「既に濡れております。」

 まぁそうだけど…。ラニラルは渡した傘を脇に置いて、僕から恭しくトロフィーを受け取った。
 少し嬉しそう。
 いつも敬語で大人びているけど、やっぱり子供なんだろうなと思う。
 前世の記憶があるからラニラルに対してもこんなこと思っちゃうのかな?今の僕の方が小さいんだけどね。

「さっきね、フブラオ先生と話したんだよ。」

「父上とですか?」

「そう、なんと僕はラニラルを導かなきゃらしいよ!」

 そう言ってみたらラニラルもキョトンとした。フブラオ先生にそっくり!ちょっと愛嬌のあるマリニさんより、ラニラルはフブラオ先生に似ている。

「………最近自信がないのです。」

 笑ってくれるかなと思ったのに、ラニラルは無表情にポツンと呟いた。
 うん、まぁなんとなく元気ないなぁとは思ってた。
 悩み事がありそうだから導いてやってと言われたのかな?相談に乗れってこと?

「僕でよければ聞くよ?」

「…………。」

「僕は未来のご主人様だよ!」

 ところでずっと傘もささずに跪いてるけど大丈夫なのかな?
 ラニラルの濃紺の髪はぐっしょりと濡れて雫を垂らしている。

「………私はあってますか?」

 あってる…。あってる?何が?質問が唐突だなぁ。でも変に茶化してはいけない。ラニラルは真剣だ。

「ラニラルが間違ってるなら僕はもっと間違ってると思うけど?」

 なにせ頭の出来が違う。

「私も自分がやることは最善だと思ってはいるのですが、どうしても実を結ぶ未来が思い浮かべないというか…。」

 つまり自信がないってことだね?ラニラルで自信ないなら大概の人間は自信無くすよぉ?僕の自信は地の底だ。

「大丈夫。ラニラルが何を目標にしてるのか分からないけど、ラニラルで叶えられないなら他の人達はもっと不可能だと思うよ~。」

 自信を持って欲しい。こんなに優秀なんだから!

「私ならやり遂げられますか?」

「うんっ!」

 力強く頷くと、ラニラルは漸く立ち上がった。

「じゃあ最善を尽くします。」

「うん。もし目標達成出来なくても将来は僕の側近なんだから一緒に頑張ればいいと思うんだよ!」

「わかりました。」

 傘をさしながらコクリとラニラルは頷いた。最近力を無くしていた瞳に決意が見える。何かいいことを思いついたのかな?それかその目標とやらに決意が漲ったとか?

「ところでラニラルの目標ってなんなの?」

「ヨフミィ様の最側近になって将来守り抜くという誓いです。」

「……あ、そうなんだ?」

「はい。」

 ニコッとラニラルは微笑んだ。
 ソヴィーシャに続き、ラニラルの誓いも重たいねぇ…。貴族ってみんなそうなの?




 雨の中やってきたヨフミィ様は、私の誓いをやり遂げられると言った。
 どうやら父上がヨフミィ様に何か頼んだらしい。
 ラニラルから見たヨフミィ様は、小さくて危なっかしくて、歳下の可愛い主人だ。
 真っ白な髪に大きな榛色の瞳。公爵夫人似の愛らしい顔立ち。二つ歳下ではあるが、それを抜きにしても小さい身体。
 守ってあげなければ直ぐに潰れてしまいそうな人だった。
 そんなヨフミィ様を父上は何故か特別視している。一度ヨフミィ様の人柄について話を聞いたがよく理解出来なかった。ただ分かるのはヨフミィ様は意外と人を観察し一歩引いた目で見ているのだろうということだけだった。
 
 ヨフミィ様は小さい。今でもさした傘の上部分しか見えていない。ちょこちょこと小さな足が流れる水を必死に避けようと傘の端から時折見えている。

「私は……。」

 静かな雨音の中に自分の声が意外と大きく響いて慌てて口を閉ざした。
 ヨフミィ様についてきたメイドや護衛達は離れた場所から追随している。
 ヒョイと傘が傾いた。中から大きな榛色の目が見上げ、口を閉ざした自分に何か用かと語り掛けていた。

「私はお役に立てているのでしょうか?」

 小さな口がポカンと開いた。

「うん。」

 コクリと頷く。当然のように頷かれて本当だろうかと疑ってしまいそうだ。そんなラニラルをヨフミィ様はジィと見上げていた。

「ラニラルって意外と小心者なの?」

「……え?」

 初めてそんなことを言われた。小心者?そう、だろうか……。ぐぐっと眉を寄せて考えてみる。

「ぷふくくく、変なラニラル~。僕のお茶会の計画も領地の放牧場もラニラルがやってくれてるんだよ?僕じゃ出来ないもん。なんでそんなこと気になるの?」

 目を細めて笑うヨフミィ様は、本当に可笑しいと言って笑い声を上げていた。

「……私はリュハナやソヴィーシャよりも忠誠を誓ってお仕えしたいのです。レジュノ王子からもお守りします。あの王子はヨフミィ様がオメガのように接されていて不愉快です。」

 思わず本音を漏らすとヨフミィ様は驚いた顔をした。

「王子は仲良くしたいだけじゃないの?周りに同じ年頃の子供がいないんだし。」

「いいえ、違います。友人が欲しいなら他の貴族家からでも呼ぶことは可能なのですよ。」

 あの目はダメだとラニラルの勘が告げている。しかし肝心のヨフミィ様はのはほんとしている。なんて危ない人なんだ。

「うーん……。王子については僕が本当にオメガだったら考えたらいいんじゃないかな?ほら、僕は今のところ一人っ子だから、王太子の一人息子とどうこうなれるとは思わないし。お互い継ぐべき家があるんだしね?」

 ね?と傘をくるくる回しながらヨフミィ様は笑って言う。
 それはそうなのだが、なんとなく嫌なのだ。

「ほらほらそんな顔しないってばっ!まだ僕達十歳にもなってないんだよ?性別わかんないのに気にしててもね?ラニラルは細かく考えすぎだよ~。」

「ヨフミィ様は考えなさすぎです。」

 違うよぉ~と小さな主人は頬を膨らませている。そういった仕草があの王子の関心を引いてしまうと言うのに!

「ほらっ、僕が大雑把でもラニラルがいてくれるしっ!もしオメガって言われても守ってくれるよね?」

 雨だと言うのに晴れやかな笑顔で手を差し出してきた。自分よりも小さな手がパッと開かれてラニラルの前に伸ばされる。その手をラニラルも握りしめた。

「勿論です。オメガでもアルファでもベータでも、必ずお守りいたしますね。」

「あははは、重い~。」

「本気です。」

 父上が言うように、まだヨフミィ様の心にラニラルの存在が必要不可欠ではないのだとしても、絶対に守り抜いて見せるとラニラルは誓った。








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