じゃあっ!僕がお父様を幸せにします!

黄金 

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34 庭師って楽しいなぁ

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 ゴロゴロゴロと滑車付き荷台を押しながら、僕は庭園を歩いていた。ジールさんみたいに肩に担いでなんて出来ないからね。
 広い肩幅。ムキっとした筋肉。動くたびにムチッとしちゃって、はうぅぅと見惚れちゃうよね~。
 ………はっ、仕事、仕事!
 僕は王宮の庭園で働くにあたって、ある提案をした。それは髪を染めることだった。色は無難に焦茶色にした。ジールさんと同じ色だ。こうしておけば親戚の子供ということに出来るからだ。
 父上似の榛色の瞳は隠しようがないので、伊達メガネをかけて前髪を重たく下ろすことにした。覗き込まれない限り見えないだろう。長い髪は横に二つに結んでいる。ツインテールというやつですよ。むふふふふ。特に意味はない。邪魔だから結んでいるだけだよ。
 庭師のジールさんの補助作業員として僕は雇われることになった。オメガなので事務作業や荷物運びなんかが基本の仕事で、花植えや剪定なんかは簡単なものしかやっていない。
 ジールさんは僕がオメガとしていい所に嫁いでいくのを願っているので、生涯の仕事として庭師をさせるつもりがなかった。なので本格的に教えるつもりもない。
 僕としては庭師もイイなぁと思わないでもない。楽しいし。きつい仕事は他の人がやってくれるからかもしれないけど、オメガということで皆んな力仕事を僕に回そうとしないからね。
 ここに勤めてはや二週間。僕の元家族にはまだ会えていない。
 近すぎてもダメだし、遠すぎても会えないし。相手は公爵家という高位貴族だからなんとも難しい。
 やっぱ駄女神の采配はポンコツだよ。ここはヘミィネと同級生ポジを用意してくれなきゃならないところだよ~。そうしたらお友達になって近付けたのに。
 ヘミィネかルヌジュの双子どちらかと友達になって、公爵邸に遊びに行けるようになれば、皆んなの近状を知ることが出来たはず。お父様にも会えたはず……。はぁ…、お父様、元気にしてるかなぁ。
 ゴロゴロと台車を転がし僕は庭師達が集まる作業部屋に到着した。

「ただいまぁ。」

 僕が持ってきたのは新しい花の苗だった。温室に植えるというので注文しておいたやつだ。届いたので取りに行ってきた。
 ついでに商人のおじちゃんが種もくれた。砂みたいに小さな種で、土に蒔けばすぐに目を出すんだって!料理に使えるよ~と言いながらタダでくれたので、ありがたく貰ってきた。ポケットにちゃんと入れてるよ。ご飯ご飯。作るのジールさんだけど。

「おかえり。言ってくれれば手伝うのに。」

 忙しいジールさんを使うわけにはいかない。

「うん、そんなにいっぱいじゃなかったから。今日植えるんでしょう?」

 朝の連絡事項でそう聞いていたので取りに行ったのだ。

「そのつもりだったんだが、今温室は使用中だからそれが終わってからにしよう。」

 使用中?
 温室を使うということは、それは持ち主が使うということだ。つまり王族の誰かがティータイムとか散策に使っているということになる。

「誰ですか?」

「王妃様だ。」

 僕が湖に入ってから十六年経っている。その間に王位は継承されていた。現国王はカティーノル・リクディーバル国王だ。レジュノ王子の父親だった元王太子殿下だ。今はレジュノ王子が王太子になっている。そしてエリュシャ王太子妃が王妃になっていた。

「来客で使われている。」

 チラッとジールさんは僕を見た。なんだろう?

「アクセミア公爵家だ。公爵夫人とご子息が招待されて使っている。」

 …………お父様っ。
 お父様が来ている?ここに?温室にいるの?
 心臓がドクドクと鳴った。
 会いたい。

「一度見てみたらどうだ?上からこっそり見れる場所がある。」

 行きたいっ!
 だけどあからさまに行きたがっては不自然だろうから、僕はさりげなく頷いた。
 ジールさんは今でも僕が死んだヨフミィ・アクセミアではないかと疑っている。こうやってそれとなーく反応を見たりするんだよね。

「貴族様ですね~。見てみたいです!」

 にこーと笑ってお願いした。ジールさんは小さく溜息を吐いて僕を温室の上に案内してくれた。
 管理者しか入れない扉から入り、細い階段を上がっていく。ジールさんがギリギリ通れるくらいの幅しかないので、後ろをついていく僕には前が全く見えない。密閉されていて通路は暗かった。

「もう少し上がるが大丈夫か?そういえば高いところは平気だったか?」

 聞かれてどうだろうと考える。建物の高いところには登ったことはあるけど、温室の上という言い方が気になる。

「分かんないです。もしかして怖い所ですか?」

「俺は平気なんだが、たまに怖がる者もいるんだ。」

 おお、もしかして下が見えちゃうやつ?心の準備をしておこう。
 ジールさんが小さな扉を開けると、ワッと光が降り注いだ。眩くて目を瞑ると、ジールさんが腕を支えてくれた。後ろにひっくり返ると細い階段を真っ逆様に落ちちゃうからね。

「うわぁ~。」

 外に出るとそこは小さな見晴台だった。前世でいうところの畳二畳分程度の広さしかない。柵はついているけど景観の為か格子状になっていて、眼下がよく見えた。
 おお~……。確かに怖い。下が見えすぎて怖い。
 
「何するところなんですか?」

「点検用だ。ここから下の様子を確認したり、温室のガラス天井を点検したり掃除したりするんだ。」

 見晴台からは小さな通路が横に伸びていた。勿論格子状で下も横も丸見え状態の通路だ。

「なかなか出来るやつがいなくてな。」

「僕も無理そうです~。」

 とりあえずジールさんに掴まっとこう。ジールさんの服をむんずと握り、恐る恐る下を見た。樹々の向こうに賑やかな場所を発見する。
 ジールさんが片目用の双眼鏡を渡してくれた。これで見ていいってことらしい。ジールさんももう一つ取り出して眺めていた。いつもやってるのかな?
 温室は広くあらゆる木や花を植えてある。芝生や石畳の通路、綺麗な模様付きのタイルも敷いてある。そこのタイルを敷いてある場所にテーブルが設置されていた。
 長方形の長テーブルには椅子が五脚。上座の狭い面にエリュシャ王妃が座り、王妃から向かって左側にレジュノ王太子が座っていた。
 王妃……。普通に老けてる?十六年経ってるしねぇ~。僕も大人になってるし。
 大人になってるといえばレジュノ王子もカッコよく成長したんだねぇ。ちゃんと優しく微笑んで何か喋っている。クルクル金髪は伸ばしてるんだね~。ポニーテール似合ってるよ。
 
「えーと、王太子殿下の隣に座ってるのが…?」

「王太子の隣はヘミィネ・アクセミア公子だ。その反対側に座ってるのが双子の弟のルヌジュ・アクセミアになる。その隣が公爵夫人。」

 お父様っ!
 残念なことにお父様は僕から見ると背中を向けて座っていた。本当に残念。
 真っ白の長い髪は横髪だけ取って後ろに結えてある。
 後ろ見ないかなぁ~。流石に遠すぎるなぁ。木の葉っぱも邪魔だし。相変わらず細くて華奢な人だ。後ろ姿だけでも儚い美しさが滲み出てるよ~。
 仕方ないので双子の弟達を見ることにした。
 ヘミィネは僕の位置からよく見えた。黒髪にお父様譲りの薄紫の瞳をしている。小さな顔にショートボブの髪が可愛らしい。さすが女神が主人公に設定しただけはある。
 対面に座るルヌジュは黒髪を肩下まで伸ばしていた。王妃様の方を向いているので横顔が少し見える。顔の作りは双子なだけあって似ているかな?でもヘミィネよりも体格がいいように見えた。

「双子の公子はオメガなんですか?」
 
 ヘミィネはオメガだ。それはわかってるんだけど、ルヌジュはどうなんだろう?

「どちらもオメガだったはずだ。ただ二卵性らしくて微妙に似ていないとよく言われているようだな。」

 あ~、双子も一卵性と二卵性じゃ違うって言うもんね。二卵性は違う卵から育つから、似てるけど兄弟だねって言う程度の容姿の違いが出てくる。
 ヘミィネが小柄だから大きく見えるけど、ルヌジュも十分可愛くて華奢だ。

「弟の方はオメガだけど剣が好きらしい。」

 ジールさんが言うにはたまに騎士団の練習にまで参加するくらい身体を動かすのが好きで、見たければ騎士団の訓練場に行けば見れると教えられた。
 なんだかなんとなく公爵家に関わらせようとしてるな?

「そのうち行ってみまーす。」

 ジールさんの意図とは違うけど、公爵家には近付きたいので行ってみることにする。
 レジュノ王太子がヘミィネに話し掛けて、二人が楽しそうに笑い合っているのを見て、なかなかいい雰囲気だなと観察した。もしや鬼畜王子ルート外れたのかな?だったらいいんだけど……。
 あれ?でも確か出会うのは舞踏会でヘミィネが発情期になった時じゃなかったっけ?
 あんれぇ~?

「双子は発情期きてるんでしょうか?」

「どうだろうか…。さすがに個人的なことだからな。公表するようなことでもないしなぁ。年齢的にはそろそろだろうけど。」

 む……。そうだよねぇ。

「舞踏会ってもうありました?王室主催の。」

「舞踏会か?秋のやつのことか?」

 あ、そうか。僕も一回出たことあるんだった。あの舞踏会で発情期になるってことかな?じゃあまだか。
 なんか話の内容が既に違う?
 ま、違ってもこのままヘミィネがレジュノ王太子とくっつけば問題ないのでは?なんも面白味がないけど。
 僕、もしかして本当に死に損じゃない?
 
「うーん。」

 記憶が戻っても何をしたらいいのか分からない!
 というかよくよく考えるとジールさんって王妃様のこと昔好きだった…。はずだよね?はっ!だからここを知ってるとか?たまにくる王妃様を影から見守るぅ~的な?なんて可哀想なぁ~。健気なクマさんだぁ~。

「あ。」

 僕が独り妄想に励んでいると、隣でジールさんが声を上げた。

「どうしたんですか?」

「急いで戻ろう。」

 ええ?急に?
 ジールさんが下の方を見ている。その視線を追って僕も覗き込んだ。
 あ、温室の入り口?
 そこには人がズラリと並んでいた。そしてお茶会をしている場所の近くにも石畳の通路に向かって人が並んでいる。
 服装から王宮騎士団や公爵家所属の騎士、他にはおそらく王家の侍従侍女達や公爵家からついてきたのであろう侍従侍女達もいた。大所帯だ。

「うわぁ、人がいっぱいいたんですね。」
 
 ん?あれ?あそこにいるのラニラルとリュハナ?そっくり~。面影あるー。大人になったらあんな感じだよね?
 もう少しじっくり見たいけどジールさんが急いで降りろと促してきた。双眼鏡を渋々と返す。
 むぅ、惜しい。
 残念に思いながら見ていると、ラニラルとリュハナがコチラを向いているような気がした。そして騎士達も見上げている。

「もしかして見つかったらマズイ?」

「………王族のお茶会だからな。」

 えぇ、捕まる?急いで逃げなきゃ!でもバッチリ見られてるけど大丈夫なのかな?

「現行犯じゃなければいい。」

 なるほどぉ!
 僕達は急いで駆け降りた。しかしそう簡単には逃してくれなかった。
 ジールさんがもうすぐで出口に着くと言うところで立ち止まった。狭い階段なので僕はむぎゅうとジールさんの広い背中にぶつかる。

「ふぎゃっ……!ど、どーしたの?」

「………アルファがいる。」

 んえ?アルファ?あ、ジールさんもアルファだから、別人アルファがいると気付くってこと?

「廊下にいるんですか?」

「はぁ、面倒だな。ヘミィネ公子の侍従だ。」

 ヘミィネ公子の侍従?………ってことはラニラル!?

「なんで?」

「俺達を見つけたのは多分バハルジィ伯爵子息だろう。そうそう見つけられる場所じゃないんだがな。いつもはついてこないくせになんで今日はいたんだ?」

 ラニラルって目がいいんだねぇ。すごーい。

「僕が囮になるとか…。」

「爵位のないヨフでは罪が重くなる。囮になるなら俺の方だ。」

 そればヤダァ!ウルっと涙目になる。

「管理室にスペアキーがある。誰かに取りに行かせてるかもしれん。」

 ジールさんは後ろに立っていた僕を縦抱っこした。

「頭は引っ込めてろ。天井にぶつけるぞ。」

 なんでかまた階段を上へ戻り始める。通路がジールさん一人分の広さしかないので僕と入れ替わることが出来ない。だから抱っこして駆け上がってるんだろうけど、僕が走るより断然速い。
 階段の途中で立ち止まり、ジールさんは壁をドンッと叩いた。壁がパカっと開く。一気に明るい日差しが暗い階段を照らす。暗闇に目が慣れていたので視界が真っ白になってしまった。

「ふわっ、目が見えないっ!」
 
「非常用の扉なんだ。」

 まだ目は見えないけど、なんとなく景色が分かる。非常用とは言っても外側はまだ温室の中だった。そして地面はまだまだ下にある。

「ここから出るんですか?ジールさんは目は?」

「そうだ。あそこに大きな木があるだろう?飛び移るから口は閉じていろよ。俺は片方目を瞑って来たから見えている。安心しろ。」

「むっ…!」

 流石っ、ジールさんっ!僕は口を慌てて閉じた。
 階段の下の方から足音が聞こえる。暗い階段の下に人影が見えてきた。
 だっ誰か追ってきてる~~~!こわっ!人間追われると逃げたくなるものだよねっ!?
 はっ、そうだっ!捕まったらどうなるかわかんない。僕も手伝わなきゃっ!
 僕はゴソゴソとポケットを探った。
 ジールさんは僕を抱っこしたまま勢いをつけて飛び降りた。ちょうどその時追って来ていた人が辿り着く。開いた壁の縁に手袋をした手がかけられ、もう片方の手が僕達の方へ伸ばされた。
 つ、捕まるぅーーーーっ!
 僕は慌ててポケットに入れたままになっていた種を投げつけた。勿論袋の口は開けてある。
 投げつけて、追って来ていた人と目があった。
 青く澄んだ瞳が僕を見ていた。濃紺の髪は短く整えられて、相変わらず真面目そうだなぁと思ってしまう。
 ラニラル!?
 うわぁ、バッチリ目が合った!?
 驚いたのは一瞬で、僕が投げた種がラニラルにヒットした。ボフンと小麦粉の粉のようにラニラルに被さる。
 
「…………ぐっ、待っ……!」
 
 ごめん、ラニラルぅーーーっ!
 僕は心の中で謝った。









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