じゃあっ!僕がお父様を幸せにします!

黄金 

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49 僕の護衛!

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 昨日は大変な目にあったなぁ~。
 久しぶりにお父様にも父上にも会えたけど、なんだか緊張しちゃったよ。でもお父様は優しいから巻き込まれた僕を心配してくれたんだよね。新しい護衛がつくって話しだし、感謝しなくちゃ!
 と思って紹介された護衛は第二騎士団第一隊副隊長フヒィル・クゼラだった。

「わぁ、僕に副隊長つけちゃっていいの?」

 たんなる庭師助手の僕に?

「ああ、実力も信頼も副隊長が一番だからな。」

 連れてきたのはソヴィージャだった。

「よろしくお願いします。」

 笑顔が明るいフヒィルは相変わらずニコニコしている。金茶色の髪と瞳が珍しい綺麗な人だ。これでベータとか信じられん~。
 
「でもここまでしなきゃなの?」

「あ~、それには理由があるんだ。」

 理由?不思議になって訊いたらソヴィージャは教えてくれた。
 現在オメガを狙った依存性の高い薬が出回っている。しかも今回は王宮内で貴族子息子女のオメガを狙うケースが多発した為、密かに王命でアクセミア公爵家が調査をしていたらしい。
 それと並行してラニラルは薬の中和剤なり治療薬なりを作れないかと考え、現在リュハナに研究を頼んでいた。
 なんと僕が初日にラニラルに投げつけた種が、怪しい薬の原材料ではないかとラニラルは思ったらしい。何故そう思ったかと言うと、種から紫色の汁が出ていたからだ。
 独特な色と微かな匂いが薬と同じだったらしく、可能性があるとみて調べてみた。
 その種を密かにジールさんに育ててもらい、種と花、茎、葉、実、根っこと調べていくと、実と根っこに毒性が出てきて一致。
 そこから現在、リュハナが薬を研究し、ラニラルは種の出所を調べている状況らしかった。
 そこで種は受け取るわ、火事には巻き込まれるわ、怪しい薬を持っていた管理人と出くわすわと、何かと首を突っ込んでいる僕の安全性が心配になったらしい。
 それに種を育てたジールさんのことを仮に犯人に知られてしまうと、僕は必ず人質として捕まるだろうと予想されていた。
 だから解決するまで騎士団で信頼できる人間をつけることにしたらしい。

「……既に数人ついちゃいたんだが、ヨフも知っといた方がいいだろうしな。」
 
「数人ついてるって、なんのこと?」

 ソヴィージャは何でもないと首を振って教えてくれなかった。

「フヒィルならお前の側につけても安全だし、俺も信頼してるからな。」

「そっかぁ、ごめんね?よろしくお願いします。」

 フヒィルはニコッと明るく笑った。

「いえいえ、これも騎士の務めですよ!」

 お~。ま、僕は眼福でいいんですけどね!





 フヒィルは明るくお喋り上手な人だった。ジールさんともすぐに打ち解けて、僕の仕事まで手伝わせてしまって申し訳ないくらい。
 
「フヒィルは護衛の仕事してるんだから見てるだけでいいんだよ?」

 と言うのにフヒィルは力仕事なら任せてっと重たい物も運んでくれるのだ。
 
「フヒィルって貴族?」

「あはは、実は家出中なんです。」

「本当はアルファでしょ?」

「俺ってイケメンですからねぇ。」

 いろいろ尋ねてもちゃんと答えは返ってこないけどね。あんまり自分のことは教えてくれない。
 本当はもっと仲良くなっていろいろききたいところだけど、今の僕には任務がある!

『クエスト②上級解毒剤を作れ!』

 これを進めなければならない。
 僕はジールさんに例の怪しい薬のことを尋ねた。ジールさんは僕を巻き込みたくないようだったけど、既に護衛がついている状態で何も知らないのは逆に怖いと言ったら教えてくれた。

「バハルジィ伯爵子息に命令…、いや、頼まれたんだよ。」

 一瞬命令って聞こえたけど……。
 ジールさんは僕を作業部屋の奥に連れて行ってくれた。ここはジールさんが個人的に新種の植物を育てているミニ温室になる。それぞれ小さな温室がいくつか入っていて、そこで室温や湿度を調整していろんな種類の植物が育てられていた。その中に僕が渡した種も育てられていた。

「商人がヨフに温室に植える植物の苗と一緒に渡したって言うのなら、同じ条件下で育つだろうと思って育ててみたんだ。成長は早くて二ヶ月で花が咲いた。そこから二週間程度で実になって、水分が抜けて種が出来たって感じだな。ちょうど種が出来たから次の種を蒔いて発芽を待っているところだ。」

 一応まだ実がなっているという状態のものを見せてもらった。念の為に口に布を巻けと渡された。

「なんか、種?が紫っぽい。」

「徐々に水分が抜けて黒くなるみたいだ。ヨフが貰ったのは黒くなったヤツだな。」

 種は小さな殻の中にギッシリ詰まっているように見えた。黒くなると砂みたいに小さくなって、本来なら風に飛ばされて他の場所に芽吹く習性があるんだろうってジールさんは教えてくれた。
 
「触るなよ。粉みたいに散るからな。種の状態ならそう害もないらしいが、幻覚作用を伴う快楽を与える成分があるらしい。」

 近寄るなと言われて遠目に観察した。

「でも僕一回手に持ってますよ。」

「体内に入れてなければ大丈夫だ。」

 あ、手を洗えって言われてあの時洗ったか。

「ジールさんは僕から種を渡された時知ってたんですか?」

 僕を部屋から出しながらジールさんは首を振った。

「いや、知らなかったんだが、見たことのない品種だったし、ヨフに渡したっていうのが怪しくてな。だから回収して手を洗わせたんだ。変な汁が出てたし。」

 確かに出てた!
 温室から出ると一番手前にある部屋にフヒィルは待っていた。

「あ、バハルジィ伯爵子息が来られましたよ。」
 
 そう言って先に立って歩いていく。元の作業部屋に戻るとラニラルがソヴィーシャと一緒に来ていた。

「あの植物を見せたのですか?」

「ああ、また変なものを渡されても困るからな。」

 すみませんね、すぐに貰ったものを受け取って!

「俺は外に出て待機しておきます。」

 そう言ってフヒィルは作業部屋の外に出ようとした。木のドアを開けると「わっ!」と言って驚いている。ドアの外にちょうどやって来たのかレジュノ王太子が立っていた。

「?」

 王太子は驚いたフヒィルを見て道を開けてあげていた。こうして見ると鬼畜王子ではないよねぇ。
 フヒィルは頭を下げて先にレジュノ王太子を室内に通すと、丁寧に扉を閉めて出て行ってしまった。

「さっきの青年はクゼラ家の子息じゃないのか?」

 レジュノ王太子はフヒィルのことを知っているのかな?
 
「知ってるのか?」

 ソヴィーシャも同じように思ったみたい。レジュノ王太子は頷きながら当たり前のように部屋に四つしかない椅子の一つに座った。肘掛けがついている一番大きいやつね。普段庭師の長であるジールさんが座るやつね。王族だしね。
 ラニラルがもう一つの肘掛け付きの椅子に僕を強制的に座らせた。………この中で僕だけ平民のはずなんだけどね?
 後の二つは普通の丸椅子だったけど、ラニラルもソヴィーシャもジールさんも座らなかった。なんだか椅子取りゲームっぽい!誰か座んないのかな?僕が歌を歌ってあげるのに~。

「……婚約者候補に入っていたはずだ。」

 婚約者候補………。婚約者、候補ぉぉ?

「え。なんでフヒィルが王太子の婚約者候補になるの?」

 貴族っぽいなぁとか、綺麗だなぁとかは思ってたけど、フヒィルってベータ男性じゃなかったの?
 僕がキョトンとしてレジュノ王太子に尋ねると、王太子は少しだけ小首を傾げた。

「………まさか。」

「すまん。出来れば見逃して欲しい。」

 んん~?

「 フヒィル・クゼラはクラゼ侯爵家のオメガですよ。」

 ラニラルが教えてくれた。

「ええ!?貴族で家出中っていうのはまさか本当のこと!?」

 僕が驚くと、ソヴィーシャは訂正した。

「家出じゃなくて、王太子の婚約者争奪戦で勝手に辞退したら勘当されたんだよ。」

 勘当ーーー?

「そのくらいで?」

「ウハン侯爵家が拾っていたのか。お前の婚約者にでもするつもりなのか?」

 レジュノ王太子がソヴィーシャに尋ねると、ソヴィーシャは違うっ!と否定した。

「フヒィルの家はウハン侯爵家と同じような騎士の家系なんだ。アイツの剣技は強い。オメガとか関係なく強いのに勿体無いと思って拾ったんだよ。今は私の家で客人として住みながら騎士として働いている。」

「おお~~。さすが、ソヴィーシャのお家だねぇ。やっさしぃ~!」

 ソヴィーシャがなんでか必死に僕に説明してくれた。でもフヒィルってオメガだったのかぁ。

「じゃあ最初ベータって言ってたのは?」

「オメガだとナメられるんだよ。抑制剤でほぼ匂いは出ないし、発情期の時だけ私が適当な任務を与えて休ませている。この前の管理人を捕まえた時もそれでいなかったんだ。」

 あ、言われてみればいなかった!

「へぇ~、そうなんだね。だから僕が火事にあった時にフヒィルが入って来たんだね。」
 
「あそこはオメガしか入れないからな。誰かさんは無視して入ってったけどな。」

 ラニラルね。でもラニラル来なかったら僕はあそこから自分で飛び降りなきゃだったしね。文句を言っちゃいけないよ。

「あそこでオメガに不審な薬を使っているかもしれないという疑いがあったのですよ。見張っていたからヨフを助けることが出来たのです。」

「それ以外の目的で張り付いていたのだろう?」

 レジュノ王太子がラニラルに冷たく言っている。相変わらず仲悪いよね。
 あ、そうだっ!薬のこと調べなきゃ!

「その薬って僕が貰った種から出来てるの?なんで僕が種を貰ったの?」

 くれたのはいつもの商人の人だったんだけど。ラニラルに尋ねた。

「商人は捕まえて問い詰めたのですが、金を渡されて庭師に渡すよう指示されたそうです。誰でもよかったらしいのですが、テフベル卿や熟練者には渡すなと言われたそうです。出来れば何も知らないような下男あたりで、素直そうな者がいいと。」

 下男で素直。僕か……。そう判断された僕って小物って思われてるんだねぇ。

「ちゃんとあの商人には報復しておきましたからね。」

 すっごく優しい笑顔でラニラル言ってるけど、報復とは?大丈夫かな、あの商人。
 そこまで話していると、外からドアをノックされた。

「リュハナ・ロデネオ医師がお見えです。」

 フヒィルの声だ。ラニラルが近付きドアを開けるとリュハナが入って来た。

「集まってたんだ?」

 そう言いながらストンと空いた椅子に座った。一つ余る……。

「フヒィルも座ったら?」

 また外に出てドアを閉めようとしたフヒィルに声をかけると、フヒィルがえ?と目を点にした。

「態々出る必要ないぞ?どうせ後から説明しなきゃなんだからここにいて聞いとけよ。」

 ソヴィーシャも入ってこいと促している。

「はぁ、じゃあ……。」

 なんとも入りづらそうにフヒィルは入って来た。
 僕は余った丸椅子をズズズーと引いて僕の横に並べる。

「どうぞぉっ!」

「えっ……。」

 フヒィルが硬直する。

「どうぞ?」

 なんで座らないの?早く座らないと後一つだよ?
 フヒィルは首をプルプルと振った。なんで嫌なの?侯爵家の子なら貴族でしょ?別に大丈夫じゃない?僕なんか平民だけど座ってるよ?
 あっと気付いた。

「場所?場所が嫌なの?鬼畜王子の前はやだよね~。オメガだもんね。反対側にしてあげるね!」

 僕は椅子を持ち上げてドンッと反対に置き直した。

「どうぞっ!」

「………………。」

 フヒィルの首がギギギと動き、レジュノ王太子を見た。王太子は肘掛けに肘をついてゆったりと座っていたが、顔面蒼白になるフヒィルと目が合うとニッコリ笑いかけていた。

「ほら、良いって言ってるよ。」

「……言ってないよ、ヨフ。」

 フヒィルの否定する声は小さい。
 ソヴィーシャは呆れ顔で無理矢理フヒィルを椅子に座らせ、リュハナは椅子に座って笑いを堪えている。ラニラルは相変わらず無表情だった。ジールさんは壁にくっついている。

「後でどうして私が鬼畜王子なのか話し合おうか、ヨフ。」

 あれ?怒ってた。知らないっと。無視したら王太子が無視か?と呟いてるねぇ。無視だよー。

「フヒィルってオメガだったんだねぇ。だから綺麗なんだね~。」

 褒めたのにフヒィルは嫌な顔をした。

「嫌だよ。オメガって身長は止まるし体重は増えないし。筋力もつかなくてヤなんだよ。」

 そうなんだ?でも背はそこらへんのベータの人くらいはあるし、身体もしっかりしてるのにねぇ。

「そお?十分騎士ーって感じだよ?」

「そりゃ、努力しているからさ。」

「他の人達も知ってるの?」

「知らないはず?というかなんで簡単に俺の性別バラしてるんですか?」

 フヒィルはソヴィーシャに文句を言った。

「言っておいた方がいいだろうと思って。ヨフもオメガだし。」

 くそー、とフヒィルはブツブツ言っていた。

「貴族家の子供なのにオメガって知られてないの?」

 不思議。なんで?貴族家のオメガなら婚約の話とかきそうなのに。

「うちの家が騎士家気質でさ。十歳でオメガって判定受けたら隠されたんだよ。ベータって周りには言って留学したことにされてさ。そのくせ王家に婚約打診とか………!」

 ギリ…とフヒィルは歯を食いしばる。
 えー?オメガ嫌う貴族家ってあるの?

「クゼラ侯爵家は現当主夫妻はどちらもアルファなのですよ。騎士はアルファであるべき。オメガは子孫のためにいるという考え方です。」

「ラニラルはなんで知ってたの?」

 サクッとフヒィルの性別バラしたのはラニラルだもんね。実は。ソヴィーシャが責められてるけどね。謎だよ。
 
「ヨフの護衛につくのに調べないはずありません。」

 ………そうなんだ?
 ラニラルってそんなことまで気にして調べちゃうんだ?もしかして全ての事を知っとかなきゃ気が済まないタイプなの?

「気にしぃなんだね?」

「ヨフ、ちが……、プクク、違うよ。君だから、ククク。」

 リュハナが笑い死にしそう。
 ここで漸くジールさんが口を開いた。

「…………もうお前らコレ持って出ていけ。」

 ジールさんの手には先程見ていた薬の原料となる植物の各部位が入った瓶が載ったトレイがあった。











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