じゃあっ!僕がお父様を幸せにします!

黄金 

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58 絵本を読んで!

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 なんとなくラニラルの声が聞こえたような気がして、パチっと目を開けると見知った背中が見えた。濃紺の髪はラニラルだ。

「………。」

 何してるんだろ? なんかプルプル震えてる?
 僕は目を開けて慌ててメガネを押さえた。良かった!外してない。
 泣いて寝てしまったのだと気付いた。ラニラルが寝てしまった僕をソファに横たえる時に、気を利かせてメガネを外してしまったのではないかと思い慌ててしまった。
 ちゃんとメガネは顔についていた。安堵する。
 それにしてもラニラルは何をやってるんだろう?
 僕が寝ているソファの横で床に座りこみテーブルの上で何かを見ているようだ。

「?」

 起き上がりながら顔を上げた。その気配にラニラルが振り向く。
 
「あっ……。」

 僕のエロ本!
 
「これは公爵様の執務室にあるやつですね?まさか公爵様が渡されたのですか?」

「うん、本を読んで覚えなさいって。誰かに一度読んでもらったらいいって言ってた。」

 うんうん、誰に読んでもらおう?
 
「読んで。」

 ラニラルなら上手に読んでくれそうだ。エロ本だけど。
 ラニラルが目を見開く。スッと手に持つ本を見下ろした。
 キワどい挿絵が目に眩しいぃ~!きゃあぁぁ!

「これを…?」

 何故その本をわざわざ開いてるの?やっぱりラニラルも気になっちゃうの?気になるよね!男の子だもん!でも挿絵みたら男と男だ~。内容分かんないけどアルファとオメガなのかな?それとも別の性別かな?内容が気になっちゃう!

「やっぱりラニラルも気になっちゃうよね!」

「なりません。」

「読んでっ。」

 ラニラルがグッと喉を詰まらせた。何故そんなに嫌がる!そんなに興奮するような内容が書いてあるの?ドキドキしちゃって誰かと一緒になんて恥ずかしいとか。あ、読んでもらうってことは音読だもんね。口に出して読むのは流石に恥ずかしいか…。喘ぎ声とかね。僕だって死滅するくらい恥ずかしいかもしんないね!
 でもどうやって言葉を覚えたらいいんだろう?辞書か?辞書ってもんがあるんだろうか。あるよね?貴族だもんね。
 それともラニラル以外の人に聞いて回る?これ読んでくれる人ー?って!誰か手を挙げるかも?そうなると僕はこの本を公衆の面前で広げて見せなきゃならないと思うんだよね。どこで?どこで開く?どこで叫ぶぅ!?

「待って下さい。可笑しな行動は謹んで下さい。」

「え?たった今僕の中では騎士団の訓練場でこの本読んでくれる人ーって呼びかけをしてみようかなっていう結論が出たんだけど……。時給いくらがいいかな?」

 そこんとこは教えてほしいなぁ。相場が分かんない。

「やめて下さい。わかりました。私が読みますから。お願いですからそんなことしないで下さい。」

 必死に止められてしまった!

「じゃあラニラルに時給払うね?」

 奮発しなきゃかな?恥ずかしいかもだもんね。イヤイヤしてる人に頼むんだしね~。

「……そ、それ…。ラニラルが?ラ、ラ、ラニラルがっ………ぐっふふ、ふふふっ。」

 いつからいたのか、扉が開いてリュハナが立っていた。リュハナの背後にはルヌジュもいる。
 フヒィルと戦っていた時とは違う服を着ていた。髪も綺麗にセットされていることから、どうやらお風呂に入って着替えてきたらしい。
 リュハナはラニラルがエロ本を読むと聞いて笑いを堪えるのに必死だ。

「それなんの本なの?」
  
 ルヌジュは不思議そうに尋ねてきた。
 ラニラルが開いていたページをパタンと閉じる。ちょっと際どい男性と男性がくっついた挿絵のあるページをね。
 リュハナが面白そうにラニラルに頑張ってとエールを送っている。
 ヒョイとリュハナとルヌジュの後ろから、もう一人が顔を出した。
 あっ、さっきルヌジュ達が戦っている時に近付いていた人だ。お父様に似てるなぁって思った人。

「………その本読むの?」

 近くて見るとルヌジュより背が高い。勿論アルファであるリュハナやラニラルよりは背は低いし身体付きも細くなるけど、体格的にベータかなって気がする。
 でもお父様に似てるなぁ~。
 まじまじと見ていたら、どうやら質問の返事を待っているようだった。

「僕は字があんまり読めないので練習で読んでもらおうと思います!」

 読めないもんは読めないんだよねぇ!

「その本を?そこの厳格な侍従に?」

 厳格な侍従ってラニラルのことかな。ラニラルは優しいよ?

「読んでくれるって約束してくれました。」

 私が読みますって、ちゃあんと言質取ったもんねぇ。
 ね?っとラニラルを振り返って同意を求めると、ラニラルは無表情にうなずいた。

「ですがまずは内容を理解するくらい勉学に励みましょう。約束した以上、私が責任を持ってお手伝い致します。」

 ラニラルは真面目だなぁ。
 一応頑張ってみるけど。

「でも一度まず読んでほしい!その方がモチベ上がるよぉ。」
 
「それは………。」

「そんなに恥ずかしいならやっぱり騎士団の訓練場で有志を募るしか…。」

 ガッとラニラルに肩を掴まれた。

「読みますからっ…!」

 やったぁ~~~!
 僕が小躍りしていると、お父様似の人が唖然と口を開けて驚いていた。
 ところでこの人はだれ?
 
「な、なぁ、その本読んだら感想聞いていい?」

 指をモジモジしながら聞いてきた。

「読みたいなら先に読む?貸してあげるよ?」

「え、ち、違う。内容は知ってるんだ。ただ感想を知りたい。」

 なんで?
 どういうつもりか分からず首を傾げていると、ラニラルが持っていた本の最後のページを開いて見せてくれた。
 うん?著者キワーレって書いてあるね。
 目の前の青年は頬を染めてチラチラと僕の顔を見てくる。

「彼の本名です。」

「……キワーレさん?」

「っ!あ、キワーレでいい。私は平民だから。」

「僕も平民ですよ?」

 キワーレはえ?と小さく驚いている。僕は庭師の助手(休職中)だからね。平民だよ?
 キワーレはラニラルを見て一瞬固まった。そしてうなずく。

「あ、あ~~~。よく分からないけど…。私は衣食住の提供と報酬をもらってここに滞在……。でいいんだよな?言ってていいんだよな?」

 チラチラとラニラルの顔色を窺いながらキワーレは自己紹介してくれた。
 えーと。まとめるとキワーレはお父様が生まれた元伯爵家の遠縁らしい。だから顔が似ている。と言ってもほぼ平民。親戚に貴族がいたからそこそこいい暮らしだったけど、それも小さい頃の話だった。徐々に家は落ちぶれ家族はバラバラに。キワーレは転々としながら生きていた。
 本を書いたのはたまたまだった。
 
「本当はもっと芸術的なものとか、もっと高尚な話を書きたかったんだ。でもなんでかそれが人気になったんだ。」
 
「へー。」

 いいじゃん。低俗でも。

「高尚なのより僕はこっちの方が好きですよ?」

 僕は正直者なんだよねぇ。
 キワーレは俯いていた顔をパッとあげた。

「わ、私も、だ…。ここにはいい題材がいっぱいで。」

 題材?
 僕はキワーレに近づいた。こっそり尋ねる。ラニラルが少しだけ嫌な顔をしているけど無視だ。

「題材って?」

「公爵邸にはイケメンアルファが多いだろう?近くにモデルがいると、さ。」

 おおー。なるほどデスね!わかるよ、と僕はうなずいた。
 じゃあ、もしかしてキワーレは人間観察の為にもここにいるってことだよね?
 てことはリュハナが好きな人も分かってるとか?リュハナもアクセミア公爵邸に住んでいるらしいから、キワーレが知っている可能性も高いんじゃない?
 これは聞いてみなきゃと口を開きかけていたら、パタパタとヘミィネが部屋に入ってきた。

「あっ、こんな所にみんなでいた!ああっ!ヨフはまだ着替えてないの?早くしなよ。もう晩餐の時間になっちゃうよ!」

 ヘミィネはソヴィーシャと一緒にいたらしい。ヘミィネの後から静かにソヴィーシャがついてきた。
 え?もうそんな時間?

「着替えだけしましょう。こちらへ。」

 ラニラルが僕の背中を押して促してくれた。

「この格好じゃダメなの?」

 よく見ればみんな綺麗な格好をしている。正装しなきゃなの?僕も今日は高い店で買い物してきたから普段着ではなかったんだけど、そんなに飾り立てなきゃなの?

「せっかくなので今日持ち帰った服を着てみましょう。公爵夫人が喜ばれますよ。」

 ラニラルにそう言われて一気に着替える気になった。お父様に褒めてもらわなきゃ!

「そう?じゃあ着替える。」

「はい、用意しておりますので移動しましょう。皆様は先に向かって下さい。」

 ラニラルは僕を促しながら全員に食堂へ行っていてくれと伝えていた。

 僕の衣装は既に揃えて用意していたらしく、別の部屋に並べてあった。靴から飾りからきっちり置かれている。

「ラニラルが用意してくれたの?」

 ラニラルはニコリと微笑みながら頷いた。そして服を脱ぎだした僕を手伝ってくれる。ブラウスのボタンまで外してくれてたんだけど、ヘミィネにもやってるのかな?

「ま、待って、ズボンは自分でするから。」

 ラニラルの指がズボンのボタンを外そうとしたので止めた。
 パンツ姿はちょっとねぇ。最近食べ過ぎで太ってきた気が……。

「……申し訳ありません。嫌ですよね。」

 うう……、そんな尻すぼみで悲しそうに言わないで欲しいぃ~。ラ、ラニラルはキャラ変したの?

「うおっほん、えふん、えふんっ!」

 ビクーっと驚いた。
 あ、あれ?ヘミィネ?先に食堂に行ったんじゃなかったの?

「ヘミィネ様?」

 ラニラルも不思議そうだ。でも僕のズボンのボタンは離してくれないんだね。微妙にボタンを僕と取り合いになった形で止まってしまった。

「ラニラルも着替えなきゃでしょ?今日は一緒に食べるって聞いたよ。着替えてきたら?」

「そう、でございますね……。」

「ほら、ほらほら、行かないと!」

 僕はこれ幸いとラニラルからズボンのボタンを奪い取った。
 どこか残念そうにしているラニラルはヘミィネによって追い出される。
 ヘミィネは怪訝な顔で扉の向こうに消えたラニラルを見て呟いた。

「…………ラニラルがおかしい。」

「そう?ラニラルってあんな感じじゃない?」

 違うよっとヘミィネは叫んだ。そうだっけ?
 僕はパサパサと用意された服を着ていく。ヘミィネは文句言いつつもタイやブローチを付けて手伝ってくれた。

「だって最近のラニラルはおかしいんだよ。朝からパンケーキに生クリームと蜂蜜たっぷりのせるし、紅茶に砂糖とミルク入れちゃうし、微妙に可愛い服着せようとするし!」

 あ、へー?

「僕はそれ意外と好きかもぉ。」

「僕はヤダよっ!僕はそんなに甘党じゃないし、紅茶はストレートがいいもん!服だってレースとかは少な目が好きなのに。僕の趣味知ってるくせに。」

 お、おー……。ラニラルどうしちゃったんだろね。完璧主義っぽいのに。

「と、とりあえず僕着替えたから行こうかぁ。」

 なんでヘミィネが来たのか分からないけど、愚痴り出したヘミィネを連れて二人で食堂へ向かった。
 僕とヘミィネが座り、暫くするとラニラルも着替えて食堂に入ってきた。
 僕は相変わらずお父様の隣の席を勧められて座った。僕の服を見てよく似合うねっと褒めてくれたお父様の方が大変美しいです!
 僕はテーブルに座ったみんなを観察した。
 お~~~。ラニラルがカッコいい~。全員正装でパーティーみたいに煌びやかだね。ソヴィーシャとその隣に座ったフヒィルは騎士団の正装を着ている。
 ちゃんとした豪華な晩餐だった。僕、いつも通りのツインテールなんだけど、誰も何も言わないなぁ。
 長くて大きなテーブルの下座にはキワーレが座っていた。おーいと手を振るとヒラヒラと手を振り返してくれる。
 晩餐は賑やかに進み、また僕は食べ過ぎてしまったようだ。
 ぽっちゃりさんになっちゃうよ。でも美味しいんだよねぇ。
 帰る時間となり、泊まっていけばとお父様に誘われたけど、今日はジールさんが家にいる日だからと断った。
 食堂から正面玄関に向かいながらキワーレをちょいちょいと捕まえる。

「ね、ね、少し話せませんか?」

 キワーレは少し驚いた顔をした。そして考えている。

「確か王宮によくいるんだよな?なんとかして私がそっちに行くから。」

 おおっ、来てくれるんだ~。

「それなら明日僕が騎士団の訓練場に行くからついて来たらいいよ。」

 ルヌジュが会話に入ってきた。

「じゃあ僕も騎士団に行くようにするよぉ。」

「ついでに僕もヨフに話したいことがあるんだけど…」

 少し困った顔でルヌジュはそう言った。僕に話したいこと?
 ルヌジュはチラッと向こうで話をしている面々を見た。そこには父上とお父様を囲んで、ラニラルとソヴィーシャ、リュハナが何やら話し込んでいる。
 フブラオ先生は僕が帰ると言ったので馬車の用意をしていた。フヒィルは少し離れて話が終わるのを待っていた。
 ルヌジュが誰を見たのか分からないけど、あまり他の人間には聞かれたくないらしい。

「うん、じゃあ明日聞かせてよ。」

 僕が話を聞くと言うと、ルヌジュはニコッと笑った。
 今日は最後にルヌジュとキワーレ二人と会う約束をして、なんとか長い一日がようやく終わった。
 そしてハッと我に返る。
 …………全然クエスト進んでないや!
 帰りの馬車の中で、僕はうーんと一人悩んでいた。

















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