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67 クエスト④終了ー
しおりを挟むしれっとお父様やヘミィネまでついてきて、僕達はダジィル王弟殿下が住んでいる宮にやってきた。
第一騎士団と第二騎士団が合わさってかなりの人数になっている。
「出口は塞げ。」
既に謁見室から繋がる出口の場所は把握しているらしく、ソヴィーシャが騎士を回していた。
ラニラルは迷いなく建物の中を進んでいく。
「入ったことあるの?」
「いいえ、見取り図を手に入れました。」
「僕は地図を見てもうまく進めないんだよ。」
人に道を聞くと地図を書いてくれることがよくある。それを見て進んでも辿り着けたためしがない。
「これからは私が常にご案内致します。」
ラニラルが胸に手を当てて誇らしげにうなずいた。
「うん…。」
でもヘミィネはどうするの?今のラニラルの主人はヘミィネなのに。
ヘミィネは口をキュッと結んでラニラルを見ていた。
「ほら、謁見室はそこだよね?」
僕達の会話が途切れたところでお父様が溜息を吐きながら指差した。
先に歩いていたダノテ騎士団長が勢いよく扉を開ける。
中を一瞥して僕達が進むのを止めた。
騎士団長は一人で入っていき、何かをずるずると掴んで引きずってきた。
「全員昏倒しているが、薬を使ったのか?」
ポイっと投げられたのは年配のお爺さんだった。華美な服を着ていることから貴族なんだろうと思う。
「どうやら発情促進剤で使い物にならなくなったアルファは置いて行ったようですね。」
ラニラルは転がった老人を一瞥した。
「通路の入り口が開いていた。追いかけるぞ。公爵夫人達は離れたほうがいい。」
かなり濃度が高い薬を使ったらしく、アルファ全員の意識がなかった。ベータ性の配下や使用人達がダジィル王弟殿下を連れて逃げたと推測し、ダノテ騎士団長とソヴィーシャ達が入って追いかけることになった。
建物の入り口まで戻り待っていると、騎士達が次々と捕まえた人達を連れてきた。全員殴られたり切られたりしたあとはあるが、自分の足で歩いている。
「あれがダジィル王弟殿下です。」
ラニラルが僕に耳打ちする。
豪華な刺繍入りのマントを羽織った人が引きずられてきた。
あれがダジィル王弟殿下?
「くるくる金髪じゃない!」
絶対巻毛の金髪って思ってたのに!
ダジィル王弟殿下は黒髪だった。
「王族だからといって全員くるくる金髪ではありませんよ。」
そーだったんだ。
ピロリンと電子音が鳴る。
『ダジィル王弟殿下を見つけました!正解したので女神との対話券がもらえます!』
青いスクリーンに文字が並んだ。
おお~。良かった良かった。今夜あたりに寝たら会えるのかな?時間が短いから質問事項を考えとかなきゃ。
ラニラルは前へ出てダジィル王弟殿下を舞踏会に連れて行こうと言っていた。
そこからまた僕達はゾロゾロと舞踏会場に戻った。
会場には倒れたオメガ以外の参加者全員が待機させられていた。何があるんだとざわついている。
会場の奥には国王陛下と王妃と共に、父上が待っていた。父上はアクセミア公爵でもあり、宰相でもある。会場に残って部下に指示を飛ばしていた。
「リーテ。」
お父様が父上に近づく。
「うん。」
ごく自然に二人は並んだ。父上にお父様を取られた気分になり、駆け寄って間に入り邪魔したい気持ちが湧く。
くう~、がまん~。
拳を握ってプルプルと震えていたらラニラルにじーと見られていた。
「……何か思い出しましたか?」
僕の手を取りそっと聞いてきた。
何かって何を?
「……あっ。」
僕は元ヨフミィだけど記憶がなくなり王都にやってきた庭師助手のヨフだった!
危うく忘れるところだった。
ラニラルが期待した目で見ているけど、ここは知らんぷりしよう。
「思い出すって、なにを?」
ラニラルの蒼瞳の輝きが消えて僅かに曇る。
ううう、心が痛い…!
「いいえ、なんでもありません。」
ラニラルはすぐに笑顔を作りなんでもなかったかのように国王陛下の方を向いた。
ここにくるまでダジィル王弟殿下は力無く引き摺られてきた。ラニラルが盛った発情促進剤が効いている。
ダジィル王弟殿下も捕らえた時は気絶していたらしい。抑制剤を少量だけ飲ませて意識だけは取り戻させてここに連れて来た。それでも喋れるほどの元気はなく、赤い顔で息が荒い。
国王陛下の前にダジィル王弟殿下は座らされ、まだ気絶している支持派の貴族や配下達が一緒に転がされた。
「何するの?」
今から何するんだろう?
「意趣返しと言いますか…。ご自身が考えた罠を受けていただこうかと。」
ラニラルと二人並んで国王陛下がいる中央を見ていると、陛下は一連の騒動はダジィル王弟殿下が引き起こしたものであり、責任を取らせることを宣言していた。
「責任?」
「今はまだ調査中ということにして王弟殿下は地下に投獄します。後は他国との交渉材料となるか臣下となり廃位するかを選んでいただきます。」
他国との交渉材料ってなんだろうと首を傾げたら、「結婚ですよ」と言われてしまった。あ、お婿さんねと納得する。
怪しい薬を作ったのはダジィル王弟殿下であり、市井に広め、王宮内で使用した罪を問うのらしい。そして本日の舞踏会で薬物を濫用した罪も被せちゃうらしい。
全部悪事を王弟殿下にかぶってもらって綺麗にしましょうねとラニラルはいい笑顔だ。
「自業自得なのかな?」
「最悪の事態では王太子の命も狙ったかもしれませんので、これでも甘い処置ですよ。」
いきなり断罪からの処刑ーっ、って話にはなってないもんね。
まだ喋れないダジィル王弟殿下達はズルズルと騎士達に引き摺られて姿を消した。
これで一件落着~。
………あれ?でもクエスト達成のピロリンがまだ来てない。事件解決したら終わりじゃなかったの?
うーんと考える。
僕が考えている間も舞踏会は国王陛下の言葉で締めくくられ、続々と帰る人達が流れ出している。
「我々も帰りましょう。」
ちょっと待って。今考えてる。
クエストの内容をすっかり忘れてしまっていた。青いスクリーンを出して再確認しよう。
『クエスト④狙われた王太子を救え!
舞踏会で媚薬を飲まされたレジュノ王太子。彼の心を救えるのは誰か!
1・ヘミィネ
2・フヒィル
3・キワーレ
報酬、王太子の本心。』
……なんてこった。事件解決じゃなかった!
レジュノ王太子の心を救う?
僕は二番のフヒィルを選んでいた。媚薬を飲まされた王太子を救う人ではなく、王太子の心を救うってところが鍵かぁ。
これ失敗したかも?
だってフヒィルはレジュノ王太子を足で蹴り上げて窓の外に放り投げてたし。最終的に飛ばしたのは目の前で何か言ってるラニラルだけど。
「ヨフ?」
これどうしたらいいんだろう。既にレジュノ王太子は治療の為に連れて行かれているし、フヒィルは騎士団に混ざって仕事に戻っている。フヒィル元気だね。
「どうしたのですか?距離はとっていたはずですが、アルファのフェロモンにあてられましたか?」
急いで帰って治療しましょうと言うラニラルをぺんぺんと払う。ラニラルがちょっと悲しげだけど、ちょっと待ってて!
ここで帰ると報酬がなくなるかもしれないじゃん。
媚薬を盛られた王太子の心を救うんだよ?
明日になったら王太子の治療も終わって、一晩寝てスッキリしちゃったらどうするの?
僕は決断した。
「ラニラル!」
「はい、なんでしょうか?」
ラニラルは僕がようやく返事をするとパッと顔を輝かせた。
「フヒィル呼んで。レジュノ王太子のお見舞いに行くよぉ!」
ラニラルは思いっきり嫌な顔をした。
レジュノ王太子は既に治療も済んで自分の寝室に戻り休んでいた。頭に巻いた包帯が痛々しい。
もう夜も更け訪ねるには失礼な時間だけど、チャンスは今夜しかない気がするので構わず入室する。
「無事片付いたようだな。」
フヒィルと戦っていた時の獣のような荒々しさは抜け、いつもの冷静なレジュノ王太子に戻っていた。
「記憶はありますか?」
「………いや、あまりないな。」
僕の確認に王太子は苦々しく顔を歪めた。
どうやら盛られた媚薬で意識が曖昧らしい。
レジュノ王太子は僕達と一緒に来たフヒィルを見た。
「……すまない。襲いかかったところまでは記憶しているんだが、かなり乱闘したと聞いた。」
話しかけられたフヒィルは少し目を見開いた。謝られるとは思ってなかったようだった。
「俺は自分の任務を遂行しただけです。」
王太子が少しだけ笑う。
「実は戦ってる時の記憶が少しだけあるんだ。」
「そうなんですか?」
フヒィルの表情が明るくなる。なんで明るくなるの?
「ああ。フヒィル副隊長は強いんだな。」
王太子に褒められてフヒィルは明るく笑った。
「ありがとうございます。ですが意識が朦朧とした殿下に負けそうになりました。まだまだ精進します。」
ラニラルが蹴った時、フヒィルは捕まってたもんね。よく考えたら王太子を最終的に外に蹴り出したのはラニラルなんだけど、ラニラルは何もいう気がないらしい。そこについては誰も王太子に報告していないのかな?もしかして。
「私ももう少し鍛錬の時間を増やそう。」
「殿下は我々がお守りするので無理はいけません。」
フヒィルが止めた。そうだよねぇ。レジュノ王太子って忙しそうなんだよね。
「……能力が足りない分は時間で補うしかない。」
えっ、なんだか少しだけ気弱だ!
「俺だって自分の能力を上げる為に人よりも倍鍛錬の時間を使ってます。オメガって身体能力がベータよりも低いんですよ。でもなんでも出来そうなアルファの王太子殿下が同じような気持ちだと思えば気が楽になりますね。」
フヒィルがにぱっと笑顔で言った。
レジュノ王太子がぼんやりとそんなフヒィルを見上げている。
気の抜けたような表情は珍しい。
レジュノ王太子は邪気のないフヒィルの笑顔をしばらく見て、下を向いた。
「……そうか。うん。ダノテ騎士団長の要望は前向きに検討する。」
「護衛騎士ってやつですか?いい抑制剤貰えるんですか?」
「………護衛でなくとも抑制剤はくれてやる。もっと白月草の栽培がうまくいけば量も増える。」
「まさか、ただ?」
レジュノ王太子がうなずくと、フヒィルは喜んでいた。
いくら白月草を増やすといっても、まだそう多くはない。手に入れられる人間も数少ない為、それをフヒィルにやるとレジュノ王太子に約束されてフヒィルは嬉しそうだ。
「それでは帰りましょう。」
話が済んで僕達は帰ることにした。
「しっかり療養して下さいね。」
僕が声をかけるとレジュノ王太子はうなずいた。
「では失礼します。」
フヒィルが離れようとすると、レジュノ王太子がちょいちょいとフヒィルを呼んだ。
フヒィルは呼ばれて素直に近寄る。
レジュノ王太子はベッドの横にある棚の引き出しを開け、中にある物を取り出した。そして近寄ったフヒィルに手渡す。
レジュノ王太子が差し出した為、フヒィルは両手を出して受け取った。
「あ、飴ですか?」
レジュノ王太子は笑いながら握った飴を全部フヒィルの手のひらの上に落とした。
「母上の私室からクッキーを盗み食いしていただろう?私の飴もわけてやろう。お前のオメガの匂いが残っていたぞ。」
フヒィルがギクッと身体を強ばらせる。
「え、いやあ、あはは。」
「責めてはいない。また遊びに来るといい。お菓子をやろう。」
フヒィルは畏まってそそくさと退散した。
ベッドの上からレジュノ王太子が楽しそうに手を振っている。
フヒィルは帰り道、もらった飴を僕達にも分けようとしたけど断った。だってその飴はフヒィルがもらった飴だ。
「良かったね。フヒィル。」
「え?なにが?」
んー、よくわかんないけど。そんな気分。
ピロリンと音が鳴る。
青いスクリーンが出てきて文字が並んだ。
『おめでとう!クエスト④が終了したよ!王太子の心が開きました。報酬の王太子の本心がもらえます。』
……………?
僕はたっぷり10分ほど固まった。ラニラルがすぐに僕の異常に気づいて慌て出す。
「ヨフ?ヨフ?どうしたんですか?具合が悪いのなら私に寄りかかりますか?抱っこしますか?」
「たまに子息の性格が読めないよな。」
ラニラルの慌てっぷりにフヒィルが呆れている。
ちょっと待って、今考えてる!
僕は抱きついてこようとするラニラルの額を手で押し返した。
「あうぅ……、ヨフ?」
ラニラルの哀れな声を聞きながら、僕は悩んだ。
レジュノ王太子の心が開いた?
つまりクエストのレジュノ王太子の心を救ったということになる。どこをどう救ったの?今のお見舞いで救われたの?
僕とラニラルの会話は少なく普通だった。ということは一番お喋りしたフヒィルとの会話の中に正解があったんだ。
ちょい傲慢なレジュノ王太子が謝ったところ?それとも少し気弱な発言をしたところ?いやいや、もしかして飴をフヒィルに与えた時とか?
レジュノ王太子にしては全部珍しい行動ではあった。
わかんないけど、レジュノ王太子はフヒィルに心を開いたってことだよね?
僕正解したのかな?
フヒィルで当たりだったんだ!
「ラニラルっ!」
「はい。」
嬉しくて僕はラニラルの名前を呼んだ。特に意味はない。誰かにこの喜びを共有してほしかっただけなんだけどね!
「なんか上手くいった気がするよ!」
僕が笑顔で言うと、ラニラルはニコリと笑った。
「良かったですね。」
わーい、とラニラルに抱き付くと、ラニラルも抱き返してくれた。わぁ、いい匂い~。
「………なんだろう、コイツら。」
フヒィルが呆れていた。
こうして駄女神小説で重要な場面、舞踏会の日は終了したのだった。
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