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番外編
81 私は捨て猫ではない!①
しおりを挟む貰ったのは小さな屋敷。そして報酬のお金。
アクセミア公爵家との契約も、ヨフミィ・アクセミア本人の登場によって終了した。
庭師のヨフがまさか公爵家の子息とは。
気づいた時には驚いたが、ある日を境に、陽が射すように明るくなった公爵家を考えると、よく戻ってきてくれたなと思う。
公爵家を頼る前に、全財産を失って、行き場がなくて藁にもすがる思いでジュヒィー・アクセミア公爵夫人を尋ねたが、公爵家は自分のパトロンになるばかりか、好条件で仕事を与えて、終了したら報酬までくれた。
訪れた時はまだヨフミィ公子を捜索中で、公爵家の中は暗い緊張感があったのだが、ヨフミィ一人の登場でガラリと変わった。
本当に良かったと思う。
公爵家は冬に入り、年末には領地で家族全員で過ごすのだと言って王都を出発した。そう遠くない領地なので、すぐに着くだろう。
「キワーレも行こうよ。」
そうヨフミィは誘ってくれたが、遠縁とはいえ、自分はほぼ他人に近い。公爵夫人も遠慮せずにと誘ってくれたが断った。
新年には公爵家でヨフミィのお披露目を兼ねたパーティーもある。そこに集まる家臣たちの前に出たくない。
本当にほぼ平民でしかないのだ。公爵家に関わることもなかったし、貴族なんて見ることもなかった。
王都に残ると言うと、公爵夫人は家を一つ用意してくれた。
一人で王都の公爵邸に残るより、自分の家でのんびりしたいだろうと探してくれたのだ。
名義までキワーレの物にしてくれた。
報酬にたんまりとお金をくれて、公爵家のみんなと別れて、もらった家を訪れた。
家は二階建てで、リビング、主人室、キッチン、浴室、トイレが一階にあり、二階には四部屋ある。一人で暮らすには少し広いが、落ち着いていて過ごしやすそうな家だった。
周りが貴族所有の屋敷に囲まれているので治安はいい。周囲の屋敷に比べたら小さな家だが、これは横にある屋敷の当主が、長く勤めた使用人に与えた家だったかららしい。使用人が子供夫婦のもとに行った為、空き家となると聞いて、公爵夫人が話を通して購入したのだと聞いている。
市場からは少し離れているが、歩くのは苦ではないのでちょうどいい。
そう思いながら数日暮らしていたある日、招かれざる客がやって来た。
「こんないい家に住んでて何故呼ばないんだ!」
そうガラガラの声で叫んだのは父親だった。
一緒に来た母親と妹は、二階に上がり荷物を早速運び込んでいた。
「何しにきたんだ!?」
追い出そうとしたが、三人は当たり前のように居座った。
「お父さんっ、お金があるっ!」
妹は勝手に私の部屋に入りクローゼットを開けて、公爵夫人から支払われた報酬の金を見つけた。
止めろと言うのに三人は家に上がり込み、部屋を物色して自分たちの部屋を決めてしまった。
「行くところがないのよ?まさか家族を追い出す気なの?」
母親がひとでなしだと罵った。
荷物を全て持ってここまで来たのだと言っていた。住むところもお金も僅かしかない。哀れっぽく言いながらも、三人の目は狡猾に自分を追い込もうとしていた。
この三人はいつもこうだ。
少しでも財産を手にすると、すぐにやってきては奪っていく。家族だから助け合うのが普通だと言うが、私が窮地に立たされた時は逃げていく。
その度にどうにかして食い繋ぎ生きてきた。
普通に働いても、本を出しても、絵を描いても、その稼ぎは自分の手に少ししか残らない。住み込みの家庭教師をすれば、一緒に転がり込んできて迷惑をかけ、堪忍袋の尾が切れた雇用主に追い出されたこともある。
また、また、またっ!
この家も奪おうと言うのだろうか。
「出ていってくれっ!」
三人はキョトンとした。
そして笑い出す。
「がはははは、もうすぐ今年も終わりというのに何を言ってるんだ。」
「本当に。外を見てみなさい。雪が降りそうなのに、この寒空の下、キワーレは出て行けっていうの?」
「お兄ちゃんが家を手に入れてくれて良かったぁ。」
一緒に住むつもりか?
どんなに言っても、三人は居座ってしまった。
「あら、燃料が足りないわ。買って裏に置いておいてよ。」
母親は当然キワーレが買ってくるものとして命じた。キワーレの報酬は奪われ、その中から自分のもののように金を渡す母親に気持ちが暗く沈む。
いつもこの人達はそうなのだ。
キワーレがどんなに頑張っても全てを奪っていく。
燃料が足らなくなったのも、キワーレ一人分が一気に四人分になったからだ。
足りないのは事実なので、キワーレは燃料を買いに出かけた。
暖炉の薪も足らないだろう。
帰ってきたら金を奪い返し、自分の部屋には鍵をかけておかないと。
上着を羽織り燃料を買いに出かけた。
冬の陽は沈むのが早い。貴族街なので街灯があるからまだ安心だが、それでも夜になれば人気がなくなり物騒になる。
「はあ………。」
何故自分の居場所がわかったのだろう。
店に行って燃料を買い、家に戻って裏の小屋に置いた。そして中に入ろうとして鍵がかかっていることに気づく。
「…………本気か?」
表に回って正面玄関を開けようとして、こちら側も閉まっていることに怒りが込み上げた。
ドアを叩き叫んでも誰も出てこようとしない。
「おいっ!」
ドンッと扉を叩いてズルズルと座り込んだ。
チラチラと雪が降り始め、寒さにブルッと震える。
どうする?
まさか締め出されるとは。
とりあえず安宿を見つけて一晩凌ぐか?
お釣りを数えてなんとか出来るかもしれないと外に歩き出す。
ここは貴族街だ。安宿がある場所となると、ここからかなり離れることになる。
既にとっぷりと陽が暮れて真っ暗になった中、なんとか泊まれる宿を探した。
狭くて汚い部屋は、最近公爵邸の豪華な部屋に慣れた身としては辛い。しかし初めてのことでもないのでなんとかなる。雪が降る中、外にいるわけにはいかないので、悪臭を我慢しながら目を瞑った。
翌日早朝から自分の家に戻った。
食べるものすら買えない所持金に、早く家族を追い出さなければと急いだのに、家はもぬけの殻だった。
開いた門扉に不安を覚えたのは気のせいではなかったのだ。
「…………っ。」
走って自室を覗けば部屋の中は荒らされ、所持金もない。金になりそうな物も奪われていた。隠していた家の権利書まで盗られていることに気付いて青くなる。
雪が降っても玄関の前にいるべきだったのか?
いや、そんなことをしても寒さで意識を失って倒れた自分を乗り越えて、彼等はどこかに消えていくだろう。
頼れる人なんていない。
アクセミア公爵家の人達ならなんとかしてくれるだろうが、今は領地にいるだろう。
歩いてアクセミア公爵領まで行けるだろうか…。
トボトボと歩いて門の外に出た。
雪が道に積もった景色は寒々しい。着替えくらいは残っているだろうけど、所持金は宿代を引いた僅かな小銭だけ。
働いて日銭を稼ぐなら…?
疲れて考えがまとまらない。
門に寄り掛かりズルズルと座り込んだ。膝を折って地面にお尻がつく。雪で冷たい。濡れてしまった……。だけど立ち上がる気力が湧かない。
これで何度目だろう。
この家の権利書はすぐに売りに出されただろう。奪い返すことも出来ない。自分の荷物を持てる分だけ持ち出しておかないと処分されてしまう。
膝におでこをつけて、これから何をすべきか考えていた。
パカ、パカ…と馬の蹄の音が近づいてくる。
ここは貴族街なので、馬を使う奴もいるだろう。顔を上げるのも面倒で、頭を抱えて気づかないふりをした。
それなのに馬の蹄の音は目の前で止まった。
まさか浮浪者と間違われて追い払われる?
ギクッと身体が強張る。
「……キワーレか?ここで何をしているんだ?」
知った声に恐る恐る顔を上げた。
馬に乗ってダノテ・クゼラ騎士団長がいた。
騎士団。そうだ、フヒィルなら話を聞いてくれるかもしれない。いや、目の前の騎士団長に言った方が早いのか?
ダノテ騎士団長は軽やかに降りてキワーレの前に立った。
「具合が悪いのか?」
「…………いや、実は。」
喋ろうとしたら、馬車が近づいて来た。そしてキワーレの家の前に停車する。
はぁ、と溜息が出た。
荷物を運び出す前に、どうやら買い取った人間が来てしまったらしい。
「これは、クゼラ騎士団長っ!」
格好から商人のように見える。不動産を扱う店に早々と売ってしまったのかもしれない。
「…………ここには何の用だ?」
ダノテ騎士団長は怪訝な顔で尋ねた。
「いやはや、昨晩急にこの家を売りに出したいという家族が来まして、場所もいいですし安く済みましたので見に来たのです。」
昨日の夜には売られていたのだと聞いて驚く。そして夜のうちに彼等は逃げたのだろう。
「売りに?ここを?」
ダノテ騎士団長がチラッと私を見た。
商人は不機嫌になった騎士団長に気づいて、困惑気味にうなずいた。
「ええ、そうですが…。」
商人を無視して、ダノテ騎士団長は座り込んだままの私に近づき腕を掴んだ。引っ張り上げられてしまい、慌てて立ち上がる。
「売ったのか?」
私が売ったわけではないので首を振る。
「……数日前に家族が押しかけてきて。勝手に。」
「家族か。アクセミア公爵夫人から聞いていた通りだな。」
公爵夫人から何を聞いていたんだろう?
公爵夫人に自分の家族のことを多くは話していない。貧乏になって家族散り散りになったと話しただけだったはずだ。
「何かありましたか?」
商人はこれは何かあるなと騎士団長の顔色を窺っていた。
「その契約は不履行だ。この家の本来の権利はクゼラ侯爵家にある。元々は我が家の持ち物で、権利書はアクセミア公爵夫人に頼まれて貸し出したものだ。」
………そうだったか?公爵夫人は確かにこの家はキワーレの物だよと言っていたのに。
「権利書の貸し出し?」
商人も怪訝な顔をした。
「そうだ。詐欺師を捕まえるためにな。」
「…しかし、この家の権利は。」
それでは支払った代金はどうするのだと商人は渋った。
「買い戻そう。」
騎士団長は馬の手綱とキワーレを掴んだまま、商人についてこいと促した。そして隣の大きな屋敷に移動する。
「隣ってクゼラ侯爵家?」
大きな屋敷があるなぁとは思った。屋敷と自分の家の間には綺麗に刈り込まれた生垣があったのだが、どこまでが境界線なのだろうと気にはなっていた。
キワーレが貰った家は、クゼラ侯爵家の元使用人が使っていた家だった。
馬に乗るかと聞かれてお尻が汚れているからいいと断った。
騎士団長が広い庭を歩くものだから、自分も商人も大人しく歩いてついていく。腕は掴まれたままだった。
ようやく屋敷の大きな玄関に到着する。カーブを描いた階段を上がり、待ち構えていた老執事が当主の帰宅に挨拶をした。
「ダノテ様、お早いお戻りですね。人間を拾ってこられたのは初めてでございますね。」
おっとりと老執事は言った。
………もしかして拾われた人間とは私のこと?
自分を指差し首をひねる。
「風呂と着替えを頼む。それから商人に支払いの小切手の用意を。」
老執事の指示で使用人達が静かに動き出し、何かを言う暇もなく奥の部屋へ連れて行かれた。
「あの…!」
状況が分からず尋ねようとしても、使用人達はニコニコと笑うだけで答えてくれない。仕方なくお風呂に入り着替えを済ませた。服は肌触りのいい白のブラウスにベストとズボン。シンプルだが触り心地の良さから高そうと感じた。
アクセミア公爵家でも同じような物を用意されていた。質の良さからおおよその金額が頭に浮かぶ。
「おやおや、ちょうどよろしゅう御座いましたね。急いで買いに行かせたのですが、サイズが合うようでよう御座いました。」
案内の途中でさっきの老執事に会った。
この人なら答えてくれるだろう。
「あの、こんな上等の服を用意してもらってなんですが、私には持ち合わせがなくて…。」
なにしろ所持金は小銭だけなのだ。
「ダノテ様が用意しろと言われた物ですから、そのままお使い下さい。」
え、いやいや。そんなわけには…。
断ろうとしたが、さあさあこちらへと言われて引きずられるように案内される。ここの使用人達はニコニコと上品なのに問答無用で押しが強い。
自分の家はどうなったのかが知りたい。
連れて行かれたのは暖炉の火が入る明るい部屋だった。
部屋の中にはテーブルがあり、作りたての料理が置かれていた。
そしてダノテ騎士団長が待っていた。
「ああ、顔色は戻ったな。食事を用意させたから食べるといい。俺はもう食べた後だから気にせずにな。」
タラリと涎が出る。
昨日の夜から何も食べていない。
じゃあ遠慮なくと、ダノテ騎士団長が椅子を引いて待っていてくれるので、その席について食べ始めた。
何故かダノテ騎士団長は隣の椅子に座り、自分が食べている姿を眺めている。
その視線にちょっと食べにくいが、空腹に負けてガツガツと食べてしまった。
食べ終わると満足する。
「あ、そういえば、もしかして騎士団に行く前でしたか?」
外で会ったのは朝イチの時間帯だった。馬で出掛ける予定だったのではと気になる。
「大丈夫だ。騎士団には連絡しておいた。それに公爵夫人にも頼まれていたからな。」
何を?
「あの、家のことですけど…。」
もしかして返したほうがいいんだろうか。家もなくせば住むところもなくなり行き倒れそうだが、他人の物を奪いたくはない。しかも侯爵家の持ち物だ。
「貸したというのは嘘だ。ちゃんとあの家はキワーレの物だから安心するといい。ただしばらくの間はクゼラ侯爵家所有にしていてもいいか?少し処理したいことがあるんだ。」
「それは、構いませんけど…。」
「その間はここに部屋を用意するから安心しろ。」
「ありがとうございます。」
ダノテ騎士団長は噂よりも常識的だなと思った。噂では犬や猫を拾って愛情を持つ変態だと言われていたのに、舞踏会で助けてくれたことといい、自分に対してはまともだ。
弟に番になれと言っていたのを見ているから、多少変わった人なのだろうとは思うが、きっとオメガの弟が心配で行き過ぎた発言が出ただけなんだなと思った。
それにしても家の名義に関わる処理とはなんだろう?商人には詐欺師を捕まえるとか言っていたけど、何か犯罪があっていて、犯人を捕まえる為に名義が必要なのだろうか?
「私はもう出なければならん。」
思考の途中で騎士団長は出掛けると告げた。
「あ、すみません。今日は助けていただきありがとうございます。」
頭を下げると、騎士団長は笑って出て行った。
なんとか助けてもらえる人に拾われて一安心だ。いつまで滞在になるか分からないが、外で凍死は免れたことに安堵した。
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