86 / 90
番外編
85 小さなお家②
しおりを挟むテフベル卿はよく自宅の食事に誘ってくれるようになった。僕が独り身でいつも食事は適当だと言ったからかもしれない。
両親はいるが領地は遠いので一人暮らし。ここ数年会っていないと教えると、たまには帰ったほうがいいと諭された。テフベル卿も仕事が忙しくてずっと会わないうちに、お母さんが亡くなってしまったらしい。
うなずくと優しく微笑んで頭を撫でられた。
完全に子供扱いだ。
年齢的には間違いではない。だけど本当の親でもない。優しくされて嬉しいのに、子供扱いは嬉しくなかった。
食事のお礼をしたいと言うと、今度爵位を新たに叙爵されるので、その時に何を着たらいいのか教えてほしいと言われた。
テフベル卿は元々平民で、僕は子爵家だ。僕も裕福な貴族家の出身ではないけど、テフベル卿よりは知っている。困っているんだろうなと思って快諾した。
テフベル卿は名称そのままに子爵位に陞爵することになっていた。王宮庭園総管理人という管理職に伴い与えられていた男爵位を子爵位に上げて、王妃宮庭園の管理も行うことになっている。
本人は机仕事が増えて土いじりが出来なくなるとガッカリしていた。
元々王妃宮の白月草を管理していたフォブルス伯爵は爵位返上と王都追放を言い渡されていた。王妃様にくっついていたメーリュンデ侯爵も同じように処罰されている。
王妃様は周りに侍る貴族が減ったからか、社交的なテフベル卿をすぐに気に入って頼りにしているようだった。昔からの知り合いらしいのだが、テフベル卿の表情は困っているようだった。
その理由はキワーレが書いたという本を読んで知った。
アクセミア公爵夫妻の過去を題材にして書かれたらしい恋物語だった。そこに少し名前を変えて王妃様も登場する。よくこんな話を出せたなと感心するが、どうやら公爵家が公認しているらしい。でないとすぐに差し止めにされていることだろう。
そこらへんの事情はよくわからないが、理解出来たのは話の中に出てくる庭師がテフベル卿なのだということだった。
「……………はぁ。」
ため息が出る。
つまりテフベル卿は昔、王妃様がメイド時代の頃に好意を寄せていたということだった。他にもそんな人達は大勢いたようだし、主役のアクセミア公爵様だってそうなのだ。庭師の存在なんてほんの少し出てくる脇役。特に何かがあったわけではないらしいのだけど……。
でも、好きだったのは事実。……ということだよね?
今日は作業部屋で一人白月草の下処理を行い、時間が空いたのでその本を読んでいた。
一度読んで、もう一度テフベル卿のところだけ拾っていく。
「くくくく、つまり気になるんだな?」
「ふわぁん、久しぶりに来てみたら、進展しちゃってたりして?」
ビクッと肩が震えた。
「だだだっ!誰!?」
驚いて振り返ると、僕の背後には作者のキワーレとヨフミィ公子がいた。
二人に会うのはかなり久しぶりだった。
「お茶くれー。」
「僕もぉ~。あ、茶葉とお菓子は持参したよ?」
やや図々しい二人の為にお茶を淹れる。
キワーレは確かクゼラ侯爵と結婚したし、ヨフミィ公子は現在ラニラル・バハルジィ伯爵子息と婚約中だったはずだ。結婚しても伯爵家ではなくアクセミア公爵家を継ぐ為に、伯爵子息の方が公爵家に入るのだと聞いている。
つまり二人の身分は僕より上!
いいんだけどね……。ほとんど僕の地位なんて平民みたいなものだしね。田舎の子爵家なんてそんなものだもんね。
「久しぶりに外に出た気がするなぁ。ヨフミィに頼んで正解だった。」
「まさか軟禁状態とか思わないでしょう?意外と騎士団長って変態…。あ、変態か!」
二人は好き勝手に喋っている。
…………ダノテ・クゼラ第一騎士団長ってそっち系だったんだ。番を監禁するタイプは苦手だ。
「キワーレってオメガ?」
なんか違う気がしたけど。
「私はベータだ。」
キワーレに即答されて、騎士団長の性格がますます苦手に感じた。
「ジールさんとは仲良くしてる?というかジールさんはどこに行ったの?」
ヨフミィ公子達はテフベル卿に会いに来たらしい。
「……王妃宮の栽培の様子を確認しに行ってる。」
向こうの白月草の庭園の方が規模は大きい。その代わり発育状態が悪かったらしく、今はテフベル卿が庭師の育成を兼ねて、数人部下を連れて庭園の整備を行っている。ここと同じように地下にあるらしく、僕は王妃宮の白月草が採れるようになったら行く予定になっていた。
「王妃様……。」
ヨフミィ公子が険しい顔をしている。
「あ~、だからその本読んでたのか。私の調べでは特に何もなかったらしいよ?」
キワーレの言葉に安堵したものの、やっぱり気になる。
「エユドはアルファ嫌いなんだよね?」
別に嫌いってわけではない。ただアルファが苦手なのだ。強すぎる気配と匂いが近寄りがたくて、近くにいると緊張してしまう。
「ジール・テフベル子爵は平気ってことだよな?」
確認されて、僕はコクンとうなずいた。
アルファでもテフベル卿の気配は穏やかだった。フェロモンの匂いも全く感じさせない。地下の白月草を育てている狭い部屋に二人きりでいたって、全く感じることはないし緊張することもない。アルファ用の抑制剤を使っているとは思うけど、本人もフェロモンが漏れないよう気をつけてくれているのだろうと思う。
僕に触れないように気をつけてくれているし、話しかける時も穏やかで明るい。
そんな気遣いのできる人だった。
少なからず意識してしまうけど、テフベル卿はかなり歳上だし、僕なんかが相手になれるわけがないと思っている。
お茶を飲みながら僕の前でヨフミィ公子とキワーレは目を見交わしていた。
「引っかかってるのは年齢差かなぁ?」
「どっちも押しが弱いとこだと思うけど。」
……この二人は何をしに来たんだろう?
「ここは偵察に行くべきだよ!」
「同感っ!王妃様は国王陛下という番がいるんだし、敵にもならない。」
「ええ……?」
突然何を言い出すの?
「さあっ、しゅっぱあ~つ!」
「なにか事件でも起きないかなぁ~。痴話喧嘩でもいいけど。」
えええ………?
僕は二人にズルズルと引き摺られていった。
本当に王妃宮にやって来た。
どこにいるのかなと聞かれたので、地下の庭園ではないかと答えると、じゃあ行こうと言われる。
一応僕は関係者扱いで許可をもらっているので、見張りの兵士とは顔馴染みだった。彼等は今僕が白月草を下処理している作業部屋の警護も担当してくれている騎士達だ。入ってもいいかと尋ねると、笑顔でお疲れ様ですと言いながら道を開けてくれた。
ヨフミィ公子とキワーレも顔が知られているので、なんの抵抗もなく三人で来てしまったけどいいのだろうか。
キワーレが警護の騎士に何か伝えていた。
地下の部屋には何度か来たことはある。ただ現在はまだちゃんと運用される段階ではないから僕は来ていないだけで、道は覚えていた。
歩いているとグイッと引っ張られる。
「……な、なに?」
びっくりして問いかけると、ヨフミィ公子が口に指を一本立てて、しーと身振りで黙るよう指示してきた。
物陰に隠れて奥の方を指さしている。
その指差す方を見ると、テフベル卿が作業中だった。しかも王妃様もいる。
何か話しているようだった。
「………ね?私が悪いの?」
「いいえ、そんなことはないでしょう。」
「ジールはいつも優しいのね。」
「ははは。」
なんの話かはわからないけど、二人は親しげだった。あまりこういう場面は見たくなかった。王妃様がテフベル卿の背中に手をかけて話しかけている姿にチクリと胸が痛む。
「………浮気っ…。」
え?
ヨフミィ公子の呟きは唐突で、何を言っているのか理解出来なかった。
「浮気発言はまだ早いんじゃあ。」
キワーレは、ふむ…と思案顔で観察しながら返事をする。そしてくるんと僕を見た。
「安心して。」
………えっと?何を安心すればいいのかわからないんだけど?
暫くテフベル卿と王妃様の会話は続き、僕達は欠伸をしながらそれを聞いていた。内容はたいしたものではなく、王妃様の愚痴に近い。作業しながらテフベル卿は相槌を打ち、相手をしてあげているようだった。
暇なので地下庭園の中を観察していると、前来た時より白月草の葉が減っている気がする。というよりほとんどない?
まさか全部枯れたとか言わないよね?
テフベル卿が自ら世話をしているのにそんなはずはないと思いながら、まだ喋っている二人を見る。テフベル卿は喋りながらも手は止めずに王妃様の相手をしていた。正直に言うと王妃様は邪魔ではないかなと思ってしまう。
三人で物陰にしゃがんでいると、入り口から王太子殿下が入って来た。
チラッと座る僕たちを見て呆れた顔をしている。好きでここに座っているわけじゃないんだけど…。
ヨフミィ公子も王太子殿下に気づいてヒラヒラと手を振っていた。
王太子殿下は僕達には近づかず、真っ直ぐ王妃様の方へと向かう。
「私が呼んだんだ。」
さっきキワーレが騎士に話しかけていたのは、王太子殿下を呼ぶためだったらしい。
何故王太子殿下を呼んだのかわからないが、殿下を見送り眺めていると、殿下は王妃様とテフベル卿をベリっと剥がした。
「まあっ、レジュノ…!」
王妃様は驚いていた。
「母上、テフベル子爵と旧知の仲だというのは存じ上げていますが、相応の距離をとってください。」
スンと王太子殿下は冷たい顔で王妃様に注意を始めた。
「どうしてかしら?ジールとは友達よ?」
王太子殿下は溜息を吐いている。
テフベル卿はそんな親子の会話を困った顔で見ていたが、奥から覗いていた僕達に気づいてしまった。
少し気まずくて慌ててしまう。
「っ!どうしてここに…。」
テフベル卿は僕達の方へ歩いて来た。手を布で拭きながら真っ直ぐ来たのは僕の前だった。
あ、あれ、ヨフミィ公子に話しかけたんじゃなかったの…?
と思ったらヨフミィ公子とキワーレはいつの間にかレジュノ王太子殿下の方に行ってしまっていた。
普段はのんびり動くくせに、こういう時は早い!
「あ、あの……。お邪魔してすみません……。」
「怒っているわけじゃないんだ。その…。」
テフベル卿は迷うような顔をしていた。話そうかどうしようか…。そんな顔だ。
「もしかして白月草は枯れたんですか?」
だったら非常事態だ。無事な白月草は僕が使っている作業部屋の方にしかないことになってしまう!
「ああ……、違うんだ。しょうがないな…。完成したら見せようと思っていたのに。ヨフミィ達が連れて来たんだな?」
その通りなのでうなずくと、こっちに来てくれと言われた。テフベル卿は地下庭園から出て、王妃宮を出ると隣の建物に入って行った。
王妃宮とは繋がっていない独立した建物だった。
どんどん中へ進むと、この建物にも地下が作られていた。
「こっちだ。」
地下とはいっても、階段の上には明かりとりの窓がついており明るい。夜は壁に取り付けられた燭台を灯せるよう、既に蝋燭が立てられていた。
「ここは何ですか?」
下まで降りると扉があり、キィとテフベル卿は開いた。
中から涼やかな空気が流れてきた。空調が効いているのか、緩やかな風が吹き新鮮な空気が循環している。水が流れるサラサラとした音が心地よい。
森の中のように木々が植えてあり、小道が縦横無尽に作られていた。そして木々の下には白月草が生えている。
「え……、ここって。」
「新しい白月草の為の庭園なんだ。今までは鉢植えを使っていただろう?より自然に近い状態で植えてみたらどうかと思って試しにやったら繁殖力が増したんだ。それで庭園自体をこっちに移したんだよ。」
確かに白月草の白い葉は、今までのものより瑞々しく大きかった。これは期待できる材料になりそうだと思いドキドキとする。
テフベル卿は凄い!
口をポカンと開けて眺めている僕の手を握って、テフベル卿はこっちだと更に奥へと案内した。
「……あっ。」
扉を開けるとなんとなく見知った部屋があった。
すこし狭くて小さな家具。隣にはキッチンまであった。
「俺が作ったんだ。」
「………テフベル卿の家と似てますね。」
雰囲気がそっくりだった。あちこちに鉢植えがあり、天井からも吊るされている。青い葉と花々。少し土の匂い。
「そうだろう?地下は寒いから暖炉もついている。換気にも気をつけたし、隣の部屋は作業部屋だ。こっちは休憩部屋だな。」
「わぁ……。」
ここで生きていけそうな気がする。地下だけど天井に近い部分には窓があって空が見えた。半地下になっているのかもしれない。
「せっかくだから気にいるようにと思って作ってみたんだ。」
なんでわかったんだろう?
僕はテフベル卿のあの小さな家が好きだった。狭いけど、落ち着いていて、草花に囲まれていて、陽の匂いと美味しいご飯が似合う家。
「ただ、ここは仕事部屋だから、ちゃんと暮らすのは地上でだ!」
釘を刺された。
「ふふ、こんなに素晴らしい部屋を用意されると説得力ありませんね。」
おかしくなって笑ってしまう。
テフベル卿も笑っていた。
「……その、出来れば俺の家じゃなくて、俺の側にいることを気に入って欲しいんだがな。」
え?
目を見開いて驚いてしまう。
ええ?
「歳は多分エユドのご両親より上だと思うんだが、出来ればいい関係を作りたいというか…。恋人に…。」
こ、恋人…!
「あ、項は、噛まない方がいいと思っている、んだ。歳が離れすぎてるしエユドは若いからな。俺の方がどうやっても先に…。」
「長生きしてください!」
思わず叫んでしまう。
テフベル卿は僕の珍しい大声に目をパチクリとさせていた。
「ぼ、僕は誰とも付き合うつもりがありませんでしたし、たぶん…、このチャンスを逃すと一生恋人出来ません。」
ボソボソと言い訳のように伝える。だから貴方だけなんですと。
テフベル卿はフハッと笑った。
「ありがとう。そこらへんはゆっくり考えていこうか。ひとまず…、俺のことはジールと呼んでくれないか?」
優しい手のひらが背中に回される。
だから僕も同じように広い背中に腕を回してうなずいた。
勿論、貴方の家だから小さな家が好きなんですよと答えながら。
1,078
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
BL
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる