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番外編
134 イゼアルの水晶玉⑥
しおりを挟む影の中から陽の下に飛び出したノアトゥナの、金色に輝く髪が眩しくイゼアルの目を照らす。
小さな背中は元気いっぱいで、陽の下こそがノアトゥナに相応しいと感じた。
見送るイゼアルをもう一度振り返り、大きく手を振ってまた走って行く。
そんなに走っては転んでしまうと、思わず追いかけそうになってしまった。小さな子ではないのに、思わずそんな気分にさせてくれる。
手を貸し、一つ一つ教えて、道を用意してあげたい。
オメガは庇護欲を誘う姿をしている者ばかりだが、ノアトゥナに感じる感覚はそれよりももっと、深く、肺に溜め込む空気さえも自分が用意した物を吸い込んで欲しいと感じさせる。そんな独占欲が深く支配する。
ドロドロと纏わりつくような感覚に、イゼアルはようやく自分のこの気持ちを自覚したかもしれない。
無意識に抱えていたこの感情が、愛情なのか支配欲なのか、よく分からないが、イゼアルはこの感情をコントロールしなければならないとたった今悟った。
薄茶色の髪は陽の光を浴びて、金色に輝くのが美しい。小さな背には不可視の白い羽が生えて、今にも空に飛び上がりイゼアルから逃げてしまいそうで、捕まえてずっと側に繋ぎ止めて置かなければならないと心が騒いだ。
まるで宗教画の天使のようだ。
愛らしい姿も小柄な身体も、ちょっと生意気そうな表情が、照れたり嬉しくなったりすると弾けるような笑顔に変わる様も、イゼアルには眩しい世界に思える。
瞼を落とし細く目を開いて、見失わないように印をつけたいと願いながら穴が開くほど見つめていた。
イゼアルがオリュガ・ノビゼルを愛しているのだと、ノアトゥナが思っていることに驚いたが、確かにイゼアルにとって隊長が大切なかけがえのない存在であることは事実だ。
でも自分ごときが目印をつけて縄で縛って置けるような人ではない。元からそんなつもりもない。隊長に対する情とはそんなものではなかった。
それに気づかされてしまった。
隊長に対する感情は敬愛。
隊長が好き?ナリシュ王太子殿下が相手だから諦めろ?そんなこと気にしていない。隊長が誰を好きだろうと構わない。
そう思って、必死にイゼアルが傷付かないようにと、まるで自分が傷ついていくかのように泣きそうな顔で話すノアトゥナを見て、溢れるような気持ちが込み上げた。
ノアトゥナに対する感情は………執着にも似た愛のように感じる。
……イゼアルには人を愛する心理が今一つ理解出来ないが、ノアトゥナが離れて行くのは許せない。
それがノアトゥナの意思だとしても。
隊長が自らの意思で離れて行く時、寂しさを覚えるのは当然だと思え許容できるが、ノアトゥナがサヨナラと言う現実が訪れた時、イゼアルは狂うかもしれないという感覚が襲った。
そんな自分に気付いて笑ってしまった。
いつの間にこんなにドス黒い感情が芽生えていたのだろうかと。
ノアトゥナはイゼアルの側にいると言った。
その事実だけがイゼアルの中に落ちて溜まっていく。
「おいおい、愛しい人をそんな目で見てたら逃げられると思うぞ。」
揶揄う声が背後から聞こえた。
木立を騒がせる音もなく、マリフィオ・イローティフが歩いて近寄ってくる。
イゼアルはイローティフの方を振り返った。
その表情はいつもの通りだ。穏やかに微笑み首を傾げる。風にサラサラと黒髪が流れた。
「ずっと盗み見されていましたね。」
「気付いていたのか。」
イゼアルは目を細める。その瞳を見て、イローティフも底知れない笑みを浮かべた。
陽の光の下を走るノアトゥナとは違い、イゼアルもイローティフも自分達は木陰に身を隠すのが似合っていると思っている。他者にはそう気付かせず、陽の光の下を歩く人間の真似を上手に出来る偽善者なのだと理解していた。
だから二人ともその表情には真反対の表情を浮かべる。
だから二人は今笑みを作っていた。
イゼアルは木陰の下に立つマリフィオ・イローティフを観察した。
学院の剣術教師でアルファ男性だ。ゲームでは攻略対象者だった。主人公が攻略する時だけ出てくる程度の、あまり重要ではないキャラだった。
攻略対象者によっては、他の攻略対象者も出てきてその人物の状況やお互い関わり合い話を進めることもあるのだが、マリフィオ・イローティフは基本単独だった。
ネイニィの攻略は常に一対一。
シナリオを進めても他の攻略対象者はまず出てこない。
ネイニィが剣術の授業を選び、仲を深めて行く内容だった。伯爵家の婚外子で、アルファではあるが継承権もないので学院で働いていた。本当は騎士に憧れていたが、何故か伯爵家が認めてくれなかった為、仕方なく剣術教師をしていたという内容だ。
特に可もなく不可もなく。
ネイニィが攻略しに行けば、簡単にハッピーエンドを迎えてしまうキャラだ。
だから特におかしいと思わなかったのだが、よく考えるとおかしいのだと思った。
戦争が始まり、生徒ですら戦場に送られる程にアニナガルテ王国の中は荒れるのに、剣術が使えるマリフィオ・イローティフ教師は戦争に出なかった。
なんの後ろ盾もない人間だ。
真っ先に伯爵家の為に戦場に送られてもおかしくないのに……。
そう思うとマリフィオ・イローティフという人間に違和感を感じた。
伯爵家の私生児ということも、騎士になれなかったことも、ネイニィの前では辛い過去のように振る舞っていたが、今はそんな素振りはない。
マリフィオ・イローティフの過去は、ゲーム上でもこの現実でも寸分違わない。それなのに今のこの男からは、辛い過去に対する苦悩なんて全く見えなかった。
過去の苦悩を隠しているようにも見えない。
イゼアルはイローティフの身辺調査を行った。そこで分かったことは、イローティフを追うことが出来ないということだった。
聞き込みをしても剣術教師の顔しか出てこないが、追跡しようとすると簡単に撒かれてしまう。
気付けば自宅にしている学院の教師用の寮か学院にいる。それ以外の場所ではマリフィオ・イローティフを見つけることが出来ない。
マリフィオ・イローティフはかなりの実力者で、剣術教師の顔以外の部分を隠している。
では剣術教師以外の顔とは何かを考えた時、真っ先に考えついたのが誰かに仕えている身だろうということだった。
主人の為に秘密裏に動く人間。例えば影かも知れない。
王族にしろ貴族にしろ、ある程度の身分や財力があれば規模の違いはあるが子飼いの影を所有している。マリフィオ・イローティフはそういったどこかに所属する影なのではと思った。
じゃあ誰の?
そこが問題だ。
最初はビィゼト・ノビゼル公爵かと思ったが、ノビゼル公爵は自分の闇属性の関係もあるだろうが、影と言えるほどの諜報員を持っていない。配下はいても全てを自分の手でやる人なので、影が必要ない。
だからノビゼル公爵の影ではないのだが、そんな人が大事な弟の保護者役をたった数日とはいえ、マリフィオ・イローティフに任せた。かなり背後関係を調べただろうし、マリフィオ・イローティフの過去も、なんなら日常もノビゼル公爵は覗いたかもしれない。
そして異常がないと思ったから任せた。
でもイゼアルの影はマリフィオ・イローティフを追跡出来なかった。
普通なら単に剣術の教師なので逃げるのが上手なだけだろうと思うかもしれない。しかしイゼアルの情報網は網の目のように細かい。
この王都の中なら、その気になればどこにいようと見つけることが出来る。
マリフィオ・イローティフが追跡から流れた時、現在地を探させたが、その時王都のどこにもいなかった。それがそもそもおかしかった。貧民街にいようと見つけられるイゼアルの網の目に、全く捕えることが出来なかった。
じゃあ唯一探せない場所はと考えた時、そこは王宮の中しかないと思った。
ナリシュ王太子殿下?それとも、王弟殿下?それとも……国王陛下?
ゲーム上ではそんな素振りは一切なかった。
ネイニィの攻略はずっと学院の中だけで進んだし、たまに王都の街をデートはしていたが、終始それで終わっていた。
今のマリフィオ・イローティフには主人がいて、学院の外では任務を処理しているとするならば、ゲームの中でもそうだった可能性が高い。
マリフィオ・イローティフは愛する人がいても、自分が何をしていて誰に仕えているのかを明かさない人間だということになる。
仕える人間は王族だから敵ではない。だがゲームの中でさえ嘘をつく怪しい人間だということに変わりはない。
そんな怪しい人間がノアトゥナのそばにいるなんて…!本当は許せないが、相手が王族の影ならば迂闊に手は出せない。様子を見るしかない。それに害を与えることがないだろうという考えは間違っていないだろう。
「何故ノアトゥナのパートナーを引き受けたのですか?」
それはお前の主人の命令か?
声に出さない問い掛けをする。
「………ノビゼル公爵家に頼まれれば応えないわけにはいかないからな。」
晴れやかに笑う姿はいつもの通りだ。明るく爽やかな剣術教師。
木陰の中に佇み木漏れ日を受けた姿は一点の曇りもないように見えるのに、イゼアルにはどこか暗い影が見えるようで、食えない教師だと笑みを深めた。
約束通りに放課後イゼアルはノアトゥナのもとに現れた。
周りの生徒達が小さく気色めいた歓声を上げている。
「お待たせしました。」
コツコツと優雅に歩み寄り、ノアトゥナの側に立つイゼアルは優しい笑みを浮かべてノアトゥナを見下ろした。
「ううん、今終わったとこだよ。待ってて、急いで片付けるから!」
せっせとカバンに詰め込むノアトゥナに、イゼアルは貸して下さいと言って代わりにカバンに詰め込んでいく。
そのままノアトゥナのカバンを持って、ノアトゥナの手を持ち立ち上がらせた。
「さあ、行きましょう。」
「あ……、自分のカバンくらい持つから!」
ノアトゥナは慌てて受け取ろうとしたが、イゼアルは返事の代わりに微笑んでカバンを渡さなかった。
手を引かれて向かった先は、学院の中にあるロイデナテル侯爵家所有の個室だった。
既に到着に合わせてデザートが沢山並べられている。ティーポットには熱い紅茶も用意されており、イゼアルはノアトゥナを席に座らせると自らカップに紅茶を注いだ。
仄かに香り立つ匂いにノアトゥナはホッと息を吐く。
午後からはセシルミーア・ドニトア伯爵令嬢達は早退していた為会わずに済んだが、昼休みのことは目撃者が多くノアトゥナに視線が集まり気詰まりしていた。
イゼアルは椅子に座ったノアトゥナの背後に周り、窓から入る陽の光を浴びるノアトゥナの髪をゆっくりと撫でた。
「アル君?」
ノアトゥナが不思議そうに振り返って見上げる。大きな緋色の瞳に嫌悪はない。頬は少し赤みを差し、溢れるような笑顔を見せていた。
だからイゼアルも優しく微笑む。
ノアトゥナの笑顔が消えないように。
また透明な涙を流さないように。曇りない心でいられるように。
「三日後には結婚式があります。マリフィオ・イローティフ教師のエスコートは既に王家に提示されている為覆せませんが、俺がセシルミーア・ドニトア伯爵令嬢と出席することはありません。」
ノアトゥナは大きな瞳を更に大きく見開いて驚いた。
「…え?じゃあ、どうするの?」
イゼアルはニコリと微笑む。
「隊長の晴れ舞台を見ることは出来ませんが、少し用事を片付けてきます。なるだけ早く戻るつもりですが、もし間に合わなければノアトゥナが後でどんな式だったか教えてくれませんか?」
「そんなっ、出席しないの?オリュガ兄上がガッカリするよ?」
椅子の上で振り返り、背後に立つイゼアルの服を掴んで、ノアトゥナは必死に出席しようと言い募った。
イゼアルだって出席したい。
何よりも敬愛する二人の結婚式だ。見たかったが、それよりも許せないことが起きた。
今すぐにでも出発して片付けてきたい気持ちがあるが、まずはノアトゥナとの関係を繋ぎ止めてから離れなければならない。
「すみません。」
だから謝るしかない。
「用事って何?僕も手伝うよ!二人でやったら早く終わるよ!」
「大丈夫です。手伝いは別の方々に頼むつもりです。危ないですし、ノアトゥナには安全な場所にいて欲しいのですよ。」
ノアトゥナはむうっと頬を膨らませる。
そんな仕草が幼く見せるのだが、素直なノアトゥナのその仕草を止める者はいない。
イゼアルも止めたことはない。
可愛い、可愛い、ノアトゥナ。
ゲームの中では情けないイゼアルの悪役令息だったノアトゥナ。ゲームではいつもイゼアルを自分の下僕のように扱い、用事を言いつけ、気に食わなければ叩いたりもした。
だがよくよく考えるとアルファであるイゼアルは、どんなに気弱だろうとその用事は言いつけ通り終わらせることが出来たし、ノアトゥナの小さな手で叩かれても怪我をすることはなかった。
ノアトゥナは理解していてイゼアルと一緒にいた。ノアトゥナが言う我儘は些細なものが多い。それは相手に甘えているのと同じことだった。
イゼアルが気弱すぎてノアトゥナの性格を見極めることが出来ていなかっただけ。
ノアトゥナは素直で可愛くて穢れがない。
汚れひとつない透明な雫そのもの。
ノアトゥナは汚れてはいけない。綺麗なままで、愛らしく微笑んでいて欲しい。
イゼアルにずっと甘えていて欲しい。
「むぅ~~~、僕、聖魔法の練習頑張ってるのに!そのうち聖魔法で攻撃だってしちゃうんだからね!」
「ふふふ、期待して待っています。でも今は出来ないのですから待ってて下さいね。」
イゼアルは背後から椅子の背を乗り越えてノアトゥナの身体を抱き込んだ。
薄茶色の髪に唇を落とす。
「…………っ!」
イゼアルの一挙一動に反応するノアトゥナが可愛くて、イゼアルは口角をあげた。
「………俺も不安なので予約して行っていいですか?」
「え?予約って何?」
ノアトゥナは目を見開き狼狽えながら尋ね返す。その瞳が、アル君はどうしたんだろう!?と語っている。
イゼアルは背を屈めてノアトゥナの首筋にゆっくりと自分の顔を近付けた。
ノアトゥナの頬も耳も首筋も、真っ赤になっている。
甘いお菓子の匂いが強くなり、イゼアルの目はノアトゥナの項に釘付けになる。噛んだらきっと甘いことだろう。
全部齧って食べてしまいたいほどに、白い項に赤みが差して、どうか食べてと誘っている。
「どうぞ、返事を下さい。」
「……??うん、予約?いいよ。」
その応えには全福の信頼がある。イゼアルが自分を害することなんてあり得ないと思っている。
イゼアルは首筋に己の唇をつけた。
「……え?」
ノアトゥナが驚いて声を上げる。
舌を出しツゥーと自分の唾液をつけながら項まで進んだ。短い距離をゆっくりと。
口を開け、ガブっと軽く噛む。少しだけ歯を立てるが本当に噛むわけではない。
これは予約だ。
番はオメガが発情期にならないと成立しない。
キュッと歯に力を入れると、ノアトゥナはビクンと跳ねた。本気で噛まれなくてもオメガにとって項は繊細な器官だ。オメガのフェロモンを放つ性感帯になる。
口を離すと歯形はついたが傷はつけていない。自分の唾液が意外と多くついていて、どれだけ欲が深いのだと自分自身に呆れてしまった。
イゼアルの唾液を拭き取る前に、ノアトゥナはバッと自分の両手で項を隠した。
「………っっ!っっ!?」
慌てて立ち上がりイゼアルの方を向いて項を隠している。
「マーキングです。」
「よっ!予約!?よよよ予約制!ええ!?その前に恋人とかは!?婚約とかは!?!?」
イゼアルはニコリと笑った。
「あ、すみません。そうですね。急いで予約しようと一足飛びに…。」
「え!謝ってないもん!絶対謝ってないもん!」
真っ赤になって動転しているノアトゥナを再度椅子に座らせ、イゼアルはニコニコと笑う。
ノアトゥナの細い肩に乗せられた両手に力が少しだけ込められた。
「予約、受けて下さいね?」
いつもの通りの笑顔なのに、妙に迫力があるイゼアルに、見上げたノアトゥナはええ~~~!?と叫んでいた。
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