悪役令息が戦闘狂オメガに転向したら王太子殿下に執着されました

黄金 

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番外編

181シカヒィーロの真玉④

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 シカヒィーロはミリュミカが自分の生命線だと思っている。
 ミリュミカはシカヒィーロに好意を持っていて、そのおかげで生かされている。ミリュミカは決してシカヒィーロに見返りを求めてこない。
 シカヒィーロを純粋に助けてくれているのだと感じた。
 何故好かれているのか分からないが、生きる為に利用するしかない。今のシカヒィーロには何もないのだ。生き残る為の健康すらない。
 ミリュミカに好かれているのだろうと分かっても、シカヒィーロの方はミリュミカを好きなのかどうかは微妙だった。
 シカヒィーロは元々奴隷になる前はベータの女性かオメガの女性としか付き合ってこなかった。オメガでも男性は経験がなかった。
 男性との経験は奴隷になってから、必要に迫られて覚えていった。
 元々は女性を好んでいた。
 ミリュミカはぱっと見地味だ。特徴が少なく、背は少し高い程度で細身だ。表情も乏しく、かといって人混みに浮くほどの無感情っぽさもない。
 その存在感の出し方は影として優秀なのだろうと思う。
 人の中に混ざり、記憶に残らない程度の一般人に紛れ込む。
 だけど、少し笑った時に見せる表情は綺麗だ。頬を染める姿は艶めいている。
 その姿を見れば、決して忘れないと思う。
 ミリュミカを恋愛対象として好きかどうかは今のところ自分でも分からないが、命を救い今でも看病しながら一緒に生活をしてくれるミリュミカのことは好きだ。恩を感じる。
 最初は好かれているのなら利用しようかとも思ったが、それをミリュミカが知って悲しむのだろうかと思うと気が引けた。
 たまに微笑む顔や、恥じらう時を思い出すと、シカヒィーロの中に罪悪感が湧く。
 ミリュミカの優しさに依存していく自分に気付きつつある。
 全てを無くして絶望し死を受け入れた時、一雫の光に引き上げられるように、繭の中の真綿に包まれるように、希望を与えられてしまうと、そこから離れるのが酷く怖い。
 逃げる?
 体力が戻ったら、一人で大丈夫?
 
 …………………本当に?

 もう今更独りで生きて行くなんて不可能に思えた。以前の自分なら出来ただろうけど、今の自分では無理だ。
 ミリュミカは理解して助けたのだろうか。
 自分にはもうミリュミカの手しかないのだと、助ければ縋りついてくると分かっていて、助けたのか?
 シカヒィーロにもこの感情がよく分からなかった。
 ただわかるのはミリュミカに捨てられたら、もう自分には何もないのだという現実だけは理解していた。
 だからミリュミカについていけるように早く身体を元に戻さないと。
 焦りでやり過ぎて体調を崩してしまう。
 一緒に行きたいと願うと、ミリュミカは心配そうな顔で頷いてくれる。
 平気、平気だ。ちゃんとやれる。
 出発の日までシカヒィーロは、そう呪文のように心の中で唱えながら身体を回復させていった。




 王都から領地を三つほど越えた田舎の避暑地。
 夏も終わり、観光客が減り、閑散としつつも地元民やまだ残っている観光客で賑わう領地内の街でシカヒィーロ達は襲われた。

 三人とも薄手のマントを着て旅人の姿をしていた。
 ナリシュ王太子殿下はプラチナブロンドの髪を漆黒へ、群青色の瞳も同じ黒へと変えて、観光客を真似てキョロキョロと見ていた。
 実際はこの町に奴隷がいないかをチェックしていた。
 先行してミリュミカの部下が別荘を借りている。
 いつも殿下はミリュミカと二人で行動するらしく、人に尋ねられたら兄弟で通していたらしい。ナリシュ王太子殿下が大人びているので、あまり歳の差は感じない。
 シカヒィーロは一応使用人ということになっているので、マントの下は貴族家の使用人が使う制服に似たものを着ていた。
 護衛も兼ねるので帯剣もしている。
 一旦別荘に到着はしたが、街の様子を見に来たところだった。
 
 観光客は減ったとはいえ、全て去ったわけでもなく、地元の人間も多いので、通りは賑わっていた。
 シカヒィーロ達三人の横を、大柄な男性が通り過ぎようとした。
 その時久しぶりに自分に向けられる殺気をシカヒィーロは感じた。
 ほぼ無意識に腰の剣を引き抜き、鞘から抜けきらない状態で斬り込んできた白銀を受け止めた。
 前を歩いていたナリシュとミリュミカも、剣の柄に手を掛け振り返り構える。抜かなかったのはシカヒィーロの剣がマントに隠れて見えていない為、通りの人々からは剣を交差させているとは気付かれていないからだ。
 剣を抜けばこの通りは騒然となる。
 シカヒィーロに切り付けた男は小さなナイフを握っていた。自分の身体をシカヒィーロに接近させている為、人々からは見えていない。

「……………どうしてお前がここいる?」

 大柄な男はシカヒィーロを凝視して呟いた。殺気を振り撒き通りを歩く人々に異変が起こる。
 息が出来ないと苦しむ人々に、ミリュミカは鞘ごと剣を抜き男のナイフを弾いた。大柄な男がアルファであり、アルファの威圧を全開に殺気を振り撒き、周りにいた人達に影響しているのだと気付いた。
 ミリュミカはこの男を知っていた。

「………お前は以前我々に救われはずだ。彼は我々の同志。彼に攻撃するならばお前は約束を反故にしたとして対処する。」

 低く、男にだけ聞こえるようにミリュミカは警告する。
 男はミリュミカが見えていなかったらしい。ミリュミカを認識して動揺していた。
 
「なぜ、貴方達がこの男を?」

 歯軋りしながら男は憎々しげに唸る。

「………少し場所を変えよう。」

 人の視線が集まりつつある。
 シカヒィーロの剣には気付かれなかったが、男の殺気が与えた影響が大きかった。街の兵士が来てもおかしくはない。
 ナリシュの提案に男は頷き、四人で通りから外れて裏路地へと向かった。


 その紫の髪のアルファは自分の番を殺したのです!
 そう男は叫んだ。
 そう言われてもシカヒィーロには覚えが無かった。
 男は以前シカヒィーロがいた奴隷市場にいたアルファだった。騎士をしていて、正義を信じてリマレシア王妃に進言し、あの場所へ番の夫婦で落とされてしまった。
 いたのかもしれない。
 シカヒィーロ親子は人気が高いと、一晩に何回も戦闘を入れられていた。何人殺したかなんて覚えていない。
 あの戦闘はアルファとオメガの番か、シカヒィーロ達みたいに親子であるか、兄弟か。そんな組み合わせばかりだった。
 なるべく殺さないようになんて出来なかった。
 相手を殺さなければ、シカヒィーロは母を殺されてしまうから。結局は死んでしまったが。

「俺はっ、彼女を愛していたんだ!俺だけが助かったとしても……。」

 シカヒィーロには何も言えない。この男はシカヒィーロで間違い無いと言うし、覚えてはいないがその可能性は高い。

「あそこから助ける時に言ったはずだよ?助かりたいなら出る手助けをしよう。その代わり道を選ぶように。我々の仲間となり配下となるか、全てを忘れて自由になるか。君は自由を選んだよね?」

 ナリシュは微笑みながら淡々と告げる。
 全てを忘れると言うことは、過去のことも、死んだ番のことも忘れろと言うことだ。そうしなければあそこから生きて出た意味がない。新たに生きるつもりで王都から離れろと言った。

「……ですがっ!」

 ミリュミカがシカヒィーロの前に立ち、男に告げる。

「まだ騒ぎにはなっていない。このまま静かに今の生活を守るんだ。」

「言われた通り生きていました!ですが、なぜその男も助けたのですか!?」

 シカヒィーロが無事な姿で歩いているのを見て思わず持っていたナイフで切り付けたらしい。
 騎士としての剣も捨てたのに、シカヒィーロを見て死んだ番を思い出した。
 思わずナイフを向けていたと。

「彼もまた君と同じ被害者だ。」

「俺はあそこで誰一人殺していない!」

「………それでもだよ。」

 今は黒く変わったナリシュの瞳がスウ…と細まる。
 ナリシュは子供だがアルファとしての格は高く強い。騎士をしていたという大柄な男でも、威圧で負けた。
 ギリギリと歯軋りをし、悔しそうに地面を叩いて去って行った。
 
「…………………。」

 シカヒィーロには何も言えなかった。
 黙るシカヒィーロをチラリとナリシュは見る。ナリシュとシカヒィーロがまともに対面したのは今回が初めてだった。
 お互い特に会話はしていないが、ナリシュはミリュミカの為にもシカヒィーロを守るつもりでいる。

「……私は全てに善行を求めるつもりはないよ。」

 シカヒィーロは無表情に男の去る姿を追っていた。

「はい。ありがとうございます。」

 ナリシュは頭を下げるシカヒィーロに苦笑した。チラリとミリュミカを見ると、珍しく表情を崩している。

「今日は戻ろうか。夜には偵察に出る。」

 ナリシュの決定に二人は静かに頭を下げて応じていた。



 穏やかな街に見えて、この街にも大きな闇の市場は開かれていた。奴隷だけでなく、違法な薬や盗品なども売り捌かれる。
 シカヒィーロがいた奴隷市場よりも規模が大きく、簡単には潰せないとミリュミカから聞いてはいたが、こんな大っぴらにテントを並べ夜空の下で行われているとは思っていなかった。

「領主からして関わっているからね。寧ろその領主自らこの街をこの闇市の為に作ったと言ってもいい。」

 避暑地という名目で、人が集まってもおかしくない状況を作っている。冬は寒い地域なので雪が降る。馬車が通れないわけでもなく、王都からも来やすいということで、冬を楽しみたい観光客も訪れる。
 そういう観光という名目で人を集めていた。
 実際はこの闇市目当てで来る金持ちが多いのだという。
 身分は適当に偽り三人で傭兵として潜り込んだ。闇市の監視と護衛を兼ねてかなりの人数が雇われている。態々魔法契約書まで持ち出して交わされる雇用契約書に、かなり厳重に管理されているようだった。

「…魔法契約は大丈夫なんですか?」

 シカヒィーロがコソッと殿下に尋ねると、これくらい弾けるよね?と言われてしまった。
 契約内容は闇市の口外を禁止するものと、命令には絶対従うようにと書かれてあった。違反した場合は身体が燃えて生死に関わるとある。
 一日目、二日目と何が行われているのかを確認した。基本は人身売買とオークション。盗品や違法薬物が多いが、希少な物品も出店されていた。
 元々シカヒィーロは商人の家の子だったので、目利きは出来る。偽物も数多く出される中、高額の取引を行なう客層に、バカみたいだなと冷めた目で見ていた。

「……………………?」

 シカヒィーロが気付いたのは黒いテントの中。
 あそこは先程売れ残った人間が誘導されていたはずだ。

「ミミ、あそこはなんだろう?」

 コソリと耳打ちする。
 ミリュミカもそちらを見て、思い当たることがあるのか少しだけ眉を顰めた。

「……………少しそちらを見て参ります。」

 ナリシュは子供だが多少年齢を偽って一緒に紛れていた。ナリシュも黒いテントを見て頷くが、ついてくるつもりはなさそうだった。
 ミリュミカはシカヒィーロを連れて黒いテントの裏に回ってきた。シカヒィーロ達は会場周辺の監視員のような仕事をしていたので、特に決まったルートはない。
 ミリュミカは周辺に誰もいないことを確認し、シャッとテントの厚い布を一気に剣で切り裂いた。ちょうど縫い目部分の糸を切るように裂き、シカヒィーロを引っ張って中に潜り込む。懐から長い針を取り出し、ミリュミカは切り裂いた布の部分を針で縫い止めてしまった。これで風で捲れることもないということなのだろう。
 こっちへと目だけで指示されシカヒィーロはミリュミカの後ろをついていく。
 黒いテントはかなり大きく、中はいくつかの部屋に分かれていた。
 ミリュミカはシカヒィーロの顔色を窺うように何度か振り返り確認するが、その行動の意味がシカヒィーロには分からなかった。
 ここに何があると言うんだろう?
 仕切り代わりの布のカーテンを用心深くミリュミカは捲り、少し明るくなった場所へと近付いていく。
 啜り泣くような声と人が動く時に聞こえる衣擦れの音。
 中には十名に満たないくらいの人間が蹲り固まっていた。
 そしてシカヒィーロを番殺しだと罵った元騎士の男も。
 なぜ奴がここにいる?
 シカヒィーロの疑問はミリュミカも同じだった。
 元騎士の男にとって、こんな場所は忌むべき場所だったはずだ。
 トントンとミリュミカはシカヒィーロの肩を叩いた。ここから引く合図だ。頷きシカヒィーロもミリュミカの後を追って外へ出る。
 通りすがりに見たテントの中は、どうやら売れ残った品物も保管しているようだった。
 夜に黒いテントの中ということもあり、中は真っ暗だった。かろうじて少し置かれた魔導灯を頼りに歩いていたが、先に歩くミリュミカがいなければ派手に転んで見つかっていただろう。
 それにしてもあの元騎士は何故あんなところにいたのかと、シカヒィーロは考えながらミリュミカについて歩いていた。
 ミリュミカはくるりと振り返る。
 そしてシカヒィーロの首をペタペタと触った。

「ミミ?」

「ここでは本名で呼ばない。」

 ボソッと注意される。

「愛称だよ。」

 ミリュミカの頬が少し赤らんだが、すぐにいつもの無表情に戻る。本当に感情を隠すのが上手い。顔色までどうやったら戻せるのだろうと不思議になってミリュミカを見つめる。

「どうもなってない………。」

「どうって、なにが?」

 テントに入った時からミリュミカはシカヒィーロの様子を気にしていた。

「あそこにオメガが集まっていた。中には発情促進剤を使われていた者もいたんだよ。シカヒィーロはアルファだろう?」

 そこまで言われてシカヒィーロは蹲っていた者達を思い出した。男女問わず皆華奢で丸みを帯びた身体付きだった。
 オメガは売れにくい。
 それは発情期があるからで、基本オメガはひ弱で力がない。奴隷として買っても、力仕事は出来ないし、定期的に発情期がくるし、発情期がくれば他の者にも影響してくる。抑制剤を態々買い与えて使うくらいならベータを買ったほうがお得だ。
 オメガの奴隷は愛玩動物扱いか、アルファを産ませる為の道具にしかならない。かと言って奴隷を買えるほどの貴族や裕福な家に、愛人まがいの奴隷オメガをおけば外聞が悪い。
 よっぽどオメガを欲する家でないと買わないのだ。
 性奴隷としてなら需要はある。見た目が飛び抜けて綺麗なオメガが高値で売れるが、ベータ寄りの容姿しかないオメガは売れ残るのが基本だった。
 あそこに固めて入れられていたオメガ達は、そんな理由から売れ残ったオメガ達だ。
 売る為に発情促進剤まで使ったのだろうが、売れなかった者もいたのだろう。
 だがシカヒィーロには匂いが感じられなかった。
 アルファなら感じるはずのオメガの匂いが全く。
 呆然とするシカヒィーロの頭をミリュミカは撫でた。

「頭の怪我を見た時にね、かなり深かったし場所が不安だったんだ。」

 ミリュミカが言うには影の中には態と同じ場所に傷を作って、バース性不能にする者もいるらしい。
 アルファならオメガの、オメガならアルファの匂いを感じないようにする。そうすることによって任務の達成率をあげるのだという。番が作れるかどうかは傷の具合によるので、個人で違うが、シカヒィーロも同じ状態になっているのではないかと危惧していたらしい。

「…………匂いを、感じない?」

 奴隷になる前は確かに感じていた。
 当たり前のようにあったそれを、考えてみればずっと感じていなかった。

「…………ごめん、それは多分治せないんだ。」

 ミリュミカの声を遠くて聞いているような気がした。









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