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征服の一歩目

第23話 冒険者ギルドでの戦い 1

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大きな街で戦力も多かったが、俺とネフティー様の襲撃により抵抗する勢力は多数のアンデット達によってドンドン減っていた。

1時間も立つ頃には、まともに戦える戦力は冒険者ギルドと兵舎ぐらいだ。

「これで最後。」

その兵舎もたった今壊滅した。

最初は不安だったが、意外となんとかなるもんだな。

俺は門で戦い討ち取った騎士の体をゾンビにして使用中。
スケルトンと違い耐久性が高くスキルを使用して動いても問題無いレベルなのに加えて、剣術に関しては本気の戦闘を行える。

強い戦力の居る場所には数を減らされる事を防ぐため、なるべく距離をとって戦うように指示を出している。

「あそこか。」

冒険者達が陣を組みかなり大きな施設を守っていた、そこはアンデット達は突破しようと攻撃を何度か繰り返していたが歯が立たない場所。

「【代償は我が身体 願いを叶えよ】」

俺は憑依対象をスケルトンへ変えて、冒険者達にスキルを使い突っ込む。
門を突破した時と同じように魔法を発動させ突破を試みたのだが、

「な!〈衝撃吸収〉!」
「〈威力減退〉、〈フルアーマー〉!」
「〈身代わり〉!」
「【サンドウォール】!」

ギルドを守っていた冒険者達はなかなかのやり手だった。
俺の襲撃を察知しスキルや魔法を使用、爆発の威力はかなり小規模に縮小され戦闘不能にできたのも4人と相当少なかった。

「マジかよ…!」

防がれる事を全く考えていなかった訳ではないが、実際に失敗すると驚きの声を出してしまう。

「怪我人を下げて回復しろ!
また来るかもしれないからスケルトンには特に注意して戦うんだ!」

これではダメだ。
作戦を考えるためにもアンデット達に指示を出し、一時的に距離を取らせる。

どうすっかなぁ。
スケルトン爆弾も後2回ぐらい使ったら通用しなくなりなりそうだし、あの攻撃は奇襲だからこそ成功する。

「なんだ?」
「攻撃をやめたな…」

俺がどう攻略しようかと考え一時的にアンデットの攻撃が止まっている。
冒険者達も困惑していた。

頑丈な体と剣で突撃するか?盾役を減らせれば楽になるだろし…

「ん?」

ギルドから1人の男が出てきた。
軽くて動き易そうな装備だが、装飾1つ1つにもかなりの魔力が込められており、ただの装備じゃ無いことはすぐにわかった。
手には杖のようにも見える短剣を持っていた。

男は周りの冒険者達に指示を出し、戦線を少し下がらせ自ら前に出てきた。

「居るのだろう、邪教徒。」

邪教徒?!
勘違いだけど多分俺の事だよな、このまま向かい合っても仕方ないし行くか。

スペック的にはかなり弱いスケルトンに憑依して、男の前へとゆっくりと歩いて向かう。

「君か…」
「そうですね。」

「「………」」

喋る事無いなら呼ぶなよ。
ただ時間稼がれただけだった…

「私を呼んだ理由を話して欲しいんだが?」
「取引しないか?」
「取引?」

向かい合う、男とスケルトン。
男は俺に対し取引をしようと提案してきた。

「一騎打ちだ。
俺が負けたらこの街に居る後ろの奴らには抵抗させない、俺が勝ったら【ナイトルーム】を解除してもらう。
勝利条件はどちらかが死ぬまで。」
「ふむ…」

パーティーを発動すればいいだけだし、メリットしかないのかな?

だけど目の前の奴は只者じゃ無い、俺が死ぬ事は絶対にないけど勝ち切れるかと言われると難しいだろう。

「どうする?」

悩んでる姿を見て男が再び聞いて来た。

「まぁ良いだろう、取引を受けよう。」
「わかった、では契約魔法を使うぞ?」

俺は知識で契約魔法の事を知っていたため、男に近づき右手を差し出した。
男が右手を握って、握手のような形になると魔法を使う。

お互いを手を這う様に魔力の系が絡む。

「【我 名をマルク】」

「【私 名は健斗】」

「【終了条件 どちらかが死ぬまで】」

俺の前に魔法で契約の条件が書かれた紙が現れる。

「肯定。」

「【我 勝利 結界魔法を解く】」

「【私 勝利 この街に居る人の無抵抗化】」

「「肯定。」」

『契約は此処に成立しました、他の人間はこの2人の戦いに手を出す事を禁じます』

何処からともなく女の声が聞こえた。

契約魔法は世界が関係しており、破る事は決して許されない。
仮に破ってしまうと、きついペナルティが課せられたり、この世界で生きていくのが難しくなる。

「これで良いのか?」
「あぁ勿論、それと後ろの冒険者達に手を出させないから周りのアンデットも冒険者に攻撃させないでくれ、君の体はなるべく減らしたくないだろ?」

舐められている。
だが目の前の男の言う通りだ。

「承知した、しかし此処以外ではわからん。」
「まぁ仕方ないな…」

だが君の体、と伝えてきたと言う事は俺の戦い方がもうバレてる可能性も捨てきれない、門で戦った時の情報が流れたのか?

バキ!

「もう始まってるんだ、恨むなよ?」

俺が考え事をして動いていなかった隙をついて、スケルトンの頭を杖で叩き割ってきた。

「酷いな、不意打ちなんて。」

「じゃあ抵抗してみろよ。」

近くのアンデットに憑依して、目の前の男マルクに向かって走り出す。
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