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その奴隷危険につき③
しおりを挟む自分から初めて抱き寄せた魔女は見た目より小さく細く酷く心もとなかった。
これっぽっちも魅力的には思えないあばらの浮き出た腰に折れそうな手足。肉の丸みのない臀部。それがなぜかギイトの心の奥を落ち着かせなくさせる。
ギイトの柔らか部分をざらりと逆撫でする僅かに燻る熱。気持ち悪いのにもっとねだりたくなるような。得体のしれない悪寒にぶるりとギイトは身震いした。
……もし、熱に深く触れたらどうなる?
伸ばしかけた手は魔女から紡がれた言葉で遮られた。
「げふふ、ギイトから抱き締められるのは初めてですね。ギイトをくれるなんて、嬉しいです。
もしかしてとうとう私に惚れてしまいましたか?ぐふ、ぐふ、滾ります!軽くいっちゃいました」
太ももを擦り合わせ、恍惚の表情でうっすら笑う魔女にギイトの熱が急速に引いていく。
…俺は…何をしているんだ?
「…くっ」
「ひょえぇー」
我に帰ったギイトは抱き締めていたサクヤを突き飛ばした。
「…ぐぎぎ、酷いですよギイト。
抱き締めから突き飛ばしの僅かな間の感情の落差についていけません」
尻餅を付いたサクヤはお尻を強かに打ち、涙目でギイトを睨んだ。
「………すまない悪かったな」
さすがにギイトも悪いと思い魔女に謝罪したのだった。
熱……それは病のようにギイトの中に巣くって降り積もっていく。
魔女に食事を餌付けされた時、パンを口に運ぶサクヤの指先がたまたまギイトの唇に触れた。
「うううっ」と変なうめき声を上げ、目線をさ迷わせる赤い顔の魔女を見て、熱が広がる。
夜中、戦場を思いだし悲鳴と共に飛び起きれば、吸い飲みで水を飲ませてくれた。
「役得です」と、ニタニタ笑いながら汗だくだからと、醜い欠損部位を傷だらけの体を躊躇なく清めてくれた。小さな手が触れる度に体に熱が残る。
ーーこの熱はなんなのだ?
長く戦場に居たギイトは愛を恋を知らない。それを知る以前に肉欲を埋めるすべを先輩兵士に教わってしまった。戦地で肉欲を埋めるには手っ取り早く敵兵を襲えばいいのだ。ギイトは余り好まなかったが。
気持ち悪いと思っていた魔女の笑顔が客人に向けられると腹が立つ。生体義装具の恩恵に預かろうと媚びを売りに来る商人も気に入らない。
風呂で背中を洗われ、石鹸で滑った魔女が背中に引っ付いた。服の上から控えめな膨らみの感触を感じ下半身が反応した。
お互いにいつもなら見て見ぬふりをするのだが、苛立ちが抑えきれないギイトは、サクヤの小さな手を掴むといきり立つ雄芯に押し付けた。
「ひ、ひぃ。ギイトのおちんちん触わっちゃってますよ」
「見てわからないのか?触らせてるんだ」
苛立ちのままに怒鳴るギイト。
サクヤがあわわと手を引っ込めようとしても、元兵士で男のギイトには敵わない。そのままぐにゃりぐにゃりと上下に擦らされた。ギイトの巨体に見合った雄芯は刺激に更に硬く太くなる。
火傷しそうなほど熱く脈打つ雄の先から雫が生まれ、肉柱を伝わりサクヤの手を濡らす。
「あががっ」
魔女の顔が茹でたタコのように染まる。視線は困ったようにウロウロとあちらこちらを向き、最終的にギイトの雄芯に注がれた。恥ずかしのに目が反らせない。瞳がうっすら涙で潤んでいる。
いい様だ。
魔女に羞恥心を抱かせ、ギイトは気分が上を向く。ギイトの気分に連動に雄芯も天を向く。興奮したギイトは手の動きを速めた。
「うひゃあ。またぁ、おっきく硬くなりましたよ。こんなの……ギイト爆発しちゃいます」
自由な方の手で口許を押さえ、腰を抜かせた魔女は浴槽の床に座りこんでしまう。
「はぁっ、ふっ、んんっ。爆発するかもな」
ギイトは色っぽく吐息を吐きながらサクヤの手を使い、執拗に雄芯を高めていく。
「……ぎ、ぎぎ。爆発はダメです」
ダメと言われてもその手は止まらない。にゅちゅにゅちゅと浴室に反響するのは卑猥な粘着音と荒い息遣い。
「っ、はぁ。くっ。んんっ、出そうだ」
「出る?何が?
………まさか私の手で?
ぐひっ、ちょっと待って下さい。
毎回欠損を愛でるの不快そうに顔を歪めるじゃないですか?ギイトは性的な触れあいはお断りですよね?」
「ああっ。一方的に貪られるのは、んっ、ごめんだ」
「ですよね?ではでは離して下さい」
「離すか……くっ、小さい手だな両手を使え」
「うひぃぃ」
強引に両手を破裂寸前の雄芯にあてがわれしごかれ続け、情けない悲鳴をあげる魔女。
ギイトは悲鳴をあげる小さな口許に左肘の欠損部を押し付けた。魔女の小さい肩がびくりと震えた。
「…お前の好きな欠損だ。いつものように舐めろよ」
ぐりりと強引に押し付けるから、欠損の先端が柔らかい唇を捲り白い歯にかつんとあたった。
「…嫌じゃ…ないのですか?」
恐る恐る伺うサクヤをギイトは鼻で笑った。
「はっ、今さらそれを聞くのか?……俺の気が変わらないうちに好きに舐めろ」
「はひぃ…ギイトから求められるなんて夢のようですね。ぐひひ、いただきます」
小さい口を目一杯開けたサクヤはギイトの欠損の先端をパクリと口に含んだ。杜撰に縫われた断面に労うように舌を這わせる。夢中で恍惚の表情を浮かべギイトの欠損を舐めしゃぶる。
鋭利になった皮膚から、くすぐったいような気持ちいいようなゾワリした感覚が体を走る。それはギイトの雄芯の怒張を力強く後押した。
くじゅぐじゅぐじゅーー。
ギイトに押さえつけられたサクヤの手の動きが苛烈を極めた。
自分の忌み嫌う欠損部分をいとおしそうに執拗に舐められたら、もう堪らない。熱はただ蓄積するばかりで。
「はっっ、くっ!出る!!」
「ーーーっ!!」
限界まで膨らんだギイトの熱はとうとう爆ぜた。小さなサクヤの手を大量の白色に染め上げて。
「ひぃ」
驚いたサクヤは愛しい欠損を口から離してしまったのだ。
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