【R18】幼馴染と一緒に異世界転移しました。聖女の私が力を保つには、幼馴染としなくちゃいけない

ラム猫

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第二十二話 独占

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 その日から、僕の全ては、眠り続ける葵を守るために費やされた。

 食料を探し、魔物から身を隠し、時には剣を振るって命を守った。分からないことだらけの中で、僕は必死だった。いつ葵が目を覚ましてもいいように、この世界で生きていける力をつけなければならなかった。

 自分がどこにいるのか、これからどうすればいいのか、分からない。僕の傍らには、いつも穏やかな寝顔をしている葵がいるだけ。彼女が目を覚まさない限り、僕は完全に独りぼっちだった。孤独は、少しずつ、僕の心を蝕んでいった。

 そのうち、葵への愛は、恐ろしいほどに重く、深く、そして歪んでいった。

 目覚めない葵を見るたびに、僕の中の欲望は際限なく膨らんだ。誰もいないこの場所で、何度、彼女に触れてしまおうと思ったか分からない。何度、このまま永遠に二人きりになって、誰にも邪魔されずに、僕だけのものにしたいと願ったか。

 僕が守る。僕だけが、葵を守れる。

 そう言い聞かせ、魔力を操り、剣を振るい、魔物を討伐し続けた。力をつけるたびに、僕の中の欲望は抑えられなくなる。


 僕はもう、あの頃の海翔じゃない。僕は、この異世界で生まれ変わった。

 葵を誰にも渡さないためなら、どんな手でも使う。

 彼女の全てを、この僕が独占する。

 


 浴場で体の血と瘴気を洗い流し終えた僕は、真っ先に葵の部屋へ戻った。扉を開けると、ベッドの上で小さく丸まっている葵の姿が見える。

「ただいま、葵」

 僕が声をかけると、彼女はゆっくりと顔を上げる。僕の姿を認めると、その碧い瞳がわずかに揺れる。まだ、僕のことを少し警戒しているようだ。

「……寂しかったかな?」

 優しく問いかけると、葵はふい、と視線を外した。その素直になれない仕草が、どうしようもなく可愛くて、僕の胸は高鳴る。

 ベッドに近づき、僕はそっと彼女の頬に触れた。柔らかな肌の感触が、手のひらに伝わる。そのまま、吸い寄せられるように、彼女の唇に口づけを落とした。

 浅いキスでは足りない。僕の舌を、彼女の口の中へと深く差し込む。絡めとるように動かすと、葵の体が小さく震えた。すぐにその瞳は潤み、どこか焦点の合わない、ぼんやりとした表情になる。

 ……かわいい。

 僕のキスだけで、こんなにも敏感に反応する。その純粋さに、僕の中の獣が騒ぎ出す。この、何も知らない女を、もっと、もっと、僕の色に染め上げてやりたい。その身体も、心も、全てを僕で満たしてやりたい。

 彼女のこの愛らしい反応が、僕の嗜虐心をくすぐる。もっと、この柔らかな身体を抱きしめて、僕の快楽に溺れさせてやりたい。

「もっとかわいがってあげようか、葵」

 そう囁くと、葵の目が僅かに見開かれた。その瞳には、恐怖と、抗えない諦めが混じっている。その表情すら、僕にはひどく魅力的に映った。
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