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四郎に新たな指令、三人目の女を献上せよ ~前編~

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 今日は午前中の練習で終わった綾香をこっそり待ち合わせしてある古い建物
の裏手で逢瀬している(このあと自宅に持ち帰る予定)。
 練習着のまま生足を見せている17歳の綾香はまさに40歳の四郎には眩しい
存在に見える。
 

 まだセックスはしていないが、綾香は四郎を彼氏としてボディタッチは普通
に認めてるし自分からも良く甘えてくる。
「なーに、先生♪綾香の足が気になるの?触ってもいいよ」
と自分から四郎の手を取って太ももの上を触らせる。
「すべすべして気持ちいい」
「先生も男なんだね、スケベ♪」
と言いながら笑っている。
 そしてすぐに頭を四郎の肩の方に寄せて
「ねー、四郎ちゃん、この問題教えて」
とカバンから昨日の数学でわからなかったという数列の問題を出す。
「ああ、これは階差数列だからまず項と項の差を見ていって・・・」
と綾香から借りた筆記用具とメモ帳に書きながら教え始める。
 いつもは綾香の脳天からは香水か化粧水かの芳香な匂いがするが今日は少し
汗のにおいもあるようだ。
 可愛い久手若い彼女の体臭を楽しみながら、四郎は綾香や美波のクローン
、すなわち今脇にいる綾香と肉質そのものはうり二つの女の子が遠い宇宙の
彼方で今日も異星人の食欲を満たすために食べられていると思うと何とも
言えない感情が起きる。
「どうしたの?四郎ちゃん、急に黙って」
「い・・・いや何でもない」
と数学を教え続ける。
 綾香はもう暗に
(四郎ちゃんが望むならエッチしてもいいよ)
という雰囲気は見せているが綾香が18歳になるまでは最低でも我慢しようと
思っているがあと4か月我慢できるかは少し自信ないw
 家に帰ると二人なりのラブラブを過ごしてキスをして別れる。
 時折綾香との別れ際が妙に寂しく感じるのはそれだけ彼女を愛している
証拠でもあろう。
 綾香を自宅近くまで送ってから帰宅すると待ちくたびれたようにマルクが
待っていた。
「綾香とは仲良く続いているようだのぉ~」
と言うから
「まあ、おかげさまで」
と四郎は言った。
 マルクのおかげで普通の日本人の男性では味わえない思いや興奮や刺激的
な映像を見せてもらうことはないであろう。
「今日はお前に新たな獲物を我らに献上するように協力してもらうべくここ
に来たのだ」
と彼は言った。
 まあそろそろそんな気はしていた。
「承知。で、今回の獲物はどんな女だ?」
と四郎が聞くとマルクは直接それには答えず、
「お前、血筋というのを信じるか?」
と聞いてくる。
「ああ、遺伝による受け継がれたもの、もっと生まれた気質・能力はある程
度決められるものだと思っている」
と言うとマルクはうんうんと頷き
「今回のターゲットはお前の国の日本で最も高貴で知的で美貌も類まれなと
言われる今年20歳になる日本の三代前の国王の子孫にあたり、王族から一般
国民に降下しながらもその血筋の良さと美貌と知性で子どもの頃から人気
子役、そして今は人気若手女優とされながらバラエティでもお茶の間の人気
を呼び、若い男性にも好感度高いことで知られる・・・」
「まさか上戸愛菜(うえとまな)??」
と芸能界には非常に疎く、綾香との付き合いで最近見たドラマと映画でよう
やく名前と顔が一致したあの今を時めく超絶美人女優であった。
 

「おいおい、どんな美女でも一般人ならともかくどうやってこんな周囲に
色んな人間が囲う超有名人を・・・」
「まあ聞け。有名人ほどお前らはテレビとかで見る一面しか知らないであろ
う?実際の本人はどんな女やら・・・、お前楽しんで来い!」
と言われて例のように杖を振りかざされるとあっという間に四郎の本体から
分かれた彼の分身魂はどこかに飛ばされていく~。

「・・・・」
 四郎の分身は21歳くらいの172㎝、体重62キロくらいのやや筋肉はあるが
運動能力も平凡、ルックスもまあ平凡範疇の男子学生と一体化したようだ。
 名前は貴司(たかし)というらしく、一人暮らしの1LDKのマンションに
住んでいるようだ。
 四郎は貴司と同化してすぐに彼のその他の今の状況を知った。
 両親はまあまあな資産家で東京から少し離れた県で東証二部ながら売り上
げ好調な企業のオーナーをしている。
 貴司は地元の公立トップ校から名門京王大学経済学部に入学。
 そこで自ら経済研究同好会というのを開いたが、なんとそこに超有名人で
学年は一個下になる上戸愛菜が入会したのである。
 貴司はもちろん驚いたと同時に人生で一番の興奮を覚えた。
 公の仕事も忙しい愛菜は活動日が多く、制限も多いサークルや同好会は
入会できず、また勉強が好きで知的な彼女は自分が計算や統計的なものの見方
は苦手と思い貴司の立てた経済研究同好会に関心を寄せて話を聞きにきたの
である。
 同好会は貴司の他男子が4名、女子が11名であった。
 別に貴司は女子を優遇しているわけではないが、彼自身が高い意識を持って
いるために真面目に研究する意思のないもの、女子目当てのチャラい者は入会
させずにいた結果、自分でベンチャー企業を行おうという者、株式取引をし
ているもの、大学院で金融工学を目指している者など真面目に考える者が殆ど
であった。
 愛菜はそのなかで経済的知識は一番疎かったものの、勿論特別フリーパス
で入会させた。
 もちろん貴司以外の男部員もざわめいたが、貴司は愛菜の希望や立場をよく
よく考慮して彼女が困るようなことを特に男子部員には絶対させないように
した。
 だから女子部員の一部以外は愛菜の携帯番号や連絡先交換は一切不能で
あったし、貴司もサークルのことで用事がある時は女子の副部長を通じて
最初に行っていた。
 テレビ画面でみる愛菜のイメージと変わらないように好奇心が強くて知的
で話をするのも場の空気を読むのも上手く、それでいて安易に異性に自分の
近くにおいそれと近寄らせないような雰囲気は京王大学の優秀な男子部員の
皆が察知し、うかつにナンパしたりとかセクハラと間違われないような行為
を自粛していた。
 しかし愛菜の知りたい経済のことをよく知り、愛菜と言う有名人であって
も愛菜の質問や知りたいことを熱心に語り、心から経済のことや統計の事、
計算のことや実体経済に詳しい貴司のことを愛菜は尊敬するようになり、
好きになっていた。
 そして人を通じて貴司には自分の連絡先を教えて、サークル以外でも大学
外の飲食店などでこっそり会って話するようになっていたところで貴司も
大いに愛菜に対して有名人だからでなく一人の年齢の近い気になる異性と
いう意識でいたところであった。
(ははーん、愛菜の気持ちは尊敬できる先輩くらいでとどまっているかも
知れないが貴司は夢中になりかけている恋愛の入り口ってとこか?)
と貴司に同化した四郎は悟った。
 にしても今回は期限は14日。
 気の短いマルクにしては期限を長めにしてくれたが、それでもこの状態
から貴司(四郎)に愛菜の体からマルクの求めるレベルの試料を採取でき
るか?なかなか難しい課題を出してくれるな、と貴司(四郎)は思った。

                          <続く>
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