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ナンパ・出会い系ツール編

今だから言える海外での経験 その④

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 若気の至りですっかり海外旅行の予定を全て覆してまでスズランとの色欲の
方に身を投じた。
 スズランが徐々に性的に大胆になり自分からセックスをしてもいいとばかり
に宿でしてくれたことは嬉しかった。
 スズランとの男女国際交流を存分に深めて彼女の両親(母親のほうは控えめ
だったが)もまるで婿のように俺を迎えている。
 勿論この目の前の日本人の男が娘とよろしくやってしまってることなどは
承知であろうし、むしろ好都合なのかもしれない。
 相変わらず俺のプライベートのことも聞いてくるが、俺はいよいよ明後日に
迫っている帰国のことが重く心にのしかかってきた。
 これほど異国の地で女の子に夢中になるとは思わなかったし、まるで入り婿
のようにその女の子の親にも公認のような状態で気分は悪くなく何度も
(このまま国際結婚してスズランを日本で妻に迎えるか)
と思ったりもしたがスズランがまだ1〇歳でこの国の正式な女性の婚姻年齢に
あと二年近くあるということが気になった。
 女子中学生くらいの美少女にガチで恋い慕われるのは嬉しいがこのままでは
よろしくない。
 俺は自分の電話番号を伝え、メアドも伝えて、しかし住所までは半端にしか
教えずに
「また来る」
ことをスズランに伝える。
 彼女も自分の電話番号や住所をメモしたのを渡してくる。
「アイラブユー」
 嬉しいが俺の心は段々重くなる。
 それでいて最後の夜も欲情の赴くままスズランの肉体を貪った。
 スズランは好きな男の愛に応えようと自分の肉体を自由に貪らせた。
 
 いよいよ空港の搭乗手続きを考えるとあと二時間もここにいられないところ
でバイクタクシーを呼んでスズランに暫しの別れを告げる。
 スズランも泣きそうな顔でいるが黙っている。
 キスをする、何度もする。
(可愛い・・・)
 スズランを愛していると思った。
 バイクタクシーに乗ると俺は何度も後ろを振り返る。
 スズランも最初は駆けてきて俺に手を振りながら何か言っているが、段々
遠ざかり彼女も俺を追うのを止めて突っ立っていた。
 その姿が見えなくなるまで俺は手を振った。
 やがて彼女の姿が完全に見えなくなると俺の目頭に熱い者ものがあふれた。

 あれから約20年。
 彼女が幸せな結婚をして子供に囲まれながらこの空のはるかかなたの下に
ある遠くの南国の地で平和に暮らしていると信じていたい。

                           <完>
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