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【第二部】 2章
5 空side
しおりを挟むちーから話を聞いて、俺の目の前が真っ暗になる感覚があった。
2人を本当の親の元へ返さなければならない、、??
8年、8年もの間一緒に暮らしてきた。出会ったあの日からもう家族だ。血は繋がっていないけど、家族なんだよ。
それを、あの母親に渡すって?まだ幼い2人に暴力を振っていたあの母親に?
そんなの賛成できるわけないだろう。
でも、今の法律じゃあの子たちはもうすぐ僕らの元から離れてしまう。
ちーの話では何度か子供と母親で面会した後に引き取られるみたいだ。
1ヶ月後。そう言われたと。
「っ、、俺、いやだ、、ふたりと、っはなれ、ったくないっ、、ふたりがっ、大人にっ、、なるま、で、いっしょに、っぅ、いたい、」
「うん。僕も同じ気持ちだよ。」
だめだ、言葉が出てこない。受け入れられない。無理だよ。2人が大人になるのを見れないの?
ちーはなかなか泣き止まない。でも、このままだと過呼吸を起こしそうだ。落ち着かせなきゃいけない。落ち着け、僕が冷静にならなくちゃいけない。
冷静にならなければと思えば思うほど2人の小さい頃とか、まだ低学年の頃とかを思い出してしまう。
「っ、ちー、2人に、話すの?」
「っ、、やだ、、話したら、実感しちゃう。」
「でも、話さずにいきなり会わされて1ヶ月後には僕たちと離れなきゃいけないなんてあの子たちは納得しないよ?」
---バタン
「離れるって何、、、、、」
「春夜、冬夜、、、なんで、、」
勢いよく扉が開いたと思いちーを抱きしめたまま視線を送ると2人が困惑した顔をして立っていた。
「眠れなくて、久しぶりに4人で寝たいねってなって、、来たら、パパの泣き声聞こえて、盗み聞きした。」
「ねぇ!どういうこと!離れるって何!!」
賢い子達だ、誤魔化してもどうにもならないだろう。
「ちー、話すよ?いいね?」
涙を流し続けながら頷いたので、2人を呼んだ。
1ヶ月後に2人は母親に引き取られることを告げる。覚えていないであろう施設に預けられた理由や引き取ることになったきっかけも話す。
初めは真剣に聞いていたが、1ヶ月後に僕たちと離れなければいけないことを告げると表情に動揺が浮かぶ。
「どういう、こと、、え?俺たちはパパと父さんと離れなきゃいけないの?なんで?」
「僕嫌だ!!ここにいる!!」
2人がそう言ったからちーが余計に泣き出してしまった。子供達の前だからか僕の背中に隠れて。
「・・・僕たちだって嫌だ。でも、今の日本の法律じゃ、どうもできない。」
「・・・俺、覚えてるよ、母親のこと。毎日怒鳴られてた。痛い思い出がある。冬夜以外が怖くて仕方なかった時にパパが俺たちを救ってくれたのに!!」
「僕も、覚えてる。パパが傷見せてお揃いって言ってた。ねぇ、僕たち家族でしょ?家族は離れ離れになっちゃダメなんだよ。」
僕だって、ちーだって、離れたくなんてない。ずっと2人と暮らしていたいよ。
その後もずっと嫌だって泣きながら訴えてくる2人に何も言えなかった。泣き疲れて寝てしまった2人をちーと僕で抱きしめて眠った。
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