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救出作戦スタート・その1
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何者かによって連れ去られてしまったジャック
を リンダと一緒に助けに行こうと考えていたフローラを魔法陣が阻んでいた。
***
リンダに手伝ってもらって ジャックの代わりになる骨と服を集めようと考えたのに、 魔法陣が邪魔をして思うようにならない。
魔法の魔の字も分からない私では、何とかしたくても何も思いつかない。 完全にお手上げだ。
田舎育ちの私にしてみたら 魔法自体おとぎ話だ。
とりあえずジャックの荷物を片付けよう。体を動かしていれば 何か別の方法が 思い付くかもしれない。
多分、見えないけど 他の道にも魔法陣があるはずだ。道がダメなら 屋根伝いに移動して探す?
私はともかく、リンダは おとなしそうだから 木登りをしたことがないかも。
だったら、私が おんぶすれば平気かな?
(う~ん)
村で見つけたズタ袋に ジャックの胴体と服を詰めようと まとめていると剣が抜かれていることに気づく。 なんで、剣を抜いたの?
この剣で魔法が切れるとか?
フローラは華麗なジャックの剣さばきを思い出す。 だったら、助かってるはずだ。
よく見ると 剣先に泥がついている。 それも、たっぷり。剣で魔法が切れないのに、わざわざ鞘を抜いた理由は? 剣術に長けているジャックは 意味なく抜刀したりしない。 だから この泥にも意味が きっとある。
(・・・もしかして!)
これは 確かめよう。
「リンダ。ここに来てみて」
フローラは おとなしく私を待っているリンダを手招きする。
魔法陣が 怖いリンダが、それでも恐る恐る近づいてくる。 私の所まで、あと数歩というところで 円形の光ができる。
やはり、ある程度リンダが近づくと光る仕組みだ。
「 そこで、ストップ!」
片手を挙げてリンダを止めると フローラは剣先で光っているところを削ってみる。
しかし、光ったままだ。
あれ?予想と違う事に首をひねる。削るにも場所が決まってるのかな? 読めるかもと文字らしき絵を見るが、さっぱり分からない。 それならばと、手当たり次第に削っていると 光がフッと消えた。
なるほど。魔法を切ろうとしてたんじゃない。 魔法陣を壊そうとしたんだ。
予想が当たったと 小さくガッツポーズする。
「 消えた!消えたよ!お姉ちゃん」
「 うん。やったね」
手を叩いて喜ぶリンダに両手を出してハイタッチする。 これでジャックの胴体を渡さなくてすむ。
後は村中にある魔法陣を全てを壊せばいい。
人拐いならぬ、アンデッド拐い。
待ってなさいよ!
フローラはリンダと一緒にジャックの骨の代わりを村のあちらこちらから集めて魔法陣の上に それらしく並べる。
しかし、大して集まりなかった。
来た犯人が骨の数とか、数えなければいいけど・・。
後は取りに来る人間が不審に思わないことを願う
だけだ。
** 救出作戦スタート**
村の入り口近くの草むらで フローラはジャックの胴体が入ったった袋を抱えて、リンダと並んで隠れながら犯人の馬車が来るのを待っていた。
子供の言うことに半信半疑だったが、遠くから聞こえる蹄の音に真実味が増す。
本当だったんだ。じゃあ やっぱりジャックは死んでない。どこかに連れて行かれただけだ。
わざとらしい胴体を回収しまくることからも、そうだと言える。
近づいてくる馬車が幌馬車だったのを見て ある計画を思いつく。 危険を伴うが、その方が早く助けに行ける。
フローラはリンダに耳打ちする。
『 リンダ。犯人の馬車に 乗ってアジトまで乗せていってもらおう』
『 だめだよ。見つかるよ』
リンダが身を引いて激しく首を振る。
フローラは怯えるリンダの両手をしっかりと包み込む。
『大丈夫だよ。 私たちがいると思っていないから油断してる』
『 でも・・』
自分で考えた計画だが中々 無謀だ。だから、もし リンダが断っても、 自分一人ででも決行するつもりだ。
『 お父さんに会いたくないの?』
リンダを村に1人に残していくのは心配だ。やはり一緒に連れて行きたい。躊躇うリンダを説得することにする。
『会いたい!』
『だったら、行くね』
『うん。行く』
私の言葉は効果的面で、不安そうだったリンダの目に決意が灯る 。
私の計画がうまく行く保証はない。 でも、ここでじっとしていてもリンダに未来があるわけじゃない 。そのことは本人が一番わかっている。
馬車から男が警戒する様子もなく降りて来る。
幸いなことに一人のようだ。これなら大丈夫。
男が村の中に入っていくとリンダと頷きあって体を小さくして馬車に近づくと 幌馬車の幕をめくる。残念ながら中に荷物がない。
これだと隠れる場所がないから先乗り出来ない。馬車に乗れないと首を振る。
それでも先を急ぎたいフローラは馬車の下で待とうと地面を指差す。
息を潜めて二人で腹ばいになりながら 男が戻ってくるのを待つ。
極度の緊張で 心臓がバクバクしている。それなのに 頭は冴えてる。
落ち着きなく辺りを見回しているリンダの手を心配ないと包む。
「 大丈夫。きっと上手くいくよ」
「お姉ちゃんは、こういうの平気なの?」
リンダが、不安げな瞳で私を覗き込む。
「こういう事って?」
「ハラハラ、ドキドキすること。私なら怖くて出来ないよ」
「んー 好きじゃないけど・・」
危険が好きな訳じゃない。 助けを求めて 待っても 誰かが 来るわけじゃない。むしろ、 来ないことの方が多い。 だったら、自分で 何とかするしかない。 だからそうしてきたし、これからもそうするつもりだ。
「リンダの中の勇気の芽が出たら 怖くなくなるようになるよ」
「勇気?」
「そう、勇気」
すべては一歩踏み出す勇気 。一人で姉探しをするのも。アンデッドの村に単身で潜入するのも。
勇気が必要だった。 その勇気がジャックと出会わせてくれた。
だからジャックを助けるために 勇気を出す。
( ジャック、待ってて 必ず助けるから)
程なくして男がズタ袋を持って戻ってきた。
偽物とは気づかれなかったようだ。 これで一つクリア。
男に見つからないように身を潜めて 待っていると 目の前に男の靴が迫る。ゴトンと音がしたかと思うと男の靴の向きが変わる。
(今だ!)
それを見て素早く這い出るとリンダを荷台に乗せる。 自分も乗り込もうとしたが 、馬が鞭で叩く音が聞こえて 馬車が動き出す。不味い。 まだ乗ってない。
とっとと小走りになりながら馬車の荷台の柵を掴む。
「お姉ちゃん。掴まって」
リンダに腕を引っ張ってもらって 何とか乗り越えた。お互いにホッとして肩の力を抜くと笑顔になる。あとは、この馬車が目的地の村まで連れて行ってくれる。
何処へ行くのかとフローラは、馬車の幕をめくって外を見る。
「リンダ。 この道が何処へ行くか知ってる?」「 うん。モントス村だよ。前に、お父さんに連れて行ってもらった」
フローラはジャックに見せてもらった地図を思い出す。モントス村は確か・・。
「人間の村は・・その・・危険なんじゃなの?」
「村に入らないよ。月に一度 モントス村の入り口に物売りが来るの」
物売り?・・ 人間でもアンデッド相手に商売してるって事かな?
「物売って、服とかお酒を売ってる?」
「 うん。そうだよ。 行くと必ずお土産を買ってきてくれた」
「 優しい お父さんなんだね」
「うん」
初めてリンダの瞳に 本当の笑顔が浮かぶ。
リンダの為にも何としてもジャックを救出する。と、 フローラは決意を新たにする。 ジャックを助けだせばきっと 何かリンダのお父さん達を助ける方法を一緒に 考えてくれるはずだ。
ガタガタと揺られながら、遠くなる自分の村をリンダが見送っている。 その姿に 本当にこれで良かったのかと 気持ちが揺れる。 私の勝手な都合で巻き込んだだけかもしれない。
ズシリと リンダに対する責任を感じて 胸が、ぎゅっと掴まれたように痛くなる。 フローラは自分の不安な気持ちをリンダに悟られないように ジャックの胴体の入ったズタ袋を抱きしめる。
(ジャック。私に力を貸して)
実際村に はいる事が出来ても 先のことは何一つ分からない。ジャックに会えるとも限らない。
でも、探す。探さ出してみせる。
頼りになる人が現れたからと 寄りかかってちゃだ駄目だ。そんな事をしたら二人とも共倒れになる。お互いに協力し合える関係にならないと。
今度は私がジャックに手を差し伸べる番だ。
***
馬車が村の門をくぐると スピードが遅くなる。
とうとうモントス村に着いた。
リンダと一緒に幕の隙間から外の様子を伺う。
モントス村は想像したよりも裕福な村のようだ。 建物も大きくて立派だし、数も多い。
アンデッドを売り飛ばして 荒稼ぎしてるんだろうか?それとも人間のかわりに使用人として使ってる?
どちらにせよ悪いことをしている。
馬車は、村の中央に行かずに 脇道にそれる。
一番見つかりやすいのは降りるときだ。
(私は村人だと言い張れるけど リンダは・・)
もし見つかったらバラバラに逃げようと約束していた。 そうすれば一人が捕まっても、もう一人が助けに行ける。
どうか他の人間がいませんようにと心の中で祈る。
「どう、どう」
男が馬車を止める声に、リンダに合図を送ると フローラは馬車から 停まるのを待たずにジャックの入ったせた袋を背負って飛び降りると、そのまま馬車を追いかける。馬車が完全に止まると両腕を伸ばしてリンダを荷台から降ろして近くの物陰に二人で身を潜める。
運良く木箱が 積んであってよかった。
フローラは鞄からスカーフを取り出すと リンダの頭に被せる。 気休め程度かもしれないが、アンデッドだと分からないように 変装させた。
男は私たちか、乗っていたことに気づいてないようだ。 男が、ズタ袋を担いで 歩き出すとフローラはリンダと一緒に、その後う。
を リンダと一緒に助けに行こうと考えていたフローラを魔法陣が阻んでいた。
***
リンダに手伝ってもらって ジャックの代わりになる骨と服を集めようと考えたのに、 魔法陣が邪魔をして思うようにならない。
魔法の魔の字も分からない私では、何とかしたくても何も思いつかない。 完全にお手上げだ。
田舎育ちの私にしてみたら 魔法自体おとぎ話だ。
とりあえずジャックの荷物を片付けよう。体を動かしていれば 何か別の方法が 思い付くかもしれない。
多分、見えないけど 他の道にも魔法陣があるはずだ。道がダメなら 屋根伝いに移動して探す?
私はともかく、リンダは おとなしそうだから 木登りをしたことがないかも。
だったら、私が おんぶすれば平気かな?
(う~ん)
村で見つけたズタ袋に ジャックの胴体と服を詰めようと まとめていると剣が抜かれていることに気づく。 なんで、剣を抜いたの?
この剣で魔法が切れるとか?
フローラは華麗なジャックの剣さばきを思い出す。 だったら、助かってるはずだ。
よく見ると 剣先に泥がついている。 それも、たっぷり。剣で魔法が切れないのに、わざわざ鞘を抜いた理由は? 剣術に長けているジャックは 意味なく抜刀したりしない。 だから この泥にも意味が きっとある。
(・・・もしかして!)
これは 確かめよう。
「リンダ。ここに来てみて」
フローラは おとなしく私を待っているリンダを手招きする。
魔法陣が 怖いリンダが、それでも恐る恐る近づいてくる。 私の所まで、あと数歩というところで 円形の光ができる。
やはり、ある程度リンダが近づくと光る仕組みだ。
「 そこで、ストップ!」
片手を挙げてリンダを止めると フローラは剣先で光っているところを削ってみる。
しかし、光ったままだ。
あれ?予想と違う事に首をひねる。削るにも場所が決まってるのかな? 読めるかもと文字らしき絵を見るが、さっぱり分からない。 それならばと、手当たり次第に削っていると 光がフッと消えた。
なるほど。魔法を切ろうとしてたんじゃない。 魔法陣を壊そうとしたんだ。
予想が当たったと 小さくガッツポーズする。
「 消えた!消えたよ!お姉ちゃん」
「 うん。やったね」
手を叩いて喜ぶリンダに両手を出してハイタッチする。 これでジャックの胴体を渡さなくてすむ。
後は村中にある魔法陣を全てを壊せばいい。
人拐いならぬ、アンデッド拐い。
待ってなさいよ!
フローラはリンダと一緒にジャックの骨の代わりを村のあちらこちらから集めて魔法陣の上に それらしく並べる。
しかし、大して集まりなかった。
来た犯人が骨の数とか、数えなければいいけど・・。
後は取りに来る人間が不審に思わないことを願う
だけだ。
** 救出作戦スタート**
村の入り口近くの草むらで フローラはジャックの胴体が入ったった袋を抱えて、リンダと並んで隠れながら犯人の馬車が来るのを待っていた。
子供の言うことに半信半疑だったが、遠くから聞こえる蹄の音に真実味が増す。
本当だったんだ。じゃあ やっぱりジャックは死んでない。どこかに連れて行かれただけだ。
わざとらしい胴体を回収しまくることからも、そうだと言える。
近づいてくる馬車が幌馬車だったのを見て ある計画を思いつく。 危険を伴うが、その方が早く助けに行ける。
フローラはリンダに耳打ちする。
『 リンダ。犯人の馬車に 乗ってアジトまで乗せていってもらおう』
『 だめだよ。見つかるよ』
リンダが身を引いて激しく首を振る。
フローラは怯えるリンダの両手をしっかりと包み込む。
『大丈夫だよ。 私たちがいると思っていないから油断してる』
『 でも・・』
自分で考えた計画だが中々 無謀だ。だから、もし リンダが断っても、 自分一人ででも決行するつもりだ。
『 お父さんに会いたくないの?』
リンダを村に1人に残していくのは心配だ。やはり一緒に連れて行きたい。躊躇うリンダを説得することにする。
『会いたい!』
『だったら、行くね』
『うん。行く』
私の言葉は効果的面で、不安そうだったリンダの目に決意が灯る 。
私の計画がうまく行く保証はない。 でも、ここでじっとしていてもリンダに未来があるわけじゃない 。そのことは本人が一番わかっている。
馬車から男が警戒する様子もなく降りて来る。
幸いなことに一人のようだ。これなら大丈夫。
男が村の中に入っていくとリンダと頷きあって体を小さくして馬車に近づくと 幌馬車の幕をめくる。残念ながら中に荷物がない。
これだと隠れる場所がないから先乗り出来ない。馬車に乗れないと首を振る。
それでも先を急ぎたいフローラは馬車の下で待とうと地面を指差す。
息を潜めて二人で腹ばいになりながら 男が戻ってくるのを待つ。
極度の緊張で 心臓がバクバクしている。それなのに 頭は冴えてる。
落ち着きなく辺りを見回しているリンダの手を心配ないと包む。
「 大丈夫。きっと上手くいくよ」
「お姉ちゃんは、こういうの平気なの?」
リンダが、不安げな瞳で私を覗き込む。
「こういう事って?」
「ハラハラ、ドキドキすること。私なら怖くて出来ないよ」
「んー 好きじゃないけど・・」
危険が好きな訳じゃない。 助けを求めて 待っても 誰かが 来るわけじゃない。むしろ、 来ないことの方が多い。 だったら、自分で 何とかするしかない。 だからそうしてきたし、これからもそうするつもりだ。
「リンダの中の勇気の芽が出たら 怖くなくなるようになるよ」
「勇気?」
「そう、勇気」
すべては一歩踏み出す勇気 。一人で姉探しをするのも。アンデッドの村に単身で潜入するのも。
勇気が必要だった。 その勇気がジャックと出会わせてくれた。
だからジャックを助けるために 勇気を出す。
( ジャック、待ってて 必ず助けるから)
程なくして男がズタ袋を持って戻ってきた。
偽物とは気づかれなかったようだ。 これで一つクリア。
男に見つからないように身を潜めて 待っていると 目の前に男の靴が迫る。ゴトンと音がしたかと思うと男の靴の向きが変わる。
(今だ!)
それを見て素早く這い出るとリンダを荷台に乗せる。 自分も乗り込もうとしたが 、馬が鞭で叩く音が聞こえて 馬車が動き出す。不味い。 まだ乗ってない。
とっとと小走りになりながら馬車の荷台の柵を掴む。
「お姉ちゃん。掴まって」
リンダに腕を引っ張ってもらって 何とか乗り越えた。お互いにホッとして肩の力を抜くと笑顔になる。あとは、この馬車が目的地の村まで連れて行ってくれる。
何処へ行くのかとフローラは、馬車の幕をめくって外を見る。
「リンダ。 この道が何処へ行くか知ってる?」「 うん。モントス村だよ。前に、お父さんに連れて行ってもらった」
フローラはジャックに見せてもらった地図を思い出す。モントス村は確か・・。
「人間の村は・・その・・危険なんじゃなの?」
「村に入らないよ。月に一度 モントス村の入り口に物売りが来るの」
物売り?・・ 人間でもアンデッド相手に商売してるって事かな?
「物売って、服とかお酒を売ってる?」
「 うん。そうだよ。 行くと必ずお土産を買ってきてくれた」
「 優しい お父さんなんだね」
「うん」
初めてリンダの瞳に 本当の笑顔が浮かぶ。
リンダの為にも何としてもジャックを救出する。と、 フローラは決意を新たにする。 ジャックを助けだせばきっと 何かリンダのお父さん達を助ける方法を一緒に 考えてくれるはずだ。
ガタガタと揺られながら、遠くなる自分の村をリンダが見送っている。 その姿に 本当にこれで良かったのかと 気持ちが揺れる。 私の勝手な都合で巻き込んだだけかもしれない。
ズシリと リンダに対する責任を感じて 胸が、ぎゅっと掴まれたように痛くなる。 フローラは自分の不安な気持ちをリンダに悟られないように ジャックの胴体の入ったズタ袋を抱きしめる。
(ジャック。私に力を貸して)
実際村に はいる事が出来ても 先のことは何一つ分からない。ジャックに会えるとも限らない。
でも、探す。探さ出してみせる。
頼りになる人が現れたからと 寄りかかってちゃだ駄目だ。そんな事をしたら二人とも共倒れになる。お互いに協力し合える関係にならないと。
今度は私がジャックに手を差し伸べる番だ。
***
馬車が村の門をくぐると スピードが遅くなる。
とうとうモントス村に着いた。
リンダと一緒に幕の隙間から外の様子を伺う。
モントス村は想像したよりも裕福な村のようだ。 建物も大きくて立派だし、数も多い。
アンデッドを売り飛ばして 荒稼ぎしてるんだろうか?それとも人間のかわりに使用人として使ってる?
どちらにせよ悪いことをしている。
馬車は、村の中央に行かずに 脇道にそれる。
一番見つかりやすいのは降りるときだ。
(私は村人だと言い張れるけど リンダは・・)
もし見つかったらバラバラに逃げようと約束していた。 そうすれば一人が捕まっても、もう一人が助けに行ける。
どうか他の人間がいませんようにと心の中で祈る。
「どう、どう」
男が馬車を止める声に、リンダに合図を送ると フローラは馬車から 停まるのを待たずにジャックの入ったせた袋を背負って飛び降りると、そのまま馬車を追いかける。馬車が完全に止まると両腕を伸ばしてリンダを荷台から降ろして近くの物陰に二人で身を潜める。
運良く木箱が 積んであってよかった。
フローラは鞄からスカーフを取り出すと リンダの頭に被せる。 気休め程度かもしれないが、アンデッドだと分からないように 変装させた。
男は私たちか、乗っていたことに気づいてないようだ。 男が、ズタ袋を担いで 歩き出すとフローラはリンダと一緒に、その後う。
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