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青いドレスの貴婦人
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フローラは姉の居るスバイア村に向かって 野宿生活を送っていた。
寝起きの悪いジャックにコーヒーを手渡す。
「ところでフローラの姉さんは美人なのか?」
「えっ?」
いつもと変わらない朝だったのに、不意にジャックに聞かれてフローラに身構える。
何故そんな質問を?今まで名前さえ聞いたことがなかったのに、急に興味を持つなんて怪しい。
何か良からぬことを考えてるの?
それほどの美人なら自分のものにしたいと?
(・・・)
確かに姉に比べれば、女らしくないと思われるのは仕方ない。両親が死んで姉は泣いてばかりだったから、私がしっかりして両親の代わりになるしかなかった。力仕事も率先してやった。
虫が怖いといえば退治して、雨漏りしたといえば屋根にも上った。今更、姉のようにはなれないし、ぶりっ子もできない。
だけど私だって、女らしさでは勝てないが、他の事なら負けない。
それなのに・・。
胡乱な目でジャックを見ると 誤解だと両手を振る。
「違う。違う。・・貴族に買い求められたぐらいだからそうなのかと・・」
改めて言われてフローラは腕組みする。客観的に見ても、はっきり言って姉は美人だ。
近隣の村々の男が 、人目姉の姿を見ようと押し寄せていた。
だけど、両親が死ぬと手のひらを返したようにどの男も近づかなくなった。鈍感な姉は気づかなかったが、10歳の私は この世の不条理に気づいた。
両親がなくて、財産も無いコブ付きの女。いくら美人でも敬遠される。本人がしたくても相手の家族が反対するに決まってる。
(私がいなければ、村の男と結婚して幸せに暮らしていたかも・・)
でもあの時、毎夜泣いている姉を他人には任せられなかった。だけど、今なら送り出せる。
ジャックなら私も安心だ。
だけど・・・。
「フローラ?」
「美人ですよ。絶世の美女です !」
ジャックも他の男と同じなのかと思ったら、胸がムカムカする。
忘れてたあの嫌な気分だ 。
***
フローラに食って掛かられて、ジャックはなすすべがない。
ちょっとした疑問だったのに・・。「だったら、どうなんですか?」
「だから、違う」
「なら、どうして今頃聞いてくるんですか?」
問い詰めてくるフローラに、ジャックは じわじわと仰け反る。
「そっ、それは・・」
(興味が無くて、忘れてたとは言えない)
本当なら似顔絵を書くとか、名前とか体の特徴とかを聞いて 聞き込みしたりするものだ。
今思えばパラダイスの件もそうだ。
常連客や使用人に尋ねればフローラを潜入させずに済んだ。
本人が納得するかは別としても。
フローラの意思を尊重したと言えば、聞こえがいいが 危機管理が麻痺してたのは本当だ。フローラと一緒に何かすることが、当たり前になりすぎてた。
だから、これからでもフローラの身の安全を考えようとしたんだが・・。
さすがに遅すぎた。
「ほら、やっぱり。お姉ちゃんが美人だから態度を変えたんですね。人を見た目で判断するなんて。見損ないました」
完全に思い違いされた。
フローラがプイと身体ごと横を向く。
(・・・)
なんとか誤解を解きたいが、へそを曲げたフローラの扱いに困る。
「いや、だから・・そう思ったのは フローラが綺麗だから、姉さんも美人なのかなと思ったんだよ」
「えっ?・・えっ、ええ!」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたが 、俺と目が合うと顔を真っ赤にする。
「なっ、何言ってるんですか。もう!」
恥ずかしそうに顔の半分を手で隠して、残った手で私の 上腕骨をバンバン叩く。
(?)
どうしたんだと思っていたが 、フローラの態度に 初めて自分が口にした言葉に気付く。可愛いことは最初から知っていたが 、面と向かっていったのは初めてだ。
遅れて自分も恥ずかしくなる。
***スバイア村**
リンダと別れて5日。
ようやくスバイア村に入り口まで来た。後もう少しだ。
馬車道の両側に 頭を垂れた麦畑が広がる。自分の村とは比べ物にならないほど豊かだ。フローラは改めて自分の村が貧乏だと実感した。
街の中に入ると人も多く、みんな穏やかな表情をしている。
統治がうまくいっているらしく、物流が盛んだ。色んな物が店頭に並んでいる。良い事だけど、 人探しには向かない。大変そうだ。
「どうした?」
「あっ、いぇ・・これからどうします?」
「そうだなあ~とりあえず貴族の家の場所を確かめよう。もしかしたら中の様子が分かるかもしれない。駄目でも、何か手がかりがつかめるだろう」
馬車を宿に預けると 宿の主人に貴族
の家を知らないかと尋ねる。
「この町の貴族はウィリアム家だけだよ 」
一軒しかないなら確定だ。朗報にザックを振り返る。するとジャックが 私の後ろから宿の主人に声をかける。
宿の主人に教えてもらった通り進むと、ほんの数分で屋敷が見えてきた。が、建ってる屋敷を見て暗雲たる気持ちになる。パラダイスとは別の意味で、手こずりそうだ 。
パラダイスは高い塀で囲まれてた。
侵入するのは難しいけど、中に入れば見付からない。だけど、こっちは低い石垣で 囲まれてる。
門から屋敷まで距離がある。その上身を隠せる木や岩も無い。
これでは侵入する姿が丸見えだ。
それを目にして素人の私でも 一筋縄でいかないと肌で感じる。
それなら正面突破 ?
否、さすがに無謀すぎる。相手は貴族だ。下手したら牢屋に入れられる。
一緒に下見をしているジャックにダメ元で提案書してみる。
「ジャック・・聞いたら、素直に答えると思いますか?」
「居ても、居なくても。居ないと答えるだろう」
「どういう意味?」
何気なく聞いたが、ジャック
の答えに首をひねる。
なんで嘘をつく必要が?私はただ姉を訪ねてきただけだ。
「お前の姉の、この屋敷での立ち位置がわからないからだ」
「?」
「メイドの一人なら、わざわざ取りついたりしない。夫人なら連れ戻しに来たと思うはずだ」
「夫人? お姉ちゃん結婚したんですか?」
「確率の問題だ。豪華な衣装を買ったことを考えれば・・・夫人だろう」
田舎者の姉が夫人になるのは奇跡に近い。美人だからといって 結婚なんて。よほど相手が姉にベタ惚れでもない限り無い。
ジャックが口ごもった続きを考えれば 妾と言う線もある。フローラはそれでも姉が幸せなら文句はない。
村にいた時より良い生活をしていることは間違いない。
でも、酷い目にあっているなら何としても助ける。姉をこの目で見るまで 判断は保留だ。
お姉ちゃんを買った貴族は、どんな人なんだろう?
(優しい人だといいけど・・)
*****
フローラと並んで街に戻りながら ジャックは、どうやって屋敷を調べるかで 頭を悩ませていた。あれだけ大きな屋敷だ取引先も多い。
あまり色んな店に聞き込み
すると噂が立つかもしれない。
となると、聞き込み先を選ぶことが大事だ。
一番情報がえやすいのは・・
やはり 毎日出入りがある店。その方が使用人たちと親しいだろう。
精肉店、八百屋、酒屋か・・。
しかし、いざ街の中心につくと 同じ職業の店が何件も連なっている。
「どの店で聞いたら良いのかな?」
「確かに・・」
同じ酒屋でも通りの両側に店がある。どちらもパッと見同じに見える。さすがに、こう言うことは経験がない。
見る人間が見れば、違いがわかるんだろうが・・。
どっちがご用達の店だ?
下顎骨を手骨で撫でながら思案に老けっていると名前を呼びながらフローラが手招きする。
「ジャック!ジャック!ジャック」
何か発見したのかとフローラのもとへ行く。
何点も絵が飾ってあるところを見ると画廊のようだ。フローラが俺の袖を引っ張って耳打ちしてくる。
「あの奥に飾ってある絵がありますよね」
「ああ」
フローラが指さした方を見ると青いドレスを着た綺麗な若い夫人と 夫らしき二人が書かれている肖像画だ。身なりからして貴族だろう。
(どこかで見たことがあるような・・)
絵の中の女性は物静かで穏やかな笑みをたたえている、でも、口角を思いっきりあげたら・・。
「あの絵のモデル。・・私のお姉ちゃんです」
寝起きの悪いジャックにコーヒーを手渡す。
「ところでフローラの姉さんは美人なのか?」
「えっ?」
いつもと変わらない朝だったのに、不意にジャックに聞かれてフローラに身構える。
何故そんな質問を?今まで名前さえ聞いたことがなかったのに、急に興味を持つなんて怪しい。
何か良からぬことを考えてるの?
それほどの美人なら自分のものにしたいと?
(・・・)
確かに姉に比べれば、女らしくないと思われるのは仕方ない。両親が死んで姉は泣いてばかりだったから、私がしっかりして両親の代わりになるしかなかった。力仕事も率先してやった。
虫が怖いといえば退治して、雨漏りしたといえば屋根にも上った。今更、姉のようにはなれないし、ぶりっ子もできない。
だけど私だって、女らしさでは勝てないが、他の事なら負けない。
それなのに・・。
胡乱な目でジャックを見ると 誤解だと両手を振る。
「違う。違う。・・貴族に買い求められたぐらいだからそうなのかと・・」
改めて言われてフローラは腕組みする。客観的に見ても、はっきり言って姉は美人だ。
近隣の村々の男が 、人目姉の姿を見ようと押し寄せていた。
だけど、両親が死ぬと手のひらを返したようにどの男も近づかなくなった。鈍感な姉は気づかなかったが、10歳の私は この世の不条理に気づいた。
両親がなくて、財産も無いコブ付きの女。いくら美人でも敬遠される。本人がしたくても相手の家族が反対するに決まってる。
(私がいなければ、村の男と結婚して幸せに暮らしていたかも・・)
でもあの時、毎夜泣いている姉を他人には任せられなかった。だけど、今なら送り出せる。
ジャックなら私も安心だ。
だけど・・・。
「フローラ?」
「美人ですよ。絶世の美女です !」
ジャックも他の男と同じなのかと思ったら、胸がムカムカする。
忘れてたあの嫌な気分だ 。
***
フローラに食って掛かられて、ジャックはなすすべがない。
ちょっとした疑問だったのに・・。「だったら、どうなんですか?」
「だから、違う」
「なら、どうして今頃聞いてくるんですか?」
問い詰めてくるフローラに、ジャックは じわじわと仰け反る。
「そっ、それは・・」
(興味が無くて、忘れてたとは言えない)
本当なら似顔絵を書くとか、名前とか体の特徴とかを聞いて 聞き込みしたりするものだ。
今思えばパラダイスの件もそうだ。
常連客や使用人に尋ねればフローラを潜入させずに済んだ。
本人が納得するかは別としても。
フローラの意思を尊重したと言えば、聞こえがいいが 危機管理が麻痺してたのは本当だ。フローラと一緒に何かすることが、当たり前になりすぎてた。
だから、これからでもフローラの身の安全を考えようとしたんだが・・。
さすがに遅すぎた。
「ほら、やっぱり。お姉ちゃんが美人だから態度を変えたんですね。人を見た目で判断するなんて。見損ないました」
完全に思い違いされた。
フローラがプイと身体ごと横を向く。
(・・・)
なんとか誤解を解きたいが、へそを曲げたフローラの扱いに困る。
「いや、だから・・そう思ったのは フローラが綺麗だから、姉さんも美人なのかなと思ったんだよ」
「えっ?・・えっ、ええ!」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたが 、俺と目が合うと顔を真っ赤にする。
「なっ、何言ってるんですか。もう!」
恥ずかしそうに顔の半分を手で隠して、残った手で私の 上腕骨をバンバン叩く。
(?)
どうしたんだと思っていたが 、フローラの態度に 初めて自分が口にした言葉に気付く。可愛いことは最初から知っていたが 、面と向かっていったのは初めてだ。
遅れて自分も恥ずかしくなる。
***スバイア村**
リンダと別れて5日。
ようやくスバイア村に入り口まで来た。後もう少しだ。
馬車道の両側に 頭を垂れた麦畑が広がる。自分の村とは比べ物にならないほど豊かだ。フローラは改めて自分の村が貧乏だと実感した。
街の中に入ると人も多く、みんな穏やかな表情をしている。
統治がうまくいっているらしく、物流が盛んだ。色んな物が店頭に並んでいる。良い事だけど、 人探しには向かない。大変そうだ。
「どうした?」
「あっ、いぇ・・これからどうします?」
「そうだなあ~とりあえず貴族の家の場所を確かめよう。もしかしたら中の様子が分かるかもしれない。駄目でも、何か手がかりがつかめるだろう」
馬車を宿に預けると 宿の主人に貴族
の家を知らないかと尋ねる。
「この町の貴族はウィリアム家だけだよ 」
一軒しかないなら確定だ。朗報にザックを振り返る。するとジャックが 私の後ろから宿の主人に声をかける。
宿の主人に教えてもらった通り進むと、ほんの数分で屋敷が見えてきた。が、建ってる屋敷を見て暗雲たる気持ちになる。パラダイスとは別の意味で、手こずりそうだ 。
パラダイスは高い塀で囲まれてた。
侵入するのは難しいけど、中に入れば見付からない。だけど、こっちは低い石垣で 囲まれてる。
門から屋敷まで距離がある。その上身を隠せる木や岩も無い。
これでは侵入する姿が丸見えだ。
それを目にして素人の私でも 一筋縄でいかないと肌で感じる。
それなら正面突破 ?
否、さすがに無謀すぎる。相手は貴族だ。下手したら牢屋に入れられる。
一緒に下見をしているジャックにダメ元で提案書してみる。
「ジャック・・聞いたら、素直に答えると思いますか?」
「居ても、居なくても。居ないと答えるだろう」
「どういう意味?」
何気なく聞いたが、ジャック
の答えに首をひねる。
なんで嘘をつく必要が?私はただ姉を訪ねてきただけだ。
「お前の姉の、この屋敷での立ち位置がわからないからだ」
「?」
「メイドの一人なら、わざわざ取りついたりしない。夫人なら連れ戻しに来たと思うはずだ」
「夫人? お姉ちゃん結婚したんですか?」
「確率の問題だ。豪華な衣装を買ったことを考えれば・・・夫人だろう」
田舎者の姉が夫人になるのは奇跡に近い。美人だからといって 結婚なんて。よほど相手が姉にベタ惚れでもない限り無い。
ジャックが口ごもった続きを考えれば 妾と言う線もある。フローラはそれでも姉が幸せなら文句はない。
村にいた時より良い生活をしていることは間違いない。
でも、酷い目にあっているなら何としても助ける。姉をこの目で見るまで 判断は保留だ。
お姉ちゃんを買った貴族は、どんな人なんだろう?
(優しい人だといいけど・・)
*****
フローラと並んで街に戻りながら ジャックは、どうやって屋敷を調べるかで 頭を悩ませていた。あれだけ大きな屋敷だ取引先も多い。
あまり色んな店に聞き込み
すると噂が立つかもしれない。
となると、聞き込み先を選ぶことが大事だ。
一番情報がえやすいのは・・
やはり 毎日出入りがある店。その方が使用人たちと親しいだろう。
精肉店、八百屋、酒屋か・・。
しかし、いざ街の中心につくと 同じ職業の店が何件も連なっている。
「どの店で聞いたら良いのかな?」
「確かに・・」
同じ酒屋でも通りの両側に店がある。どちらもパッと見同じに見える。さすがに、こう言うことは経験がない。
見る人間が見れば、違いがわかるんだろうが・・。
どっちがご用達の店だ?
下顎骨を手骨で撫でながら思案に老けっていると名前を呼びながらフローラが手招きする。
「ジャック!ジャック!ジャック」
何か発見したのかとフローラのもとへ行く。
何点も絵が飾ってあるところを見ると画廊のようだ。フローラが俺の袖を引っ張って耳打ちしてくる。
「あの奥に飾ってある絵がありますよね」
「ああ」
フローラが指さした方を見ると青いドレスを着た綺麗な若い夫人と 夫らしき二人が書かれている肖像画だ。身なりからして貴族だろう。
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