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一生の不覚
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ジャックの元へ駆けつけたい。そう思ったフローラだったが、姉に引き止められて一泊する事に。
フローラは、人が四人並んで寝ても十分の広さがあるベッドに、姉と一緒に横になっている。
見上げる先にあるのは、古ぼけて、煤けた梁ではなく、白いレース。
(天蓋付きのベッドに寝るのは、生まれて初めてだ)
だけど緊張しない。隣に再会した姉が
いるからだ。 こうしてお喋りしていると昔に戻ったように感じる。 でも、違うと知っている。
姉も私も大切な相手に出会った。
それは子供ではなく、一人の大人として、妻として。そして、いずれ親として 生きていかなくてはいけないと告げている。次にまたこうして会えるのが、何時 になるのか、 それさえも未定だ。けれど、平気。
みんなに諦めろと言われていた姉に会えた。 そのことが、この世に不可能はないと教えてくれたから。
(会いたいと思い続けることが、道を切り開いてくれた)
楽しそうにローランドとの話をする姉を見ていると、そう思える。
「レストランを貸し切ったのよ」
「それって告白でしょ」
「メイドからそう聞いていたから、私もそう思ったんだけど……。結局、何も言わなかったから、本当は田舎者の私と一緒にいるのを見られるのが、 恥ずかしいからじゃないかと考え直したの」
(お姉ちゃんも大変だったんだ……)
ローランドに振り回されている姿が 目に浮かぶ。
「自惚れるな!これは施しだって、自分を戒めたわ」
姉が口を尖らせてローランドのヘタレぶりを口にする。 でも目は笑っている。 そう言うところも好きなんだろう。まさに痘痕もえくぼ。
「羨ましい。こっちはずっと野宿生活だったんだから」
「まあ、苦労したのね」
同情した姉がギュッと私の手を握りしめる。
「うん。まぁ……」
それが、最高に楽しかったとは言えない。フローラはポリポリと頬を指で掻く。 すると急に、姉がパッと私の手を離す。
「ちょっと待って」
「えっ?なに?」
「 なるほど……」
ははんと姉が、うろんな目を私に向ける。その目にドキリと身構える。
「な、何よ?」
ツンと姉が私の額を指で小突く。
「 毎晩、ジャックの腕枕で寝てたんでしょう」
「なっ、何言ってるのよ」
図星だ。隣にジャックの存在を感じられると、何より守られてると思えてぐっすり寝れた。
「あなたは昔からそう。昼間は男の子みたいなのに、夜になると甘いてベッドに潜りこんで来たもの」
「それは、家が狭いから」
「狭いね……。お父さん達が死んでベッドが二つになったのに一緒に寝てたわよ」
そう言われれば、そうだ。 だけど、姉だって別々に寝ようとは言わなかった。
「それは、お姉ちゃんが泣いてばかりだから。慰めるために一緒に寝たの。甘えたいわけじゃなかったよ」
「はい。はい」
分かったと、小さく頷く姉
にカチンとくる。 大人ぶって!
「甘えん坊は、お姉ちゃんなんだから」
「はい。はい。私は甘えん坊です」
「 お姉ちゃん!」
怒って飛びかかると、姉が笑い出した。自分もおかしくなって笑い出す。 こんな事をするのは、小さい時以来だ。
些細な事から大きな事まで、昔の 思い出から、離れ離れの間の事を一晩中尽きる事なく語り合った。
***
そして、一夜が明けた。
朝食も食べた。
風呂に入り髪も洗い。姉が用意してくれた新しい服に着替えた。鞄にはお昼ご飯のサンドイッチが入っている。ローランドが気を利かせて、宿屋から 残りの荷物と馬車を持って来てくれた。 準備は万端。 出発の時間だ。
姉とローランドが玄関先まで見送りに来てくれている。
(並んで立っている姿は、もう夫婦みたいだ)
フローラは姉を抱きしめるとぎゅっと腕に力を入れる。 こうしてお互いに慰めあって生きてきた。
でも、もう私はお役御免。これからはローランドが姉を幸せにしてくれる。
この一月は、お互いにとって何から何まで初めて尽くしで、驚きの連続だった。
フローラは名残惜しい気持ちのまま抱擁をとく。
そろそろ時間だ。 でも、その前に。
「フローラ。幸せになるのよ 」
「お姉ちゃんも頑張って、ローランドに幸せにしてもらわないとね」
フローラは姉の手をとると、ローランド義兄さんに向かってウインクする。すると、 真っ赤な顔でローランド義兄さんが、ブンブンと頷く。それを見て姉の顔もみるみる赤くなる。
昨夜の話から察するに、かなり奥手のようだ。でも今は、私のおかげで両想いだと知っているから、ちゃんとプロポーズするだろう。
昨日とは比べ物にならないほど、目がイキイキしている。
本当なら結婚式まで、そばにいてあれやこれやと手伝いたい。
だけど、ジャックを放っていて、その間に、どこかに行ってしまうかもしれない。 そう考えると、居ても立ってもいられない。
(早く、その心を捕まえないと)
これからは私の番だ。 その第一歩は、ジャックに自分の気持ちを伝えること。まずは、そこから。
「じゃあ行くね。落ち着いたら手紙を書くから」
「わかったわ。体に気をつけて」
「 うん。お姉ちゃんも。ローランド義兄さん、お姉ちゃんのことよろしくね」
わざと兄という部分を強調して言うと、 敏感に反応する。
「分かった任せてくれ。フローラも体に気をつけて、無茶するんじゃないよ」
すっかり兄気取りのローランドに笑いながら返事をする。
「はい。ローランド義兄さま」
馬車に乗り込む前にくるりと振り返る。『いったきます』と手を振る。 すると二人が、『いってらっしゃいと』手を振り返す。
悲しくはない。 今日からは別々の相手と手を取り合って生きていくだけ。 離れていても心はつながっている。二人に背を向けると馬車に乗り込む。
*****
フローラが乗った馬車が、どんどん小さくなっていく。そのことが、一抹の寂しさを覚える。
私と違ってフローラは波乱万丈だった。そんなフローラと困難を乗り越えてきたジャックなら 妹を安心して任せられる。男の子みたいだったフローラも、 恋をする女の子になった事が何より嬉しい。
「本当に行かせて良かったのかい?」
「私には止められないわ」
一緒に見送っていたローランドが私の肩を引き寄せる。カーラは、甘えるようにローランドの胸に頭をもたれる。
普段は甘えん坊で寂しがりやだけど、 こうと決めたらテコでも動かない頑固者。 両親が死んで泣き暮らしていた私に代わって、朝から晩まで働いて面倒をみてくれた。
本当なら姉である私がしなくちいけなかったのに……。
いつもフローラに頼っていた。そのフロラがそう決めたなら祝福するだけ。
(もう、大人ね……)
ローランドが
肩から手を放す。どうしたのかと見ると、決意した表情をしている。
それを見てハッとする。
「カーラ。大事な話がある」
** 一生の不覚**
馬鹿だ。俺は大馬鹿だ。 一体、何やってるんだ。 生涯一度のチャンスを不意にした。
(だけど、フローラが出てくるのを一人で待っている時間は地獄だった)
ジャックはまっすぐ家に帰ることもできず。 フローラと初めて会った場所で 意味もなく野宿していた。
フローラの姉の家を出てからここに来るまで、彼女に告白の数と、同じ数だけ親父への言い訳を考えたが、結論が出ない。
俺と結婚すれば、フローラは人間の幸せを全てを捨てることになる。
それを自分のわがままで、捨てろとは言えない。
だから、諦めて別れの言葉も言わずに立ち去ったくせに、追い掛けてくるんじゃないこと、未練がましく家に帰れないでいる。
うだうだしている自分が嫌になる。
フローラは、人が四人並んで寝ても十分の広さがあるベッドに、姉と一緒に横になっている。
見上げる先にあるのは、古ぼけて、煤けた梁ではなく、白いレース。
(天蓋付きのベッドに寝るのは、生まれて初めてだ)
だけど緊張しない。隣に再会した姉が
いるからだ。 こうしてお喋りしていると昔に戻ったように感じる。 でも、違うと知っている。
姉も私も大切な相手に出会った。
それは子供ではなく、一人の大人として、妻として。そして、いずれ親として 生きていかなくてはいけないと告げている。次にまたこうして会えるのが、何時 になるのか、 それさえも未定だ。けれど、平気。
みんなに諦めろと言われていた姉に会えた。 そのことが、この世に不可能はないと教えてくれたから。
(会いたいと思い続けることが、道を切り開いてくれた)
楽しそうにローランドとの話をする姉を見ていると、そう思える。
「レストランを貸し切ったのよ」
「それって告白でしょ」
「メイドからそう聞いていたから、私もそう思ったんだけど……。結局、何も言わなかったから、本当は田舎者の私と一緒にいるのを見られるのが、 恥ずかしいからじゃないかと考え直したの」
(お姉ちゃんも大変だったんだ……)
ローランドに振り回されている姿が 目に浮かぶ。
「自惚れるな!これは施しだって、自分を戒めたわ」
姉が口を尖らせてローランドのヘタレぶりを口にする。 でも目は笑っている。 そう言うところも好きなんだろう。まさに痘痕もえくぼ。
「羨ましい。こっちはずっと野宿生活だったんだから」
「まあ、苦労したのね」
同情した姉がギュッと私の手を握りしめる。
「うん。まぁ……」
それが、最高に楽しかったとは言えない。フローラはポリポリと頬を指で掻く。 すると急に、姉がパッと私の手を離す。
「ちょっと待って」
「えっ?なに?」
「 なるほど……」
ははんと姉が、うろんな目を私に向ける。その目にドキリと身構える。
「な、何よ?」
ツンと姉が私の額を指で小突く。
「 毎晩、ジャックの腕枕で寝てたんでしょう」
「なっ、何言ってるのよ」
図星だ。隣にジャックの存在を感じられると、何より守られてると思えてぐっすり寝れた。
「あなたは昔からそう。昼間は男の子みたいなのに、夜になると甘いてベッドに潜りこんで来たもの」
「それは、家が狭いから」
「狭いね……。お父さん達が死んでベッドが二つになったのに一緒に寝てたわよ」
そう言われれば、そうだ。 だけど、姉だって別々に寝ようとは言わなかった。
「それは、お姉ちゃんが泣いてばかりだから。慰めるために一緒に寝たの。甘えたいわけじゃなかったよ」
「はい。はい」
分かったと、小さく頷く姉
にカチンとくる。 大人ぶって!
「甘えん坊は、お姉ちゃんなんだから」
「はい。はい。私は甘えん坊です」
「 お姉ちゃん!」
怒って飛びかかると、姉が笑い出した。自分もおかしくなって笑い出す。 こんな事をするのは、小さい時以来だ。
些細な事から大きな事まで、昔の 思い出から、離れ離れの間の事を一晩中尽きる事なく語り合った。
***
そして、一夜が明けた。
朝食も食べた。
風呂に入り髪も洗い。姉が用意してくれた新しい服に着替えた。鞄にはお昼ご飯のサンドイッチが入っている。ローランドが気を利かせて、宿屋から 残りの荷物と馬車を持って来てくれた。 準備は万端。 出発の時間だ。
姉とローランドが玄関先まで見送りに来てくれている。
(並んで立っている姿は、もう夫婦みたいだ)
フローラは姉を抱きしめるとぎゅっと腕に力を入れる。 こうしてお互いに慰めあって生きてきた。
でも、もう私はお役御免。これからはローランドが姉を幸せにしてくれる。
この一月は、お互いにとって何から何まで初めて尽くしで、驚きの連続だった。
フローラは名残惜しい気持ちのまま抱擁をとく。
そろそろ時間だ。 でも、その前に。
「フローラ。幸せになるのよ 」
「お姉ちゃんも頑張って、ローランドに幸せにしてもらわないとね」
フローラは姉の手をとると、ローランド義兄さんに向かってウインクする。すると、 真っ赤な顔でローランド義兄さんが、ブンブンと頷く。それを見て姉の顔もみるみる赤くなる。
昨夜の話から察するに、かなり奥手のようだ。でも今は、私のおかげで両想いだと知っているから、ちゃんとプロポーズするだろう。
昨日とは比べ物にならないほど、目がイキイキしている。
本当なら結婚式まで、そばにいてあれやこれやと手伝いたい。
だけど、ジャックを放っていて、その間に、どこかに行ってしまうかもしれない。 そう考えると、居ても立ってもいられない。
(早く、その心を捕まえないと)
これからは私の番だ。 その第一歩は、ジャックに自分の気持ちを伝えること。まずは、そこから。
「じゃあ行くね。落ち着いたら手紙を書くから」
「わかったわ。体に気をつけて」
「 うん。お姉ちゃんも。ローランド義兄さん、お姉ちゃんのことよろしくね」
わざと兄という部分を強調して言うと、 敏感に反応する。
「分かった任せてくれ。フローラも体に気をつけて、無茶するんじゃないよ」
すっかり兄気取りのローランドに笑いながら返事をする。
「はい。ローランド義兄さま」
馬車に乗り込む前にくるりと振り返る。『いったきます』と手を振る。 すると二人が、『いってらっしゃいと』手を振り返す。
悲しくはない。 今日からは別々の相手と手を取り合って生きていくだけ。 離れていても心はつながっている。二人に背を向けると馬車に乗り込む。
*****
フローラが乗った馬車が、どんどん小さくなっていく。そのことが、一抹の寂しさを覚える。
私と違ってフローラは波乱万丈だった。そんなフローラと困難を乗り越えてきたジャックなら 妹を安心して任せられる。男の子みたいだったフローラも、 恋をする女の子になった事が何より嬉しい。
「本当に行かせて良かったのかい?」
「私には止められないわ」
一緒に見送っていたローランドが私の肩を引き寄せる。カーラは、甘えるようにローランドの胸に頭をもたれる。
普段は甘えん坊で寂しがりやだけど、 こうと決めたらテコでも動かない頑固者。 両親が死んで泣き暮らしていた私に代わって、朝から晩まで働いて面倒をみてくれた。
本当なら姉である私がしなくちいけなかったのに……。
いつもフローラに頼っていた。そのフロラがそう決めたなら祝福するだけ。
(もう、大人ね……)
ローランドが
肩から手を放す。どうしたのかと見ると、決意した表情をしている。
それを見てハッとする。
「カーラ。大事な話がある」
** 一生の不覚**
馬鹿だ。俺は大馬鹿だ。 一体、何やってるんだ。 生涯一度のチャンスを不意にした。
(だけど、フローラが出てくるのを一人で待っている時間は地獄だった)
ジャックはまっすぐ家に帰ることもできず。 フローラと初めて会った場所で 意味もなく野宿していた。
フローラの姉の家を出てからここに来るまで、彼女に告白の数と、同じ数だけ親父への言い訳を考えたが、結論が出ない。
俺と結婚すれば、フローラは人間の幸せを全てを捨てることになる。
それを自分のわがままで、捨てろとは言えない。
だから、諦めて別れの言葉も言わずに立ち去ったくせに、追い掛けてくるんじゃないこと、未練がましく家に帰れないでいる。
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