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【完結】ロングアイランド・アイスティー【誘い受/甘め】
3*
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口の端から温んだ水が零れる。
喉元を辿って襟を濡らす。
そのことをやけに鮮明に感じながらキスに没頭した。
「ん、ふっ、ふぁ…」
思えば、こんな情熱的なキスはいつぶりだろう。
行ってらっしゃいとか、おかえりなさいとかいうフレンチなやつはしてたけど、ただお互いの性感を高めるようなキスは久しぶりな気がした。
仕事にかまけて婚約者を放ったらかしにしてたなぁと今更反省した所で、起きてしまったことは起きてしまったことだし、キスしてしまったものはしてしまったものなのだ。
「余計なこと考えてるだろ」
唇を甘噛みされて思考を戻される。
「いや、放ったらかしにしてたなぁって…」
首筋にキスが落ちてくるのを感じながら白状すると、ちゅ、と音を立ててそこを吸われた。
「その分アンタも我慢してたし、浮気していい理由にはならんだろ」
マスターの手がスルスルとネクタイを外す。
そう言われるとそうなのだが、じゃあそれも浮気していい理由にはならない。お互い悪いことをしているのだ。向こうが先だったけど。
ボタンを外されてシャツの合わせ目を開かれる。唇が鎖骨まで降りてきて、非現実的な感触と酔いで頭がクラクラした。
そのまま脱がされて、首筋を支えてゆっくり押し倒される。
下へ下へと下がってくる唇がもう一度欲しくなって、肩を押した。
「なんだ、怖気付いたか?」
身体を起こして意地悪そうに笑いながらマスターが言う。
普段ならそんなこと絶対言えないが、今日は酔っているのだ。全部酔いのせいにしてしまおう。
「もっかいキスしてください」
マスターが目を見開いて固まった。
それから親指でふにふにと唇を揉む。
「…すぎるだろ」
呟きは上手く聞き取れなかったが、望みは叶えられた。
ペロリと湿らせた唇が降りてきて、口の端から順に優しく触れ合う。それが徐々に深くなってきて、ぬるりと舌が口内に侵入してきた。
「ぁ、ふ…、ん…」
信じられないほど甘い声が出て頬が熱くなる。頭に血が上ってフワフワした。
絡む唾液が妙に甘くて、もっと欲しくて舌を吸う。
じゅ、くちゅ、と濡れた音が漏れて、耳まで愛撫されてるような気分になった。
やがて糸を引きながら唇が離れる。名残惜しくて顎が上がった。
「いつまでもしてやりたいけど、先に進んでいいか?」
俺の望みを察しつつ、マスターの手が胸元を滑る。
「ん…どうぞ…」
その手の感触に身体が小さく震えた。
自分がそうすることはあっても、されるのは初めてで、未知の快感に背筋が粟立つ。
「まだ辞めれるから、嫌になったら言え」
マスターが優しく唇を吸いながら言う。
嫌悪感なんてない。与えられるのは快感ばかりで、辞める気にはならなかった。
このまま続けて欲しい。
ゆるゆると首を振ると、また頭がフワフワと揺れた。
「大丈夫、です。気持ちい…」
フワフワした頭のまま正直にそう言うと、マスターが少し息を詰めて、性急に唇での愛撫を再開した。
「・・・あんまり煽ってくれるなよ」
首筋を滑って鎖骨へ戻っていく。皮膚の薄いところを優しく噛まれて、ゾクゾクと痺れが走った。
胸元を撫でていた手が乳首をかすめてそのまま指先で揉まれると、そこから胸の奥がジン、と暖かくなる。
男のくせに、乳首は結構感じるのだ。婚約者には言ってなかったけど。
たちまちに硬く立ち上がったそこに唇が降りてきた。
先端を擽るように、ちろ、と舐められ、弱い刺激のもどかしさに腰が浮く。
「あ、もっと…」
そこを舐めて、噛んで、吸って欲しい。
きゅ、と頭を抱え込んだ。
「アンタな…」
胸元で囁かれてぞわりと快感が走る。
そのままベロリと舐められて、優しく歯を立てられた。ちゅ、と音がして吸われた先端をちろちろと虐められる。
ゾクゾクと首筋が痺れて下半身に熱が集まっていくのを感じた。
この人、エスパーか。
与えられた望み通りの快感に、全身がぶるりと震えた。
喉元を辿って襟を濡らす。
そのことをやけに鮮明に感じながらキスに没頭した。
「ん、ふっ、ふぁ…」
思えば、こんな情熱的なキスはいつぶりだろう。
行ってらっしゃいとか、おかえりなさいとかいうフレンチなやつはしてたけど、ただお互いの性感を高めるようなキスは久しぶりな気がした。
仕事にかまけて婚約者を放ったらかしにしてたなぁと今更反省した所で、起きてしまったことは起きてしまったことだし、キスしてしまったものはしてしまったものなのだ。
「余計なこと考えてるだろ」
唇を甘噛みされて思考を戻される。
「いや、放ったらかしにしてたなぁって…」
首筋にキスが落ちてくるのを感じながら白状すると、ちゅ、と音を立ててそこを吸われた。
「その分アンタも我慢してたし、浮気していい理由にはならんだろ」
マスターの手がスルスルとネクタイを外す。
そう言われるとそうなのだが、じゃあそれも浮気していい理由にはならない。お互い悪いことをしているのだ。向こうが先だったけど。
ボタンを外されてシャツの合わせ目を開かれる。唇が鎖骨まで降りてきて、非現実的な感触と酔いで頭がクラクラした。
そのまま脱がされて、首筋を支えてゆっくり押し倒される。
下へ下へと下がってくる唇がもう一度欲しくなって、肩を押した。
「なんだ、怖気付いたか?」
身体を起こして意地悪そうに笑いながらマスターが言う。
普段ならそんなこと絶対言えないが、今日は酔っているのだ。全部酔いのせいにしてしまおう。
「もっかいキスしてください」
マスターが目を見開いて固まった。
それから親指でふにふにと唇を揉む。
「…すぎるだろ」
呟きは上手く聞き取れなかったが、望みは叶えられた。
ペロリと湿らせた唇が降りてきて、口の端から順に優しく触れ合う。それが徐々に深くなってきて、ぬるりと舌が口内に侵入してきた。
「ぁ、ふ…、ん…」
信じられないほど甘い声が出て頬が熱くなる。頭に血が上ってフワフワした。
絡む唾液が妙に甘くて、もっと欲しくて舌を吸う。
じゅ、くちゅ、と濡れた音が漏れて、耳まで愛撫されてるような気分になった。
やがて糸を引きながら唇が離れる。名残惜しくて顎が上がった。
「いつまでもしてやりたいけど、先に進んでいいか?」
俺の望みを察しつつ、マスターの手が胸元を滑る。
「ん…どうぞ…」
その手の感触に身体が小さく震えた。
自分がそうすることはあっても、されるのは初めてで、未知の快感に背筋が粟立つ。
「まだ辞めれるから、嫌になったら言え」
マスターが優しく唇を吸いながら言う。
嫌悪感なんてない。与えられるのは快感ばかりで、辞める気にはならなかった。
このまま続けて欲しい。
ゆるゆると首を振ると、また頭がフワフワと揺れた。
「大丈夫、です。気持ちい…」
フワフワした頭のまま正直にそう言うと、マスターが少し息を詰めて、性急に唇での愛撫を再開した。
「・・・あんまり煽ってくれるなよ」
首筋を滑って鎖骨へ戻っていく。皮膚の薄いところを優しく噛まれて、ゾクゾクと痺れが走った。
胸元を撫でていた手が乳首をかすめてそのまま指先で揉まれると、そこから胸の奥がジン、と暖かくなる。
男のくせに、乳首は結構感じるのだ。婚約者には言ってなかったけど。
たちまちに硬く立ち上がったそこに唇が降りてきた。
先端を擽るように、ちろ、と舐められ、弱い刺激のもどかしさに腰が浮く。
「あ、もっと…」
そこを舐めて、噛んで、吸って欲しい。
きゅ、と頭を抱え込んだ。
「アンタな…」
胸元で囁かれてぞわりと快感が走る。
そのままベロリと舐められて、優しく歯を立てられた。ちゅ、と音がして吸われた先端をちろちろと虐められる。
ゾクゾクと首筋が痺れて下半身に熱が集まっていくのを感じた。
この人、エスパーか。
与えられた望み通りの快感に、全身がぶるりと震えた。
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