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【完結】冒険の書【ファンタジー/触手】
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抵抗する間もなく触手に四肢を拘束された。
突然のことに頭が混乱している。
快感?どういうことだ。何が起こった。
張り付けにされたような格好の拘束から逃れようと必死で身体を捩るが、持ち上げられた不安定な体勢ではうまく力が入らない。
「その子は魔力と人の精を好む。遊んで貰え」
魔王が無情に言い放った。
その言葉を理解しているのかしていないのか、触手が全身を這い回り始める。
装備の上から探るように弄られても何も感じない。感じないが、言いようのない危機感を感じて必死で抵抗した。
ぬるりとした粘液が塗りたくられて、撫でまわされる。
装備の隙間から入り込んできた触手が蠢いて、ぞわぞわと悪寒が走り抜けた。
触手は一定以上の知能があるらしく、的確に装備を外しにかかる。
精、とは。言葉通りの意味となると、俺の身体にこの先起こることは到底看過できない。
力の入らない身体を捩りながら魔王を睨みつける。
「卑怯な!正々堂々と戦ったらどうだ!」
俺の言葉に、魔王は呆れたように俺を見下ろす。
「馬鹿なのか?」
そして立ち上がってゆっくりとこちらに歩き始めたかと思うと、次の瞬間にはまた魔王の顔が目の前にあった。
「正々堂々、私の力を使うというのはこういうことなんだがな」
そして次の瞬間、視線の片隅に俺の装備が転がっている。触手の仕業だろうか。鎧はベタベタと濡れて光っていた。
ということは。
ハッとして自分の身体を見下ろすと、すべての装備と衣服を取り払われて無防備な裸体を晒していた。
「なっ!」
慌てて身体を縮込めて隠そうとするが、触手の拘束に阻まれてしまう。
直接粘液を塗り込めるように触手が動き回ると、ねっとりとした粘液と魔力に蝕まれてその気持ち悪さに身体が痺れた。
「じき、強請るようになるよ」
また、一瞬で玉座へ戻った魔王が言う。
駄目だ。これは、どうしようもない。
正々堂々と戦えば、俺は何をされたかも分からないうちに一瞬で地に伏しているだろう。
それでも諦めない。どこかに攻略法があるはずだ。
抵抗をやめることなく、魔王を睨みつける。
まずはこの拘束をどうにかしないと。
魔法で燃やし尽くしてしまえば…!
体内で魔力を練って、触手の根本に向かって炎の魔法を発動する。
「う、あぁ゛!」
しかし、魔法は発動せず、全身に自分の魔力が駆け巡った。
痛みのような、熱さのような迸りにゾクゾクと背筋が痺れて脳が一瞬白む。
「あぁ、その子の粘液は外に魔力を発せないようにする効果がある。自分の魔力に侵される気分はどうだ?」
この展開を読んでいたかのように魔王がクスクスと笑った。
「もうひとつ効果があるが、そろそろかな?」
面白そうに口元に笑みを浮かべながら魔王が言う。
その言葉とほぼ同時に、身体を這い回る触手から全身に痺れるような熱が灯った。
突然のことに頭が混乱している。
快感?どういうことだ。何が起こった。
張り付けにされたような格好の拘束から逃れようと必死で身体を捩るが、持ち上げられた不安定な体勢ではうまく力が入らない。
「その子は魔力と人の精を好む。遊んで貰え」
魔王が無情に言い放った。
その言葉を理解しているのかしていないのか、触手が全身を這い回り始める。
装備の上から探るように弄られても何も感じない。感じないが、言いようのない危機感を感じて必死で抵抗した。
ぬるりとした粘液が塗りたくられて、撫でまわされる。
装備の隙間から入り込んできた触手が蠢いて、ぞわぞわと悪寒が走り抜けた。
触手は一定以上の知能があるらしく、的確に装備を外しにかかる。
精、とは。言葉通りの意味となると、俺の身体にこの先起こることは到底看過できない。
力の入らない身体を捩りながら魔王を睨みつける。
「卑怯な!正々堂々と戦ったらどうだ!」
俺の言葉に、魔王は呆れたように俺を見下ろす。
「馬鹿なのか?」
そして立ち上がってゆっくりとこちらに歩き始めたかと思うと、次の瞬間にはまた魔王の顔が目の前にあった。
「正々堂々、私の力を使うというのはこういうことなんだがな」
そして次の瞬間、視線の片隅に俺の装備が転がっている。触手の仕業だろうか。鎧はベタベタと濡れて光っていた。
ということは。
ハッとして自分の身体を見下ろすと、すべての装備と衣服を取り払われて無防備な裸体を晒していた。
「なっ!」
慌てて身体を縮込めて隠そうとするが、触手の拘束に阻まれてしまう。
直接粘液を塗り込めるように触手が動き回ると、ねっとりとした粘液と魔力に蝕まれてその気持ち悪さに身体が痺れた。
「じき、強請るようになるよ」
また、一瞬で玉座へ戻った魔王が言う。
駄目だ。これは、どうしようもない。
正々堂々と戦えば、俺は何をされたかも分からないうちに一瞬で地に伏しているだろう。
それでも諦めない。どこかに攻略法があるはずだ。
抵抗をやめることなく、魔王を睨みつける。
まずはこの拘束をどうにかしないと。
魔法で燃やし尽くしてしまえば…!
体内で魔力を練って、触手の根本に向かって炎の魔法を発動する。
「う、あぁ゛!」
しかし、魔法は発動せず、全身に自分の魔力が駆け巡った。
痛みのような、熱さのような迸りにゾクゾクと背筋が痺れて脳が一瞬白む。
「あぁ、その子の粘液は外に魔力を発せないようにする効果がある。自分の魔力に侵される気分はどうだ?」
この展開を読んでいたかのように魔王がクスクスと笑った。
「もうひとつ効果があるが、そろそろかな?」
面白そうに口元に笑みを浮かべながら魔王が言う。
その言葉とほぼ同時に、身体を這い回る触手から全身に痺れるような熱が灯った。
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