【R18】BL短編集

【完結】皇帝ペンギン【甘め/微ハーレム】

7*

　首筋を舐めたり噛んだり吸ったりされて、くねくねと悶えてる間にシャツはすっかりはだけさせられていた。
「んっ、くっ、…ンッ」
　喉ぼとけを擽るように舌先で舐め上げられて肩がびくっと強張る。
　声を抑えないと、尋斗が起きてしまうかもしれない。
　それなのに朝日奈先生は、まるで「もっと鳴いて」と促すように脇腹をするりと撫で上げた。
「んふっ…ぅ」
　そのままその手が腹を辿って胸を擽る。中心を避けるようにくるくるとなぞって、ちょっともどかしくて胸を捩ったところできゅっと乳首を摘ままれた。
「ん、っ！」
　そこは今までのセックスでは意識もしたこともない場所だ。ただあるだけの器官だと思っていたのに、柔く摘ままれると、擽ったいような、痺れるような、変な感じが込み上げてくる。
　ふぅふぅと鼻で息をするのが苦しくなってきて口呼吸に切り替えると、飲み込み切れなかった涎が手の甲から手首に伝うのが分かった。
「倉木さん、凄く感じやすいんですね。…嬉しいです」
　喉元に唇を寄せたまま先生が低く囁く。声の振動にまるで喉の奥を直接振るわされているように錯覚してごくっと喉が鳴った。
　そのいつもとは違う低い声にも煽られてますます息が上がってしまう。
　そんな、こんなに感じたことない。きっと久しぶりだから身体がおかしくなってるんだ。
「せん、せ…、はっぁ、ずかし…、ぅぁッ」
　言葉の途中で乳首をかり、と引っかれて、そこから擽ったさとは違う確かな性感を感じて思わず声が上擦る。
　やがて首筋にちゅ、と優しくキスをした唇が、鎖骨を辿って、徐々に下へ滑り降りてきた。
　あ、それ、多分駄目なやつ。
　胸を捩って抵抗する。でもその抵抗なんてまるで意に介してない様子で先生の唇が乳首の正面までたどり着いた。ふっと息を吹きかけられただけでぞわっと背筋に痺れが走る。
　こちらを目線だけで見上げる先生の顔から目が逸らせない。どくどくと心臓が煩いくらいに脈打っている。
「…舐めますよ？」
　意識させるように囁いて、そうしたくせに覚悟を決める時間なんて与えてくれずに先生の唇がちゅ、と乳首に吸い付いた。
「んぅ…っ！」
　びりっ、と胸から電流のような快感が走る。その電流が治まらないうちに舌で転がされて、優しく甘噛みされて、身体がびくびくと跳ねた。
　乳首がぷつりと勃ち上がってじんじん疼いている。何度も優しく吸われて、舐められて、声を我慢するのが辛くて涙が浮かんできた。
　先生の肩に縋っていた手も口元に押し付けて両手で必死に声を抑える。そうすると余計に快感が身体の中を巡るようで、軽い酸欠も相まって頭がくらくら痺れてきた。
「は、はっ、せんせい、まって、くるし…っ」
　目を合わせて哀願すると、先生はちょっと眉尻を下げて残念そうに俺を見上げた。ちゅっと乳首に吸い付いてから、そっと舌を這わせながら身体を離す。そのわずかな刺激でも大げさに身体が跳ねてしまった。
「…お嫌でしたか？」
　心配そうに問いかけられて、慌てて否定するように首を振る。振ってから、それだとまるで気持ち良かったですと正直に伝えているようで顔が熱くなった。
「ち、違うんです…、その、そこは初めてで、苦しくて…」
　その言い訳もよく考えると恥ずかしい。
　それでも、朝日奈先生はぱっと笑みを浮かべてもう一度乳首に吸い付いた。ちゅ、ちゅ、と何度も優しくキスが落ちてきて、堪らなくなって身体を捩っている内に俺の両側についていた先生の両手がするりと脇腹を撫で降ろしてベルトに手を掛けた。