【R18】BL短編集

【完結】皇帝ペンギン【甘め/微ハーレム】

17*

　勢いよく突き込まれて脳がびりびりと痺れた。
「んぅ、っあァ！」
　抑えるものを失った口から堪えきれない明瞭な喘ぎ声が零れ出る。
　奥を抉られて、押し出されるように性器の先端から先走りが溢れ出した。そのまま奥を捏ねられると腰を溶かされるような快感が広がって、思わず膝が曲がって身体が小さく丸まった。
　抽挿が徐々に早くなってくる。
　中に居られるだけでも気持ちいいそれが、縁を擦って内壁を抉りながら奥まで潜り込んできて、行き止まりの壁にくちゅくちゅとキスをする。
「んっ、くっ、ぅぁっ、ぁくっ」
　動きに合わせて声が漏れるのを口先だけで必死に堪えると、乱れた呼吸がうまく紡げなくなってくらくらと眩暈がしてきた。脳が酸欠になると身体がぼやぼやとぼやけているような錯覚に陥って、腰を駆け巡る快感が波のように全身に広がる。
「倉木さん、我慢、しないで」
　先生の腰使いが段々遠慮のないものに変わって来た。
　じゅぷっ！ばちゅっ！と濡れた音が響いて、その音に合わせて腰から鋭い快感が込み上げてくる。その度に性器から先走りが滴って腹にたらたらと垂れた。
「～～～～っ！うっ、ぅんっ！」
　我慢しきれない声が一度漏れてしまうともう一度我慢なんてできなくて、少しずつ零れる声が大きくなってくる。
「そう、もっと。可愛い声聞かせてください」
　先生が熱っぽく囁いて奥の壁をぐりぐりとこね回した。
「うぁあッ、せんせ…っくぅうっ」
　腹の奥から込み上げてくる電流のような痺れにびくびくと腰が跳ねる。そうやって勝手に動いてしまう身体の動きすら気持ち良くて、逃げ場のない快感に視界がちかちかと明滅した。どんどん溜まってくるその波が腹の中で暴れている。
「そんなに我慢したら、後が辛いですよ？」
　行ったり来たり、先生はぐちゅぐちゅと内壁を虐めながら身体を折って俺の耳元に唇を寄せて、「それに」と続けた。
「ここ、したら、我慢できませんよね」
「っ！！」
　何をされるのか一瞬で理解して身を捩って逃げようとするのを押さえつけて、先生がぎりぎりまで引き抜いた性器で浅い所を擦り上げた。
　抵抗を封じられた全身に電気を流されたような鋭い快感の波が駆けずりまわって、額の辺りがぱちんと弾ける。
「っ、んぁああア！」
　両手は解放されたけど、声を我慢するどころじゃなかった。放り投げられるような快感の奔流に流されそうなのが恐ろしくて先生の腕に必死でしがみ付く。
　がくんっと身体が跳ねて、耐える間もなく強烈な絶頂に押し上げられる。
　触られてもいないのに達した性器からは水っぽい液体が断続的に噴き出して、腹の中を引きずり出されるような快感に何度も犯された。
「ひっ！せん、あっ、ひィッ！」
　先生はがくがくと跳ねる俺の身体を押さえつけて、お構いなしに浅いところと深いところを何度も擦り上げる。
　その度にばちばちと脳が弾けて目が眩んだ。あまりの眩しさにぼろぼろと涙が零れてきて頬を伝う。
「あっ！アッ！だめっ、またっ…！」
　浅い所を擦られる度に絶頂が押し寄せてきて、奥を捏ねられると性器からぷじゅっと水っぽい音がして射精より深い快感に腹の中が犯される。
「ハ、かわい…っ、くらきさん、っ、このまま…っ！」
　余裕なさげに上擦った声を出して、先生が一層強く腰を打ち付けた。
　腹の奥に熱湯のように滾った迸りを感じた瞬間、急にクリアになった意識が身体中の快感を拾い上げた。
「ひっ、ぁあ゛ァア！」
　脳の深い所からばちっとショートしたような音が聞こえて、全身が暴れまわるように痙攣する。
　ジェットコースターから振り落とされるような浮遊感が恐ろしくて先生の背中に縋り付いて爪を立てると、そのままきつく抱きしめられた。
「くらきさん、…ちひろさんっ。好きです、愛してる。僕に、愛させて…っ」
　耳元で捲し立てるように囁かれる言葉を聞きながら、俺の意識は蕩けていった。