215 / 300
【完結】開発事業は突然に【鬼畜/視姦】
3
しおりを挟む
(大樹の困惑を表現したかっただけなので、契約内容は斜め読みで問題ありません。でもちょっとだけ変わった契約もまぎれています。)
それからしばらくして。
俺は安物のスーツを着てくそでかいビルの最上階、いわゆる社長室の応接ソファに腰かけていた。
向かいには穏やかに微笑む高峰さん。
この人はいつもこうやって柔らかく微笑んでいて、おっとりした雰囲気を纏っている。癒し系だ。この人だからこそ安心して任せられると思ってしまう。
テーブルの上にはコーヒーと、びっしり文字の書かれた書類。
これは、いわゆる
土地譲渡契約書
本契約は、 甲 ホライズン・ハビタット 株式会社(以下「甲」という)と、 乙 朝霧 大樹(以下「乙」という)との間で締結されます。
第1条 譲渡土地の詳細
1.1 甲は、乙が所有している土地及び家屋(以下「土地」という)の権利を譲り受けることに同意します。
1.2 土地の所在地および境界線は、別紙の土地図面に示される通りとします。
第2条 譲渡条件
2.1 甲は、土地の完全な所有権を取得します。
2.2 譲渡に際して、乙は土地の引き渡しを行い、甲は土地の引き受けを行います。
2.3 甲は、土地に関連した全ての権利、請求、義務、責任および負担を引き継ぐことに同意します。
第3条 代金
3.1 甲は、土地の権利譲渡に対して、乙に対して合意した金額を支払います。
3.2 代金は、本契約の署名および監督人に証明された引き渡しの完了後、銀行振込により乙に支払われます。
第4条 契約の有効期間
4.1 本契約は、本契約書に甲乙双方の署名が行われた時点から効力を発揮します。
4.2 本契約の有効期間中、甲と乙は互いに誠実な協力を行い、本契約の条件を遵守することに同意します。
第5条 契約の解除
5.1 本契約の解除に関しては、別途書面による合意が必要です。
第6条 準拠法および管轄裁判所
6.1 本契約は、日本国法に準拠し、その解釈および効力はその法律に従うものとします。
6.2 本契約に関連して生じるいかなる紛争も、所在地の専属的な管轄裁判所で解決されるものとします。
以上、本契約書は甲乙双方によって十分に理解され、同意されたものとし、両当事者の代表者が署名したことにより発効します。
甲 ホライズン・ハビタット 株式会社
代表取締役社長 高峰 春斗
乙
あぁあ、俺こういうの一番苦手なんだよぉ。あのアパートを相続した時もわけがわからなくて両親の生命保険の特約についてた専門家に随分頼った。
かいつまんで説明して。甲と乙がどっちがどっちかわからなくなってくるんだよ。なんで素直に名前で書かないんだよ。
まぁ要するに、土地を売るのに同意しますよってことだろ?
俺はその契約書をじっくり斜めに読んでから、高峰さんの署名の下に署名した。高峰さんの分と、自分の分と。それから掠れないように時間をかけて捺印。
その契約書をテーブルに置くと、高峰さんが新しい書類を取り出す。
「ありがとうございます。では次に、こちらが朝霧さんを私が雇うという旨の契約書です」
個人間雇用契約書
本契約は、甲 高峰 春斗(以下「甲」という)と、 乙 朝霧 大樹(以下「乙」という)との間で締結されます。
第1条 雇用の項目
1.1 甲は、乙に対して自宅の家政夫としての雇用を提供します。
1.2 乙の主な職務は、家事全般(掃除、洗濯、料理等)および依頼されたその他の雑務を適切に処理することです。
1.3 乙は、家政夫として甲の自宅に住み込みで働くことに同意します。さらに、甲と乙は、口頭での合意が書面に記録されない場合であっても、その合意が本契約の一部となり、それに従うことが予期されることに同意します。
第2条 雇用条件
2.1 雇用期間:本契約は、本契約書に甲乙双方の署名が行われた時点で効力を発揮し、当事者いずれかが書面による通知を行わない限り、無期限に継続します。双方の合意があった場合にのみ、契約の解除が行われる場合があります。
2.2 労働時間:乙は週25時間を努めて働くものとします。ただし、甲の要請に応じ、必要に応じて柔軟な勤務時間を調整することに同意します。
2.3 休暇:乙は、週に2日の休暇を取ることができます。休暇は事前に甲と調整するものとします。
2.4 賃金および支払い:甲は乙に、労働の対価として月給として250千円を支払います。給与は、手渡し及び銀行振込によって1ヵ月ごとに支払われます。
第3条 労働条件の変更
3.1 労働条件の変更に関しては、甲と乙の双方の合意が必要です。変更が必要な場合は、書面による合意が必要となります。
第4条 保密義務
4.1 乙は、甲が指定しない限り秘密情報を甲の同意なく第三者に開示または利用しないことに同意します。
第5条 契約の解除
5.1 本契約は、以下のいずれかの場合に解除されることがあります。
a) 甲または乙のいずれかが書面により提出した合意書による契約解除。
b) 重大な契約違反のため、他方から解除通知を受けた場合。ただし、甲は乙との契約を解除するつもりはないことを明確に示し、乙または他者が契約書を故意に破棄等した場合、甲は乙に対して適切な措置を取る権利を留保します。
第6条 衣食住の保証
6.1 甲は、乙に対して、適切な居住環境、食事、および衣服を提供します。乙の基本的な生活需要についての配慮が行われます。
第7条 準拠法および管轄裁判所
7.1 本契約は、日本国法に準拠し、その解釈および効力はその法律に従うものとします。
7.2 本契約に関連して生じるいかなる紛争も、所在地の専属的な管轄裁判所で解決されるものとします。
第8条 その他の規定
8.1 本契約において、乙は甲の要望や希望において、最大限の配慮と協力をいたします。乙は甲の意思を尊重し、速やかに必要な対応を行います。
以上、本契約書は甲乙双方によって十分に理解され、同意されたものとし、両当事者が署名したことにより発効します。
甲 高峰 春斗
乙
今日だけで1週間分の文字を見た気がする。読んではいない。見ただけだ。
これも要するに高峰さんが俺を家政夫として雇うって話でしょ?うん分かった。
軽い眩暈を感じながらこちらにも同様に署名しようとボールペンを手に取る。
「…本当にいいんですね?」
高峰さんは顎を引いて探るような上目遣いで俺を見た。
うん、同意の上で署名しますよ。
その目を見つめ返してしっかり頷くと、高峰さんはすっと目を細めた。
署名捺印して、はい、契約成立。これであなたは俺のボスだ。
「よろしい、着いて来い」
それからしばらくして。
俺は安物のスーツを着てくそでかいビルの最上階、いわゆる社長室の応接ソファに腰かけていた。
向かいには穏やかに微笑む高峰さん。
この人はいつもこうやって柔らかく微笑んでいて、おっとりした雰囲気を纏っている。癒し系だ。この人だからこそ安心して任せられると思ってしまう。
テーブルの上にはコーヒーと、びっしり文字の書かれた書類。
これは、いわゆる
土地譲渡契約書
本契約は、 甲 ホライズン・ハビタット 株式会社(以下「甲」という)と、 乙 朝霧 大樹(以下「乙」という)との間で締結されます。
第1条 譲渡土地の詳細
1.1 甲は、乙が所有している土地及び家屋(以下「土地」という)の権利を譲り受けることに同意します。
1.2 土地の所在地および境界線は、別紙の土地図面に示される通りとします。
第2条 譲渡条件
2.1 甲は、土地の完全な所有権を取得します。
2.2 譲渡に際して、乙は土地の引き渡しを行い、甲は土地の引き受けを行います。
2.3 甲は、土地に関連した全ての権利、請求、義務、責任および負担を引き継ぐことに同意します。
第3条 代金
3.1 甲は、土地の権利譲渡に対して、乙に対して合意した金額を支払います。
3.2 代金は、本契約の署名および監督人に証明された引き渡しの完了後、銀行振込により乙に支払われます。
第4条 契約の有効期間
4.1 本契約は、本契約書に甲乙双方の署名が行われた時点から効力を発揮します。
4.2 本契約の有効期間中、甲と乙は互いに誠実な協力を行い、本契約の条件を遵守することに同意します。
第5条 契約の解除
5.1 本契約の解除に関しては、別途書面による合意が必要です。
第6条 準拠法および管轄裁判所
6.1 本契約は、日本国法に準拠し、その解釈および効力はその法律に従うものとします。
6.2 本契約に関連して生じるいかなる紛争も、所在地の専属的な管轄裁判所で解決されるものとします。
以上、本契約書は甲乙双方によって十分に理解され、同意されたものとし、両当事者の代表者が署名したことにより発効します。
甲 ホライズン・ハビタット 株式会社
代表取締役社長 高峰 春斗
乙
あぁあ、俺こういうの一番苦手なんだよぉ。あのアパートを相続した時もわけがわからなくて両親の生命保険の特約についてた専門家に随分頼った。
かいつまんで説明して。甲と乙がどっちがどっちかわからなくなってくるんだよ。なんで素直に名前で書かないんだよ。
まぁ要するに、土地を売るのに同意しますよってことだろ?
俺はその契約書をじっくり斜めに読んでから、高峰さんの署名の下に署名した。高峰さんの分と、自分の分と。それから掠れないように時間をかけて捺印。
その契約書をテーブルに置くと、高峰さんが新しい書類を取り出す。
「ありがとうございます。では次に、こちらが朝霧さんを私が雇うという旨の契約書です」
個人間雇用契約書
本契約は、甲 高峰 春斗(以下「甲」という)と、 乙 朝霧 大樹(以下「乙」という)との間で締結されます。
第1条 雇用の項目
1.1 甲は、乙に対して自宅の家政夫としての雇用を提供します。
1.2 乙の主な職務は、家事全般(掃除、洗濯、料理等)および依頼されたその他の雑務を適切に処理することです。
1.3 乙は、家政夫として甲の自宅に住み込みで働くことに同意します。さらに、甲と乙は、口頭での合意が書面に記録されない場合であっても、その合意が本契約の一部となり、それに従うことが予期されることに同意します。
第2条 雇用条件
2.1 雇用期間:本契約は、本契約書に甲乙双方の署名が行われた時点で効力を発揮し、当事者いずれかが書面による通知を行わない限り、無期限に継続します。双方の合意があった場合にのみ、契約の解除が行われる場合があります。
2.2 労働時間:乙は週25時間を努めて働くものとします。ただし、甲の要請に応じ、必要に応じて柔軟な勤務時間を調整することに同意します。
2.3 休暇:乙は、週に2日の休暇を取ることができます。休暇は事前に甲と調整するものとします。
2.4 賃金および支払い:甲は乙に、労働の対価として月給として250千円を支払います。給与は、手渡し及び銀行振込によって1ヵ月ごとに支払われます。
第3条 労働条件の変更
3.1 労働条件の変更に関しては、甲と乙の双方の合意が必要です。変更が必要な場合は、書面による合意が必要となります。
第4条 保密義務
4.1 乙は、甲が指定しない限り秘密情報を甲の同意なく第三者に開示または利用しないことに同意します。
第5条 契約の解除
5.1 本契約は、以下のいずれかの場合に解除されることがあります。
a) 甲または乙のいずれかが書面により提出した合意書による契約解除。
b) 重大な契約違反のため、他方から解除通知を受けた場合。ただし、甲は乙との契約を解除するつもりはないことを明確に示し、乙または他者が契約書を故意に破棄等した場合、甲は乙に対して適切な措置を取る権利を留保します。
第6条 衣食住の保証
6.1 甲は、乙に対して、適切な居住環境、食事、および衣服を提供します。乙の基本的な生活需要についての配慮が行われます。
第7条 準拠法および管轄裁判所
7.1 本契約は、日本国法に準拠し、その解釈および効力はその法律に従うものとします。
7.2 本契約に関連して生じるいかなる紛争も、所在地の専属的な管轄裁判所で解決されるものとします。
第8条 その他の規定
8.1 本契約において、乙は甲の要望や希望において、最大限の配慮と協力をいたします。乙は甲の意思を尊重し、速やかに必要な対応を行います。
以上、本契約書は甲乙双方によって十分に理解され、同意されたものとし、両当事者が署名したことにより発効します。
甲 高峰 春斗
乙
今日だけで1週間分の文字を見た気がする。読んではいない。見ただけだ。
これも要するに高峰さんが俺を家政夫として雇うって話でしょ?うん分かった。
軽い眩暈を感じながらこちらにも同様に署名しようとボールペンを手に取る。
「…本当にいいんですね?」
高峰さんは顎を引いて探るような上目遣いで俺を見た。
うん、同意の上で署名しますよ。
その目を見つめ返してしっかり頷くと、高峰さんはすっと目を細めた。
署名捺印して、はい、契約成立。これであなたは俺のボスだ。
「よろしい、着いて来い」
32
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる