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【完結】部屋とワセリンと鋏【甘め/鏡】
18*
しおりを挟むぐっ、ぐっ、と断続的に腰を引き寄せられて、その度に腹の奥を無理矢理抉じ開けられるような圧迫感が込み上げてくる。
「う゛っ、あ゛、…あぅ゛…ッ」
突かれる度に押し出される息と一緒に呻き声が漏れるのを止められない。とにかく息を吐いていないと圧迫感に押しつぶされそうで、はぁはぁと荒い息を吐く開きっぱなしの口からは止めどなく涎が零れていた。
少し進んでくる度に「もう無理、もう入らない」と思うのに、一拍後にはまた少し奥まで暴かれる。
「ひっ、い゛、…ぃかわッ…、も、くるし…ッ」
堪らず泣き言を漏らせば、腹の中に埋まった性器がひくんと跳ねて、後ろから「はぁ」と熱っぽい吐息が落ちてくる。
くそ、興奮してんじゃねぇよ…!
「もう、すこし。あと半分くらい」
ここまでの道程を思い出して「全然あと少しじゃない」と文句を言ってやりたいのに、口を開くのと同時にまた奥を暴かれて「あぅ゛!」と濁った声が漏れた。
それでも、奥を拓かれて苦しい反面、抜かれる時にずるりと中を擦られると言いようのない快感が込み上げてきて背筋がぞくぞくと痺れる。プラマイゼロ…いや、ちょっとプラス。苦しいだけで、痛くはない、から。
縁を引っ張るくらいのギリギリまで引き抜かれて、取って返して奥に戻ってくる時に腹側のしこりをずるりと抉られるせいで、さっきまでの快楽地獄が脳裏にフィードバックして頭の奥が何度もちかちかした。
「は、あっ、ぉい、かわぁ…」
決して痛みを感じさせないとでもいうかのように、ゆっくりゆっくり、ほんの少しずつ開かれる行為に恐怖心はすっかり霧散してしまって、代わりに擦られる度に込み上げる快感を求めて腹の奥がきゅうきゅうと疼き始める。
ヤバ…、奥…っ
ほんのりとした期待が込み上げてくる。
これ、奥擦られたら凄んじゃない…?
「あっ、…ッ!!ひ…ッ、あ…ッ!」
期待すればするほど、掲げられた腰の中心で重力に従って下を向いた性器から先走りが糸を垂らしたようにとろりと溢れてシーツを汚す。
「…は、いぬ、つか、…イイ、か…?」
そんな、期待している自分に不安を感じている最中に、背後から掛けられた余裕のなさげな声に煽られて背筋を逆撫でされたみたいにぞくんっと全身が粟立った。
「ッ…ん…あ…っ」
広げられた縁と、虐め抜かれた気持ちいい所と、腹の奥と、全部が疼いて肩が小刻みに跳ねる。
同時に咥え込んだものを無意識にきゅん、と締め付けてしまって、自分で勝手に感じた圧迫感に喉が仰け反った。
う、そ…ッ
一瞬、頭の中が気持ちいいで一杯になった。
全身がざわざわと痺れて脳の浅い所がちかちかと弾けている。
「あえ…?…ッ、…?」
身体の内側に緩い電流のような痺れが走りまわっている。
その痺れが首筋の辺りをぱちぱちと擽るもんだから、それが快感だと気付いてしまったらもうダメだった。
「ん、ッ、んんンぅ~~ッ!!」
肩が跳ねて、腰が跳ねて、指で散々味合わされた快感の記憶に腰が逃げを打つ。それを引き寄せられて奥まで一気に貫かれても、脳が白むだけで痛みなんて一切感じなかった。
「アッ!イくぅ!!」
暴かれて擦り上げられる快感と腹の奥に感じた衝撃に押し上げられて、もう何も出ないくらいまで枯らされてたはずの性器からぴゅくりと精液が溢れる。
「うぁあッ、イッ、…!!」
性器の内側に迸る射精感。勢いなんてないのに、確かに射精したとわかるその感覚にぞくんと脊椎に電流が走った。
深い所が熱い。腹の奥をみっちり貫いた芯が中でびくびくと跳ねている。それを勝手にひくつく中が締め付けて、中での感じ方を探っている。
「…く、っ…!!」
低い呻き声と同時に、身体を後ろから抱き込まれた。少し起こされた背中にぴったりと合わさった肌からどくどくと重い鼓動が伝わってくる。
「あ…、あ…、おいかわぁ…」
熱い。中がぞくぞくして、気持ちいい。
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